のら猫の独り言『のら猫小路日記』

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DNA

大阪で開催された
CO2映画祭に審査員として呼ばれて参加してきた。

そもそも
CO2映画祭とはなにか?
http://www.co2ex.org/
噂によると今、大阪でもっとも熱い映画祭ときいた。

審査員。
俳優が審査するのか。アタシにそんなこと出来るのか。
しかし新しい出会いはしたい。
どんなつぼみがあるのか知りたい。
アタシは5作品をとにかく観続けた。
苦しかった。それでもまじめに映画を何度も見返す。
審査員などアタシには無理だ!
うう。それでも重いからだと荷物を引きずって新幹線へ乗り込み
いざ大阪へ。

大阪の審査会に出席。
若松孝二監督と大友良英氏。
きっとすごいことを言うに違いない。
映画的なこととか音楽や音的なこととか
アタシは先輩たちを目の前になんも言えないだろうな、、弱気になる。
しかしここでアタシの感想を思い切って発言してみた。

すると
両氏も同じように切り出した。
それは助成金で作った作品がこれなのか?という感想から始まった。
そして我々はかなり真剣にこの5作品について語り合った。

結果、優秀作品該当なし
という結論になった。

助成金で作っている。
助成金という制度自体羨ましい。
かつて80年代頃映画を志していた若手にそんな救いの金はあっただろうか。
発表する場がどんだけあっただろうか。
思い返すと、ぴあフィルムフェスティバルか学園祭か自主上映だ。
金なんかもちろんなかったと思う。
夢中で自主映画を撮り続け、
成人映画、そして小さな商業映画へと
監督として船出した先輩たちがそのころにはたくさんいたような気がする。
アタシも女優デビューは日活ロマンポルノだった。
とにかく映画館に足を運んだ。
日々、映画を観ては喫茶店で何時間も喋ったり、本を読んだり、無邪気に遊んだりもした。映画にまみれ映画を楽しんでいた。

5作品の彼らだってきっとそうに違いない。
そうであってほしいとも思う。
しかし、出来上がった作品にはなにか決定的にかけているものがある、
なんだろう。
機材はいい。ひとつひとつのシーンやカットがいいのもあった。役者の演技もよかったのもあった。
なのに。なぜだろう。

個性は主張するが独創性にかけている気がする。

ここで問題。個性と独創性は違う気がするのだ。

曖昧模糊な色。
背伸びしすぎ?
なぜだろう。

ではここでアタシがひとつひとつに思い切って感想を述べましょう。
ほんの少しだけど、これはアタシの感想だから、ものさしは非常に狭いよ。
怒ってもいい。そういう感情は大事だ。
なにも感じないよりも感じた方がいいと思う。
叱られたり怒鳴られたりアタシも最近されなくなってなんだか奇妙な毎日だ。
だからじゃないけど、アタシはやり過ごしながらニヤニヤしてないで
ちゃんと向き合うべきなんだと思う。
そして、5作品のすべての監督としっかり話すこともあまり出来なかったので
感想をちゃんと述べておくことが礼儀かなとも感じた。
まぁ「洞口、何様のつもりだよ」って思いながら読むも読まぬも
あなた次第だ。
それとコメントには鍵はつけないでほしい。今回はちゃんと言葉に出そう。ブラインドはやめよう。

1 『どんずまり便器』
 女性監督が女性のセクシャリティな部分という難しいテーマによく挑んだと思う。
 しかし、その勢いだけでは映画は成り立たない。
 難しいテーマであればあるほど、しっかり脚本を練る必要性があったと思う。
 主演の彼女はプロの俳優だが、そういう脚本ではなかなか表現がしにくかっただろう。
 だからなのか時々、主人公の中から溢れる魅力が鈍くなってしまっている。
 最近、女性が自ら描く女性のセクシャリティなテーマの作品(映画のみならず)が多いけれど
 大概にして男根的な気がする。
 核になるトラウマが見当たらない。
 どう考えても謎だった。トラウマって難しいよねえ。。実際抱えてるだけで難しいんだから。
 こういう作品を観ると
 「月に一度赤くなるんだからもっとしっかりしなって!」と
 相手を女性として叱咤激励したくなるのかも、卵なきアタシって。
  案外この女性監督はこういうテーマから一度離れて撮るのもいいかもしれない。
  
2 『ゴリラの嘘』
 こういう作品もありな世の中。
 わかりやすい作品。だけどそれがどうしたというのだろう。
 わかりやすいって罪だろうか。わかりにくいものも困るけど。
 なんかどっかでみたことあるような気もする作品にも感じた。
 でもどこでもみたことないんだけど。
 面白いだろう?って感じが鼻につく。どんでん返しもうまくやってるだろうテキな。
 それとプロの俳優を使うのなら、プロの巧さに頼らず、もっとプロを骨抜きにしてほしい。
 プロっていうのはいつのまにか、さも上手そうにやっていると勘違いする
 奇妙なベトベトやぎとぎとが脂のようにまとわりついてしまう。
 あれが嫌いだ。アタシもそうだけど。。といってもこの主演女優に罪はない。俳優は監督の素材だ。
  演劇みたいな、なんだろう不思議な感じがした。
 あとで聞いたら演劇をやっている方だと。そうか。そういうことだったのか。
 
3『C.J. シンプソンはきっとうまくやる』
  どうしてこういう作品を撮れるのかがわからない。
  こういう作品はCO2じゃなくてもいいでしょう。
  個人的な映画で楽しんで撮ってほしかった。
  そのほうがきっと楽しいはずだ。
  
4『やくたたず』
  実はアタシは個人的にこれを押した。
  ストーリーはともかく。
  次なる可能性を観てみたいと思ったからだ。
  やくたたずって言うけど、そうでもなかった主人公たちが不思議だった。
  あと個人的な疑問。あのセックスシーン、必要性があったのだろうか
  あそこであれをいれるなら、せめて観ている方に伝わる不思議な温度感があったりすると面白いなあと思った。
  意味などなく男と女がなんとなくキスをしはじめ性交する。それもありだろう。
  温度感といっても、寒いのに汗をかくほどやっているとか
  寒いから服をきたまま不思議なまさぐりをして絶頂しているとか それを主人公たちが
  覗くともなく覗いているとか。
  そこらへんは監督が考えることだからいっか。
  いずれにせよ、あそこであれがいるのかなとちょっと思った。
  
  雪が白いというより、乾いた土埃っぽく感じたのはなぜだろう。。アタシだけか。
  次の作品が観てみたい気がした作品であったことは間違いない。

5『VIOLENCE PM』
  冒頭の子供のシーンだけでひっぱられた。
  このまま子供がやくざになっていってしまうような
  子供が覗いたやくざの世界という映画みたいなもんだったらすごいなあとも思った。
  しかし、この作品に出ている俳優のすべてが素人だときいて
  びっくりした。
  バットで殴られるシーンの演技。
  ホントにあんなふうに痛いんだろうな。痛いはずなのに痛がらない演技をする方が圧倒だから
  ああいう些細なこだわりが監督と俳優の間で成立しているのが微笑ましい。
  書簡のやりとりがいい。売れないポルノ小説家の俳優の演技が好きだった。
  途中観てて、あれ?どっかでこういうテーマってあったなと思い出す。
  ああ、『グッドフェロ−ズ』。
  監督に聞いたら、好きな映画だそうだ。なるほど。でもなにかが違う。
  それはきっと独創性があるからだろうか。いやそれも謎だ。



  勝手きままな感想を述べて申し訳ない。
  だけど、アタシはあえてここで書き記しておきたかった。
  今後、この作品がいろんな人の目に触れるかもしれないからだ。
  アタシ以外の人の目に触れて、きっともっと賛美してくれる人だっているかもしれない。
  だから、映画は面白い。
  映画を観て、本を読んで、じろじろいろいろ観て聞いて。そして脚本を書き続け、撮り続けること。
  これらは彼らのほんの通過点にしかすぎないだろうから。


  で、該当なしの授賞式の結果は
  奨励賞として 『VIOLENCE PM』
  技術賞も俳優賞も統一した結果となった。
  俳優賞に関しては、主演の方は太鼓叩きの素人がよくがんばっていたというのもあるけれど
  子供たちや他のキャストにもという意味が込められている。
  アタシは授賞式の際、主演の彼がとても初々しかった姿に感激してしまって
  そのことに触れるのを忘れてしまった。。まったく。。まぬけだ。
  
  最終列車に乗り遅れそうになるので
  授賞式最後までいられなかったのが大変失礼に感じた。
  ごめんなさい。
  打ち上げ、本当に参加したかったです。
  もっともっと話したかった。
  
  映画祭運営委員のスタッフの皆さん、関係者のみなさん、
  そして若松監督、大友さん、お疲れさまでした。
  今後とも、このCO2映画祭がずっと存続されることを
  祈っております。

  授賞式の舞台袖で若松監督と立ち話。

   45年やってきてやっとベルリンだぞ。と呟いた。
  監督はベルリンでいただいたというカシミアの
  赤いマフラーをクビから下げていた。
  それがなんだか闘う映画戦士のマフラーのように見えた。
  73歳。映画を撮り続けてないと俺は死んでしまうかもなあとも。

  なんだかこういう先輩に映画をみてもらって意見までされた彼らは
  それだけで幸せもんだなあと思うんだよなあ。  
  アタシも今回、みんなと過ごせた時間を大事にします、ありがとう!
  KEEP ON!

  大友良英氏の文章が心打たれます 夢に出て来たくらい
  http://d.hatena.ne.jp/otomojamjam/20100303

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今発売中の週刊文春に記事が載ってます。
『テクニカラー』関連の。

きょうは晴れ!
ロケ!
怒濤の一週間ですが
のちほど
いろいろまた話します。とりいそぎ、話したかったのは

きょうは花粉症にはきついけど
春だよ。3月って感じの春だよ。朝、公園とかいって大きく呼吸したら
すんごく気持ちよかった。春ー!って思わず叫んで、じろじろみられた。

つづく

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