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お盆休み中に、たまっていた映画を何本か見た。
まずは『シッコ SiCKO』2007年アメリカ
ようやく見ました。
アメリカの崩壊しつつある医療制度をテーマにした、ドキュメンタリー映画。
あのマイケル・ムーア監督作品。
wikiによれば、シッコは「狂人」の意味のスラングだそう。
いや〜これは凄い映画。ここまで酷いのかとあっけに取られた。。。
冒頭から、保険未加入なので病院に行けないという男性が、自分で足の怪我を縫う
という衝撃的なシーン。ちょ、ちょっと正視できないな〜こういうの。
アメリカは先進国では唯一、国民健康保険がない国で、未加入者は5000万人にものぼる。
そこには、福祉の精神などは既になく、政治家、保険会社、また保険会社専属の医師達のみが
莫大な利益を享受するという構造を暴露。
このからくりは、ニクソン大統領の時代に遡るらしい。
何やら当時の盗聴テープまで再生されていた。
国の保険制度がないんだから、民間保険会社に加入するしかない。
だから当然ながら、保険料は高く、加入出来る人も限られる。
おまけに医療機関や治療法の選択権はなし。
高い保険料払って保険に入り、いざ保険金の支払を受けようとすると、
保険会社専属の医者と会社側が組んでいるから、
あれこれと理由をつけて、不払いになるケースが多発。
不払いが多ければ、医師の年収が上がるというしくみ。
適正な治療を受けようとすると、それは必要ないだの過剰だの、
クレームが来る。
また、交通事故で意識不明で病院に運ばれた女性が、保険金を請求すると、
保険会社に救急車利用の事前報告をしなかったという理由で、
保険金が不払いなったなどの例。
意識不明で事前報告できるはずないでしょ!!
一方、フランス、カナダ、イギリスでは医療費が無料で、
いかに社会保障制度が充実しているかを披露。
同じ先進国でありながら、何故ここまで差があるのかという問題提起をしている。
ただ、どうしてこれらの国じゃ、無料の診療が可能なのか、
その財源のしくみなんかを突っ込んでもらいたかった。
あそこまで厚遇されていると、逆に不安になりますな。
アメリカが常に敵視してきたあのキューバでさえも、無料の医療制度を持ち、
クオリティの高い医療体制を持っている部分まで取り上げていた。
そして、911のボランティアによって体を蝕まれたものの、
無保険あるいは高額な治療なので、自国で何の治療も受けられない、
という気の毒なアメリカ人達がキューバを訪れて、高度な治療を無料で受けるシーンは、
アメリカ政府への究極の皮肉だろうし、映画のクライマックス。
キューバのいい部分は、意図的にアメリカでは報道しないわけね。
それにしてもマイケル・ムーア監督、相変わらずここまで描くというのは、
相当の勇気と覚悟がいるだろうねぇ。
日本の医療制度も、保険料はどんどん上がるし、負担も3割と最高ではないにしろ、
アメリカのこの状況(とは言っても全てのアメリカ人がこういう状況だというわけではないと思うが)
に比べると、格段にいい。
日本じゃアメリカのように、ちょっとした手術に何百万もかかる事はまずないし。
良かったぁ。。。と思ったものの。しかし待てよ、、、、
じゃあフランスやイギリス、カナダの診療無料。。。この差は一体何?
しかもフランスじゃ、1ヶ月以上の有給休暇は当然の権利、無料のベビーシッター派遣制度等など
夢のような福利厚生の充実ぶり。。。
これも、ひとつには、フランス人は、政府に容赦なく抗議するので、政府もそれが怖くて
こうなっている、、、という。
この映画、日本では大した話題にならなかった気もするけど、やっぱりなんかの圧力があったのかも。
こんなの見せたら日本でもデモが起こるぞ!とか。
・・・・・いや〜日本人はそうでもないのかな〜。
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