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2013年9月14日(土)神奈川県民ホール 14:00開演
昔録画しておいた2010年バイロイト音楽祭「ワルキューレ」と
2005年プロムス演奏会形式でドミンゴがジークムントを歌ったものを観て
堀内修さんの「ワルキューレ」聴きどころ・聴き比べの講演に行き、
毎晩30分ずつショルティのワルキューレを聴き、翻訳も読んだ。
準備万端 いざ開幕!
えええ〜っ!!
ジークムント若すぎない??
ジークリンデも。
私の席は前から6列目
どう見ても、10代後半の若者なんですが・・・
見た目も雰囲気も活発な動きのキレも、
ときおり見せる無邪気さとあどけない表情にしても。
若者の役というのはわかるけれど、なぜこんなに若いのか?
なぜ、こんなに自然に若く見せられる演技ができるのか?
という疑問でいっぱいで、慣れるのに時間がかかった。
1幕の見せ場の「冬の嵐は過ぎ去りて」は
幸せそうなジークリンデが座って、くるくる回っているのを見ながら
もちろん、歌の素晴らしさにうっとりしたし、
剣をひきぬいた時のジークムントのかっこ良さときたら!
でも、趣味の問題だけど、こんな年若な二人の愛の場面よりも
大人の愛を観に来たのにな〜とちょっぴり不満。
私としては、ジークムントは勇者だから、さぞかしマッチョで渋いだろうと
期待していたんだけど、アイドルのように若くてイケメンに見えすぎる。
ジャニーズファンや韓流ファンには歓迎されるのだろうけどな〜。
が、すぐに2幕目で演出家の意図がわかって心が覆った。
その前に、ヴォータンとフリッカの対決
フリッカ役の小山さん 品があって威厳があって素晴らしい!
車椅子に乗って、杖をついて歩く姿になおさら様々な経験の厚みを感じる。
青山さんもこの前まで期待の新人扱いだったのに堂々としたヴォータン
二人の会話は長いけれど、最高の歌手は言葉の意味がわからなくとも
歌を聴いているだけで、心地良いし、飽きる暇がないほど感動する。
さすが、日本のオールスター歌手勢ぞろいなせいか
次から次から出てくる人全員聴かせてくれる。
ここでは、本当は、双子の愛を応援したいのに
どうしてもフリッカの理屈に納得してしまう。
そして、フリッカの理屈にヴォータンが屈するのがとても爽快。
現実世界でいくら理屈が正しくとも、そのまま通ることなんて
ほとんどないからかもしれない。
今回の演出は原作に忠実なばかりか、内容がわかりやすくなるように
様々な工夫が凝らしてあって、歌と歌の合間に場面転換して
一瞬ジークムントとジークリンデの過去を垣間見ることができた。
たったひとり歩いていて狼の毛皮を見つける子役のジークムント
焼け焦げた家の前で呆然とする子役のジークムント
焼け焦げた家の間で嘆く子役のジークリンデ
焼け焦げた家の前でフンディングたちに取り囲まれて怯える子役のジークリンデ
実際の子供を目の前にするとそれがどんなに過酷なことだったか
胸に迫ってくる。
そして、現在のジークムントとジークリンデが逃げてくる。
ジークリンデは精神状態が不安定で愛するジークムントに
「私の体は汚れているから、離れて」と叫ぶ。
ここで初めて、ああ、この双子は大人になったけれど、
心は傷ついた子供のままなんだなということを理解。
少女にしか見えない大村博美さんのジークリンデの嘆きの歌を
聴いていると可哀想で可哀想で涙、涙。
あれ、ここ堀内修さんに聞いた泣けるシーンよりもだいぶ早いのではと
思いながらも、涙が止まらない。
傷を癒すように抱き合って寝ている双子の前にブリュンヒルデが登場。
ジークムントは体は強いけれど、ジークリンデ同様内面は傷を抱えた子供で
一生懸命虚勢をはっているように見える。(涙)
眠っている設定のジークリンデはしょっちゅう起きてきて
ジークムントを探し、嘆き、その度にジークムントは優しく抱きしめて
なだめるのだけれど、観ているこちらとしても、ジークリンデを助けたくて
居てもたってもいられない。
そんな中でのジークムントへの死の宣告
ひどすぎるっ!!
ここで、また涙がザバー (予習ポイントぴったり。)
今まで、どうしてもブリュンヒルデの翻心に唐突感が拭えなかったけれど
今回は、あまりにジークリンデとジークムントが可哀想なので
そうでしょう、気持ちを変えるの当たり前でしょう。それ以外ないでしょう。
もちろん、筋書き通りにジークムントは死に
(それにしてもカッコ良い死に様でした。)
呆然とするジークリンデ同様、呆然とする私。
ああ、福井さんの出番が終わってしまった・・・
3幕目 ワルキューレの騎行を聴きながら、
高揚感に満ち溢れていたのに、ジークリンデを見た途端
居てもたってもいられない状態になってしまった。
横山さんのブリュンヒルデ、美しくて強くて頼りがいのある姉御ぽくて素晴らしい!
でも、衣装がスケバンみたいで・・・ちょっと残念。
英雄を宿したと知ったジークリンデが急に強くなって去っていく姿に安心して
最後の見せ場であるヴォータンとブリュンヒルデの別れのシーン
ここまでで、ヴォータンへの憤りが積もりに積もった上に
自分がブリュンヒルデに翻心するように誘導したのに
そのセリフはなんだーーー!!
自業自得だ!!
いくら父と娘の別れが美しくても絶対に泣きはしない!
と心の中で、ヴォータンの椅子に蹴りを何度も入れた。
(蹴りを入れても動じないような重厚な声の青山ヴォータン 素敵でした。)
しかし、小さい頃の女の子のブリュンヒルデが登場し
その子役を相手に歌いかけるヴォータン
子供使うのずるいっ!
やっぱりホロリときた。(予習ポイントぴったり。)
そして、ブリュンヒルデは炎に包まれ
さあ、ここからは聴き所らしいから、100%オケに集中して聴こうと思ったら
ヴォータン、フリッカ、ワルキューレたちがいる一室に場面転換
ああ、ブリュンヒルデだけいないヴァルハラね。と思っていたら
えっ、ドアを開けて入ってくるジークムント!!
ヴォータンが差し出した両手を振り払い、憤然とした顔で室内に入っていく。
背中を丸めたヴォータンが椅子に腰掛け、
テーブルの上のロウソクを吹き消して
幕
冒頭にも同じシーンがあって、その時は誰がどの役かわからなくて
意味がわからなかった。
その謎が解けたと同時に、死んだジークムントはヴァルハラに
連れていかれたことがわかり、なんて隅から隅まで
わかりやすく丁寧な演出なんだろう。
100%オケ集中計画はジークムントを見た時点で
気持ちが舞い上がって頓挫してしまったけれど。
筋書きをわかりやすく理解できて素直に感動できて、本当に良かった。
ジョエル・ローウェルスさん 本当にありがとうございました!!
神奈川県民ホールに日本人オールスターオペラを観に来る人は
私のように初心者が多いと思うから、ぜひ、いつも原作どおりのオペラの
演出をしてくれる人にして欲しい。
結局、予習してきた原作とは全く違う内容のものを観てしまった
という気持ちも強いのだけど、
いつもこんなにわかりやすい演出なら、友人もしょっちゅう誘えるんだけどな。
指揮:沼尻竜典(びわ湖ホール芸術監督)
演出:ジョエル・ローウェルス 管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団と日本センチュリー交響楽団 による合同オーケストラ ジークムント :福井 敬
ジークリンデ :大村 博美 フンディング :斉木 健嗣 ヴォータン :青山 貴 フリッカ :小山 由美 ブリュンヒルデ :横山 恵子 |
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私、「ワルキューレ」のストーリーを知らないのですが、ゆりさんの熱いレポートを読んでいて、面白そうなので見たくなりました。
スケバンみたいなブリュンヒルデの衣装が気になります。
2013/9/18(水) 午後 11:17
知り合った若い男女が生き別れの双子で
すぐに恋に落ち、えっ!そんなことあり!?と驚いている間に
次の幕には子どもができていることがわかり、ええ〜っ!!
昼ドラよりも、かなり濃厚な内容なのに、DVD観ていると必ずや
寝てしまうのですが、挑戦されるならすぐ貸しますよ〜。約4時間です。
2013/9/21(土) 午後 11:07