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戦後、空前規模の大衝突
実弾発砲の雨と、妖怪小僧の戦い 全5話-その5 最終章 完結編
翌日の朝、朝食へしっかり食べてから
再び、縁日の2日目へ出向いた。(爆)
現場に到着すると、東電の兄ちゃんは
既に来ていて、さっそく準備に取り掛かっててくれた。
その少し横で、警察官たちと顔見知りの刑事さんとが
なにやら地面を、あちこち調べていたので、声を掛けた。
私、「おはよう、刑事さん、落し物でもしちゃったの??」(笑)
刑事「おお、お前か、落し物じゃなくて、昨日の夕刻ごろ
「ここで、中学生が襲われて、乱闘があったと署に通報が
あってな、お前は何か知ってないか。」
私、「それって、おいらのことだよ。」
刑事「なにおーー!!、ああ、お前は中学生になったんか。
ワシは、もうろくしたんか。まだ小学生だとばかり思ってた。」
「灯台下暗しじゃった。」と笑いながら、
「歳月が経つのは、光陰矢の如しじゃ、あっという間だなぁ!!
お前と知り合ったときは、まだこんなに背が小さかったのに、
ワシはあと半年で、定年退職じゃ、いろいろなことが、
走馬灯の如く、いろいろ思い出されてくる。
感慨無量じゃ・・」と、ちょっと涙目!!
そこへ調書を持った警官が来て
警官「中学生って、この子のことですか。」
刑事「お前、どこも怪我しとらんか。ぐるり回ってみろ!!」
私、「おいらは、どこも何ともないよ、この通り!!」
警官「信じられませんなぁ、こんなことってあるんでしょうか?」
刑事「事実は小説より、奇異なりじゃ、
お前、昨日のこと説明できるか。」
私、「うん、いいよ、刑事さん、そこの石段の一番上の、
大石に、ちょっと用心して、近付いて観てよ。」
刑事「この大きな石のことか。」と近付く
私、「その近辺に、まだ血のりが沢山、残ってるでしょ!!」
刑事「うむ、残っておるな!!」
私、「そしたら、その血のりを踏まないようにして、
そっと、大石の上に、足を乗せてみてよ。」
刑事「よし、こうか。」と身を乗せた途端に、
大石がグラり揺れて、刑事が石段から転げ落ちそうに
なったので、瞬時に支えて、落ちずに済んだ。
刑事「こりゃ、危ない、縁日で誰かが乗ったら、転げ落ちて
大怪我するぞ、和尚に言って、直させなきゃいかん」
私、「今日は、取り合えず、ロープを張って立ち入り禁止にしてよ。」
刑事「良し、そうしょう。・・で、この大石と、乱闘とどう関わりがあるのか。」
私、「おいらは、昨日、この石段を、刀を持った奴らに追われて
和尚のところへ、逃げようと駆け上がってきたのさ。
刑事さんも知っての通り、子供の体重は軽いので、
この大石に乗っかっても、転げ落ちずにすんだけどさ。
追っ手の、親分は大人だから、この大石に乗った途端に
重さでバランス崩して、後ろへ倒れ掛かったのさ。」
この時、傍で、話を聞いてた、縁日の屋台の仕度をしてた
的屋衆の古参格が
古参格「デカの旦那、あっしらとて、本当は真っ当になりてぇんでさぁ!!」
「でも、あっしらは、生まれつきなのか、育つ途中でなのかは
分からねぇんですが、とにかく、祭りの太鼓の音を聞くと、
体が浮かれちゃって、興奮しちまうタチなんでさぁ!!」
「うちの親分も兄いも、その点は同じだけど、親分は人一倍、
半月前から、やたら張り切っちまって、あっしらが傍から観てても
そんな前から、張り切っちまえば、イザ、本番の時にまで
疲れちまうのに、いくら止めても興奮しちまって、眠れねぇもんだから
アルコールに手を出して、祭りの前日には、浴びるほど兄いと
2人で、飲んじまってたんでさぁ。」
「そこへ、祭りの日に、この子が現れたもんだから、
駅前の一件での敵討ちとばかりに、追いかけ回して、
そこの石段を、駆け足で親分と兄いが続いて、
駆け上がったんでさぁ。」
「そしたら、足場が悪りぃもんだから、ぐらっとなったら
刀を振り上げたまま、後ろ向きに、兄いのほうへ
振り下ろすように、倒れちまったんでさぁ。
兄いも、居合いの達人だから、とっさに防戦して
気付いた時には、同士討ちでさぁ!!」
刑事「・・ということは、仲間同士での、偶発的な、相打ちなんだな!!」
古参格「へい、その通りでさぁ!!」
刑事が、調書を持つ警官に
「これで、どう処理したら良いか、判るな!!」
警官「ハイ、私も警官の端くれですから、その位のことは、直ぐに判ります。
事件調書ではなくて、被害者と加害者が、同じと言うことで、
空発的な事故として、事故調書で、一件落着ということで宜しいでしょうか。」
本当の真実と、裁判での真実とは
刑事「その通りじゃ、この一件は、仮に、ありのままの本当のことを
包み隠さず、事件調書にして、書類送検したとしよう。」
「そしたら、本訴で、裁判官、検察ともに、我々の警察の調書の
内容を、信じられると思うか。」
刑事「戦中の陸軍精鋭部隊が、銃剣所持して、丸腰の中学生に
総力戦で挑んで、丸腰の子供に、壊滅しただなんて、
誰が、そんな、ありのままの調書だろうが、信じられるのか。」
警官「信じられませんねぇ〜」
刑事「裁判所は、国の威信を背負った公の裁判所だ。
そして報道するマスコミもまた、公の威信を背負った、
報道機関であることを考えると、素人の国民大衆とて、
陸軍精鋭部隊が、たった1人の丸腰の子に、壊滅しただ
なんてことは、歴史上、誰も信じないだろう。」
刑事「世の中は、事実とは小説よりも奇異なりを、地で行くことも
良くあることだが、人間という生き物は、学問や、見識を身に付けた者達ほど、
理論の理詰めで筋道を立てようとするあまり、本当の真実が、通らないことは
常に起ることを、承知しておく必要がある。」
「それよりも、この子の説明の通り、誰にも分かり易く、筋が通ることのほうが
世の中には通るのだと、いうことも、心得ておく必要がある。」
「本当の事実は、決して唯一つでは無い。ということも
こうして、この子は学びながら、育つように天が仕組んだとしか
言いようが無い。なぜそうなのかは、今は知る良しも無いが
後世の歴史上では、役立つ時が来るのかも知れん。」
警官「世の中の真実とは、まさに、公の側からのものと
現実に、我々が観ているものと、二つあるということですね。」
刑事「それをどう判断するのかによって、もっと無数通りの真実が、
この世にはあるのかも知れん。
我々は、今の法規に照らして、役目を果すのみじゃ!!」
「後のことは、この子の世代に託すとしよう。」
警官「全く、その通りですな!!」
私、「んじゃ、おいらは、和尚さんにご挨拶して、兄ちゃんのことを手伝って
その後、一旦、お昼を食べに帰って、また夕方、ここに来るから
祭りに、またもめ事が起らないように、警察官たちに、ところどころに
立って、女衆や子供達が、安心して楽しめるように、見張り番と
誘導係りやってよ。」
刑事「良し、そうさせよう。」
これで、和尚さんと、東電の兄ちゃんところへ、挨拶と手伝いをしに行き
その後、一旦、お昼を食べに帰って、夕方、再びやって来た。
縁日の賑やかさは、照明が一段と明るくなったことで、女衆と子供達も
口コミで、大勢集まって来てた。
そこで、昨日の姉妹と、無事に再会した。
姉妹「昨日は、お寺の外に連れ出された直後は、
もうダメだ、助からない。涙顔だった。」と語りました。
「でも、10分経っても、まだ発砲音が続いてて、
周りの大人達は、『まだ、音がしてる』
15分経っても『まだ銃声が鳴ってるってことは、生きて戦ってるんだ。』
20分経ると、続々と担架で、外へ運ばれて来たのは、
『ヤクザ達ばかりだ。子供はどうした。』
『まだ銃声は、続いてる。まだ、生きてるって証しだ。』」
姉妹は、「ならば、絶対に生きてる。」と祈り続けて
30分しても、まだ銃声は続いてて、
「そのうち、漸く、音がしなくなったと思ったら、
担架で、担がれて来たのは、親分達のほうだった。」
「これなら、きっと無事だから、明日会えると確信持てた。」
と語ってくれました。
私、「心配掛けちゃって、御免ね。」
「お侘びに、綿菓子をご馳走しよう。」
的屋のオヤジに、
「綿菓子、三本、タダにしてよ。
「三人で、賑やかしの呼び込みやるからさ!!」
これで、昨晩、頭に負傷させた、的屋のオヤジから
タダで、戦利品の綿菓子をゲットして、
姉妹と三人で、
「格別に(タダは)美味しいね。」「うん、とても美味しい。」と、爆笑!!
そこへ、昨晩の一般衆の男たちがやって来て
A「おい、あの子だ、なんともねぇじゃねぇか。」
B「なんでたよ、俺は、襲われてんのを確かに、この目で見たぜ。」
C「なんで、子供が無事で、あいつら玄人のほうが、
担架で担ぎ出され続けたんだ。」
A「それによ、包帯巻いてる目の敵が、傍に居るのに、
今日は、なんにも起きてねぇぞ!!」
B「不思議なこともあるもんだ。俺たちはきっと
縁日のおキツネ様に、化かされて夢を観てたんじゃねぇか。」
C「俺たち三人とも、同じ夢で化かされたのかも、行いが悪いんか」
「世の中は、信じられねぇことが、起るもんだなぁ。」
私、「おいらは、キツネよりも、尻尾はタヌキかも」と振り返って
姉妹に「シッポは、見えてるかい。」
姉妹「今は見えないけど、そのうち、生えてくるかもよ。」
爆笑でした。
盆踊りの準備が始まったので、
そこへ三人で移動したら
姉御と女衆が、仕度をしてたので、
「昨日、お騒がせしちゃったので、手伝いに来ました。」と挨拶したら
姉御
「アンタ達なんだ。丁度いい、盆踊りの、子供用の浴衣が余ってるから
それを羽織って、一緒に踊ってよ。」と、姉妹とお揃いの浴衣を着て
女衆の踊りの輪に参加!!
この頃の時代は、美空ひばりの全盛期なので、
ひばりの花笠音頭などで、踊ってました。
そして、帰りは、その浴衣姿に化粧顔のまま、家に帰りました。(爆)
その翌々日、岡村元大将と落ち合って、縁日の稼ぎがどうだったのかを
尋ねたら、
大将「全く、お前ってやつは、信じられネェ、とんでもねぇ化け物野郎だ!!」
「最後の1日だけで、前年の稼ぎの3倍を越えちまったよ。」
私、「やっぱり、『ニセのイザリ』(戦後に、戦犯級の上級将校達は
傷痍軍人のフリして、街角の傷病兵を装って生活するしか立つ瀬が
無い敗戦の将であったので、『ニセのイザリ』の異名がついてました。)
と、『坂下の薮医者(手荒な荒療治の外科医の元軍医の異名)』と、
『クソ坊主』(寺の和尚で、闇の顔を持つ、代々公儀密偵を支援の大僧正)
に、妖怪小僧の役者が揃ろうと、そういうことになるんだねぇ!!」
と、豪快笑いをしてました。
この稼ぎは、恵まれない戦争孤児、貧しい子供達への生活費の支援と
学費支援に使われていました。
そのお金を、届ける役目も、私は担ってたので、民生委員達と共に
戦後の底辺の建て直しに使われてたのです。
ワ〜イ!\(^^\)(/^^)/ワ〜イ!
「戦後、空前規模の大衝突」の5話は、これで完結です。 |

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