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吉野弘「生命は」の詩。光をまとって飛ぶのは華やかな蝶ではなく虻であることの意味を深く考えてみては如何でしょうか。

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精神医療文明の功罪

ピーター・ブレギンの精神医療文明の最近の批判・発言からの覚え書きを少しですが
紹介しましょう。

最近、彼の所に治療に訪れる患者の典型的な人間像は次のようなものだと言うのです。
「自分が"双極性"だとか"臨床的に鬱病"だという用語を使い。」

自分の子供の事を相談する時にも

"ADHD"という用語を使って説明したりもする。」
しかし相談に訪れた時点で、本人も子供も「すでに複雑かつ重篤な状況になっている場合が多く、中には精神科薬で廃人になっている人もいる」と言うのです。

つまりこの人たちはもともとの精神的な問題とその後の精神科医の施した精神科薬の副作用症状が複雑に絡み合い、もはや純粋な精神状態の引き起こしたケースなのか或いは精神科医薬の引き起こした副作用なのかの区別がつかない状況になっているそうなのです。
こうして心に問題を抱えている相談者達は彼らに精神科医から下された診断名と投薬された薬に適応するのが精いっぱいで、本来立ち向かうべき自分の人生の問題には全く目が向いていない状態に陥っているのです。

本来不安を感じながら勇気を振り絞って常に付きまとう厄介な人生の問題に立ち向かう際の支援者としての精神科医の役割を放棄して、安易に不安を取り除く薬を処方する時に患者は不安を感じて生きることが人生の当たり前の姿なのだとの深い実感を伴う共生の道を回避させる選択を精神科医に強いられることになるのです。
「テレビに映し出される精神科の診断と適当な治療薬見て、患者は教育されているのだ。 不安と思いつめた表情で私をみつめ、「私は双極性障害でしょうか」と問う初診の患者を、私はこれまで何人見てきたことか。われわれはみな人間を生きることの難題を解く魔法のカギを探し求めている。人間として共生するもののなかに共有する場所が見つからないとき、私たちは共通する診断のなかにそれを求めようとするのだ。この診断というレッテルを貼ることが、それ以上の人間的考察や配慮を途絶えさせる。このレッテル貼りは、ただ似非医学診断を下すのではなくその人間の烙印ともなるものだ。困難が存在する兆しがチラリとでも見えようものなら、われわれは少しでも感情に蓋をしようとする。われわれの社会はレベルが低下したのではなく感覚を麻痺させられているのだ。精神科の診断は人間が共有する最低の基準を反映している。われわれは己の診断に自分を見失っている。精神病薬は精神を鈍麻させ、そうすることでわれわれの魂の起伏を削り取ってしまうのだ。」

人間は孤立して生きる不安を抱えて他者と繋がる共生の道を模索します。確かに、
脳科学的知見では、不安神経症、欝病、PTSDのクライアントの脳はMRIによる脳画像解析でクライアントの前頭前皮質25野と呼ばれる領域の活動が過剰になっていることが明らかになっています。25野の機能不全、セロトニンなどの神経伝達物質の影響などと密接な関係があるという知見には何らの異存は有りません。この状態は、自己評価が極端に低く、まさに※心のレジリアンス※の危機なのですが………クライアントの心の危機に対する精神医療の取り組み方が犯罪的なのだと思います。やはり、この様な場合には森田療法なり認知行動療法なりの自分の心を深く見つめ直す療法こそがわれわれの魂の起伏を取り戻し人間的な共生の道をクライアントに歩ませるのが精神医療のあるべき姿だと私は思います。

しかし、道に迷って相談・支援を望んで精神科の門を叩いたのにその精神科医が人間的な魂の共鳴即ち共生の道を妨げていたのです。
 

ブレギンの精神医療文明への批判は当然現在の薬依存の精神医療体制を支える国や企業、個人の存在を分断する社会構造の責任へと向かいます。以下は彼の分析です。
「国家が精神疾患のひとつの巨大なサポートグループになりつつあるのではないか。」
「非人格化が標準になった。家族、友人、教師、牧師、医者、あるいはセラピスト…誰かに自分をさらけ出してみよう。するとその誰かはあなたにこう勧める「支援を得なさい」と。もちろんあなたはその誰かに支援を求めて相談しているはずである。しかし、相手が言ってるのは「他で支援を得なさい」なのだ。誰に相談しても「クスリ提供者」へと回されることになる。心理士やソーシャルワーカー、その他のセラピストですら、標準よりも強い感情を持つ患者には、まず精神病薬剤でおとなしくさせてから対処すると教育されている。それが治療を円滑にすると教えられている。しかし感情に正面から向き合うことを恐れ、薬剤で霧のかかった頭のボーッとした状態の人間に、効果のある治療などありようはずもない。」

現在の精神医療体制の支援が相談・治療に携わる各々の機関が自らの魂の問題としてクライアントの心の孤立状態に寄り添わないで、自己の責任を回避して常に他者に問題解決を丸投げにして最終的には問題解決を薬剤に頼り切ってクライアントの魂を救うどころかクライアントを廃人にしていることを厳しく指摘しています。これは棄民政策と言うべき国家犯罪なのではないでしょうか?そして、この精神医療文明の薬依存体質が発達障害の子供達に及ぶ時に児童虐待の様相を帯びるのです。
「われわれが本当の自分の感情に近づけないのは、自分は異常であり診断や治療の必要性があると思うことに恐れを抱くからである。現代の"精神医療文明"が、われわれが自己と向き合うことから逃避させ、互いの交わりの中に安らぎを求めるのではなく、自己診断で苦しみを和らげ、処方薬であろうが何であろうが、薬物に一時の癒しを求める傾向を助長しているのだ。」
「人生には常に厄介な問題が付きまとう。この世に生を受け、悪戦苦闘し、そして死んでいくものなのだ。問題はどのように悪戦苦闘するかである。情熱、創造力、愛、そして高潔な生活の中で苦闘するのか、それとも診断名や薬剤で正常な機能が損なわれた脳にわが身を閉じ込めてしまうのか。
"精神医療文明"の最悪の犠牲者はわれわれの子供たちである。家族や学校の崩壊、あるいは社会崩壊の問題ではなく、きみたちの脳が崩壊していると教えられているのだ。親として、また教師として無力化されてしまったわれわれは、こうして子供たちに間違った場所で愛を求めさせ、それで子供がもがき苦しみ出すと"薬剤治療"へと追い払っている。
精神医学やメンタルヘルスケアの支配者集団に自己変革能力はない。その権力、身分、収入を"精神医療文明"から切り取ることはできない。それをチェンジできるのは、診断や薬剤よりも高い価値観を持ったひとたちの外部からの力、つまりあなたや私が強く迫る必要がある。」

この様な最悪の状況に勇気を持って立ち向かい新たな希望と共生の魂への社会へとチェンジして行くのは私達、高い価値観を共有している大人・市民の責務だと私は確信しています。


注記

※心のレジリアンス※



レジリアンスとは、回復能力と訳されることが多く、「攪乱を受けたあと元にもどる能力」とイメージされるのではないだろうか。しかし、生態系の非線型性(解がひとつでない)、レジームシフトなどの概念を取り込み、複数の安定系を想定し、耐えうる攪乱の大きさとして定義される生態レジリアンスへと拡張されてきた。近年は、さらにこの概念を生態システムにとどまらず、社会・生態システムの理解、人間社会の持続的発展の達成に利用すべきであるとの主張が多くなされてきている。そこには、将来には、予測できない事が起こりうるのだという認識が深く根付いている。いくら我々の知識が増えたとしても、すべてを予測できるような将来は、決してやってこないという認識である。したがって、現在の条件で効率性を高めるための「選択と集中」が、予測できない事態(攪乱:たとえば、洪水、干ばつ、津波、伝染病、病虫害)への対処能力を弱め、別の悪い状態へとレジームを変化させてしまうかもしれない。対処能力のカギとなるのが冗長性(Redundancy)や多様性であると考えられている。その意味で、持続可能性とは、最大効率での生産の維持ではなく、繰り返される破壊と再生を好ましい系内にとどめておくことで達成されるということになる。
『総合地球環境学研究所』

知的・発達障害児の支援教育でも、支援する保護者、関係者、そして障害当事者の心のレジリアンス

(resilience,
レジリエンスとも言います。心のしなやかさ、復元力、心の弾性)が漸く知的障害当事者支

援のテーマに上るようになりました。


逆境に耐え、道を切り開く経験が人を育て、豊な心をもたらします。

そのときにこのしなやかな心を支えるのがシンプルな生き方・人と人の繋がりとそのことによって培わ

たプライドなのです。

プライドとは自己評価、自尊心=Self Esteem セルフ・エスティームのことです。


※注記※
鬱病・不安障害と文化構造と遺伝子の関係について

文化と遺伝子は長い年月の間に相互作用し合い、これが自然淘汰を生んで、個人とその社会が生き延び繁栄し

ていくのを助けた可能性があるというのだ。

アジア、アフリカ、中南米における古代の文化は、致死性の病原菌に高い頻度で接していたと推測され、こうした

病気により良く対処するために集団主義的な規範へと向かっていく傾向があったのではないかという。

そして、こうした社会的変容は、リスクを回避するS対立遺伝子が徐々に支配的になっていく下地になった可能性

がある。

研究を主導したノースウエスタン大のジョアン・チャオ(Joan Chiao)教授は、進化が少なくとも2段階で行われることを次のように説明する。「1つは生物学的なもの。そしてもう1つ、選択された遺伝子に応じて文化特性を獲得する段階というものが存在する可能性がある。文化的な選択と遺伝子的な選択は相前後して起こるため、人の行動は文化と遺伝子の共同進化の所産だと考えることができる」

研究はまた、集団志向の文化は、S対立遺伝子による「うつ」の遺伝子的リスクから身を守るのに役立っている可

性があると指摘している。

 弱い個人にとって、集団的なサポートはうつ病エピソードを引き起こす環境リスクやストレス要因に対する緩衝材となってくれる。欧米で、L対立遺伝子を持っているにもかかわらず不安神経症や気分障害の人が多いのは、高度に個人主義的な文化の中で生活しているストレスが原因と考えられるという。

「自然淘汰はこれまで、さまざまな集団や種に普遍的にみられる特性を説明する根拠として扱われてきた。個人レベルと生態系レベルの双方で自然淘汰がどのように起きているか理解するうえで、集団や種の多様性が重要なカギを握っている」(チャオ教授)



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MRIによる脳画像の分析によると、うつ病では前頭前皮質の「領野25」と呼ばれる領域の活動が過剰になっていることが脳画像から明らかになっています。また,治療後に症状の改善が見られた場合には,この領域の活動は低下するというのです。領野25は恐怖や記憶,自尊心をつかさどる他の脳中枢の活動レベルを感知・調整している訳なので,領野25が機能不全に陥ると,こうした脳中枢の活動が調整されなくなってしまうのです。うつ病は領野25における異常な活動が関係する回路障害だと言う脳科学的知見は薬物処方を擁護するものではなくて寧ろ言語的なカウンセリングによる治療や支援の可能性の幅を拡げるものだと考えています。

2011/9/29(木) 午後 9:30 【yosh0316】

最近は精神疾患の早期発見・早期治療・早期介入が学校・行政・施設・精神医療機関・製薬会社が一体になって推奨・推進されていますが…よくよく考えるとこれが支援の丸投げの連鎖なのです。例えば学校で発達障害が疑われた生徒は学校の教師の奨めで児童相談所などの相談機関や地域発達センターなどを紹介されます。やがて生徒は最終的な段階で精神医療機関つまりは精神科の病院で検査され投薬治療を受けることになります。心理カウンセラーでさえ 立ち塞がることなく発達障害児童の投薬治療を紹介の丸投げ連鎖で推奨・推進する役割を担っていることが問題なのです。最近の記事精神医療のタブーを暴くを参照して下さい。

2011/9/29(木) 午後 10:58 【yosh0316】

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学校に配属されるカウンセラーが思春期外来等の受診に子どもを繋げる目的を持っているという色合いが私も強い様に思います。
不登校については医療からのアプローチは全く解決せず、
むしろ育児からのアプローチでないと光は見えて来ません。

学校側が自ら不登校を勉強してくれると
自ずと教師自身、分かる事なのですが、
学校自体がいろいろな利潤・派閥があり、
教師とて人間関係に悩み
子どもの為に一番良いとされる事を実行する事に
難題を抱えていると感じます。

2013/10/12(土) 午前 10:19 [ いっつ ]

コメント有難うございました(^_-) この記 事は2年前の記事ですが…最近の日 本の状 況がブレギンの指摘する状況に酷似して いるのが不気味です!医療機関、教育機 関、相談機関、支援機関が当事者・子供 の側の内面的な成熟に興味を抱かずに自 らの専門分野の目論見に合致した対処法 に終始しているのです!この目論見の背 景にいるのは…果たして 誰であり、目論 見の本質は何かを考えています。最近は 初歩的な読み書き計算などのリテラシー に潜む問題を記事にしています。長いコ メントはTOPページのメールリンクからどうぞ(^_-)-☆

2013/10/12(土) 午後 4:45 【yosh0316】


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