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プアオーディオなブログ
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カセットデッキのヘッドアンプのいろいろ   
  (SONYの回路を追加しました。2012/1/8 コメント訂正 2012/3/3)
各社のカセットデッキの回路図を見ているとそのデッキがどこに重点をおいて設計されているのかが、わかるような気がします。そんなに多くのメーカーの回路図を見ているわけではありませんが、再生ヘッドアンプの違いが目に付いたので比較してみました。再生ヘッドからDOLBY ICに入るまでの回路の比較です。
カセットデッキはメカとの組み合わせですので、回路だけの比較では全てを語れませんが、プリメインアンプ(インテグレーテッドアンプ)でいえば、再生ヘッドはPHONOカートリッジに相当し、素材や線材も拘った機種が多いのと、ヘッドアンプはPHONOイコライザに相当する部分です。LINE OUTに直結しているDOLBY ICが同じであれば、ヘッドアンプは音の入り口でもあり、音質の違いにに大いに関わる部分ではないかと思います。
 
TEAC V-970X / V-919X
イメージ 1
 
当時の最上位機種。V-870も同じ回路でした。OPAMP(M5220P)1個で構成されています。普及型のデッキと違いはありません。
BIASトラップはLC型
DOLBY用ICはSONY CX20187
 
 
 
 
TEAC V-9000 / R-9000
イメージ 2
V-970Xの後継最上位機種ですが、FET差動入力のディスクリートDCアンプ構成でかなり凝った回路になっています。ヘッドアンプとDOLBY回路それぞれ別個にDCサーボが掛けられています。
これ以降のTEACのカセットデッキ(V-8000,V-7000系)もDCアンプ構成ですが、メカはTEAC製ではなくなります。それを考えるとTEACカセットデッキの歴史上の最高位機種ではないでしょうか。
BIASトラップはLC型。 DOLBY用ICはSONY CX20188
 
SONY TC-K555ESG / TC-K333ESG 1989年
イメージ 3
当時の最上位機種。FET差動入力とOPAMPを組合せたアンプ、BIASトラップにGICフィルタを使用していてこだわりが見えます。
同じ回路でも333と555では使用する素子のグレードを変えて差をつけています。
DOLBY用ICはSONY CX20188
 
 
 SONY TC-K777ES  1982年   
 イメージ 13
初期ESシリーズ最上位のヘッドアンプ。
FET入力の差動アンプ。しかも全てディスクリート。お金掛かってます。
 DOLBY用ICはSONY CX20087(右ch)、CX20088(左ch) 左右のICを1つにまとめたのがCX20188
 
 
 
 
 
SONY   TC-K777ESII 1986年
イメージ 11
当時のESシリーズ最上位のヘッドアンプ。
OPAMP(M5240P)一発です。
777ESと比べ、大幅にコストダウンされて、普及型と変わりなし。ネットで高値ですが、ちょっとがっかり。
222ESGとたいして違いはないです。
BIASトラップはLC型
DOLBY用ICはSONY CX20188
 
コメントをいただきまして、777ESIIを見直しました。前言撤回です。回路図からはわかりませんでしたが、パターン図をよく見るとFET入力のOPアンプをパラレルで使用して、s/nをアップしています。 さすが、フラッグシップ機だけのことはありました。
 
 
 SONY TC-K666ES 1982年
 
イメージ 12
初期ESシリーズのヘッドアンプ。
FET差動増幅+OPAMP(NJM2043-DD)です。
BIASトラップはLC型
777ESIIより回路は上位だと思います。DOLBY用ICは777ESや555ESIIと同じ、SONY CX20087(右ch)、CX20088(左ch) 
 
 
 SONY TC-K222ESG 1989年
イメージ 10ESシリーズ最下位のヘッドアンプ。OPAMP(M5220P)一発です。
BIASトラップはLC型
DOLBY用ICはSONY CX20188
回路構成は777ESIIとほとんど変わりないので、777ESIIよりお買い得。
 
 
 
 
 
 
 
AKAI GX-95 / GX-75  A&D GX-Z9100 / GX-Z7100
イメージ 7
ボディがデカイので人気がないですが、AKAIの最上位機種GX-95、GX-Z9100のシリーズです。
ヘッドアンプはOPAMP(M5220P)のDCアンプでDOLBY OUTからDCサーボをかけています。そのDOLBYOUTはそのままLINE OUTに直結しています。ヘッドからLINE OUT端子まで一つもコンデンサを挟んでいません。
BIASトラップはツインT型フィルタ。
DOLBY用ICは日立 HA-12090NT
AIWA XK-S9000 / XK-009
イメージ 4
オークションでは高値のAIWAの上位カセットデッキですが、OPAMP(M5220P)一発の回路。DC構成でもなく、普及型のデッキと回路の違いは見えません。
BIASトラップはLC型
DOLBY用ICはSONY CX20188
 
 
Nakamichi DRAGON
イメージ 5
これも中古市場では高額機種。
FET(2SK-170GR)で受けてOPAMP(NJM072DE)の出力をFETに戻してイコライジング。OPAMPにDC帰還をかけ、前段との電位差を埋めるためにFETを電解コンデンサで分離しているのでしょうか。これって音がよくなるの?反転入力を使った為に余計な素子を追加しているように思えます。OPAMP自体FET入力なんで、すなおに非反転入力で使うか、FET差動入力にしてOPAMPと直結すればいいような気がしますが、何で入力だけ片電源の1石なのかを含め、設計の意図がよくわかりません。TEAC V-9000やSONY TC-K555ESGと比べれば特に拘りのある回路ではないと思います。OPAMPの後ろのタップは高域補償用。Rch側はヘッドにタップがあってオートアジマス用に再生用とは別のアンプがあります。オートアジマス基板だけで録音再生基板と同じぐらいの面積があります。そこが拘りの部分でしょう。
BIASトラップはLC型
DOLBYは、NE652とNJM072DD、2SC945Lで構成。チップの構成に古さを感じさせます。
イメージ 9
 
NE562のデータシートはWebで見つかりませんでしたが、再生回路の片chは、左図
 
このICが録音、再生で4個使用されています。
 
 
 
 
 
 
Nakamichi ZX-9
イメージ 6
DRAGONと同時期の機種。
FET入力の2段直結3石アンプ
オープンリール時代のようなヘッドアンプでちょっとガッカリ。
BIASトラップはLC型
DOLBY用ICはLA2730
 
 
 
 
 
 
 
 
AIWAとNakamichiは今まで手にしたことはありませんし、カセットデッキはメカも含めての製品ですので、回路図だけの判断は危険ですが、定価で5-6万円と、20数万円超高級デッキを比較しても価格に比例した回路が使われているわけではではないようです。プリメインアンプだと定価に応じてかなり回路に違いがあります。OPAMP一発で構成されたPHONOイコライザ搭載の高級プリメインアンプは無いと思います。
高額を支払ってAIWAやNakamichiを手に入れる価値があるのか疑問が沸きます。個人的には欲しくなくなりました。
 
このなかではヘッドからLINEOUTまでDCアンプ構成になっているのはTEACのV-9000/R9000とAKAI GX-95系だけでした。(回路図がありませんが、YAMAHAのカセットデッキはDCアンプ構成)
最もヘッドアンプにこだわり、お金も一番かかっているのはTEACのV-9000/R9000とSONY TC-K777ESだと思いました。
TEACのV-9000/R-9000は繊細で色付けのない音がするといわれていますが、回路を見ても納得できます。
 
おまけですが、ラジカセはどの程度の回路が使われているのでしょうか。
Panasonic RX-DT909 / RX-DT707  イメージ 8
CDラジカセともなると、チューナー、CD、Wカセット、プリメインが1つになるわけですから、回路規模はすごく大きなものになります。
 
左は、Panasonicのバブルラジカセのヘッドアンプ周りの回路です。
ヘッド切替、再生アンプ、録音アンプ、自動録音音量調整、頭だし機能など、ダブルカセット用の回路が1つのICになっています。
構成としてはヘッドアンプはOPAMP一発で構成されています。
各ヘッドにパラについている470pFのコンデンサは、多くのカセットデッキにもついている高域補償用です。ヘッドとテープ間の損失で必ず生じる高域の低下をヘッドのLとの共振でs/nを悪化させることなく補償する工夫で、ラジカセといえども、まともな設計がされています。
録音できる方も2ヘッドで録音同時再生できませんので、BIASトラップはありません。
DOLBY用ICはSONY CXA-1102M (DOLBY Bのみ)
再生に限っていえば、普通にいい音がでます。

この記事に

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    ご指摘ありがとうございます。基板パターン図まで確認していませんでした。パターン図を確認して、教えていただいたような使い方になっていることを確認しました。入力段の素子をパラレルで使うのは、MCヘッドアンプの回路でもs/nを改善する為に使われる手法ですね。
    777ESIIを見直しました。

    [ YM Lab. ]

    2012/3/3(土) 午後 9:26

    返信する
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    入力で使われているFET入力のOPAMPは、パラ接続に更にノイズ選別を行った物を使用していました。OPAMPの型番の後ろに”R"マークがついています。 同じOPAMPを録音イコライザーでも使っておりますが、マークなしです。 このように使い分けをしていました。 ご確認くださいませ。

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    回路図だけを見ても音は分かりません。というよりも音は部品で決まるものです。IC一発でも好いものは好いと思いますよ?
    「色付けが」なんていう言葉を使うのもおかしいですね。色の付いていないオーディオなどどこに存在するのかと聞き返したいくらい。恣意的です。百歩譲って色がないとしましょう。でも癖はあるよ聞くに堪えない癖が。ガリガリ音や2SC945の細身のアカイの音を色がないと言っているのでしょうかね。本末転倒です。
    ディスクリートだと使用石とコンデンサーで音が分かるので回路からの検証ってただコストがどうなっているかだけしか見えてこない気がするんですが。

    [ 同級生 ]

    2016/11/18(金) 午後 3:14

    返信する
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    その時代の技術者がコスト制限のある量産品でその時代の技術、部品でよい音、よい物理特性を求め、知恵を絞った結果の一部が回路図として表れているのではないかと思っています。オーディオは人により考えかたが違うので、いろんな意見を勉強と思い、読ませていただいております。

    [ YM Lab. ]

    2016/12/6(火) 午後 7:10

    返信する

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