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第91回全国高校野球選手権大会(日本高校野球連盟、朝日新聞社主催)は雨で2日連続順延となった第2日は11日、1回戦4試合が行われた。春夏通じて初出場の常葉橘(静岡)はエース庄司が、旭川大高(北北海道)を相手に今大会初の完封勝利。長野日大(長野)は作新学院(栃木)との計27安打に及ぶ打撃戦を制した。天理(奈良)は打線がつながり、南砺福野(富山)に大勝。2日連続でノーゲームとなった一戦は、高知(高知)が左腕・公文の好投と七回の集中打で如水館(広島)を退けた。
○高知(高知)9−3如水館(広島)●
先発投手の制球が明暗を分けた。高知の公文は厳しいコースを突いて14奪三振。如水館の幸野は立ち上がりに球が浮いた。高知は一回2死二塁から木下が先制適時打。二回にスクイズなどで2点を奪って流れを作り、七回に打者9人で5点を加えて試合を決定づけた。
▽高知・島田達二監督 公文は3連投になったが、気持ちが切れなかったのが勝因。思い切って打線を組み替え、選手が期待に応えてくれた。
▽如水館・迫田穆成監督 敗因は私にある。3点目を取られてしまったのが本当に痛かった。雨は理由にならないし、気持ちを緩めたつもりもない。
◇高知、如水館の両エース「明暗」…天気の翻弄されついに決着
大会史上初の2日連続降雨ノーゲームを経て、両校の戦いについに決着がついた。
高知の勝利の原動力は「乾いたマウンドで投げたい」と言い続けてきたエース左腕・公文だ。3日目にして訪れた好条件の舞台で真骨頂を見せた。
前日までは、ぬかるむマウンドで制球を乱し、決め球のスライダーも滑って決まらず、やむを得ず投げた直球をはじき返された。しかし、この日は違った。「マウンドが投げやすく、外角低めに集められた」と14奪三振。圧巻は五回だ。前日に三塁打を打たれた2番・白岩と3番・有山に対し、外角を攻め、この2人を含めて四回の最後の打者から4者連続の空振り三振。仕留めた球はすべて外角だった。
一方、前日まで雨の中、粘り強く投げ、中断までリードした状況を守り抜いた如水館のエース幸野は、序盤から球が高めに浮いた。3点を失い、2回で降板。「自分がしっかりしなきゃと空回りし、ああいう結果になった」。その後は2番手の西見が踏ん張ったものの、七回には継投策が実らず5失点。再び幸野がマウンドに戻ったが、遅きに失した。
カクテル光線の中で、夏は79年の第61回大会以来、30年ぶりとなる高知の校歌を高らかに歌った公文と、目を赤くしながら「(負けた)実感がわかない」とつぶやいた幸野。天気に翻弄(ほんろう)され続けた両エースの戦いは、あまりにも対照的な終わり方だった。【大村健一】
○…高知の4番・木下は一回2死二塁から中前適時打を放ち、ノーゲームとなった前日の試合に続いて先制点をたたき出した。前日は右中間への本塁打。そこまで再現することはできなかったが、「先制機という打たなくてはいけない場面で打つことができたので、リードにつなげることができた」と満足そうな表情。「とにかく勝つことができて本当に良かった」と3日間にわたる戦いを制し、笑顔が絶えなかった。
○…如水館の宮本が、八回に左翼ポール際へ特大のソロ本塁打を放った。「後ろにつなごうと思ってバットの芯でとらえたら、ホームランになった」という会心の一打だった。ただ、悔やんだのが一、三回の走者を置いた打席で三振に終わったこと。いずれも、変化球を狙っていたところを、外角速球で崩された。「3日連続の対戦で、相手はよく研究してきた。でも、勝っていながらノーゲームになった2試合は関係ない」と潔かった。
○…三回から先発・幸野を救援した如水館の右腕・西見は、広島大会はわずか1イニングの登板だった。この日は140キロ超の速球に伸びがあり、六回まで無失点で粘った。六回1死一、三塁の打席では、1点差に迫る左前適時打も放った。ところが、直後の七回は高めに浮いたところを狙われ、2安打と敬遠四球で3人の走者を残して降板。これが大量失点につながった。継投したのは1、2年生投手だっただけに、「ああいう形で下級生に投げさせてしまったのが悔やまれる」と、目を赤くした。
○常葉橘(静岡)2−0旭川大高(北北海道)●
○長野日大(長野)10−8作新学院(栃木)●
○天理(奈良)15−1南砺福野(富山)●
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