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赤猫には暮らしを共にする5匹の猫がおります。白猫のマメ、黒猫のナンコ、サビ猫のニャー太、茶トラの茶太郎、そして三毛猫のオッカァです。
この5匹はそれぞれ血の繋がりが全くなく、すべて赤猫が拾ってきた猫達です。
その中で一番の歳上で皆の母親代わりの猫がオッカァです。
もともとはオッカァという名前ではありませんでしたが、拾ってきた子猫を次々面倒を見ている様子から何時しか赤猫がオッカァと呼び始めて定着したのです。
赤猫はオッカァの母性がどこから来るのかよく考える事があります。それと云うのもオッカァが自分で子供を持った事がないからです。
オッカァはひどい目にあっていた猫でした。
その昔、骨董を仕入れに赤猫が自転車を走らせていた時の事です。通りかかった広場で若者数人がボール蹴りをしていました。何気なくその様子を目にした赤猫はそのボールの動きに違和感を感じました。蹴られて弾む筈のボールが筈まず地面にボテッと落ちたままなのです。蹴られてはボテっ、蹴られてはボテっ、まるで重りを入れた様です。弾まないボールを蹴って何が面白いのか不思議に思った赤猫の耳に、小さな鳴き声が聞こえたました。
赤猫の背筋に冷たい物が走りました。もしやあの中に・・・・・。
赤猫は乗っていた自転車を放り出し、若者の集団からボールを奪いました。
「お前達、なにしてる!」赤猫は怒りで叫びました。
若者たちは赤猫を取り囲み、不敵な笑みを浮かべ言いました「痛い目にあう前に返せ、返さなければどうなるか知らないぞ」と。
「いいだろう、ボールの代わりに俺を好きなだけ蹴れ!」そう言って赤猫はボールを抱え身をすくめたのです。
ひとしきり暴力の嵐が過ぎ去って、赤猫は痺れる指でぐるぐるにガムテープが巻かれた塊を解き、袋に閉じ込められた子猫を救い出しました。
子猫は息も絶え絶えでぐったりしています。赤猫は懐に子猫を抱き、痛みで一杯の体を引きずり自宅へ向かいました。
赤猫は毎日献身的に子猫を看護しました。
次第に元気になってゆく子猫でしたが、獣医の話では子宮にダメージが残ったので子供は出来ないと言われました。
此処に居る4匹の猫はオッカァのお乳で育った猫です。
子猫を見ている内に母性に目覚め、いつの間にかお乳が出るようになたのでしょう。
*次回は何故猫達が店にお客を連れて来るようになったかをお話しましょう。
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骨董店赤猫堂
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僕が「赤猫堂」に行った時の事を話しましょう。
休日に、トーストを頬張りながら遅めの朝食を取っていました。何気なくコーヒーカップを見ながら(猫の模様や絵が入ったしゃれたコーヒーカップが欲しいな)、そんなことをぼんやり考えたのです。すると何処からかニャーと鳴き声が聞こえ、それは飼っている猫のミルの声だと思ったのですが、足元に居るミルの声ではない事は飼い主ならば分かります。
何度も繰り返される鳴き声は家の外からで、何事か?っとドアを開けてみたところ、玄関先で一匹の茶トラの猫が自分に向かって鳴いているじゃないですか。
「どうした?どこからきたの?」僕が声をかけると、猫はゆっくり歩き出しました。そのまま見送っていると猫は振り返り、戻って来て鳴くのです。(明らかに自分を誘っているんだな)、そう思った僕は上着を羽織って戸締りをし猫の後を追ったのです。
猫は早足で、時折振り返りながら僕を誘います。僕は見失わない様に猫の姿を追ってゆくのが精一杯で周りの景色も目に入りません。
見慣れない家並みが続き、やがて鬱蒼とした林の中へ入り、暫くゆくと急に開ける場所に出ました。
そこには一軒の古びた建物があり(赤猫)という看板が掲げられていたのです。
猫はその建物の玄関先にしゃがむと、ひと声ニャーッと鳴きました。するとガラガラと玄関が開いて「いらっしゃいませ」、と静かな声で出迎えた人は、飄々とした佇まいの髭をたくわえた眼鏡のおじさんでした。
その建物はどうやらお店の様で、しかも猫の物だらけ。猫の置物、猫のおもちゃ、猫の洋服、猫のバック、猫の食器、・・・・何だか高そうなものから、チープなものまで、でもあまり他では見た事がない物ばかりです。
「ここは雑貨屋さんですか?」と聞くと、「はい、今や雑貨屋です。初めは猫の置物ばかり扱う骨董屋だったんですが、いつの間にか猫の物ならどんな物でも置きたくなってしまって」そう言ってにっこり笑いました。
目に入るものが猫だらけでどれも欲しくなる物ばかり。
夢中になって品々を見ていると、店主はコーヒーを入れてくれました。
「どうぞ、ゆっくり見ていってくださいね。」
コーヒーは芳醇な香りで何とも言えないコク感じます、コーヒーを入れたカップがこれ又猫じゃないですか。ペルシャ猫の顔が付いていて、取っ手が黒い尻尾になっている。
猫のコーヒーカップが欲しかった僕は思わず「これ売りものですか?」と聞きました。
「お気に召したなら、お売りしますよ」店主は目を細めて言いました。
帰りも又、茶トラに送ってもらい家に着きました。
それから毎朝この猫カップでコーヒーを飲んでいますが、不思議な事に安いインスタントコーヒーなのに あの店で飲んだ芳醇な香りを再現してくれるのです。
それにしても何故僕がコーヒーカップを欲しかった事が分かったのか今でも不思議でなりません。
あなたが猫好きで猫に関する物を集めていたり
或いはまた猫の好きな方へ何かプレゼントを考えていましたら
お勧めのお店が御座います
それが「骨董店赤猫」です
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あなたが猫好きで猫に関する物を集めていたり
或いはまた猫の好きな方へ何かプレゼントを考えていましたら
お勧めのお店が御座います
それが「骨董店赤猫堂」です
骨董店と謳ってますが高い物ばかり売っている訳じゃないんです、安いものなら二、三百円のおもちゃからあります。要するに猫関係の珍しい物が手に入る何でも屋さん。
え、行ってみたいって?そうでしょうそうでしょう。
何処にあるって?、う〜ん、実は私知らないんです。
いや、行ったんですよ、行ったんですけどその場所が何処なのか解らないんです、変な話ですけど。
それじゃあ行きようがないって?、それがあるんです。
その方法ですが、(猫のこんな物が欲しいな)と心に思い描いてみてください。すると程なくして、外から猫の鳴き声が聞こえてきます、猫好きのあなたはきっとその声が気になるに違いありません。
外を見てごらんなさい、あなたに向かって一匹の猫が鳴いている事に気付くでしょう。
何事かとあなたは外に出る、猫はあなたを誘う様に振り向きながら歩き出します、あなたも必ずやその後を追いたくなる事でしょう。
その姿を追ってゆくうちに目の前に現れる一軒の店、それが「骨董店赤猫堂」です。
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