のら猫の独り言『のら猫小路日記』

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Ruby's Arms


Tom Waits - Ruby's Arms

  きょうの気分は
  映画『カルメンという名の女』のサントラより
  トム・ウェイツ『Ruby's Arams』
  まだ、彼がアサイラム・レコード時代の作品。
  かつての恋人との別れを歌った曲。
  秋の夜に、沁みるなあ。
  
  で、この『カルメンという名の女』ですが、
  アタシが初めてリアルタイムで観たゴダールの作品になります。 
   
  リバイバルでは『気狂いピエロ』など数本は観ていましたが、
  84年、六本木シネヴィヴァン公開ではじめて、
  ゴダールの新作を観たわけですが、ぶったまげました。
  そこには海が、男女が、車が、拳銃が、そして、音楽が、
  溢れる「愛」についての映画だったのです。
  (まずその前に、二本立てで先に観た『フレディ・ビアシュへの手紙』でぶっとぶのですが。)

    ちょうど、映画を観たばかりの頃、
  所属していたエピックソニーのマネージャーに連れられて
  宇崎竜童さんのレコーディングにお邪魔した時のこと。
  新人女優ですと、紹介され、最近なにか面白い映画観ました?ときかれ、
  『カルメンという名の女』ですと云ったら、
  そのゴダールの新作にトム・ウェイツがかかってるんだって?!
  と、さすが、よくご存知でいらっしゃいました。
  その後、宇崎さんとはドラマで俳優としてご一緒するわけですが、
  京都の東映セットでの待ち時間。
  かばんからさっと出した板チョコをごちそうになった想い出があります。
  かっこいい男が、かばんからさっと出したのが板チョコってのが、愛らしかった。
  甘いもの食べると気分が落ち着くでしょうって。
  ふと、粋な優しさを感じました。
  そうそう、
  今回の『飛べ!ダコタ』の音楽を手掛けてくださったのも宇崎さんです。

  
  
  
  で、『カルメンという名の女』。
  主演のマルーシュカ・デートメルス。
  アタシより2歳ほど年上の女優ですが、
  オトナでしたねえ。狂気を感じました。
  ミリアム・ルーセルにも瑞々しい狂気を感じました。
  アタシはマルーシュカ・デートメルスという女優の存在を知って、
  ああもうダメだ、アタシすごい子供だ。
  もっとオトナの女になりたい。
  奇形でもいいからオトナの女の色を出したい。
  と、メタモルフォーゼするために、もがき始めるわけですが。
  後に、なぜかブルータスか何か媒体は忘れましたが、
  来日中の彼女にインタビューするという企画がありまして、
  (日本の女優がヨーロッパ女優にインタビューするという大胆な企画!)
  今はなき、赤坂プリンスでお会いしました。
  もうオーラがね、、、まんま映画から抜け出したきたような、
  艶やかで色香漂う、なんとも忘れられないオーラがありました。
  最後に「あなたにとってゴダール監督とは?」という不躾な質問に、
  彼女は口をつぐみ、しばらくして、あの魅惑的な唇を開くとこう云ったのです。
  「ジャン・リュックについて、今ここであなたに語るにはもっと時間が必要です」と。
  もう恥ずかしくて、しおしおと溶けてなくなりたくなった、そんな記憶が蘇ります。
  ラディゲの『肉体の悪魔』を映画化したベロッキオ作品でも、
  狂気のファム・ファタールを演じておりますが、あの頃でもうすでにオトナですから、
  もっとオトナになったらどうなってしまうんだろうと思っていたら、
  さらに年齢を重ねるごとに脂が抜けて、益々魅力的な女優になっているって、
  『スイミング・プール』でのシャーロット・ランプリング然り、
  ヨーロッパの女優たちの歳の重ね方には、学ぶこと多し。

  というわけで、
  トム・ウェイツに戻りますが、
  彼が初めて映画音楽を手掛けたのが、
  コッポラの『ワンフロムザハート』でした。
  もうこの映画で記憶に残っているのは、
  『地獄の黙示録』で組んだヴィットリオ・ストラーロによるカメラと
  大掛かりなセットですね。
  このころ、ゴダールが『ワンフロムザハート』撮影中の
  コッポラのゾエトロープスタジオに訪れた話があります。
  『パッション』を撮る前だったようです。
  その時の様子は『「パッション」のためのシナリオ』にみることができます。
  

  
  あ、そうそう脱線したけど、トム・ウェイツ!
  その後、コッポラ作品に数作出たり、
  果ては、ジャームッシュ映画に出たりと、俳優としても才能を発揮するのですが、
  (ギリアムの『Dr.パルナサスの鏡』にも出てた!)
  なかなか他に類をみない存在感ある方です。
  この方も年齢を重ねるにつれて、涸れ具合がなんともいいですねえ。

  というわけで、  
  久々にシネヴィヴァンで観た作品の数々を思い出してにやにやしているアタシですが。
  ああ、観たねえ。
  『カルメンという名の女』
  『ママと娼婦』『パリところどころ』『北の橋』
  『特別な一日』『ラ・パロマ』『コヤニスカッティ』『ノスタルジア』『シテール島への船出』
  『エル・スール』『ミツバチのささやき』『火まつり』
  『ラルジャン』『暗殺の森』『満月の夜』『緑の光線』『肉体の悪魔』
  などなど。。。
  あのビルの地下に降りると、闇の中の夢があって、
  階上には聴いたことのない音楽が溢れていた。
  夜の街にはドラマがあって、
  霞町に下っても、狸穴に下っても、鳥居坂を下っても、星条旗通りを下っても、
  溜池へ下っても、どこもかしこも、
  坂があって、抜け道があって。
  あの頃のアタシにとって六本木は、
  映画のキラキラを纏いながら、オトナになれる街だった。
  
  あ。でも、なぜシネヴィヴァン杮落としの
 『パッション』を観てないのか!?と、カッパに笑われた。
  ふん。君の通っていた大学からだったら、歩けるからね六本木。いいやね。
  そうそう、大学は都会にあるべきだよね。
  映画館も美術館も本屋もコンサートもいけないじゃ、
  学生生活も退屈なばかり。

  というわけで、行楽もいいけど、
  秋の夜長は、映画に読書に音楽鑑賞。
  いかがでしょう。
  
  それにしても、散文型だなきょうは。

10月20日(日)16時から 再放送決定! 
NHKラジオ1 みうらじゅんの『サントラくん』ゲスト 大友良英 洞口依子

  
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閉じる コメント(2)

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その通り、大学は都会にあるべきです。
マムシが出るようなトコロに引っ越してはいけないのです。
しかし、最近は都心に再び戻りつつあるようですね。

2013/10/11(金) 午後 8:01 [ ろば ]

ありがとうございます!

2013/10/12(土) 午後 0:18 [ のら猫小路 ]


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