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日本史

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武田信玄のラブレター

日本史業界および日本史マニアの間では有名ですので、
御存知の方も多いでしょうが、

武田信玄のラブレターというものがございます。それも男への。

(東京大学史料編纂所が所蔵)
正確には、弁解のお手紙と言った方が近いですが。

一、弥七郎にしきりに度々申し候へども、虫気の由申し候間、了簡なく候。全くわが偽りになく候。
一、弥七郎伽に寝させ申し候事これなく候。この前にもその儀なく候。いはんや昼夜とも弥七郎とその
    儀なく候。なかんづく今夜存知よらず候のこと。
一、別して知音申し度きまま、急々走り廻ひ候へば、かへって御疑ひ迷惑に候。

  この条々、偽り候はば、当国一ニ三大明神、富士、白山、ことには八幡大菩薩、諏訪上下大明神、罰
  を蒙るべきものなり。よって件の如し。内々宝印にて申すべく候へども、申侍人多く候間、白紙に
  て。明日重ねてなりとも申すべく候。

     七月五日            晴信(花押)

                  春日源助どの



拙訳。
一、弥七郎を何回も誘ったが、腹痛などと言って断られた。これはウソではない。
一、弥七郎に伽をさせ一緒に寝たことはない。以前にもそんなことはない。まして昼も夜もアレをやった
  なんてことはない。特に今夜やろうなどとは考えてもいない。
一、何とかお前と結ばれたいと一生懸命努力しているのに、かえってお前に疑われて困っている。

 これらの条々にもしウソがあったら、この国の一ニ三大明神・富士・白山の神、更には八幡大菩薩、諏訪上下大
 明神の罰を蒙る。
 こっそり牛玉宝印の裏に書こうと思っていたが、自分の側に人が多くいるので、(人目につかないよう)普通の白い
 紙に書いた。明日になったらもう1度誓詞を書く。(それはちゃんと牛王宝印に書くからね)


つまり、
信玄がお小姓の源助に「なあ、今夜いいだろう?」と誘ったら、最近、信玄が弥七郎に手を出していることを知ってやきもちを焼いている源助が、「あれ、今夜は弥七郎をお呼びになるんじゃないんですか?」とつれない返事をして、信玄があわてて「浮気なんてしてない! 俺が愛しているのはお前なんだ!!」と手紙を出したという構図です(/ω\*)



いわゆる「武士道」というのは、こういう「男と男の愛」を含むものなんですが、何か?

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永田議員の「ホリエモン送金メール問題」に関しては、
「情報分析」という観点から歴史研究者のブログでも言及されています。
私もその驥尾に付そうかと。

一般の歴史愛好者の場合、あまり縁のないことですが、
実証主義を旨とする歴史研究者にとっては、
「情報の信憑性」の議論は極めて関わりの深い問題です。
史料に書いてあることを鵜呑みにするようでは研究者失格であり、
書かれている内容の真偽を丹念に吟味し、事実を明らかにする。
その精度によって研究者の能力と姿勢は測られるのです。

永田氏のように情報の発信源を解明しないままに「事実」と断定するのは愚の骨頂です。
情報が正しいかどうかは、第一に情報の出所が信頼できるかどうかにかかっているのですから。
歴史研究者並みの慎重さがあれば、永田氏もガセネタをつかまされることはなかったでしょう。


昨今は(歴史学の外部から)「歴史とは畢竟、物語である」という主張が喧伝されるようになり、
それに乗せられちゃっている人も少なからずいるような気がします。
歴史教科書問題で、学界関係者でない知り合いと話した時、次のようなことを言っていました。

 1つの歴史的事件を巡っても、日本、中国、韓国によって、解釈が違ってくる。
 一体、何が真実なの か、見極めるのが難しくなっている。時も経過しているしね。
 それこそ、タイムマシーンが欲しくなる時がありますよ。


「どうせ本当のことなんて分からないのだから、何を書いてもいい」的な風潮。
実に憂うべきことです。
私に言わせれば、いわゆる「新しい歴史教科書」は、思想うんぬん以前に、
実証レベルで間違いが多すぎます。(この点については多くの日本史研究者が意見の一致を見ている)
今ではだいぶ直っているようですが、そもそも最初の段階で、あれほど誤りが多いのは問題があります。
執筆陣は歴史教科書を、ひいては歴史を甘く見ていませんか? 
過去の事実への尊敬を欠いたところには、何も生まれません。
歴史は、自分の身勝手な主張を正当化するための道具ではありませんよ。

確かに客観的真実など、(仮にタイムマシンがあったとしても)分かりようがありませんが、
だからといって、
「だから、どんな歴史観でも許容されるのだ」という暴論に陥ってほしくはありません。
完全には分からないことを認識した上で、それでも、少しでも真実に近づこうとする努力こそが、
歴史学の営為に他ならないのですから。
歴史学者がごくごく些細な事実の確定に血道を上げるのは、
1つには、そのような厳しくリアルな認識の上に立脚しているからです。
方法論的懐疑と言いましょうか、まずは疑ってかかる。
疑って、疑って、疑いつくした後に、浮かび上がってくる一筋の真実。それをすくいとる、つかみとる。
こうした地味な作業の上に、歴史観というものは構築されるべきであって、
自分の好みに合わせて好き勝手な歴史像を描くことは許されません。

しかし、一般には歴史学者のそうした態度は知られておらず、
(これは学界側にも大きな責任があるわけですが)、
未だに「歴史=暗記科目」というイメージが色濃くつきまとっています。
「新しい歴史教科書」は、これを血湧き肉躍る「物語」にすることで打破しようとしたわけですが、
そういう形での打破が正しいかどうかは疑問符がつくところです。

学校における歴史教育というのは、特に「日本史」教育というものは、
「国民」の統合(創出)という役割を担っているので、
どうしても押しつけがましいというか、詰め込み型になりがちですが、
義務教育たる中学まではそれで仕方ないにせよ、
高校では、歴史的事実というものを、どのようにして「発見」していくのか、
その方法論を教えていってもよいのではないかと考えています。
「真実」なるものを上から教え込むより、
「真実」を見つけだす方法を教えてあげた方が遥かに有益ではないでしょうか。

歴史学の方法論は、情報が氾濫し、何が真実だかかえって分からなくなっている、
現実感が失われつつある現代社会において、一定の有効度を持っていると考えています。
いわばメディア・リテラシー的な発想です。
まあ、これに拘りすぎると、「歴史学」というよりは「史料学」になってしまう気がしますけど。

マルクス主義が崩壊し、拠るべき思想が無くなった混迷の時代。
そんな今こそ、歴史学の本当の出番であると信じています。

靖国神社への首相参拝を肯定する論者の中には、
その理由を「靖国神社は日本の伝統的な文化・宗教だから」
とする方々がいる。

既に高橋哲哉『靖国問題』などで批判されているが、
一応、日本史研究者としての立場からまとめておきたい。


まず靖国は日本の伝統的な「文化」ではない。
靖国は旧日本軍の軍人・軍属の戦死者のみを祀っている。
外国人はもとより、
政府と敵対した「賊軍」の戦死者(旧幕府軍や西郷隆盛など)も
祀られていない。

これに対し、
明治以前の日本では、「敵味方供養」が一般的である。
つまり敵の戦死者も味方の戦死者同様に供養するのである。
戦陣に随行する時衆の僧(陣僧)は敵味方を問わず戦死者を埋葬したし、
戦後には敵味方戦死者のために施餓鬼会を催し、供養碑を建てた。

これは仏教の「怨親平等」の思想に基づくものだが、
日本では御霊信仰(怨霊信仰)の影響もあって、
怨霊鎮魂のための作善としての性格をも持っていた点に留意する必要がある。
たとえば足利尊氏の天竜寺建立は、
亡くなった後醍醐天皇の菩提を弔うためのものだが、
背景には後醍醐への哀惜の念だけではなく、
後醍醐が怨霊化して祟りをなすことへの恐怖の念もあった。

注目すべき点は、対外戦争においても、
敵の戦死者を供養している点である。
たとえば北条時宗の円覚寺建立は、
開山の無学祖元の法語によれば、
蒙古合戦における彼我両軍戦没者の霊を弔うためだという。
また豊臣秀吉の朝鮮出兵に参戦した島津義弘は、
戦後、高野山奥の院に「高麗陣敵味方戦死者供養碑」を建てている。

靖国は日本の伝統文化というより、
近代戦争を勝ち抜くための「国民皆兵」体制を支える装置であり、
近代ナショナリズムの産物である。
したがって機能面から見れば、むしろアーリントン墓地に近い。
(靖国は墓地ではないが)
「アメリカにアーリントン墓地があるのに、日本に靖国があって何が悪い」
というのなら話は分かるが、
「日本の文化なのだから守らなければならない」という主張は、
事実誤認ないしは意図的な世論誘導ということになる。


また靖国が「宗教」でない点については、
daigoさんの『玉葉』でも指摘がある。
そもそも中近世においては神仏習合が一般的であって、
仏教色のない純粋な神道というものは存在しなかった。
天照大神を祀る伊勢神宮でさえ、
天照大神=大日如来という本地垂迹説を受容している。

久米邦武が「神道は祭天の古俗」で喝破したように、
本来、神道=神祇信仰とは、
地域性の強い呪術的な共同体信仰、
すなわちアニミズム的な土俗信仰にすぎなかった。
そして明治になって「国家神道」の基礎に据えられた王権神話も、
各地の神祇信仰の上に乗っかったprimitiveなものにすぎなかった。
神道が「宗教」と呼び得る普遍性と体系性を獲得したのは、
実は仏教との結合後、神仏習合後であった。

したがって仏教を完全に排除した「国家神道」とは、
明治期に新たに創造されたものであり、
キリスト教などと同一に論じることは、根本的に間違っている。

日本史研究者の資質

イメージ 1

文系の研究者全般に求められることかもしれませんが、
とりあえず私の属している日本史の世界に限定して。

日本史学というのは伝統ある学問領域であるだけに、
研究手法は良く言えば堅実、悪く言えば地味なものです。
天才的な閃きよりも日頃の地道な研鑽がものを言います。

高校の日本史の授業を受けたり
大学受験の日本史の問題を解いたりした経験から、
「日本史ってのは、何でこんな細かいことまで覚えなきゃならないんだろう?」
と思った方は1人や2人ではないと思いますが、
日本史を研究する側に回ったら、
それどころではありません。
もっともっとマニアックなことを調べなくてはいけなくなります。

私などは、
「こんな細かいことを調べてどうするのだろう?」
「こんな小さなことが分かったところで、何だというのだろう?」
と、常日頃から思っています。

ここ2年ぐらいでようやく気づいたのですが(遅っ)、
私のような怠け者は、日本史の研究に向かないんですね。
ものを調べるとか、じっくり解釈・分析してみるとか、
そういう面倒なことは大の苦手であり、
思いつきで結論を導いてしまう。

そもそも、そんな日本史好きじゃないし(爆)
これほど日本史研究者に不的確な性質を有しながら、
なぜ日本史の院生をやっているのか?
我ながら不思議に思えてきました。


先生方の話を聞いている分には面白いんですがね、
いろいろと想像を巡らすのも楽しいんですがね、
論理を組んでみたりするのもウキウキしますがね、
どうも地道な努力ができない人間でしてね。
すぐ楽してゴールへ行こうとしちゃうんですなあ。


真に偉大で独創的な研究というのは、
泥臭い地道な作業の上に築かれるものなわけで、
それを怠る人間は基本的にプロの研究者としてダメなんですね。


その点、うちの研究室の皆さんは、
たいへん優秀です。
良くもまあ、これだけ根気強く調べられるな、
熱心に勉強できるな、精密に分析できるな、
と感嘆するばかりです。


そんで研究室の方々を見ていて思うのは、
「マニア」的性格を持っている方が多いことです。
軍艦マニア、軍人マニア、寺社マニア、仏像マニア、城郭マニア、
ガンダムマニア、鉄道マニア、B級アイドルマニア……etc.

私はそういうの全然ないんだわー。
1つのことに熱中することができない性格。
(その意味ではオタクが羨ましい)
これは日本史研究者を目指す人間として、
致命的な欠陥ではないかと、
最近とみに感じるようになってきました。


まあ、もうちょい研究続けてみるか。

山川出版社の日本史リブレット。
安いし、すぐに読めます。

中世の公家が皇位継承をどのように捉えていたのか、良く分かります。
彼等が男系継承を是としたのは確かですが、
一方で天皇に対し「徳」を求めたことは重要です。
血統絶対主義ではないのです。
この点、「男系であれば誰でも良い」と思っている節のある
男系論者にぜひ知っておいてほしいことです。

また『皇室典範』制定によって皇位継承順位が法定され、
皇位継承問題が消滅した点に近代天皇制の画期性を認めています。
すなわち皇位継承に天皇の意思が働かない仕組みであり、
皇位は天皇の意思から自立したのです。
端的に言えば、皇位を主とし、天皇個人を従とする感覚です。


このような前近代と近代の間の断絶性を踏まえずに、
「万世一系の伝統」を主張するのは、甚だ乱暴です。
女系天皇問題に関して、
皇室の方々の意見を聞くべきであるという主張も、
近代天皇制の本質を理解していないと言えるでしょう。


http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/463454220X/qid%3D1135650697/503-5733271-4059126

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