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既得権にぶら下がる反TPP論者に騙されるな。TPP参加見送りなら日本株から撤退すべし。
カナダやメキシコ、タイはTPP交渉に参加することを選んだのに、日本国内ではTPP賛成派を売国・陰謀論者と決めつけ、反TPPを主張するグループの声が大きいようです。
日本の参加が現加盟国から認められる確証もないのに、「どうせ日本は交渉下手だから」という議論が交渉参加前からまかり通る状況は、明治維新前の「尊皇攘夷」かイソップ寓話の「すっぱい葡萄」のよう。一方、クロアチアは別の経済ブロックであるEUに今年加盟し、トルコも加盟を切望しています。またアメリカとEUは、FTA(自由貿易協定)締結に向けて動き出しています。
「日本」を「東京」に置き換えて、保護貿易を考えてみる 「2013年報道の自由度ランキング53位」の日本政府が練りに練った「大本営発表」や、各種利益団体が用意した情報をベースに考える前に、貿易のメリットを小さなモデルで考えてみましょう。
仮に東京都が独立を宣言し、通関を設け、都独自の新税を導入し、都独自の車の整備基準と薬の許認可などを行った状況を想定します。神奈川県や千葉県からの野菜には関税がかかり、埼玉からの工業製品も東京に持ってくるには通関が必要になります。愛知や広島にある自動車工場では(例えば)燃費基準を強化し、エコ燃料を使う東京仕様車を別ラインで作らなければいけなくなり、その分かなり割高になります。おまけに都が課す関税が高かったり、通関業務の遅延がひどいなら、多摩に工場を移そうと考えるかもしれません。当然「それなら」と東京からの物品に対しても周りの県で関税がかけられます。 都内の農家は大喜びですが、大多数の都民は今よりさらに高いコメや野菜を買わされ、工業製品も品揃えが減った上に値段も上がります。まわりの地域では東京に工場が移転してしまって職が減ります。
この東京が独立した状態が保護貿易です。こう考えると、自由に交易ができる方が社会全体のメリットになることが簡単に想像できます。そうであれば、より加盟国間の取引を自由にするTPPの理念自体を否定するのは、「何か他に意図がある」といえそうです。
保護貿易でトクしているのは誰だ 「日本の食料自給率は40%しかないから農業保護は安全保障上必要」というのがよく聞かされる反TPP本丸である農水省のロジックです。ところが、実は農水省が長い間使っている数字は、世界で日本だけが算出しているユニークな「カロリーベースの自給率」というものです。
こんにゃくやレタスはいくら生産しても自給率への貢献度がゼロ、他の野菜や果物も金額が大きくてもカロリーベースにすれば「自給率」への貢献度は極めて低くなる仕組みです。また、食肉は輸入飼料分を差し引くので、その分「自給率」は下がります。
ちなみに常識的な生産額ベースの自給率では7割近いとされ、「日本は島国で農業が弱い」と主張しているのはウソとなります。加えて、「日本の農作物が安全」という主張も相当怪しいものです。狂牛病では対策が海外に大きく遅れをとりました。また、原発事故の後は、十分な研究が行われていない低濃度放射能汚染作物を国民に食べさせ続けています。
また、国民は輸入品も高い農作物を買わされています。保護貿易は巧妙な国家貿易の仕組みで利権の温床となります。例えば9割を輸入に依存している小麦は、わざわざ政府が関与して補助金の原資や外郭団体の運営費を上乗せした2倍程度の価格に吊り上げて販売しています。
なぜフェアな関税にしないかというと、そうすると9割の輸入小麦の価格を高く売る差額を別の財布に入れて中間搾取していることが明らかになってしまうからです。実際、輸入小麦の価格が下がっても既に9割輸入しているので、輸入量が増えるわけではありません。関税化したといいつつ、輸入品を高く売るための政府の関与を残すのがTPP反対の理由というのはおかしな話です。 同様に輸入に頼っている品をわざわざ国家貿易にして中間搾取する仕組みが乳製品や砂糖にもあります。つまり、TPPに参加すれば、輸入品から既得権益を得ているこれらの中間搾取層のデメリットになるわけです。
一方、スーパーに並んでいる野菜や果物の大部分は、TPPによる影響はほとんどないと考えられます。アメリカやニュージーランドで機械化が難しい白菜や大根を作って日本に輸出するのはまずムリですし、今でもオレンジや海外のグレープが日本のみかんや葡萄を駆逐してはいません。それでも疑うならアメリカなどでスーパーに行って見れば良いでしょう。日本人が買いたい野菜や果物とは異質な、「固くて大きいナス」や「ラグビーボール型の巨大スイカ」などが並んでいます。(次ページへ続く) 「聖域なき関税撤廃反対」は賢者の知恵か、反対のためのプロパガンダか TPPの現加盟4カ国でさえ、「即時関税撤廃」「長期的に自由化するもの(関税割当拡大を含む)」「関税撤廃の例外」の3項目を定めています。つまり「聖域なき……」自体おかしな議論で、アメリカでも砂糖や乳製品の一部などは現在の他国とのFTAで例外にしていますし、移民は増やしたくないはずです。
また、日本国内のがん保険も米系企業が強いことを理由に、実は当のアメリカが長年自由化に反対しています。となれば、「聖域無き……」は自民党の賢者が例外があることを知った上でTPP交渉に参加するために使っているのか、反TPP派が勉強もしないで主張しているのかどちらかといえるでしょう。
ただし、現在の日本のように9割も輸入している小麦を不透明な国家管理貿易にしたり、コンニャクイモなどを含めた850品目もの例外を求めると、「TPPただ乗りを目指す不届者」とされて参加を拒否されてしまいます。そもそもFTAやTPPが動き出したのは、新興諸国を中心に「自国は不透明な制度で閉鎖して他国で自由貿易を享受するWTOただ乗り」が増えてきたからなのです。 既得権益者は骨抜き工作を意図? TPP反対派が問題としている「ラチェット規定」「ISD条項」「ネガティブリスト方式」は、公正な運用をするために考え出されたものです。
ラチェット規定は、「1回決めたものは後で“ちゃい”は無しよ」というもの。実際に、WTOに加盟していてもころころ運用を変えて輸入を制限する国がいるので、合意を守るために工夫されました。例えば、日本は拠出金を約束したら世界でも「きっちり守る」と評価が高いのですが、近隣の某国は約束を反故にすることで知られています。
ISD条項は、問題があったら国際機関で仲裁しようというものです。これがなければ、中国が「領土問題は2国間で解決すべき」とベトナム、フィリピン、日本に盛んに言っているように強引な大国が有利になってしまいます。だから、日本のような文化を持つ国には、この条項は絶対必要といえます。
最後にネガティブリスト方式というのは、対象を決めるよりも例外にするリストを決めたほうが抜け穴が減り、より広範囲で公正な運用ができるというものです。だから、農協の共済、郵便貯金、コメの輸入制限などをどうしても日本国民が守りたいと思うのであれば、それらをこのリストに入れればよいだけのことです。
これらを問題と騒ぐのは、複雑な国家管理で関税化合意を骨抜きにするようなことを考えている既得権益グループなのかもしれません。
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