「続:開業医のつぶやき」(前編は野田内科H.P.n

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わたしの主張         顧問  野田 芳隆
  75 「政治に日本人としてのプライドを望む」
かなり挑発的タイトルを掲げさせてもらったのは、612日の保険医協会主催のジャーナリスト関岡英之先生の時局講演会「国家の存亡 TPPが日本を亡ぼす」を拝聴してから、いまのままの政治政策が続けば大変な事態に陥ると危惧したからに他ありません。
1989年自民党の宇野首相の時から毎年米国から日本に向けて出されている「年次改革要望書」Annual Reform Recommendation では、政治経済外交金融社会保障医療などあらゆる分野にわたる「上から目線のダメだし」を日本に毎年突きつけてくるのですが、歴代の自民党内閣は、「言いなりになって米国の代弁者」となってきた経緯が明示されました。日本の政治に対してfair(公正な)、free(自由な)global(地球的視野での)さを求める等、一見まともな命題を掲げているがその実態は、自国の企業の利潤追求以外のなにものでもない事が明示されました。
1996年末の橋本内閣時代の「金融ビックバン」で山一證券、長銀、日債銀、拓銀などの倒産がおこりそれらはメリルリンチ、リップルウッド、サーベラスに乗っ取られたあげくに生き残りをかけて、残った銀行の「貸し渋り」が起こり、多くの中小企業が倒産し、時を同じくして毎年の自殺者が急激にふえて3万人の大台を越え今に至っています。 次に金融関係で大きなターゲットにしたのは生命保険業界で、「毎月保険金が入るし銀行みたいに頻繁に引き出されないで死ぬまでは自由に運用できる生保会社」は、大変美味しいのです。事実、その後5年間で日本の9の生保会社が外国生保に吸収されうち5つは米国の会社でした。次に狙ったのが「郵政改革」で、小泉内閣が「構造改革」と銘打って出たが、実態は米国の代弁で、当時120兆円というカナダ政府予算に匹敵する簡保資金を有する郵政事業を民営化して上場させれば「思う壺」になるのです。TPPでは、医療業界に混合診療を認めさせて一本数万円もする抗癌剤や遺伝子組み換え導入の高価薬剤を保険外とすれば、公的保険でカバー出来ない分を民間保険に加入するようになるし、既に日本の薬価制度で米国薬価の約1/3程に押さえられている高額新薬は米国並みに戻して、20年間程度ある特許期間内は自由申請価格でガッポリ儲けようという算段だ。米国の乳幼児の死亡率は、先進国中ダントツに高く、日本の2.6倍なのは、経済的理由で受診もままならないためであるが、総医療費は桁違いに高い。富裕層にのみ手厚い医療になり下がる、TPPを認めたら、世界に冠たる日本の素晴らしい皆保険制度が崩壊することは自明の理である。消費税10%問題とともに医療福祉業界を取り巻く環境はますます厳しさを増す中で、みんな一緒に声をはり上げていきましょう。
 佐賀県保険医新聞  20127月号「わたしの主張」掲載

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