妖怪予知ダス高校編

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予知ダス、爆笑痛快流
阿蘇山噴火、3度の火砕流遭遇、危機脱出の思い出その8

最終章

赤水温泉のバスターミナルに着いたら、しんがり車両の到着を待っていた職員が血相を変えて
大声で「おーい、到着が遅いので待ってたが、一体、何があったんだ、車両が真っ黒だぞ!!」と駆け寄ってきた。

運転手「噴火だ、噴火にやられたんだ!!」
職員、「噴火だと、良くこんな真っ黒こげで戻ってこれたな〜!! 乗客は無事か!!」
運転手「全員無事生還だ!!」
職員「急いでドアを開けよう!!」と、車両前部の左側に回りこんだ時に
  「おい、後ろのタイヤから火が上ってるぞ、急いで、下りてくれ!!」

私は、反射的に運転台左横の消火器を取って、ドアを開けて、
車両後部のタイヤから、炎と煙が上ってるところへ駆け寄って、
ギリギリまで近づいて、消火液を噴射し続けた。
職員「やけに手際がいいな、あっという間に消えちまった。」

私「学校の地元で、消防団で放水銃担当なので、消すのはお手のものです。」
職員「どうりでか、だったら、発火の原因を教えてくれ、
 今後の参考にしたいので・・」

私「なら、ご説明します。真っ暗な時間なので、懐中電灯はお持ちですか。」
職員「ああ、何時も所持してる。」と言いながら、胸ポケットから、
ペンライトを取り出した。

私「それで、後部のWタイヤの内側を照らして、良く観てください。」
 「今朝、出発するときは、このバスは新型車両の新品だったので、
 タイヤも全て新品でした。」
 「それなのに、今は、バスの大きなタイヤの溝すら磨り減って、
 跡形も無く溶けてますよ。」

職員「ウワッ、本当だ、スゲェーすり減って、黒光りしちゃってる、
 こんなの見たことが無い。」
 「いったい、何が遭ったんだ、話してくれ。」
私「噴火に遭遇して、大量の火山弾の炎ごと、踏み潰して走って来ているので、
 その高熱で、こんなに溶けてしまいながら、無理して走って来たので、
 路面との摩擦で黒光しちゃったのです。」
 「それだけじゃなくて、高熱がタイヤの内側にまで伝わって、
 2本一組の太いWタイヤの間に熱が篭ってしまって、
 消火器で消しても、まだ発火温度を保ってますよ。」
 「試しに、吸ってないタバコが一本ありますでしょうか。」

職員「おお有るとも、これでいいかな!!」
私「お借りします、ちょっとタイヤに触れさせてみますね!!」
 「この通り、タバコに火が着いたでしょ!!」
職員「おおっ、怖、こんな状態でよくも、走ってる間に炎上しなかったなぁ・・」

私「ここまで来る途中、雨が降ったりして、道路に水が溜まってるところが、
 そこら中にあったので、それで、なんとか冷され続けて、
 持ちこたえてくれたんです。」
職員「信じられない、奇跡みたいだな・・!!」

私「だけど、Wタイヤの狭い隙間は、冷え難いので、
 そこだけ余熱がどんどん蓄えられ続けて
 このバスが、ここに到着して、タイヤが回転しなくなった途端に、
 冷却効果が失われて発火点に達して、それで発火したんです。」
 「内部に熱が篭ることによる、ゴムタイヤの炭化発火という現象です。」

職員「なに、炭化発火だと、もっと良く教えてくれ!!」
私「後ろのタイヤの表面を、ホースの水で洗って冷してから、
 もう一度、指で触って観てください。」
職員「よし、ホースの水で冷そう」
・・と、傍の洗車用のホースの水で冷して、指で触り直した。

私「タイヤの表面が溶けてて、すっかり炭化してるのが、お判りになりますか。」
職員「ああ、本当だ、ボロボロに炭化してるぞ!!」
私「ダイヤモンドも炭素の同位体なので、原石を磨けばピカピカになります。
 このタイヤも、炭化して路面との摩擦抵抗で磨かれちゃって、
 ダイヤモンドの微粒子みたいにぴっしり光ってますよ。」
職員「すげぇー、こんなことって初めてお目にかかった。
 普通じゃ、まず起こり得ないことが起きちまったんだ。」

私「火山噴火は、それほどすさまじい、恐ろしい世界です。」
 「ベテランの運転手さんの腕じゃなかったら、ここまでの到着は、
 あり得なかったんだですよ。」

職員「全くだ、新品タイヤが1日で、分厚い溝が全部解けて
 すり減っちまうなんて、普通じゃ走るに走れない危険状態だもんな、
 良くこんな状態でここまで走って来れたことは、神業でしかない。」
私「退職2日前だそうで、それほどの模範教官の腕じゃなきゃ、
 ここまで辿り着けてませんよ。」

職員「ではもう一つ聞きたいか、今後、他の車両が火山噴火に襲われたら、
 どういう構造にしておいたら、こういうことを防げるのか、
 それが解るのなら、ぜひ、教えて欲しい。」
私「後部タイヤは2本一組で、バスの巨体を支えているので、
 それがイザというときに、直ぐに冷せるように、
 水冷式の貯水タンクと簡易スプリンクラーの構造であれば、
 発火温度に至る前に、温度センサーか温度ヒューズで、
 スプリンクラー作動させれば、タイヤ発火させずに、
 上手く走り続けられて、安全圏へ脱出も可能になります。」

職員「ならば、Wタイヤの上部に、貯水タンクを置いて、
 水冷式エンジンならば、その構造が可能になるから、
 そうすれば良いってことだな。」

私「それから、このバスはバス車内に、火山弾で潰れないように
 強化支柱が何本も入れてあります。
 さらに天井部も、通風口確保の為に、二重構造であったのが、
 噴火の岩石が飛んで来ても、なんとか持ちこたえられた理由です。
 これがもし、天井まで見晴らしがいい、ガラス窓やアクリル窓だったら、
 火山噴火では、ひとたまりも無く、やられて助からなくなるでしょう。」

職員「てことは、この時代の強化車体だったから、幸運が重なって、
 助かったってことのなか。」
私「まさに、仰る通りです。文明が進めば、展望列車のような、
 眺めの良さが求められて行くでしょう。
 経済性、採算性が求められれば、余裕の無い
 コスト削減の設計になってしまい、強化支柱すらも外されて
 ペシャンコに潰れる車両が、価格的に普及する時代が来てしまうでしょうね。」

職員「恐ろしい未来だな、我々が生きてる間だけは、
 そんなものは絶対に観たくも無い光景だ。」
私「仰るとおり、同感です。自分はレスキューも担ってるので、
 そんな時代は来て欲しく無いです。」

運転手「おーい、助けてくれ、ハンドルから指が離れなくなっちまってる!!」
私「いま行きまーす。」と、直ぐにバスの中へ駆け込んだ。

運転手「ずっと、ハンドルを握ってたら、指先に感覚が無くなって、
 指が動かないんだ。」
私「指圧マッサージしますので、直に戻ります。」
 「消防でも、ハシゴ車担当の操縦係りは、全身の神経を集中させて
 操作してるので、任務が済んだときは、良く指先がしびれて、
 指を離せ無くなってしまうことが良く起きてます。」

運転手「やはりそうか、プロ意識ってものは、死んでも握り続ける
 ものなのかも知れないな!!」
私「仰る通りだと思います。全神経をその一瞬注いで無いと、
 神業は起こせませんから・・
 でも、運転手さんの神業で、我々生徒は、無事生還できたのですから、
 本当に、感謝しても仕切れないほど、ありがとうございました。」

運転手「いや、あんたが居なかったら、これだけの修羅場は、
 切り抜けられなかったぞ、こっちこそ、礼をいう。」

私「この時代に、このバスを造られた方々の心意気と、
 皆の役割分担あっての、それが皆1つに成れたからこそ、
 こういう奇跡生還ができたんだと思います。」
 「定年退職の大ベテランを見習って、我々高校生もまた、
 コツコツの道を歩んで行きたいと思います。
 本当に、貴重な体験をさせて戴いて、心から御礼を申し上げます。」

生徒A子「アタシの父ちゃんも、タクシーの運転手なんですけど、
 今までは、父の職業をバカにしてましたけど
 全くの誤解でした。こんな凄い、大変な職業だったのですね。
 今日から見直して、帰ったら、素直に謝って、
 親孝行に励みたいと思います。」

運転手「ああそうしてください。父親も、子供に見直されることが、
 一番の励みになるし、生きがいなるから、親孝行してあげてください。」

男子B「俺も、父親と喧嘩ばかりして来たけど、どんな職業にも、
  立派な使命や、役割があるってことがやっと気が付きました。
  これで親の職業を継ぐ気になれました。
  人生の大先輩を見習いたいと思います。
  本当に、無事生還できたことに感謝致します。」
  
こうしてる間に、バスから降りて、赤水のバスターミナル内に立ち寄ってた、
女子生徒二人と職員達が、運転手さんの定年退職を祝う、
退社式の花束を持って来た。

私「生徒全員、バスの外に降りて、整列!!」
生徒全員11名が、運転手さんに、奇跡生還の感謝の言葉を述べながら降車して、
一同に整列。
一番最後に降りて来た、運転手さんを拍手で迎えて、
職員一同の代表のターミナル所長と、女子生徒代表が運転手さんへ花束贈呈。

ターミナル所長が、長年の無事故・安全運転に謝意を述べて、
定年後の模範指導員へ任命された。
生徒全員が拍手する中で、私は、小声で親友男子に
「なんで、女子生徒たちが、最後まで居残って、
この車両に巡り合わせたのか。不思議だったけど
俺たち、噴火で真っ黒な顔したまま、花束贈呈しても、
全然サマにならねぇもんな!!」
親友男子「全くだ、やっぱり、女はスゲェや、野郎どもの顔は、
 山頂の格闘で皆、真っ黒けだってのに、
 女子達の顔は、汚れすらねぇ、何かに護られてるんだろうなぁ!!」

私「生徒一同、人生の大先輩に最敬礼!!」
 「続いて、全員で、感謝の意を込めて、仰げば尊しを、合唱!!」
 生徒全員で、仰げば尊し、わが師の恩。教えの庭にも、はやいくとせ・・

  
私「続いて、我々が宿泊先へ向かう為の、代行バスが到着したので、
   乗り込む前に、蛍の光の一番を合唱して、乗り込んだら、
   二番を合唱してお別れしたいと思います。
 赤水バスターミナルの職員方々にも、
 心よりの感謝を込めて、気持ちよく、皆で、合唱しながら、
 我々生徒一同と、運転手さんの第二の人生の門出としたいと思います。」

 この時、職員達が、お別れの紙テープを持ってきてくれました。
 生徒たちと職員達が、お互いに端々を手に握ったところで
私「では、全員で蛍の光を合唱!!」 歌詞↓

こうして、赤水のバスターミナルでの、劇的な思い出の光景を胸にしつつ
代行バスに生徒達全員11名は乗り込んで、2番を合唱しなから
手を振ってお別れし、代行バスに乗って、再び発車〜♪

代行バスの若い運転手
 「一体、何があったんですか。」
私「阿蘇山で噴火に遭遇して、バスが黒こげに遭いながら、運転手さんの
 冷静沈着な判断と運転で、生徒全員が無事に怪我も無く、
  奇跡生還を果たせたんですよ。
 お礼を言っても限がないくらい、感謝の気持ちでいっぱいなので、
  もう一度、それをお伝え願えますでしょうか。」
代行運転手「ああいいですよ。私も、まだ新入りですけど、
  あの方は、今後も指導教官になられる方なので、
 見習わなきゃならないところだらけなので、沢山教えを請いたいので
快くお伝えしますよ。」
私「是非、宜しくお伝えください。お願いします。」

私は、再びハモニカをポケットから取り出して
赤水温泉の阿蘇白雲山荘ホテル(団体専用指定宿)までの間
ちょっと、リッチな気分に浸れる「80日間世界一周」を奏でた。 (爆)

赤水温泉の阿蘇白雲山荘ホテル

イメージ 1

しかし、そこで待ってたのは、問題の学年主任だった。
代行バスが、やっと到着したら、さっそく「お前ら、どこを道草してた〜」
私「噴火に遭ったと、知ってるのに〜」
学年主任
 「バカモン、つへこべ言わずに、さっさと中へ入って、飯を食え!!
 どんどん冷めちまってる、いつまで待たしてんだ!!」
私「今朝、学年主任は、飯もノドを通らないくらい、死にそうだった癖に、
 もう吠えるだけ元気もりもりなら、何人前か、ずるして食ったなぁ〜
    さっそく、奥さんに、長崎の一件ごと、電話でバラそう!!」

学年主任「おい、それだけは勘弁してくれ〜!!」
生徒の級長Y子「アタシ、お母さんに電話入れるわよ」
(高校のベテラン教員で校長とツーカー)
学年主任「おい頼む、ワシのことは、内緒にしといてくれ・・」

(ノ^^ )ノ(ノ^^ )ノ

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無事に帰れてよかったですね。その上の大活躍
ハモニカも吹けるんですね。バハハ。

2015/9/23(水) 午前 8:40 はなさかぽち

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それだはプロ級だよ。\(^^)/
これは1965年時点の出来事だから、それ以降の曲は登場無いけど、時代を問わなければ、もっと膨大に自在だよ。┌(。Д。)┐ あはは♪

2015/9/23(水) 午後 0:01 blog-予知ダス

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こんばんは〜☆彡

自然の災害って、怖いですよねw
先程は、ありがとぅございました〜☆彡

ナイス☆彡

2015/9/27(日) 午前 2:12 ロザコ

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災害は、乗り越える肝っ玉の勝負かも!!

どう致しまして・・次の記事に大いに期待だ!!ヾ(@^▽^@)ノわはは

2015/9/27(日) 午前 2:27 blog-予知ダス

最後に例の学年主任が登場しましたね。
私も次の記事に期待したいと思います。

2015/10/14(水) 午後 10:41 理瀬

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この学年主任には、まだ幾つもの爆笑事件があるけど、あまり書き捲くるのも、気の毒だから・・ほどほり冷ましつつ、記事にして行きますね。(爆)

2015/10/15(木) 午前 2:09 blog-予知ダス


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