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−−−佐藤 正人−−−−砂漠に緑の木を植えよう−−−ー気象を、解き明かそうーーーー秩序性と調和、の型を示していこうーーー

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 人類の共通の敵




 テロ集団は、人類の共通の敵化しつつある。彼らが銃を持って、あるいはダイナマイトを体に巻き付けて一般市民を殺傷し、自らも命を絶つ行為を繰り返す。彼らが憤りを持ちながら激しく立ち向かえば、結果的に世界を敵に回し、テロ対策という機運を世界各国に打ち立ててしまうことになる。そのことは取りも直さず、各国に利害があったとしても、共通の敵が現れたことにより、緊急の課題を突き付けられたことによって、皮肉にも世界は様々な協議を通じ、一つの秩序を形成しようとする動きにつながる。この闘争は、しばらく続くと思う。

 黒覆面をしているということ、黒で象徴的に身を包んでいるということは、自らの集団が〈悪の集団〉であることを、世界にアピールしているようなものだ。彼らがイスラム教を名乗っていること、アッラーの神を唯一の神と称し、それを侮蔑する者に対して容赦なく危害を加えると声明を掲げていること、彼らが真のイスラム教徒ではあり得ない、正当なイスラム信徒とは言えない。他の多くのイスラム信徒は、一日五回メッカの神殿の方角に向かっての礼拝、年に一か月の断食期間、喜捨の習慣、特定の肉食を排し、アルコールさえ避けるといった厳しい戒律が課せられ、太った人はあまり見られず、信仰への連帯感と慎ましい生活に包まれている。

 イスラム教信者数は、インドネシアを筆頭に、中東、アフリカ、ロシアにまたがっていて、数年後にはキリスト信者数を追い抜くだろうと言われている。キリスト信者の子を産む数よりも、イスラム信者の子を産む数の方が優ることが一番の理由だ。キリスト教圏側、一般に米国と欧州を含め、先進国側である。キリスト教圏側にとっては、無言の圧力・脅威と見える。このこともあって、マスコミを巻き込み、激しい空爆、強烈な爆撃を仕掛けている。中東の地形は、砂と駱駝に象徴されるように渇いていて、それが民族の気質にもつながっている。森林に囲まれ、食料の蓄えが身近にある世界とは異質である。略奪と報復が、唯一の神・アッラーの意に即している、との教義の解釈と闘争の歴史とがある。一筋縄ではいかない。

 宗教における過激行動は、イスラム教に限ったことではない。キリスト教においても、仏教においても経験済みである。わが国でも〈僧兵〉といって、特定の宗派が一様の頭巾をかぶり、薙刀を持ち、朝廷や武士社会に対して口出しをし、あたかも権力を握ったかのような猛威を奮った時代があった。織田信長などは、その動きを封じるために、比叡山を焼け野原にすべく火を放ったのである。宗教は、もろ刃の剣を持ち合わせている。私としては、宗教が政治の上に立ってはいけない、という基本原則を持っている。望ましい政治が施行されていない時代であっても、宗教が台頭し、実権を握り、それによって国民が振り回される悲劇性よりもまだましである、という認識である。

 11月13日(金)にパリの街中で繰り広げられた、イスラム国によるテロ事件。一般市民130人もの死者と重軽傷者を数多く出し、世界各国に衝撃が走った。米国・オバマ大統領と、ロシア・プーチン大統領のひざ詰め会談の写真が載っていた。ロシアによるウクライナ問題、どこかに吹き飛んだ感さえある。もちろん、両者の思惑は必ずしも一致してはいないが、このテロ事件を機に、対立から同じテーブルへと繰り出されてしまった。両者は、中東問題に対しては、立場も方策も異なっているはずだ。ロシアの旅客機墜落が、ほぼイスラム国の自爆によるテロ行為ということが判明し、テロ対策が急務とあって、両国を急接近させている。また、そのうち相違える事件が起きるであろう。

 これらのことが、世界平和への助走、文明の衝突を越えた世界秩序への構築へとつながるとはけっして思わないが、イスラム国による敵意に満ちた無差別テロ虐殺行為が、彼らを基点にムーブメントのごとく世界の包囲網を形成しつつあることは確かだ。彼らにも、彼らなりの正義があるのであろう。一方で、単なる殺人事件を犯すことに、刺激なり快感を覚える輩もいるであろう。彼らは、激しく事件を引き起こすことによって、図らずも世界を敵に回し、人類の共通の敵の一役を担ってしまっている。決して、私が望んでいることではない。この地球上から悪なるもの、平和を脅かすもの、人々の悲惨状況を一掃させたい、というのが私の立場である。どうしたら、人類の課題を成し遂げ、人類の解放へとつながっていくのか、それが私の一貫したテーマである。平和とは、矛盾した世界構造である、という観方も一貫している。




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    やはり イスラムの文化そのものが このようなテロを生み出していると思います。 人口が増える。 しかし仕事がない。 無職の若者達は お金をもらえるからISへいく。 シリアの土地を世界の智恵で 耕作地として 若者達に働いてもらう。 そんな基本的なことが解決につながるのではないでしょうか。

    花やっこ

    2015/11/20(金) 午前 10:37

  • 顔アイコン

    > 花やっこさんへ

    花やっこさんのご指摘の通りだと、私も思います。
    テロ撲滅への真の対策は、武力ではなく、農耕地としての普及の方が彼らの将来にとって有益であると思います。
    そうなると、日本人としての役割も、単なる資金提供ではなく、農業への普及へと幅広く見えてくるものがあります。

    ご指摘ありがとうございました。

    [ yokonokai7 ]

    2015/11/20(金) 午後 1:01

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