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代理出産〜新しい出産育児のあり方〜
A子(38)さんは某一流企業の課長。毎日朝早くから深夜まで仕事をこなす、いわばバリバリの「働きマン」だ。独身でもあるこの多忙なA子さんが、先頃子供を授かった。とは言っても自分で出産したのではない。いわゆる代理出産だ。彼女は自分の卵子を専門のクリニックで採取凍結し、現在おつきあいしている彼の精子と体外授精させ、その授精卵を他の女性の子宮に戻し育ててもらった。合計でかかった費用は500万円を超える。でも彼女は言う。「私自身が妊娠して出産したらその間今まで手がけてきた企画がストップしてしまう。それに伴う損失や自分のQOLを考えると、1000万でも安いと思いますよ」
201x年、某芸能人の代理出産がきっかけとなり、世論で活発に議論された結果、日本でも代理出産解禁となった。それ以降、代理出産で子供を持つ女性が、特に第1線で働く人の間で年々増えているという。代理出産のコーディネート会社の代表はこう言う。
「女性がどんどん社会に進出してきている現在、このような方法で子供を持つということは理にかなっています。今後もこの方面のビジネスは伸びて行くでしょう」
代理母にも、代理出産の手当約200万円の他に、都心の一等地にある広い住居や衣服、良質な食事が分娩後1ヶ月まで無料で提供される。情操教育に必要な音楽や映画、絵画鑑賞などはもちろん全て費用は依頼者負担となる。そのため繰り返し希望する女性も多い。
一方で実際に子供を出産した代理母と卵子提供者の間のトラブルも増加しているという。
コーディネート会社の代表はこう語る。
「斡旋業者はピンキリです。余り費用が安い所はトラブルが多いと聞いています。うちのように多少コストが高くても信頼のおける業者を選ぶことが重要です」
それにしてもA子さん、出産は人に頼めても育児はどうするのか聞いてみた。
「もちろん託児所に預けます。同時に英才教育もしてくれるので、有名幼稚園への合格率も高いと聞いていて安心です。ええ、子供には月1〜2回は会いに行きますよ。顔を忘れられたら困りますからね」
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