医療問題

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不思議な記事への解説

森昌子さんが子宮全摘手術成功を会見で報告、という見出しの記事を見た。
どうやら病名は子宮筋腫、子宮腺筋症、そして子宮頚癌のようだ。
昨年3月に複数の筋腫と子宮頚癌が見つかり、5月にこれをレーザーで切除したということだが、
通常レーザーで切除するのは初期子宮頚癌であり、筋腫をレーザーで切除することは無いと思うし、
実際に自分ではしたことも見たこともない。
昔、外国で腹腔鏡下でレーザーを用いて筋腫にボコボコ穴を開けて治すという治療があったが
日本では流行らなかったし、今もやっているとは思えない。

「再発はない」という医師の見通しも虚しく、1年足らずで再発した、とあるが
恐らくこれは(初期)子宮頚癌のことを指しているのであって、筋腫のことではないと思う。
筋腫は小さいのものが潜んでいて後で大きく育つことはいくらでもあるので、普通は筋腫の再発はありませんと断言することは無いからである。これは記事を書いた記者の無知によるものだろう。
子宮頚癌が再発したのも、51歳という年齢を考えると、恐らく奥の方に遺残があったと推察される。
閉経に近づくと、癌が奥の方に引っ込む傾向があるからだ。
これも日常臨床でしばしばあり得ることであるので、再発してもやむを得ないか。
むしろ年齢的にはレーザー円錐切除(子宮の頚部の一部だけを切り取る)ではなく、最初から子宮全摘を勧めることもある。

それよりも不思議なのは、「手術成功」と報道されていることだ。
手術時間は4時間。通常の子宮全摘の倍以上時間がかかっている。
これは腺筋症があれば癒着がひどいことが多いのでやむを得ないことだとおもうが、
腹腔内出血でもう一度手術室に行ってオペしているらしい。
これはつまり再手術であり、結果的に最初の手術で止血が完全ではなかったということになる。
癒着がひどい場合にはこういうことは稀にあるが、本来なら1回の手術で終わるのが当たり前で、
再手術になったのに「成功!」という報道は不思議だ。。。

普段、あれだけ医者を叩いているマスコミが、すんなり成功と言っているのには違和感を覚える。
まあ、芸能人の手術だし、ここで「医療ミスでは?」などど騒ぐことは止めましょうということなのかもしれないが、これでマスコミの偏った報道姿勢というのがよく分かる。
もしこれが自分の家族だったら「医療ミスではないのか?」と担当医を責めるに違いない。
そして内容をよく確認しないまま平気で報道する姿勢も改めて再認識した。

ちなみに私は、再手術は強度の癒着による再出血という「合併症」であり、決して医療ミスと考えている訳ではないので念のため。森昌子さん本人も、十分な説明を受けて納得されたのでクレームをつけなかったのでしょう。彼女は常識ある芸能人だと思う。
そしてこれを機会に、「お腹の中の血が止まらなくて再手術ということもあり得るんですよ」という「合併症」が国民に認知された方がいい。そういうことからいえば、意義のある報道なのかもしれない。

そして、ただでさえ芸能人でプレッシャーがかかるところに、しかも結構癒着がひどい手術を担当された医師に敬意を表したい。
さぞかしストレスだったことでしょう。お疲れさまでした。

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普通そんなこと知りませんからね。みんなが医師免許持ってる訳じゃないし。マスコミも。
それと、騒いでるのがマスコミだけで実は森昌子さんの手術なんて興味ないでしょ?彼女は引っ張り出されて気の毒だけど。

2010/5/28(金) 午前 9:47 [ キンタ ]

キンタさま、確かに興味はないかもしれませんね。

2010/5/28(金) 午後 11:39 roaring YJ


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