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消費電力が少なく、長持ちする「LED(発光ダイオード)照明」への関心が高まり、「電球型」では国内の大手家電メーカー各社が新商品を発売している。一方、オフィスで多用されている細長い「直管蛍光灯型」のLED照明では、海外製が多く品質に差があり、省エネ効果に乏しい製品も出回っている。従来の取り付け器具にそのまま装着できてしまう製品でも、配線方法が違う場合がある。オフィスの照明は専門業者が対応するケースが多いが、直管蛍光灯型は家庭の台所などでも使われる可能性があり、注意が必要だ。
札幌市は今春、全市庁舎で9000本の蛍光灯をLED照明に交換した。環境に配慮した取り組みだったが、直後から「目が疲れる」「残像が見える」との声が職員から相次いだ。調査すると、納入した海外メーカー2社、国内メーカー1社のうち、海外メーカー1社の製品計2500本に、光を均一にするための回路が入っていなかったためと分かった。同市は「点滅は想定していなかった」として、発注に不備があったと説明するが、業界関係者は「整備不良だったのではないか」と首をかしげる。
細長い蛍光灯型のLED照明は「電気用品安全法」の対象外で、JIS規格もない。家庭向けの「電球型」で販売競争を繰り広げる国内大手電機メーカーも、蛍光灯型の製造には二の足を踏んでいるのが現状だ。
パナソニックは「光が全方向の蛍光灯と比べ、LEDは一方向にしかいかないなど課題が多い。(製品の)基準も整備されていない」と説明し、蛍光灯型を製造する予定はない。LED照明に積極的なシャープも同様だ。一方、新規参入は多く、特に韓国や中国のメーカーが日本の輸入代理店を通じて販売しているが、NPO法人「LED照明推進協議会」もメーカー数などを把握できていない。従来の電球はガラス製で、製造に大規模な設備が必要だが、直径5ミリほどの発光ダイオードを並べて点灯するLED照明は簡単な回路を組むだけなので、半導体業界など他業界から参入しやすいという。
省エネ性能について、業界団体の日本電球工業会は、メーカー7社の蛍光灯型LEDと2社の蛍光灯を比較した調査結果を公表している。5社のLEDの消費電力は蛍光灯に比べて半分以下だったが、明るさも半分以下だった。米エネルギー省も同様の調査で「蛍光灯の代替品としては性能が不十分」と結論づけている。
また、蛍光灯型LEDには、既存の蛍光灯向け器具にそのまま取り付けられる製品と、取り付け部分で配線を改造する必要がある製品が混在している。同工業会は「口金部分の形状が同じで、蛍光灯も含めてどれでも装着できてしまう。口金の形状を変えるべきで、今のままでは誤使用の懸念がある」と指摘する。
LED照明は、蛍光灯などに比べ高価だったが、価格をこれまでの半値程度に引き下げる海外メーカーが出てきた。通販サイト大手のアマゾンでも4000円から5000円程度で購入できるようになっており、急速な普及も予想される。このため日本電球工業会は「このまま普及が進むと混乱を招く」として、LED照明の正しい使用法についてガイドをまとめた。また、日本照明器具工業会も使用上の注意点をまとめた冊子を公開している。
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