面積は日本の五分の一、人口469万人の小国。
1991年、旧ソ連より独立。1995年にはソ連の外務大臣であったシェワルナゼが大統領に就任。しかし、経済の低迷と政府の腐敗を背景に国民の不満が爆発し、2003年11月、バラ革命によって旧弊は一掃され、若き指導者・サーカシヴィリ大統領が誕生した。
親欧米路線を明確に打ち出し、NATO(北大西洋条約機構)加盟を目指し、最終的にはEU(欧州連合)加盟を悲願としている。
法と正義を基本に、汚職追放と秩序ある国家建設に邁進中であるが、ロシアのプーチン政権は、グルジア特産のワインやミネラル・ウォーターの輸入禁止をはじめ、さまざまな圧力をかけている。
面談したズラブ・ノガイデリ首相は46歳。サーカシヴィリ大統領は39歳。
首相は、自分より年配の閣僚は一人しかいないと胸を張る。しかし、グルジア戦略国際研究財団のロンデリ博士は、4〜5人の意思決定サークルが経験不足から失政する可能性もあり、時々、意見を開陳するよう努力しているという。
世界の民主国家の中で、最も若々しい政治家によって指導されている国家である。簡素な首相執務室の入り口には、EU加盟の申請書を提出したときの様子がポスターにしてはってあった。
悲願であるNATO加盟なくして、ロシアの圧力に対する安全確保の道はなく、EU加盟なくして経済の発展、国民生活の向上はあり得ないことを、この一枚のポスターは雄弁に語っていた。
予想外の昼食の招待を受け、グルジア・ワインをしこたまご馳走になり、愉快な昼食会となった。
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このブログを書いた直後の11月7日、サーカシヴィリ大統領は、反政府デモ鎮圧のため、非常事態宣言を発した。昼食を共にしたノガイデリ首相を更迭し、内閣は総辞職となった。ロンデリ博士の心配された若さゆえの性急さが、混乱の原因かも知れない。
安倍(晋三前総理)さんの側近の話によると、あまりにも物事の処理を急ぎすぎた結果、燃え尽き症候群になったという。
政治には、老練さ、狡猾さ、手練、手管が必要で、若さ、純粋性だけでは駄目のようだ。
「政治の世界は一寸先は闇」とは、老練な政治家・川島正次郎の言である。
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