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この短い手紙を読むころには、わたしは杖に頼って旅に出ていることでしょう。 こんどは細道ばかりを歩いていこうと思います。 道(どう)を得るとは結局、道(みち)を得ることですから、 道を歩くことをどうして思いとどまることができましょう。 山ではなく、道に埋められたいと思うのも、この道が永遠であると信じているからです。 先生は、とうとう夢の中でも花潭を訪れることはありませんでした。 待つ気持ちが大きくなればなるほど、先生はより遠いところに行かれるでしょう。 ――ハヤカワ文庫『ファン・ジニ』下巻から *先生 チニの師であった名儒、花潭・徐敬徳(ソ・ギョンドク)のこと。 今回は、NHK海外ドラマ「ファン・ジニ」第16回のラストで紹介されていた漢詩「相思夢」を紹介します。 ドラマの中ではキム・ジョンハンのことを想うシーンで詠われていましたが、 ドラマ原作『ファン・ジニ』では、チニの恩師、徐敬徳を追悼する詩という解釈です。 相思相見只憑夢 儂訪歡時歡訪儂 願使遙遙他夜夢 一時同作路中逢 会いたいあなた、夢でしか会えないのに わたしがそちらへ行ったら、あなたはこちら どうかお願い、こんど夢をみるときは いっしょに家を出て、道の途中で会いましょう 2節目の「儂訪歡時歡訪儂」が回文になっています。 こんなところに、詩人としての黄真伊のキラリと光る才能と 遊び心を見て取ることができるように思います。 ※絵は朝鮮民主主義人民共和国で出版された『ファン・ジニ』(ホン・ソクチュン著)の 原本に掲載されていた挿絵。 |

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