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 道州制による分権のもと、監視カメラのネットワークによって
国民に絶えず順位を付ける制度(RANK)が施行される近未来の日本・関東州。
(RANK)低位者の拘束を業とする公務員「執行官」の中には、
任務に疑問を抱く春日と、歪んだ正義感のもと暴走していく佐伯がいた。
抑圧された人々の蠢きによって、自らに危機が迫っていることも知らず…
第三回ポプラ社小説大賞特別賞受賞作。

 読んでいないのですが、『庵堂三兄弟の聖職』という作品は
結構話題になっていたのではないかと記憶しています。
新規作家に手を広げる環境ではなかったはずなのですが、
このあらすじは明らかに自分好みだろう、と思い
読むことにした作品です。

 結論から言うと期待通りとは行きませんでした。大外れとはいかず
なかなか面白く読めたものの、何と言うかかゆい所を1cmずらして
かかれているようなもどかしさを感じずにいられない作品です。
似たような設定の作品と思える曽根圭介『暴落』よりも、
その感覚はより一層強いものでした。

 登場人物たちの理不尽な暴れ方やその他大勢の行状をくどく描くあたりは
私の好みでもありましたが、設定にこだわりを作りすぎてカタストロフィが
伝わってこないのが残念なところでもありました。もっともっと、
理不尽な世界をとことん描ききってくれたら最高に気に入っただろうになあ、
と思います。

 そうしてしまうとどうオチをつけるんだ、という大問題が発生するとは思いますが、
さらにその問題をクリアするくらいの結末を準備していて欲しかったと思わずには
いられません。物語が進むにつれどんどん「一番悪いやつ探し」に向かっていったのが
物足りなく感じる原因なのかと思います。そう進めるならそう進めるで、
やっぱり結末にもっと衝撃を求めたくなってしまいますし。

 その部分を差し引いて考えなくてはなりませんが、それでも今の私が
考えられないくらいのペース(ほぼ1日)で読みきったことを考えると、
やはり強い力を秘めた作品であることも間違いないと言えます。
この作者は、きっといずれもっと大きなヒット作を生み出すのではないかと
いう予感がします。そしてその作品は私好みではないんだろうなあ、とも・・・
あくまで予感です。

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おお、意外な作家さんが^^
実は「庵堂三兄弟〜」のあまりの予想と違う文体にびっくりして挫折して、予約していた「地図男」をキャンセルしたぐらいです^^:この文章自分には絶対ムリ、と思えるぐらいでした^^;若い子にはいいんじゃないかと思うけど。。。どうなんでしょ。

2009/9/4(金) 午前 0:52 ゆきあや 返信する

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あまり食指の動くタイプではありませんでしたが、この設定は曽根さんのあれをちょっと思い出しませんか?そんなイメージでついつい読んでしまいました。これは読みづらさは感じませんけれど、内容的にゆきあやさんは避けたほうがいいと思います。。。

2009/9/8(火) 午前 1:39 よも 返信する

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