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(公式サイトより引用)
アメリカのボストン美術館は、世界有数の日本美術コレクションを所蔵する美術館として知られており、その質の高さ、膨大な作品数から、近年では「浮世絵の正倉院」とさえ通称されています。中でも浮世絵はコレクションの中心であり、5万点にのぼる版画、7百点以上の肉筆画、数千点の版本が含まれ、現在もなお調査整理が続けられています。またその過半は、1882年から8年ほど日本に滞在したウィリアム・スタージス・ビゲローによって収集されたもので、現在日本では所蔵を確認することができない貴重な作品が多く含まれていることでも注目されます。
本展覧会は、ボストン美術館に所蔵される浮世絵の中でも、最も華やかに錦絵が展開した天明・寛政期 (1781-1801)を取り上げ、鳥居清長(1752-1815)、喜多川歌麿(?-1806)、東洲斎写楽の名品を中心に、同時代の浮世絵師の作品を加えた約140点を展示します。ボストン美術館の幅広い浮世絵コレクションだからこそ可能な、スター浮世絵師たちによる錦絵の華麗な競演をお楽しみください。
主 催 千葉市美術館 ボストン美術館 日本経済新聞社
後 援 米国大使館
特別協賛 フィデリティ投信
協 賛 大日本印刷
協 力 日本航空
(引用終わり)
先月、行ってきました。
鳥居清長の作品を1度にまとめて見たのは初めてですが、たいへん優れた技量の浮世絵師ですね。
優美な美人風俗画は、まさに江戸情緒の結晶。
鳥居清長と東洲斎写楽は同時代の絵師なので、三代目瀬川菊之丞や中山富三郎など同じ歌舞伎役者を題材にした絵があります。同じ役者を違う絵師が描くと、どのような差が出るか。それを実物で見比べることができたのは面白かったです。
写楽が短期間で活動を止めた理由について、大田南畝が『浮世絵類考』で「あまりに真を画かんとして、あらぬさまにかきしかば、長く世に行なわれず、一両年にして止む」と説明していることは有名ですが、清長の流麗な役者絵と比較すると、写楽のそれは確かにひどい(笑)
特に女形の描写に関しては、容貌の欠点を「写実的に」描く写楽の容赦ない姿勢は突出しており、同時代において頗る不評であったことは容易に想像できますよね。
http://ameblo.jp/tonton3/image-10817224703-11106333381.html(清長の三代目瀬川菊之丞)
http://img.pics.livedoor.com/001/d/d/ddb169aa81c2b8984e1f-LL.jpg(写楽の三代目瀬川菊之丞)
あと興味深かったのは「雛形若菜の初模様」というジャンルの浮世絵。雛形とは、見本帳のこと。若菜の初模様とは、正月に初めて着る着物の柄のことです。つまり「雛形若菜の初模様」は、遊女に新作着物を着せた江戸のファッションカタログなんですね。浮世絵の美人画が遊女プロマイドであったというのは知っていましたが、江戸時代にモード誌まであったんですね。う〜む、驚き。確かに新作ファッションを宣伝するには最高の広告媒体でしょう。
喜多川歌麿の「江戸高名美人 高しまおひさ」も面白かったですよ。当時は遊女だけでなく、高島屋おひさや難波屋おきたといった一般の看板娘も美人画のモデルになっていたんですね(後に素人を美人画に描くのは禁止される)。今で言うところの「読者モデル」とか「美人すぎる○○」みたいなものでしょうか??
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