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プアオーディオなブログ
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一般的な再生ヘッドの高域補償回路
再生ヘッドは、テープが走行する際のヘッドとの隙間による損失、ギャップ長による高域損失、ヘッドコアの損失(渦電流損失)、アジマスのズレによる高域損失など、どうしても高域のレスポンスが悪くなります。
オープンリールの38cm/secでは不要だと思いますが、テープスピードの遅いカセットでは必須だと思います。
イコライザアンプを正確に作っても、ヘッドの損失分を補わないと高域までフラットな特性になりません。
Nakamichiのカセットデッキでは、他社と違う方法で損失分を補っていることがわかりました。
 
イメージ 1
←左の回路例は、
「テープレコーダ その生きた使い方」(誠文堂新光社)に掲載されている方法です。
 
ヘッドのインダクタンスと、コンデンサとの共振で高域にピークを作って補償する方法です。
s/nが悪化しないのでよく使われている方法です。
 
今まで知っていた方法はこの方法です。ヘッドのQにより、補償値が変化します。
一般的にはパーマロイヘッドよりフェライトヘッドのほうがQが高く、大きな補償が可能です。
 
 
 
 
イメージ 2
ヘッドとコンデンサで補償した場合の特性例です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Nakamichiの再生ヘッド高域補償回路
Nakamichiのカセットデッキは、ヘッドにコンデンサは付いてなく、FETダイレクトカップリングですが、どのようにして高域補償をしているのか最初は全く理解できませんでした。Nakamichiの再生ヘッドは自動アジマス調整があったり、ギャップ長が狭く、高域特性は優れているとは思いますが、損失はそれだけではなくなりません。高い周波数まで再生できるような工夫がされているはずです。サービスマニュアルには調整方法だけで、回路の解説はありません。サービスマニュアルとにらめっこしているうちに、点線内のBIASトラップのコイルを利用していることに気がつきました。
イメージ 4
                                          ↑ DRAGONのEQ回路図(FWD / Lch)
                     
 上記はDRAGONのEQ回路ですが、OPAMP後の2つの抵抗、点線内のBIASトラップとその後ろのコンデンサを使って高域のピークを作っています。
BIASトラップのコイルとその後ろのコンデンサとで作るLCローパスフィルタでは、カットオフ周波数付近に鋭いピークができます。2つの抵抗はそのピークの高さを調整するためについています。ZX-9でも同様な手法で調整するようになっています。
BIASトラップは点線内の10mHと220pFでノッチフィルタを構成し、105kHzのBIASを遮断しています。
EQアンプでは120μsのみですが、この後の回路で70μsに切り替えるようになっています。
 
BIASトラップコイルのインダクタンスが10mHで、コンデンサが3900pF
計算すると25.5KHz付近がカットオフ周波数になります。
 
イメージ 6
 
R=220Ω L=10mH  C=3900pF
カットオフ周波数 fc = 25485.1872063[Hz]
 
フィルタの計算ツールはここ。
この手の計算が苦手な自分にはとても便利です。
 
 
計算結果の周波数特性と位相特性
イメージ 5
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
DRAGONの高域補償調整グラフ
イメージ 3
 
調整は2段階で抵抗値を変えて、ヘッドのばらつきを調整し、高域まで再生できるような仕組みです。
LC共振を使って高域補正するのは2つの方法共に同じで、LC共振が高域の音色に与える影響はわかりませんが、調整しやすさという点では、Nakamichiの回路が便利だと思います。
 
うまくいくかわかりませんが、TEACのA-360の高域補償にこの方法を使ってみようかと思っています。
A-360のBIASトラップは23mHのコイルなので、2200pFぐらいでよさそうです。
 
推測ですが、共振させるためのコンデンサの容量から見て、ヘッドのインダクタンスは、数百mHでMMカートリッジと同じような値ではないかと思います。

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