「五日前の晩に、帝が大事にしておられた玄象(げんじょう)が盗まれた―――」
玄象というのは琵琶の名前である。楽器と言えども名器となると固有の名前がつくのだ。
この玄象を盗んだ鬼が漢多太(かんだた)である。
「で、一昨日の晩にな、おれは、その玄象の音を耳にしたのさ、」
聴いたのは源博雅。
清明とともに玄象の奪還のため、羅城門に向かう。
佐々木莉佳子。この子の紹介は辞める。
あまりに健気な生い立ちについては各自で調べて頂きたい。
自分のような人間が適当にその経緯を並べ立てるには、重い過去がある。
ただ、だからこそ彼女はアンジュルムに存在するし、
彼女は「世界一のアイドル」を目指す。
漢多太は異国の鬼。
玄象には昔からの縁(えにし)があり、ただ金や物欲のために奪ったものではない。
「玄象といふ琵琶 鬼のために盗らるること」
これが夢枕獏「陰陽師」の第一話となる。
人は鬼となる。
全ての人間が鬼になる可能性を秘めているのか?
怨念を持った人間が死して幽鬼となるのか。
あるいは、生きながらにして、妄執に取り憑かれ、生霊(いきすだま)となり、鬼と化すのか。
その物語のテーマが語られている。
ちなみに、佐々木莉佳子はハーフである。
そのしなやかなスタイルとエスニックな顔つきに、思いあたることもあるかもしれない。
水原希子にビジュアルが似ている、16歳になったばかりの彼女の身長はまだまだ伸びるであろう。
アンジュルムの人気メンバー。ブログのコメント数も多く、若い女性ファンも獲得している。セブンティーンのモデルをやっているのも、事務所のゴリ推しばかりではない。最年少の末っ子キャラは中学生のかっさーに奪われたが、まだまだ純粋さは健在だ。
彼女はモーニング娘。17の工藤遥の大ファンである。
くどぅーが男役がアタリだったように、莉佳子もまたその才を秘めている。
すっきりした体格と高目の身長(アンジュルムでは目立たないが、)。
意思の強そうな眉。ハスキーなヴォイス。
「鉄輪(かなわ)」の章では、没落した貴族の姫君徳子(とくこ)を捨てる藤原済時(為良)を演じる。
女の子のアイドルは意外とネコ背の子が多い。
莉佳子はその対極で、スッキリと背筋が伸びている。
5年間バレーボールを習っていた莉佳子は、身体能力も高く、アンジュルム徒競走ではナンバーワンである。
ダンスも思い切りが良く、アクションや殺陣もうまくこなせる(と思う)。
「どんでん返し」というアンジュルムの楽曲では派手な、格闘風の振り付けがあり、田村芽実の鋭い回し蹴りをスレスレで躱している。
「風と共に去りぬ」のクラーク・ゲーブルの風格を湛え、付け髭も似合うと思う。
まだ若く才能の塊である。
嫋(じょう)。
と、琵琶が鳴る。
嫋。
嫋。
哀しく美しい音色である。
痛ましいほどであった。
「初めて耳にする曲ですが、哀切な音でございますね」(蝉丸:田村芽実)
「胸をしめつけられるな」(源博雅:竹内朱莉)
「異国の旋律であろうよ」(安倍晴明:和田彩花)
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