医療問題

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代理懐胎を考える

代理懐胎で出産した母娘が顔出しで会見した。
ほほえましいその姿は多くの人に感動を与えたかもしれない。
でも代理懐胎は本当に正しい道なのだろうか?


結婚して子どもを持つ。
この当たり前の様なことも実現出来ずに苦しんでいる人がいる。
この人のように、病気で子宮を失う人もいるが、
子宮も卵巣もあるのに妊娠出来ない人は沢山いる。
不妊症の半分は原因不明である。
そのような場合、「この人は違う人と結婚すれば子どもが出来るかもしれない」と思う時は多々ある。
不謹慎な考えだが、実際その通りであることもある。
それじゃあ、相手を取っ替えてまでも子どもが欲しいかというとそうではないだろう。
やはり、好きな人の子どもでなければダメなのだ。

代理懐胎にはいくつかの問題点がある。
倫理的問題は、倫理観というものはその時代によって変化するので議論しても余り意味はないし、
個人個人の倫理観も違う。
だから倫理観だけでしばりつけるのは誤りである。
代理懐胎が、日本国民の間でコンセンサスが得られた時には、きっと法律的にも認められるだろう。
よく、日本産科婦人科学会が決めるべきだという意見があるが、それは間違っている。
学会は、倫理問題に関しては世論や国の動向によって方針を出すことしか出来ないのだ。


代理懐胎のまず大きな問題点は、他人の体を借りて出産してもらうということだ。
特に、今回のように母親が出産を引き受ける場合、そのリスクは高い。
元々自然に妊娠する能力を失っている体に、むりやり妊娠継続させる。
高齢初産はそれだけでもリスクが高いのに、
50歳を超えた妊娠は、極めてハイリスクだ。
妊娠は決して安全なものではない。
血圧も上がるし、心臓にも負担がかかる。
閉経になると女性の脳や心臓の血管障害は増加する。
重大な合併症が生じれば、あっという間に妊婦の命を奪ってしまう。
それだけのリスクを人に負わせていいものかという問題がある。
きっと今回のケースも、母親が死亡したら公表されなかったであろう。

2つめは子どもの問題。
先日ラジオでこの話題を取り上げていたが、
専門家によると、代理懐胎で産まれた子どもの多くは中学生〜高校生の時期に、
自分のアイデンティティや、本当の母親は誰なのかということについて非常に悩むという。
自分は、おばあちゃんから産まれていたということを知らされれば、
きっと大いに悩むに違いないことは容易に想像出来る。
産まれてくる子どもの親権の問題よりもずっと深刻ではないだろうか?


このケースは、本人が何とかして赤ちゃんが欲しいと思ったこと、
そして母親が娘に何とかして子どもを授けたいと思ったこと、
その想いがかなってよかった〜という美談である。
しかしながら本当に美談として単純に片付けていいのか?
本人は子どもができなくて申し訳ないという自分の夫への申し訳ないという気持ちを解決するため、
母親は、娘が子宮を摘出する様な病気を持つ子に産んでしまったことへの後悔、自責の念をはらすため、この両者の想いのために代理懐胎を選択したのではないだろうか?

産まれてくる子ども/孫のことをよくよく考えたのだろうか?


最初に述べたように、子宮や卵巣があっても妊娠出来ない人はいくらでもいる。
そのような人達も、自分の母親に産んでもらうだろうか?
そこまで幅を広げるべきなのだろうか?
子宮がある人はダメです、という理論はもはや通用しない。
子どもが欲しいという気持ちには変わらないのだ。


日本では、学会も通達しているように代理懐胎は現時点では認めてられていない。
生殖技術が進んだ今、何でも出来るよ、と自負する医者は沢山いるだろう。
しかしながら現時点で認められていないこと、日本人における安全性が確立していないことを敢えて行なうのであれば、それは臨床試験(もしくは研究)になる。
臨床試験は倫理委員会の厳しい審査を通すこと、患者の同意を得るのはもちろん、
このような事例では、基本的にはかかる費用は全て医療機関の負担とするべきである。
もちろん、妊婦が死亡したり後遺症が生じた場合には補償も行なう。
もし根津医師が全てのコストをもらってやっているのであれば
単なる営利目的/宣伝と言われても仕方がない。


根津先生!もしこれからも続けられるのであれば
しかるべき外部委員から構成された倫理委員会の承認を経て、
しかも無料で行なって下さい。
そうすれば僕は文句は言いませんよ。

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