Mの中国通信

中国で奮闘する大学講師の日々。阜陽での日々が終わりました。

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今日は日曜ですが、来週中秋節の休暇があるため、その振り替えで授業がありました。
会話の授業だったので、とにかく学生を笑わせ、楽しくやることを考えていました。

ボケ名人?のL君のお陰もあって、かなり湧いた授業となりました。
(授業設定も多少は利いたかと自負していますが・・・)

良かった、良かった・・・。


授業を終えると、校舎付近で外国語学部T先生と会いました。


T先生は英語学科の教師で、教員サッカーチームのメンバーの1人です。
私より少し年齢は上ですが、友人の様に接してくれます。
丁度その時間はバスがなく、自宅までT先生のバイクで送ってもらいました。

その道中、

「博士論文は書き始めたの?」
「授業もあって大変でしょう・・・。タフだね〜。」

などと気遣っていただきました。
本当T先生は私の兄貴みたいな存在です。



継続的なブログ購読者の方には少々くどいかもしれませんが、この大学は本当いい人が多いです。
それは教師、生徒の双方がです。





さて、今日は最近考えたことを少し。
それは「歴史認識」のことに関してです。

私は歴史研究者の端くれですが、これまで一つの一貫した考えを持ってきました。
それは、

「正しい歴史認識とは、膨大な文献と論文、史料に触ることがなければ形成されないもの。」

ということでした。

そして、これこそが何より歴史研究の基礎であると思っていました。
これは当たり前のことで、この考え自体は今も変わっていません。

歴史学者、かつ哲学者のE.H.Carr氏が、

「研究の目的は一つ、自分の環境に対する人間の理解力と支配力とを増すことにほかなりません。」
(『歴史とは何か』岩波新書)

と言っています。
やはり、理解力、支配力の増大のためには膨大な文献や論文などに触れないとならないでしょう。



しかし、中国に来て下は17歳位、上は20歳半ば位までの学生と触れ合う中で気づいたことがあります。
それは、

「実は素人(主に歴史認識において)の意見の中にも、耳を傾けるべき意見や見解があるのだ。」

ということでした。


私が担当するのは日本語学科の学生達ですから、歴史が専門ではありません。
ですから、当然のこととして彼らの歴史の知識は正直、豊富とはいえません。
歴史認識も学校で教わったことをただ暗記するというパターンがほとんどです。

加えて時々、大の歴史学自体が嫌いという学生も居たりして、文学史の際などは困ったものです(苦笑)



しかし時々、キラッと光る意見を持っていたり、意外な見方をする学生が現れるのです。

彼らの特徴を良く考えてみると、共通点は歴史をほとんど知らないことです。
歴史に関する本や論文はともかく、歴史の授業中はいつも眠たいと思っているような学生達です。

しかし、彼らの意見を聞いていると変な偏りがなく、中立な見方が出来ているのです。
変にナショナリストにもならず、その反対にもならず・・・非常に真ん中の立場に立っているのです。


あれは感性が柔らかいというのもあるのでしょうが、勉強していないが故なのではないかと思うのです。


一方、中途半端に勉強している学生(中には教師も?)の方は面倒です。
変に持論が固まってしまっていて、それに反する見解には衝突してくるからです。
自分の立ち位置がどこにあって、それは何故そうなったのか位は自覚しておかないとと思います。


そういう中途半端な学習者と話すより、はるかに素人の意見の方が勉強になることが多いのです。



であれば、実は素人だからこそ学ぶ価値ある歴史認識もあるのではないか、と考えるようになりました。
何も知らないというのは、実は弱点であると同時に、強みにもなりうるケースがあると思います。

そうした彼らの思考様式からも学んでいけたらと最近は考えはじめています。

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