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山崎元のマルチスコープ
【第158回】 2010年12月1日

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]


就職内定率の低水準に思う「年齢差別禁止法」の必要性


(前略)

来年新卒者の就職内定状況の悪さの主因は、企業が人員の削減を主として新卒者の採用抑制で行おうとしているからだ。既存の正社員を簡単には解雇出来ないので、採用の抑制で人員を減らす訳だが、1年分では目標に達しないので、翌年の採用をさらに抑えることで対応しようとした結果、今年は昨年よりももっと酷い状況になってしまった。

(中略)

全体的な不況で、雇用情勢全般が厳しいのは仕方がないとしても、そのしわ寄せが特に「新卒」に集中して、しかも、「新卒」の時期の就職を逃すと、好条件な企業の正社員になることが難しい。新卒就職の可否で職業人生の相当部分が不可逆的に決まってしまう状況は過酷だ。


(中略)
世代間不平等を解消するために

この調子では来年も顕著な改善は見込めないだろうから、問題は、昨年・今年・来年辺りに大学を卒業する年代全般に及ぶ。

厚労省の調査によると、20代、30代(20歳〜39歳)の男性で正社員は51%が結婚しているが、非正社員は17%しか結婚していないという。就職難は、日本の一層の少子化にもつながっている。

現在の世代にのみ不況の影響を集中させないためには何が必要だろうか。


先ずは、「新卒」という区分の廃止ではないだろうか。

たとえば、同様の能力を持っている求職者に対して、23歳なら採用できるが、26歳なら不採用だというのは、明らかに差別的だ。企業としても、個人をより丁寧に評価すべきだろう。日本もそろそろ年齢による雇用上の差別を禁止すべき頃合いではないだろうか。もちろん、既卒業者で他の企業に勤めていた求職者も、分け隔て無く選考対象にすべきだ。

候補者の選考に関して細かく規制で縛ることは望ましくないが、一定規模以上の事業所には、採用の際の選考基準の明示を義務づけることと、その中で年齢、職歴を基準にしないことを求めることが必要ではないだろうか。

「新卒」の年齢にこだわらなくていいとなれば、学生もゆっくり大学院に行くこともできるだろうし、必ずしも第一志望の会社でなくても職業経験を積んでから希望の会社に再チャレンジしやすくなる。

(中略)

加えて何よりも、正社員解雇のルール確立が必要ではないだろうか。

若手世代が集中的に割を食う現状の多くは、不況に対する人員整理が年代によらず必要に応じて行えないことに起因している。つまり、空きが出来ないから若手が就職しにくいし、企業としてもコスト調整が遅れている。

一定の金銭的補償の下に整理解雇、指名解雇が出来る法的な枠組みを作るべきだろう。現状では、不当な解雇を受けても争えない労働者が中小企業を中心に多数居たり、いじめに近い嫌がらせを受けて自主退社に追い込まれるような悲惨なケースが発生している。解雇の際の補償条件を法的に決めておくことは、多くの「弱い労働者」にとってメリットとなるのではないだろうか。

もちろん、企業の側にとっても、人員整理の際のコストを前もって見積もることが出来るから、経営計画が立てやすくなる面がある。

何れにせよ、「新卒」の範囲を一時的に拡げたり、就職協定を復活させるような小手先の対応ではなく、雇用に関する制度全般を抜本的に見直すべき時期ではないだろうか。その際には、(1)人材の流動性を高める施策であること、(2)企業と労働者の選択の自由を拡大する施策であること、(3)年齢、経歴などによる差別を排除するものであること、(4)労働に対してなるべく早い時点で報いる制度とすること(長期雇用による報酬の長期延べ払いを解消すること)、の4点が必要だと思う。

(了)




辻広雅文 プリズム+one
【第118回】 2010年12月2日

辻広雅文 [ダイヤモンド社論説委員]



「成長率も失業率も低い社会」と「成長率も失業率も高い社会」のどちらを選ぶか〜ノーベル賞受賞の「サーチ理論」で解く日本の労働市場


2010年のノーベル経済学賞は、サーチ理論と呼ばれるモデルの構築に対し、米マサチューセッツ工科大学のピーター・ダイヤモンド教授ら3氏に決まった。サーチ理論は労働市場の分析に極めて有効だ。今井亮一・九州大学准教授に、サーチ理論から見た日本の労働市場の特質を聞いた。「失業率は低いが、成長率も低い」という特質が浮かび上がる――。


(中略)


国によってリーマンショックの影響度が異なるのは、各国に固有の構造的要因があるからだ。日本については、二つのことが言える。第一に、そもそも失業率が低い。第二に、リーマンショックによってGDPは10%以上減少したのに、失業率は1.5%程度しか増えなかった。

その理由を解明するために、サーチ理論の分析手法は極めて有効なのだが、これ以降はその分析によって得られた結論だけを述べる。

第一に、失業者のためのセーフティネットが他の先進国ほど充実していない。雇用保険の適用期間、金額が生活を保全するほどのものではなく、受給資格も厳しい。さらに、一度職を失うと次の仕事では低賃金に甘んじざるを得ない場合が多く、しかも最低賃金も極めて低く設定されている。つまり、失業すると手ひどい状況に追い込まれる。それを、国民がよく知っている。

第二に、企業から見れば、整理解雇が極めてしにくい。企業が従業員を整理解雇するには厳格な4要件が必要であることが、判例で固まってしまっているからだ。

第三に、政府は「整理解雇の4要件」に代表される労働法制を維持する一方で、雇用調整助成金によって失業者を増加させない政策方針を採っている。

労働者は解雇されまいと必死になり、企業は極めて解雇しにくく、政府はその構造を崩さないように支援しているという構造だ。

――他の先進国の失業率が高い理由は何か。

理由はさまざまに考えられるが、たとえば、米国はセーフティネットが充実しているわけではないが、解雇規制が日本より緩和されている。欧州はセーフティネットの整備が進んでいて、労働者が解雇、失業を日本ほど恐れない、と言われている。


――失業率が極めて低く、他国に比べて雇用状況は安定しているが、経済の低迷は20年も続き、成長率は極めて低い。それはどうしてか。

失業率と成長率は、トレードオフの関係があるからだ。

解雇されたくなく、また解雇しにくいという構造の結果、失業率が低いということは、会社を辞めて次の仕事を探そうとする人が少ないつまり、労働市場の流動性が低い、ということだ。流動性の低い労働市場からは、イノベイティブな新しい事業、産業は生まれにくい。また、現在の仕事の生産性が極めて低いにもかかわらず、雇用が維持されているために会社の生産性が向上せず、ひいては産業界の生産性が向上せず、日本経済の成長率を低下させている可能性がある。

逆に言えば、セーフティネットの充実や解雇規制の緩和などの労働市場改革を行うと、失業率は上昇し、国民負担は増加する。だが、企業は解雇がしやすくなることで、低生産性の事業を廃止して高生産性事業に集中することができる。また、流動性が高まることで、能力の高い人が能力の低い人にとって代わって仕事をするようになるので、生産性が向上するようになる。

(後略)



何度も言うけど、うちの業界にも通底する問題。
この問題に目を瞑り、「弱者切り捨て」などと政府批判をするなど、
チャンチャラおかしい。
政府を批判する前に、自分たちの足下の弱者を救済してはどうか?

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