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ピーター・スピア作『せかいのひとびと』という絵本に,こんな風なページがあった。 みんな同じだったらつまらない世の中だとおもいませんか そのページには,町並みはすべて同じ色・同じ形の建物で,走っている自動車も全部同じ形,歩いている人も全部同じ格好という絵が描かれています。こうして見せられると,世の中には,いろんな違いがあるからおもしろいんだ!と納得させられるんです。 今日は,特別支援教育の研修で,知的障害児施設に行ってきました。うちの中学校にも,ここから何人か通ってきています。 知的障害児施設とは言っても,実際に知的障害があって家庭では育てられない場合の入所のほかに,家庭が何らかの事情を抱えていて,子供が親の元で暮らせないときの入所もあるのだそうです。 昔はそうとうひどい状態だったと先輩の教師が話していましたが,今日行ってみたら,それほどではありませんでした。部屋ごとにクーラーもついていましたし,テレビゲームをしている子たちもいました。思っていたよりも,わりとみんな楽しく暮らしているようでした。 そうは言っても,やはり肉親の下で生活している子たちとの格差は感じずにはいられません。部屋にあるのは,テレビぐらいのもので,あとは個人用のクローゼットが壁の一面に並んでいるだけ。あとは,畳が敷いてあるだけのガランとした感じです。 そういう光景を見ながら,自分の育ってきた家庭や,今の自分の家庭と比べてしまい,どうして世の中には,こういう格差があるんだろうかという思いが強くなりました。 ここまでなら,今までの私の考え方と変わらないのです。 でも,今日はその先に進みました。 それでは,世の中の格差が無くなったら,どんな風になるのか,できるだけ具体的に想像してみたんです。 …結果としては,想像に到りませんでした。どの家庭もみな同様の生活をしている様子を想像してみます。どの程度の生活レベルを想像すればいいんでしょうか。私の家も,それほど不自由はしていませんが,やはり欲はあります。もっと広くて,庭のある家に済みたいとか…。そういう欲はあってはならないのか,それとも,皆一様にセレブな生活ができるんでしょうか…。そもそも,人が皆そういう生活を志向しているのでしょうか?? 際限が無いんですよね…。それに,そういう皆同じ生活って,冒頭の絵本のページのようで,非常に不気味です。 世の中には厳然たる格差があって,この眼で観たり,耳で聴いたりしたときに,同情したり怒りを感じたりするような事が,この先も消えることは無いんだろうなぁ,という考えに行き着いてしまいました。 それでも,だからといって,日本の格差どころではない,悲惨な生活をしている海外の人々が,今のままで良いと断言もできない…。袋小路です。 この先は宗教しかないのでしょうか?…
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