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事業仕分けの功罪

岸博幸のクリエイティブ国富論

岸 博幸(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)

【第62回】 2009年10月30日



小泉・竹中改革への意趣返しと中身のないパフォーマンスでは日本がダメになる!
〜国民新党の暴走と行刷会議の迷走を憂う

 臨時国会が開会し、所信表明で鳩山総理の政権構想が示されましたが、現実はまだそれに伴っていないように思えます。官邸の国家戦略室が機能していない点が特に問題であることはこれまでも指摘してきましたが、ここに来て新たな問題も明らかになりました。一つは行政の無駄を取り除くはずの行政刷新会議が逆に新たな無駄を生み出しつつある、もう一つは日本郵政の人事で公約違反が露呈した、という点です。

事業仕分けより背後にある法律改廃こそ行政刷新会議のやるべき仕事

 最近の行政刷新会議を巡る報道は、事業仕分けを行うチームの国会議員の人選に党側がクレームをつけたことに集中しています。確かに、官僚出身者以外の一年生議員に予算の是非や無駄を見極められるはずがなく、相談なく一年生議員を多数任命したことに小沢代表が怒るのは至極もっともです。しかし、それは表面的な問題に過ぎません。

 より本質的な問題は、行政刷新会議が“事業仕分け”で予算の無駄を削減することに本当に意味があるのか、ということです。事務局長を務める加藤秀樹氏が率いるシンクタンク“構想日本”が自治体などで行ってきた手法をそのまま適用するようです。その手法自体の有効性を否定する気はありませんが、そうした作業は財務省の主計局に任せるべきではないでしょうか。

 もちろん、予算の中には様々な無駄が潜り込んでいますので、それらを削減することは大事です。ただ、各省庁が要求しているそれぞれの予算には、法律などの根拠があります。時代が変化する中でそうした根拠自体が無意味になっている場合も多いのであり、予算を大きく削減するためにはそうした予算の大元となる法律や規定の見直しや改廃の方が必要であり、かつ、それの方が政治家にふさわしい仕事ではないでしょうか。

 事業仕分けの定義が分からないので一概には言えませんが、事業仕分けがそうした根本の部分に踏み込まず、単に既存予算の無駄を切るのみならば、予算のノウハウを知り尽くしている財務省主計局の方がよっぽどうまいはずです。それを、選挙で選ばれた政治家が代替する必要はないように感じます。政治家はもっと踏み込んだ予算の大元の改廃に取り組むべきではないでしょうか。それは規制改革であり、不要な法律の廃止です。

 そうした大元をいじらずに予算の無駄を一生懸命探すという重箱の隅をつつくような作業だけでは、予算の大胆な削減は不可能です。実際、報道によると、各省庁の概算要求の総額が95兆円を超える中、行政刷新会議は3兆円を事業仕分けで削減するつもりのようですが、財政状況を考えると削減は少な過ぎますし、政治が挑むべき目標とは言えません。

 重箱の隅をつつくことだけをやろうとしているから、そうなってしまうのです。その程度ならば、財務省主計局に任せればすぐにでも削減してくれるはずです。今回は240程度の事業、合計5兆円の予算が対象のようです。2ヶ月で5兆円の予算しか精査できないとなると、一般会計と特別会計の合計200兆円すべての事業仕分けをするのに6年以上かかり、マニフェスト実現までの4年間では終わらないことになります。
(後略)


週刊・上杉隆

上杉隆(ジャーナリスト)

【第101回】 2009年11月12日

事業仕分けの情報公開は、健全な民主主義への一歩前進だ

 きょう(11月11日)、行政刷新会議のワーキングチームによる事業仕分けがスタートした。東京・新宿の国立印刷局市ヶ谷センターで3つのワーキンググループが同時に作業を行う。
 希望者は誰でも傍聴が可能だ。初日のきょうは激しい雨にもかかわらず、早速入り口には行列ができた。行政の無駄遣いへの国民の目はそれほど厳しいのだろう。
 議長である鳩山首相は95兆円と見込まれる予算のうち約3兆円を事業仕分けによって節約したいとしている。結果はどうであれ、新たに踏み出したこの試み自体は評価されてしかるべきだ。

 事業仕分けの評価作業は、次の5段階(場合によっては6段階)に分けられる。
 まず、最初に考慮されるのは(1)「必要性」だ。本当に社会から求められている事業かどうかを判断し、「不要」となれば対象から外される。
 次は(2)「担い手」についての検討だ。本当に国が担うべきものか、あるいは地方の方が適していないかどうかが議論される。これによって国の事業ではないとされれば、地方自治体に委ねられる。
 その次は(3)「緊要性」が考慮される。作業によって、本当に来年度予算の中で行うべき事業かどうか判断される。仮に緊要性に欠けるとなれば、来年度予算に入れることは見送られる。
 次に(4)「内容・手法」への評価が行われる。本当に、事業の内容・組織・制度等に改革の余地はあるのかどうかを議論し、ここで了となっても、(5)「改革」として、さらなる改廃、改善が探られる。
 その上で(6)「規模」としての予算の大きさの必要性を評価し、場合によっては縮減をするという選択肢が採られる。

 これが仕分け作業の流れだが、次に具体的なその手順を説明する。
 まず各省の担当者が5分程度で事業説明を行い、そのまま財務省主計官(局スタッフ)が3分程度で査定を表明して、各ワーキンググループの取りまとめ役が論点を整理する。
 これらを総合し、いよいよ議論に移るための主テーマを設定し提示する。
これからが本番の評価のスタートだ。国会議員、民間評価者、担当の副大臣と政務官による議論と質疑が約40分程度行われ、評決の結果、ひとつめの作業は終了する。
 これを、各WGが個別事業ごとに繰り返すのだ。

 ちなみに、きょう初日のWGの内訳は次の通りであった。
 第一WGは、国土交通省と農林水産省の事業仕分けで、主に道路、港湾、河川などの公共事業の評価が行われた。
 第二WGは厚生労働省で、診療報酬の配分などの見直しが検討された。
 第三WGは文部科学省の事業仕分けで、スポーツ・芸術分野の予算評価が行われた。

古川副大臣が実現させたネットでの完全動画中継

 いずれにしても、これまでの自民党政権であれば、ほとんど折衝もなく無条件で認められていた予算事業ばかりである。新聞・テレビなどのメディアにはその効果を疑問視する声が多いが、過去と比べればよりマシと考えてもいいのではないか。
 実際、初日から議論は白熱し、会場に来ていた一般傍聴者の声を2、3拾うと、その真剣な作業ぶりに感心していたようだ。

 今回の仕分け対象は、予算にかかる国家事業のうちの約10分の1の447事業に及ぶ。余談だが、そこには全省庁にある記者クラブの経費は入らなかった。記者室が公費でまかなわれていることを考えれば、対象に入れても不思議ではない。その旨を会場に来ていた古川元久内閣府副大臣に述べると、苦笑いをしながら別の話題に変えた。

 さて、作業自体のモデルは、加藤秀樹事務局長のシンクタンクである「構想日本」が、これまで地方自治体を対象に培ってきた事業仕分けの手法を踏襲している。その点、行政刷新会議の中核に加藤氏がいることは大きい。一般人の傍聴が完全オープンでの作業形式も、加藤氏が続けてきた手法だ。
 今回、より情報公開が進んだのは古川副大臣のおかげだ。インターネットによる完全動画中継を実現させたのだ。これによって、地方に住む国民もライブで仕分け作業を監視することができる。

「少しばかりおカネはかかったけど、やってよかったよ」
 会場で作業を見守っていた古川氏は、筆者の姿を見つけると、その試みについてこう語った。

 だが、対象事業の中には、予想外のものも含まれているためか、さっそく閣僚から不満が漏れているという。
 北沢俊美防衛大臣からは、思いやり予算を評価の対象にしていることに疑義が呈されたという。前原誠司国土交通大臣も直轄事業までも見直すという方針に疑問を持っているという。

 しかし、「聖域なき見直し」を標榜している鳩山内閣全体としては、ありとあらゆる事業の仕分けを目指すことは当然である。閣僚たちの努力が求められるだろう。
 相変わらず意気軒昂なのは亀井静香金融大臣だ。事業仕分け作業についても、国民新党、社民党の議員が外されている、として早速平野官房長官に噛み付いた。

 いずれにしろ、紆余曲折と混乱はあるが、こうした議論が起こること自体、健全になった証ではないか。なによりこうしたやり取りがすべて国民の前に曝されるのだ。政治と行政の透明化は健全な民主主義の構築に不可欠である。
 事業仕分けは年内まで続く。とりあえず今回の作業は来週の17日(火)まで同所で開かれている。これ以上の行政の無駄遣いを許さないためにも、さらなる監視の目が必要だ。

 これまで50年以上も霞が関の好き勝手にさせてきた予算編成。その監視を怠ってきた記者クラブメディア。
 この際、そうした頼りない人たちに任せず、東京近郊在住者ならば、ぜひ一度、その目で生の政治の動きを確かめてみてはいかがだろうか。
 政治家や官僚、そして大手マスコミの不正や不作為を防ぐには、なにより国民の目が最強の武器になるのだ。

岸博幸のクリエイティブ国富論
岸 博幸(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)

【第61回】 2009年10月23日

前原国交相の正しい暴走と亀井郵政・金融担当相の勘違い暴走

この1週間くらいの間に、民主党政権のプラス面とマイナス面が明確に出たにも関わらず、マスメディアがそのインプリケーションを正しく論評していないように思えます。そこで、今週はこの問題について解説させていただきます。


前原大臣の頑張り

 評価すべきプラスの面は、前原国土交通大臣の頑張りです。八ツ場ダムでもそうでしたが、羽田のハブ空港化についても、政治主導のトップダウンで大胆な政策転換を表明しており、政策決定の手法として民主党が目指す姿を体現していると評価すべきです。

 そこで同時に明らかになったのは、周りの利害関係者が政権交代の意味をまだ理解していない、ということです。例えば、羽田については森田千葉県知事などの地元関係者が大騒ぎしましたが、そこでの発言は、「話を聞いてない」、「地元の過去の経緯を無視している」といった類いのものばかりでした。

 しかし、こうした発言ほどレベルの低いものはないと思います。そういう言い方をする人たちは、まだ民主党政権になって1ヶ月しか経っていないのに、もう自民党政権時代のやり方(根回しや時間をかけた調整による利害関係者すべてに配慮した問題解決)が恋しくなっているとしか思えません。それが日本を弱くしたのであり、政権交代とはそうした昔ながらのやり方との訣別を意味しているのです。それを理解していれば、上記のような情けない発言とは違った言い方ができたはずです。八ツ場ダムについてもまったく同じことが言えると思います。

 要は、政権批判をする以前に、利害関係者がまだ政権交代の現実を理解できていないことが、前原大臣の決定に歯向かう人たちの言動から明らかになっているのです。それにも関わらず、官邸やメディアの人たちの間で、前原大臣批判の声が出始めていることが気になります。前原大臣は至極正しい行動をしているにも関わらず、政権交代の現実を理解しないダメな人たちの反対の声を気にするようでは、本末転倒になってしまうのではないでしょうか。


予算編成のメチャクチャ

 これに対して、評価できないマイナスの面も二つ明確になりました。一つは、政権にマクロ経済運営の観点が欠如してしまっているということです。

 来年度予算の編成が始まりましたが、全省庁の概算要求は合計で95兆円となりました。財務大臣は90兆円以下に削減したい意向のようですが、予算に関する政府の取り組みはバラバラと言わざるを得ません。

 社会保障などの必要な支出を確保することは当然ですが、それに加え、マクロ経済に関する分析を踏まえどの程度の規模の政府支出が必要かという議論が必要なはずです。そうした経済運営と財政運営の一体化こそ、小泉時代の経済財政諮問会議が目指したものでした。しかし、今の政権にはそうした観点からの議論は一切ありません。小泉以前に大きく逆行してしまったのです。

 加えて、95兆円という異常な金額になったことの背景も考える必要があります。その理由としては、第一にまだ官邸、特に国家戦略室が十分に機能していないと言わざるを得ません。官邸が最初に何も方針を示さなかったことが、無秩序な概算要求につながったのです。第二に、各省庁の大臣が既存予算の削減を十分にできていないと言わざるを得ません。そうした中でマニフェストの内容も実現しようとしたら、予算が膨れ上がるのは必定ではないでしょうか。

 もちろん、政権奪取からまだ1ヶ月しか経ってない試運転の期間であり、かつ自民党政権が悪化させた財政を引き継がざるを得ないという不幸な面もあるので、現時点で政権批判をするのはフェアでないと思います。

 しかし、これは政権よりもメディアの側の問題になりますが、国債を巡る議論だけは許容できません。税収は今年度の当初見通しで46兆円でしたが、景気悪化で40兆円を切ると言われています。その中で国債増発止むなしという雰囲気になっており、50兆円という数字もメディアで流布していますが、国債発行額の比較対象が今年度発行額の44兆円というのは明らかにおかしいです。

 そもそも今年度の当初予算での新規国債発行額は33兆円でした。小泉時代も30兆円以下に抑えるという方針が貫かれていました。44兆円という額自体が異常であり、それを上回る国債発行など本来はあり得ないはずです。予算や国債発行額の膨張は、金融市場から見た国の信頼に大きく影響します。最悪、国債金利の急上昇という悪夢にもつながりかねません。


 そう考えると、政権にマクロ経済や国債市場なども睨んだ総合的な経済財政運営の機能が欠如しているのは致命的です。このままでは、消費税増税という安易な道に進みかねないのではないでしょうか。
亀井大臣の暴走再び

 もう一つのマイナス面は郵政です。日本郵政の西川社長が辞任を表明したことはともかく、その後任に斎藤次郎氏が内定したと亀井大臣が発表しました。このこと自体、二つの意味で異常であることを理解すべきです。

 第一に、脱官僚、天下り撲滅を目指す政権が元大蔵官僚の“渡り”を自ら行おうとしています。いわば、政府公認の渡りを率先することになります。それ自体は強く批判されてもしょうがないのではないでしょうか。ちなみに、斎藤氏が本当に社長に就任したら、日本郵政の代表執行役は三人すべてが元官僚になりますので、人事の上では日本郵政はいよいよ国営会社か特殊法人に近い幹事になります。

 第二に、亀井大臣は明らかに法律を無視しています。今後日本郵政の会社形態をどう変えようと自由ですが、少なくとも現段階では今の法律が適用されます。そして、今の法律の下では日本郵政は委員会等設置会社という民間企業になっており、経営者などの人事は指名委員会が決定することになっています。

 従って、指名委員会が開催されていない段階で大臣が「内定」という言葉を使うこと自体、実は法律に背く行為であるはずです。法治国家としてはちょっと異常なことではないでしょうか。ついでに言えば、斎藤氏自身も記者会見をしていますが、指名委員会で決定されていない段階で会見に臨むこと自体も不見識と言わざるを得ません。

 私は、日本郵政の形態を見直すことに異議を唱える気はありません。政策には唯一無二の正解などなく、複数の解が存在し得ますので、四分社化以外の別の形態もあって然るべきです。ただ、今回の人事だけは、それ以前の常識レベルの問題であり、モラトリアム発言と同様に亀井大臣の暴走、しかも昔の悪い自民党と同じレベルの暴走と言わざるを得ないのではないでしょうか。

 そう考えると、今の民主党政権には、前原大臣のような正しい暴走と、亀井大臣のような悪い暴走の両方が共存していると評価できます。そのどちらが今後の政権の中核となるかで、民主党政権の今後が決まるのではないでしょうか。

大前研一の「産業突然死」時代の人生論
本当の「高速無料化」と借金返済計画はこれだ

2009年9月29日

 民主党が掲げる「高速道路無料化」に批判が相次いでいる。

 日本道路公団法ができた昭和28年頃には国が貧しくて税金では高速道路をつくれない。だから20年間だけ有料とし、その後は無料にします、ということであった。この法律を反故にして民営化の道を走り始めたのはまさに小泉内閣の仕業である。わたしは当時から道路公団を廃止して、高速道路を国道「ゼロ号線」として法律通り無料にすべきだ、と主張してきた。

 今、民主党のマニフェストにある高速道路の無料化に関してさまざまな異論が出てきており、民主党も腰が定まらなくなっている。いずれ無料で開放されることが国の約束であり、本来的には喜ばしいことであるはずだが、なぜ批判を受けるのか。民主党の提示した案そのものに問題があるからにほかならない。一番問題になるのは、これまでの建設に要した莫大な借金である。その返済を先延ばしするだけの民主党プランでは、何も解決しない。

 そこで今回は、わたしが約7年前の2002年11月11日に作成した資料「高速道路問題」を皆さんにお見せしたい。当時、わたしはこの資料にある「プレート課税と無料化」に関しては雑誌などでも繰り返し発表し、自民党や民主党の幹部、それこそ麻生元首相や石原東京都知事にも、説明した資料である。今、これを公開するのは、わたしの説明に対して、政治家の理解がどれくらいズレてしまうのかを知っていただきたいからだ。そして今からでも遅くないので、わたしの「プレート課税による高速道路無料化」案を正しく理解してもらい、不毛な議論に終止符を打ってもらいたいと思うからである。資料に記されたデータは当時のものであることをお断りしておく。

(中略)

支出の半分以上が金利・償還費、建設費・維持管理費は半分以下

 以上が道路公団民営化議論の前提となる問題点である。そしてここからが本題になる。つまり「莫大な借金をどうやって解決するか」だ。

 下の図は、日本道路公団の資金収支の内訳である。収入の大半は、財政投融資と貸入金だ。道路公団の5.5兆円の収入のうち料金収入は2.1兆円に過ぎない。そして支出はと言えば、道路建設費と維持管理費で2.2兆円。驚くべきことに支出の半分以上は金利・償還費なのである。


 少々余談になるが、先般、日本経済新聞社が都道府県知事に対して行った調査によると、高速道路無料化を支持する知事はわずか3人しかいなかった。全国の知事のほとんどが無料化に反対した理由は、単純に自分の地域でまだまだ高速道路が欲しいからだ。しかし、高速道路をつくるための予算はわずか1.4 兆円に過ぎない。借金全体から見れば大きな比率ではない。むしろ金利や償還費といった借金返済プランの部分をしっかり考える必要がある。

 上の図で見た通り、高速道路を建設・維持するには2.2兆円あればいい。そうであれば、日本道路公団運営費分を道路財源でまかなって高速道路を無料化する可能性を模索できるではないか。そこで、わたしは課金シミュレーションを行ってみた。その基になるのが、わたしのアイデアである「プレート課税」である。

 自動車(保有車両)にはナンバープレートが付いている。プレート課税とは、そのナンバープレートを使って固定料金を課金しようというアイデアだ。自動車には、貨物車、乗合車、乗用車、特殊用途、二輪車といろいろな種類がある。さらに自家用車と営業車にも分かれている。

 高速道路を利用する自動車には、固定料金を払ってもらい、その金額に応じた色のナンバープレートを付けてもらう。色の付いたプレートを付けた自動車だけが、高速道路を自由に走ることができるようにする。高速道路を利用しなければ、固定料金を払う必要はなく、今と同じ普通の白いナンバープレートのままになる。仮に白いプレートのまま高速道路を走っている車があれば、オービスなどで見つけて後で請求すればいい。また料金所を一つだけ残しておき、都度料金を払ってもらっても良い。


大前流プレート課税なら10〜13年で借金が返済できる

 ナンバープレートに固定料金を課金する方法を使って、借金を返済するプランをシミュレーションしてみよう。まずは貨物車なら自家用で20万円、営業用で30万円。乗用車なら自家用で1万円、営業用で10万円という料金プランで考える。他の種類の自動車については下の表で確認してほしい。こうして課金すると年間で3兆7000億円の収入になる。そうすれば金利3%で計算しても13年で39兆円の借金を返済できることになる。

 固定料金を上げれば、返済期間はもっと短くなる。仮に自家用の乗用車の費用を3万円にするプランであれば(下の表)、課金収入は年間4兆7000億円となり、これなら10年で返済できる。

 つまりプレート課税を実現すれば、現役世代で莫大な借金を10〜13年で返済できるのだ。その代わり10年経ったらプレート課税を廃止して高速道路はすべて無料にする。ここが当時の小泉プランとの大きな違いだ。小泉プランでは50年後に借金を先送りする。しかし、少子高齢化の日本では人口が減っていく。民主党のプランも借金を返済する部分が欠落しているために「財源の裏付けがない」と批判されている。たまりにたまった借金を少子高齢化の日本国民に返済させるのは気の毒だし、事実無理だろう。だからこそ我々現役世代で解決すべきなのだ。これが「大前流のプレート課税」である。プレート課税は借金返済のための手段、と言って良い。

 では、次に高速道路の建設と維持をどのするのか、という部分を考えよう。

現在の予算内でも新しい高速道路の建設と維持管理ができる

 忘れてならないのは道路特定財源だ。下の図をご覧いただきたい。地方道路の財源として2.3兆円、国の財源として3.5兆円、合わせて5.8兆円の道路特定財源がある。ほかにも一般道路財源として5.2兆円、財政投融資として1.9兆円があるので、全部で7.1兆円もの財源が道路のために用意されている。先ほどの日本道路公団の支出5.5兆円と合わせて年間13兆円弱もの予算で道路をつくっていた。

 その約13兆円のうち2.2兆円、すなわち17%程度を捻出することは無理な話ではない。この2.2兆円とは、日本道路公団の支出のうち、ちょうど道路建設と維持管理に使われた額だ。つまり道路建設・補修などを少し削って2.2兆円が捻出できれば、今までと同じだけの高速道路をつくり続けて、古い道路の維持管理もできてしまうのである。ここでガソリン税は高速道路には使えないと言い張る族議員もいるが、その法的根拠は乏しい。


借金は現役世代できっちりと返していこう

 プレート課税方式で借金を返済すれば、現在の予算内で新しい高速道路を建設し、かつ維持管理することも可能なことがわかるだろう。しかも、新しくつくった高速道路を国道とすれば有料ではなく、一般道路と同じく無料化できる。道路関連予算を高速、一般と識別する必要もなければ自治体との軋轢もなくなり、両者の有機的な運営もできるようになるからである。財源を一元化するとどういうことになるのかを示したのが下の図である。


 今の一般道路の財源も地方税から来るものと国税から来るものなどが合計5.8兆円、そして財投や一般税源からも7.1億円が道路の維持費や建設費などに回されていることが分かる。国道、地方道などすべて合計すれば実に12.9兆円もの金が使われていることが分かる。このほかにも農水省の管轄する農道や林道予算がある。したがってこれらをすべて同じ釜に入れて料理する、というのがわたしの発想である。そういう見直しで30%はカットできる、というのがわたしの考えであるが、議論を進める上ではそこまで要らないので、17%=2.2兆円のカットをする、ということで議論を先に進めた。民主党の言っている国の縦割り行政を排除して、地方に一括予算をつけてしまえば、さらなる無駄・重複の排除が可能なことは言うまでもない。

 ここで削った2.2兆円を今の道路公団の維持管理費・運営費と建設費にそのまま充てるのである。これは一般道路の財源から充てているので、高速道路も当然一般道路、すなわち無料の国道ゼロ号線ということになる。

 道路公団を悩ませているのは借金に対する金利や償還費の3.3兆円である。道路公団をなくして国道にしてしまえば、この部分の財源がなくなる。わたしが借金を返済する間は今の世代で負担しよう、とプレート課税の概念を持ち込んだのはこの部分に対してである。借金39兆円(道路公団の年間負担3.3 兆円)に対してどのくらい現役世代が負担すべきか、という試算はすでに本稿の初めの部分で示してある。

 結論を繰り返せば、乗用車が年間1万円負担すれば13年間、3万円の負担で10年となる。無責任に50年間も先送りしたり、上場でどのくらいの売却益がでるのかも定かでないものに期待しないで、この部分を現役世代できっちりと返していこう、というのがわたしの提案の骨子である。

 当然、上に示した案を採るのであれば、道路公団は解散し、国道の保守・維持・建設などをする部隊がこの作業にあたることになる。これまた大騒ぎする必要もないことで、法律には公団の寿命が20年と書いてあるのだから、それ以上長生きした喜びを持って成仏してもらえばいいだけのことである。


民主党は勉強し直して正しい無料化の姿を理解せよ

 識者と言われる人の中には、高速道路の無料化で渋滞がひどくなる、とか、環境が悪化する、と言う理由で反対論を展開している人もいるが、愚論である。どこの国でも高速道路の渋滞は起こっている。有料でも無料でも起こっているのは変わりない。1000円で週末が混むようになったのは、週末だけにそうするからだ。いつでもどこでも無料となれば、誰も無駄な走行はしない。アメリカでもドイツでも高速道路は無料が原則だが、長期休暇などでは慢性的な渋滞が起こる。だから、渋滞を避ける方法や休暇を集中させない、などの対策が採られている。

 民主党はこうした反発に腰が引けて、首都高速などは当面無料化しない、と言っているが、これまた信じられない方針転換である。産業と生活の基本インフラは国営化し、無料で提供する、というポリシーがしっかりしていれば、何があっても無料化をすべきであり、混むかどうかなどでポリシーを変えるべきではない。混むなら一般道路を通ればいいのだし、長い間には自然なバランスができ上がる。それでも設計が悪くて渋滞が発生し安いところはネックの解消のために新しいバイパスをつくるなどして進化していけばいい。

 民主党は結党以来およそ10年、ようやく悲願の第一党になった。これを機会に自民党政治とは違うところを国民に見せてほしい。高速道路無料化の正しい姿を理解し、「自民党は借金を積み重ねるだけで、それを次の世代に背負わせようとしていた。しかし、それは間違いだ。現役世代に10年だけ我慢してもらえれば、将来に借金を残すことはない」と力強く宣言してもらいたい。(後略)



大前方式の場合、高速道路は乗り降り自由になるので、現行の「休日はどこまで行っても1000円」より遙かに便利で、渋滞抑止効果も高い。「割引」では料金収受業務も温存されるし、ファミリー企業の「高速道路利権」もなくならない。

早稲田青空古本市

第24回早稲田青空古本祭開催!
〜早稲田古書店街最大のイベント!読書の秋はワセダから!〜


第24回早稲田青空古本祭を10月1日(木)〜10月6日(火)まで穴八幡宮境内にて開催致します。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。

      
読書の秋はワセダから・・・
〓第24回 早稲田青空古本祭〓

毎年恒例の穴八幡宮境内・早稲田青空古本祭が今年も開催されます。 今年は正面参道が工事中ということもあり、本殿、立石書店側からの入場口のみとなります。使用スペースも少なくなるので、今年はワゴンセールとして開催します。ワゴン約90台を並べます。 テント使用できず、雨天中止です。ただし止んだ場合の再開ありです。14軒参加(台は15軒分)です。どうぞよろしくお願いいたします。

▼開催日時
2009年10月1日(木)〜10月6日(火) 
10:00AM〜19:00PM(最終日17:00まで)雨天中止(再開あり)
▼会場 
穴八幡宮境内(地下鉄東西線早稲田駅下車すぐ・早大文学部前)
東京都新宿区西早稲田1番11号 (※会場への行き方は下記参照下さい。)
(引用終わり)



早く行かなければ。



第七回 大江戸神輿まつり IN 木場公園

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 庶民の町「木場」が現代的変化を遂げた象徴ともいえる都立木場公園に於いて、都内・関東周辺および遠方からの10団体以上の著名神輿同好会による「連合渡御」「大江戸神輿コンテスト」ならびに「江戸伝統文化展及び芸能公演」を開催します。

 江戸の華とも言える「神輿」と、江戸下町に位置する木場公園のシンボルである「木場大橋」とのコラボレーション。粋な町「木場」で、賑やかで勇壮な神輿と、華やかな江戸伝統文化展や芸能などの江戸情緒をお楽しみ下さい。

【日時】平成21年10月11日(日)(小雨決行)

11:00〜16:00

【場所】都立木場公園 江東区平野4−6−1 → yahoo地図

* 東京メトロ東西線「木場」下車 徒歩15分
* 都営大江戸線「清澄白河」下車 徒歩20分
* 都営新宿線「菊川」下車 徒歩20分
* 都営バス業平橋駅前行または新橋行(業10)「東京都現代美術館前」下車 徒歩5分
* 駐車場有(有料)



第21回人形町「てんてん祭」


日時 平成21年10月11日日曜日
11:30〜16:00
場所 人形町大通り
(水天宮交差点より人形町交差点まで)
主催 人形町商店街 三水会
協力団体 国際セラピードック協会
沼津市
きよはら鬼怒川ロマンの会
甘酒横丁商店街
後援 人形町商店街協同組合
東京都中央区
協賛企業 ユニマットキャラバン株式会社・株式会社伊藤園・荒汐部屋・キリンビール株式会社・(株)グループファイブ・ギンビス・バイソン・興産信用金庫人形町支店・澤の鶴・サッポロビール株式会社・牛乳石鹸・芝信用金庫日本橋支店・損保ジャパン・大豊建設株式会社・宝酒造株式会社・東京穀物商品取引所・明治座・東京シティ信用金庫日本橋支店・株式会社日庄・東京メトロ・日本通運東京支店・株式会社福進・株式会社桃屋・ヒゲタ醤油株式会社・ロイヤルパークホテル・住庄ホテル
(敬称略・順不同)
趣旨 てんてん祭は人形町が長い歴史の中で育んできた伝統を広くアピールするために人形町商店街協同組合の協力団体である三水会の主催で平成元年にスタートし、今年で21回目の節目を迎える恒例のイベントです人形町は都心にありながらも江戸時代から続く老舗の多い、粋と情緒を色濃く残す東京の代表的な下町です。人形町と縁の深い水天宮にあやかり、十月十日(とつきとおか)から連想して“てんてん祭”と致しました。今年は戌の日と重なり、たくさんの方に楽しんでいただけるイベント内容をご用意いたしました。

大前研一の「産業突然死」時代の人生論
鳩山民主が直面する雇用、農業、外交問題

2009年9月8日

(前略)


JAや農水省を含めた利権構造を壊し、新しいビジョンを示せ

 兼業農家の農業による収入は2割程度で、残りはサラリーマンや自営業など別の仕事で稼いでいる。農家というよりは農家もどきと言ったほうが正しい。自民党は農家もどきの人たちに優しい政治をして、相続税や固定資産税などで優遇してきた。自動車や旅行などの費用も青色申告者と同じように経費として落とせるようにしてきている。したがって、農業としては成り立たなくなっても、廃業する必要がなかったので票田としては1000万票に近いものがここに残ってしまった。農業基盤事業整備などの公共工事をやって農地を拡げる一方で、減反政策を進めるという「税金の無駄遣い」が自民党政治の基本であった。一方の専業農家は、減反政策の煽りをまともに受けるなど大変な苦労をして、それでも収入は減少してきている。農林水産省と農協およびその上部団体は日本の農業を有名無実なものにし、結局、農業生産性は改善しない、食糧自給率は落ちる、などの信じられない無責任な政策をひたすら追い求めてきたのである。

 政府が「農業を守る」というのなら、援助をすべきなのは専業農家か、それとも農家もどきか。改めて問うこともあるまい。優遇を受けているだけの利権屋を小沢代表代行が潰すなら、その背景を理解した国民・生活者は民主党政権の方向を支持するだろう。食糧安保論者などがネガティブキャンペーンを展開しても動じる必要はない。すべての統計データを用いて、日本の農業が世界でも稀なカネをかける一方で劇的な衰退をしてきている姿を国民に示すだけで十分である。

 高齢化した農家のほとんどは後継者がいないし、そのように魅力のない産業をジャブジャブの資金援助で守ってきた膿を一気に出してしまうべきだと考える。JA全中や全国農業協同組合連合会(JA全農)、そして巨大な資金を貯め込んでいるが(サブプライムショックで巨大な損失を出した)経営は素人以下の農林中金、といった組織を含めて農業の全体像を作り替えなければ、日本の農業は正常化しない。いっそのこと橋本行革を無傷で生き残った農水省も解体して、「国民胃袋省」あるいは「食糧調達省」、など生活者の視点からの役所に作り直してもらいたい、とわたしは考えている。

 今回の一連の流れにおいて、小沢代表代行が決して謝罪せずに「相手にする必要はない」と突っぱねたのは画期的な出来事であった、とわたしが評価するのはこうした背景があるからだ。もし彼(および民主党)の意図がJAグループを解体するところまで視野に入れていたとすれば、日本の農業の景色は確実に変わる。また、農業団体が集票力を背景に巨大な利権を維持してきたことも、過去のものとなるだろう。そうなれば、自民党がその業界につけ込んでサービス合戦をする意味も永久に葬り去られることになる。

 民主党が農家の生活保障をするのはいいことだが、もっと大切なことは国民生活者の立場で、最も安全で良質な食糧を日本人自らが世界の最適地で栽培し、調達してくることである。日本の農業者が世界のアグリビジネスの経営者になる、という発想が求められている。小沢代表代行の言うアメリカから自由に買い付けてくる、というだけのFTAでは不十分である。新政権にはそうした新しいビジョンを持ち込んでもらいたいものだ。


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