Yahoo! JAPAN研究所 公式ブログ

研究成果や研究員の日々の活動を紹介します

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■第6回 ISSスクエア水平ワークショップ 講演会場の様子

はじめまして、Yahoo! JAPAN研究所 研究員の五味と申します。研究所では、アイデンティティ管理技術を中心にセキュリティ・プライバシー分野の研究を担当しています。

今回のブログエントリーは、先日2月4日に情報セキュリティ大学院大学にて開催された、第6回 ISSスクエア水平ワークショップでの講演「アイデンティティ管理の最新動向」について書きたいと思います。

上記ワークショップの開催案内にも「ID」と書かれていますが、この「ID」という語は一般的に2通りの意味で解釈されると思います。1つは「identifier」の略としてのID (要するに「識別子」の意味)。もう1つは「identity」の略としてのIDで、個人情報などを含めた「個人に関連する情報」という意味です。さらにidentifier は、identity を指す参照情報であり、identity の一部と考えることもできます。今回の講演テーマは「アイデンティティ管理」ですが、上記のような識別子の管理も含めた話もしました。

実際の講演では、上記のような「アイデンティティ管理とは?」という前置きの後、近年のアイデンティティ管理関連の技術仕様として注目されるSAML(Security Assertion Markup Language)OpenID に関して、双方を比較しながら説明しました。この2つの技術については私自身がいろいろとかかわりを持っていますので、自らの経験も絡めながら技術内容をお話したかったのですが、時間の兼ね合いがありすべてをお話することができず、残念でした。

聴講いただいた方々からの質問の中に、「アイデンティティ管理におけるプライバシー(情報)とは何か?」、「その対象は何か?」といった趣旨のものがありました。深い質問で改めて考えさせられましたが、「何の情報がプライバシーに関連するか否かは、個人や、その情報の種類や情報の配布先に依存する」と回答しました。なぜなら、同一の属性情報であっても、その情報保有者からみて情報が通知されても問題と感じない相手と、問題と感じる相手が存在するからです。

上記のような事柄をふまえると、アイデンティティ管理において情報を保護するべき対象は、システムではなく情報の保有者であるということになるのでしょう。それがプライバシーとセキュリティの違いかと思っています。元来、セキュリティはシステムをその管理者が保護することを目的としています。それに対してプライバシーは、広義ではセキュリティの中に分類されるものの、その保護対象は情報の保有者(利用者)に特化されています。海外においては、よく「セキュリティ&プライバシー」と並列的に表現されますが、それはプライバシーの位置づけが極めて高いということなのだと思います。

アイデンティティ管理において上記のようなプライバシー保護は重要な側面でありますが、アイデンティティ情報をただ単純に保護するだけではなく、保護しつつもその情報保有者がうまく活用できるようにすることに本質があると認識しています。アイデンティティ管理はサービス連携のための基礎でもあり、さらには法制や規制との兼ね合いもあります。このような多様な側面を考慮に入れつつも技術革新を目指していくところが、アイデンティティ管理技術の難しいところであり、また、面白いところではないかと考えています。

最後に、今回の講演の機会を与えてくださいました、KDDI研究所の秋葉様、情報セキュリティ大学院大学の佐藤教授、他関係者の皆様方、ありがとうございました!

HCI研究会参加報告

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■大分県由布院駅の様子

皆さん、こんにちは。研究員の寺岡です。ユーザインタフェース/ヒューマンコンピュータインタラクション分野の研究を行っています。

今回は1月末に出席した情報処理学会ヒューマンコンピュータインタラクション研究会をネタにお話させていただきます。

「ヒューマンコンピュータインタラクション(Human Computer Interaction,略して、HCI)」は、人と機械(特にコンピュータ)、さらにはそれを介した情報や他者との「やりとり」のための技術を対象にしています。「ユーザインタフェース」という言葉のほうがなじみが深いかもしれませんが、HCIでは「やりとりの流れ」や「やりとりによる変化」がより意識されます。この分野は学際領域であり、コンピュータサイエンスはもちろん、さまざまな分野の研究者が集まる一大技術分野になっています。

今回参加したのは通算131回目となる定例の研究発表会。場所は温泉で有名な大分県の由布院でした。発表会のメインテーマは温泉にちなんでか「あったかいインタラクション」でしたが、現地は想像以上に寒く、会場前の道路わきにはちらりと雪の跡が。会場内でも最初は寒さに震えていました。地方での開催のせいもあってか参加者は40〜50名ほどでしたが、発表会ではまさに熱い議論が繰り広げられていました。

今回は私も現在研究中の内容「周辺情報と経路の提示に基づくコンテンツナビゲーション支援」について発表させていただきました。内容は膨大なコンテンツのナビゲーションを支援するためのインタラクション技術についてです。ヤフーには膨大なコンテンツやログ情報が存在し、これらを利用した研究を行えるのが、われわれ研究員の大きなメリットの一つです。私にとってヤフーの研究員として学会発表を行うのは今回が初めてでしたが、会場からはするどい質問や有益なコメントをいただくことができました。このような研究会は、特に初期段階の研究成果やアイデアについて社外の研究者の反応を手軽に得たい場合に有効な機会となります。いただいたコメントは今後の研究に生かしていくつもりです。

さて発表後コメントをくださった方に、「ヤフーに研究所ができたことは知らなかった」と言われました。もっと世間に認知された研究所になるべく、研究発表も重ね、ほかの研究員やスタッフともどもがんばっていきます!

Yahoo! Inc 出張報告

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https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/86/64/yjlab_blog/folder/1028721/img_1028721_9930015_2

研究員のFです。今回は1月末に行って来ましたYahoo! Inc.(米国ヤフー)出張について投稿します。

オバマ就任演説の熱気が未だ冷めやらぬ1月21日、雨期の曇り空のサンフランシスコのベイエリアにやってきた。今回は、Yahoo! Inc.の研究開発部門であるYahoo! Labsとの共同案件の打ち合わせのための短期滞在である。
サンフランシスコ国際空港へは、日本夕刻発の西海岸時間の午前着であったが、入国手続きは新制度のESTA事前登録義務化の直後のためか、大混雑。おまけに指紋採取用の機械が不調のようで自分の前の列はなかなか距離が縮まらず、ようやく終わったころには、あれだけ後ろにたくさんいた人々も先に行ってしまっていた。

入国手続きを終え、AirTrainでターミナルから数百メートルのレンタカー・センターへ。ここでもまた長い列を待って、ようやくレンタカーに。目的地は、サニーヴェールの 、Yahoo! Inc.のヘッドクォータ。ところが、カーナビにFirst AvenueのFirstが入力できない。レンタカー会社の人を探し回ってやっとのことで、1st Avenue と入力しなければならないことを教えられた。急いで、Bayshore Freeway Route 101を南へ。雨粒がフロントガラスを打ちはじめ、すでに待ち合わせの13:00を過ぎようとしていた。ヘッドクォータは、まあ、こんな感じのところだが、こう時間が遅くなってしまってはしょうがない、とその前を通り過ぎて、となりのサンタクララ市内の別のキャンパスでのミーティングに直行することにした。

サンタクララ市内のキャンパスには、Yahoo! Labsのメンバの多くが在籍している。Yahoo! Labsのなかでも、Yahoo! Researchは特に研究ソサイエティーで有名であるが、それ以外にも多くの著名な研究者・開発者がいる。読者のなかに学生時代にデータベース、ウェブ技術、情報検索、などを勉強された方がおられたら、あの論文を書いたあの人もここにいたのか! という発見をされることだろう。

そんなことを考えながら、Bayshore Freeway の左手に、写真で確認したビルディングの姿をみつける。高速の出口を出るとまもなく駐車場に。ビルに駆け込むともう最初の打ち合わせの時刻。20世紀の物理学者の名前がつけられている会議室の一つへ。議論の内容についてはここではまだあまり詳しくは書けないのだが、検索技術のクエリー解析に関するディスカッションをした。
検索連動広告の始まりと時を同じくして、ウェブ検索技術の大きな変化の一つとして、クエリーごとのIdiosyncraticな扱いが挙げられる。例えば、今ここで、「obama」を検索すれば、ニュース記事に続いてホワイトハウスのホームページが表示されるが、一昨日前の検索結果は違っていた。このような変化への対応には、どのような技術が必要なのか。これがオバマのような超有名人ならまだしも、検索エンジンだけが思い出させてくれるような、多くの無名な人々ならばどうすればよいだろうか? そのためにもう少し気の利いたことをやってみようか、というのが、ことのはじまりであった。

さて、時差ぼけのためにまぶたがさがりだすころ、明日のランチ・ミーティングの約束をして、ホテルに向かった。
時差のため、朝の3時にはもう目が覚めた。新聞には、オバマのホワイトハウス1日目を報じる記事が一面を飾っている。そんな中、朝のカフェテリアでAに会った。
物静かなこの男は、ウェブが今よりもずっと小さかった90年代後半に、Larry Pageらがここから北に数マイルのスタンフォード大学で、後の彼らのビジネスのもとになるウェブの非常にシンプルなモデルを考えていたころ、ここから南にもう少しのIBM Almaden研究所でJon Kleinbergらとウェブのもう少し複雑なモデルを考えていた。彼は、われわれの開発する日本語検索の新しい機能のライブテストに向けて、環境を提供することを約束してくれた。

今回の出張ではCにも会うことができた。彼とはTRECの度に東海岸のガイサースバーグで、またNTCIRの際は東京で会っていた。私が六本木でヤフーの面接を受けていたころ、彼はバークレイの大学から、サンフランシスコに移ってきた。しばし共通の知り合いであるバークレイのG教授やNTCIRのNさんのことを話した。

さらに、Gとも打ち合わせをした。彼がYahoo! Research Latin Americaにいたときからの知り合いだ。遠いチリのサンティアゴから、最近ここに移ってきた。検索ログ分析の仕事をしていたが、今はログ分析による検索ランキングの改善にかかわっている。ユーザーのクリックを解釈して検索ランキングにフィードバックするモデルだ。
彼は、家族との夕食に招待してくれた。彼らは夫婦ともに、フランス語、ポルトガル語、スペイン語、英語、日本語を話すマルチリンガルである。子どもは、フランス語、ポルトガル語に次いで英語を習い始めたらしいが、幼稚園にはかなりのスペイン語を話す友人がいるらしい。彼らのように、ヨーロッパ、アジア、南米とあらゆる地域を渡り歩いた人々にとって、ここサンフランシスコやベイエリアは、米国にいながらにして、ヨーロッパ風の生活を楽しめる数少ない地域らしい。不動産は、米国内でも最も高い地域だが、裏庭では時々スカンクを見るという。不況のためかレストランには、われわれ以外に客はいなく、金曜日の夜なのに駅前通りに人はいなかった。

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/86/64/yjlab_blog/folder/1028721/img_1028721_9930015_3
こんにちは。スタッフのA子です。
1月24日に発売されました日経ソフトウエア2009年3月号(日経BP出版センター発行)にYahoo! JAPAN研究所の記事が掲載されました!

タイトルは「Yahoo! JAPAN研究員の一日」。ネット企業の研究開発部門を訪問し、その技術動向や研究者ライフを紹介している不定期連載です。

今回はYahoo! JAPAN研究所のR&D部を代表して研究員 山下の典型的な1日が掲載されています。ヤフーの研究員がどのように日々研究活動に取り組んでいるのかを、1日のタイムスケジュールにのせてわかりやすく紹介しています。

また、あわせてYahoo! JAPAN研究所 企画室長からはYahoo! JAPAN研究所についてお話させていただきました。「研究所ってどんなところ?」、「研究成果はどうやって世の中にでていくの?」などをはじめ、「求める研究者像」、またYahoo! JAPAN研究所の最大のメリットである「膨大なデータでサービス直結の研究ができる」点について紹介しています。

これらの記事を通じ、より多くの方にYahoo! JAPAN研究所を知っていただくことができればうれしく思います。みなさま、ぜひご覧ください!


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ICIS2008参加報告

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皆さん、はじめまして。Yahoo! JAPAN研究所の研究員の柿原と申します。研究所では、主に経済学や経営学をベースにした社会科学分野の研究を担当しています。

今回のブログエントリーは、私が昨年12月に参加してきました国際会議について書かせていただこうと思います。

参加してきたのはInternational Conference on Information Systems (ICIS)という、情報システム論(Information Systems)の研究分野における世界最大かつ最高峰の国際会議で、毎年12月に開催されています。今回で29回目となるICIS2008の開催場所は、フランスのパリ。12月のパリはとっても寒かったのですが、やはり欧州を代表する大都市のひとつ、クリスマスも近いパリの街はたくさんの人でごったがえしていました。

会場はLe Palais des Congresという名の大きなコンベンション施設で、パリ中心部(ルーヴル美術館あたり)から少し西のほうにありました。この国際会議における久しぶりの欧州大都市開催ということもあってか、例年より参加者が大幅に増えて1500人をこえる参加者となったそうです。

ICISの本セッションは、12月14日のウェルカムレセプションに始まり12月17日までの間に、200本をこえる論文発表やパネルが、最大20のパラレルセッションで同時進行するという大規模なものになりました。

情報システム論という分野では、人間と技術の相互作用、特にそのビジネスの現場や組織内での現象を、理工系・社会科学系両方の研究手法を複合的に用いて研究を進めるのですが、今回のICISでも、その発表テーマは多岐にわたりました。今回は特に、人間の情報技術システム活用の実態を調べる際のデータ収集や分析の手法に工夫を凝らした研究発表が注目を集め、最優秀論文賞(Best Paper Awards)を受賞したマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームの発表(Wu et al. "Mining Face-to-Face Interaction Networks Using Sociometric Badges")も、独自開発したRFIDタグを用いて組織内のコミュニケーション実態のデータを収集して、これまでにない斬新な視点でメンバー間のネットワーク構造を分析したものでした。

私個人としては2002年のバルセロナでの開催に参加して以来の久しぶりの参加となりました。情報システム論分野の世界最大の国際会議であるICISで発表される研究やワークショップに触れることにより、最新の情報を得られる実感を改めて持つことができました。

情報技術やウェブの世界は技術進歩のスピードがとても速く、それに伴ってそれらの技術を活用するビジネスやサービスの発展もものすごいスピードで進んでいきます。Yahoo! JAPAN研究所では、こうした世界の技術研究開発の最新動向をしっかりと押さえておくことも仕事のひとつです。今後もほかの研究員がさまざまな活動の報告をここでしていくことになると思いますが、ぜひご期待ください!!

https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/86/64/yjlab_blog/folder/1028721/img_1028721_8952366_3
■ICIS2008の開催場所のLe Palais des Congres


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