|
「あのね…」
そういって、そしてコーヒーを一口飲んで僕を見た。
「えっ!」
僕はどういった感じでその言葉を受け止めていいか分からなかった。
昨日、会った、いいや、正確に書くと何分か同じ場所にいたというそんな関係だったのだから…
「ねえ、これからどこに行くの?」
続けてこう云った。
僕は疲れと、そしてなんともいえないけだるさの中にいて、でも、今、目の前にいる女性に興味がわいてきて、それで
「夕方までに恩納村に着けば…」と、答えた。
そう、今回の沖縄に来た最大の目的は恩納村にあるココナツ・ムーンでのロックバンド「紫」のライブ。
そして、そのライブが今夜。
なので「それまではキンキンに冷えたビールを片手に海を見ながらのんびり…」
と、思っていたので「夕方までは…」そう答えた。
「ふーん、ならまだ時間はたっぷりあるわね。ねえ、備瀬まで一緒に行かない!」
彼女が僕の目を見てそういった。
「えっ、備瀬?」
「そう、1人じゃつまらないから…」
本当につまらなそうにそう云った。
備瀬はふくぎの並木で有名なところ。
僕は沖縄に来ると必ず備瀬には寄るのですが…
まさか、彼女から「備瀬」などどいう言葉が出るとは思わず、
「行きましょ!」
今度はにこって笑って僕を見た彼女に
僕は思わず
「はい!」
そう答えた。
そう、彼女のしぐさには「はい」っていうだけのなんともいえない魅力があった。
それで時計を見たら、まだ8時。
「ねえ?」
今度は僕の方に顔を寄せて云った。
「えっ?」
僕は驚いた。だって、昨日というか今日会ったばかりの女性が僕の目の前というか、ほんの20cm位のところに顔があって、それで僕に「ねえ?」なんて云うのだから。
「そういえばあなたの名前聞いてなかった。私、由美」
そう云って、で、人差し指で自分の鼻の頭を指した。
「さとし」です。
僕は条件反射的にそう答えた、確かにそう答えるしかなかった。
彼女の言葉に吸い込まれるような、そんな感じだった。
「決まりね!」
そういって、それで席を立って僕に目で合図して、それからコーヒーカップをテーブルの上に置いて車のキーをバッグの中から取り出した。
「行こう!」
そういって、それで席を立って僕に目で合図した。
「車は?」
彼女もレンタカーのはず。
僕は思わず、そう聞いた。 「私ので行きましょ。あなたの車は私の知り合いのところに置いておいて!」
車の鍵を僕に見せながら
「えっ!」
有無を言わさず、そんな感じだった。
「ねっ!」
そう云って彼女が僕より先に店を出た。
僕は後からついて行った。
アンダーのドアを開けて彼女の車を見た。
彼女の車は赤のプジョー206CCカブリオレ仕様だった。
それで、僕も駐車場に止めてあった車に乗り、エンジンをかけた。
彼女はバックミラー越しに「ついてきて!」そう、僕に手を振った。
僕も彼女に「オーケー!」と手で合図した。
彼女の車はウインカーを出し、国道へと走り出した。
僕は彼女の車(プジョー)の後に続き、海を左に見ながら、そう、国道449号線を20分位かな走ったところで、海岸沿いのある駐車場へと彼女の車が入って行くのを確かめて、それで僕は少し遅れて、彼女の車の左隣へ車を止めた。
そこはビーチ沿いにある小さなホテルだった。
彼女は車を降り、「小さな」、そうそれは道路から見ても「ここが?」って感じのこじんまりとした感じの建物でそこに入っていった。
僕は車から降りてドアの鍵を閉め、彼女の車の後ろで彼女が来るのを待った。
そうしたら、汗が少し出てきた。
太陽が昇っていた。
「夏なんだよな!」
僕は独り言のように空を見上げて云った。
そして、2〜3分位だろうか、その位の時間がたち、彼女がバッグを1つ持ってホテルから出てきて
それで手に持ったキーのスイッチを入れ、鍵を開けてくれた。
そして「どうぞ!」
そう僕の顔を見て云った。
「ありがとう!」
僕は助手席に座った。
女性が運転する車に乗るなんてあまりないこと、
少しだけ、嬉しくなった。
今回は1人で沖縄。
僕は助手席に座って、そしてシートベルトを閉めた。
「ドライブは1人もいいけれど、2人もいいわね!」
彼女はエンジンをかけ、僕の方を見て微笑みながらそう云った。
彼女のことは、彼女とは少し話しただけで詳しいことは何も知らないけれど、僕の中で「こういった出会いもあってもいいのなか?」思ってしまう僕がここにいて、
けれど、実は「この先、どうしたらいいのだろう?」などど、実は彼女と合ってから僕の頭の中ではいろいろなことがあっちこっち&右往左往&いったりきたりしているのですが、何をどう考えてもその先は分からないので「まあ、いいかーっ!」って
そう思ってしまうしかなく、
「えーい、いいかーっ!」って、何度も云ってるような感じなのですが、悩んでも仕方がない時はいつもこうなるのです。
「ルーフ、開けるね!」
そう云って彼女は左手でルーフを開けるスイッチを押した。
ルーフは30秒もしないうちにボディの中に収納された。
「風を感じたいの!」
続けてそう云った。
「えっ、はい!」
僕も思わずうなずいた。
つい1時間ほど前は小雨だったのが、今は晴れ。
確かに彼女が云うように『風を感じたい』そんな天気だった。
「せっかくだからね、こんな時のためにカブリオレを借りたの!」
「はい!」
なんだか、僕は、僕の姉さんのような言い方をする彼女に、そう、彼女の弟のような錯覚を覚えた。
左手にきらきらと光る海を見ながら、僕たちの車は449号線を走った。
※まだ、全体の流れ(僕、彼女、そして話の内容)が決まっていません。なので書きながら、さあ、次は?って感じです。しかし、アンダーで彼女(由美)から「備瀬!」って云われてから「オン・ザ・ビーチ・ルー」に着くまでにアバウトで原稿用紙10枚分位使ってしまったのには我ながら驚きでした。このペースで行くと、いったいこの物語が終わるには原稿用紙にして何枚分かかるのか?。いやはや、先がまったく見えないのです。
|

- >
- 芸術と人文
- >
- 文学
- >
- ノンフィクション、エッセイ


