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プロボクシング前WBC世界バンタム級王者・長谷川穂積(29)=真正=が11月末の次戦(場所未定)で2階級上のフェザー級へ転向する見通しであることが1日、分かった。世界戦の可能性もあり、実現すれば再起戦で2階級制覇に挑むことになる。また、前WBC世界フェザー級王者でWBC世界スーパーフェザー級2位の粟生隆寛(26)=帝拳=の同級王者ビタリ・タイベルト(28)=ドイツ=への挑戦も内定。長谷川と同じ興行で行う。元2階級制覇のホルヘ・リナレス(25)=帝拳=を加えた3人はこの日、千葉県成田市内のゴルフ場でのキャンプを公開した。
元V10王者が大きく舵(かじ)を切る。8月31日から始まった成田キャンプで粟生らと走り込みに励む長谷川は、次戦での転級について「モンティエルと再戦できないならバンタムにこだわることはない。いろんなチャンスに挑みたい」と、よどみなく語った。
4月の11度目の防衛戦で敗れた現王者フェルナンド・モンティエル(メキシコ)との再戦を熱望してきた。だが対戦オファー殺到のモンティエル陣営が強気の条件を提示している模様で、長谷川の世界戦をプロモートする帝拳ジムの本田明彦会長(62)は「相手側との交渉が難しい状況にある」と話した。
ただマネーゲームには乗るつもりはなく、同会長は「(交渉決裂なら)長谷川君が階級を上げる可能性がある」と明言。「王座奪還」から「2階級制覇」へ目標を切り替える方針としている。
現状では2階級上のフェザー級転向が濃厚で、長谷川が主戦場としてきたWBCのフェザー級王者はエリオ・ロハス(ドミニカ共和国)。世界戦実現へ向け、WBAを含め、現在交渉中だ。
再起戦がいきなり2階級制覇をかけた一戦となる可能性も出てきたが、長谷川は「全然問題ない。どんな試合でもがけっ縁だと思っている」と強い決意をにじませた。
弟分の粟生も夢の2階級制覇へ動き出す。王者タイベルトへの挑戦が内定し「フェザー級を極めたら、あとは上を見るしかない。世界王座を取らなきゃ意味がない」と穏やかに語った。
7月末に英ウェールズで行われたWBCのイベントで王者と対面し挑戦を直訴。分析も進めており「一発はないが、細かくパンチを当ててくる。サウスポーとはやりづらそうにしていた」と攻略の糸口を探っている。
2人の元王者がボクシング人生において新たな局面を迎えつつある。
◆日本ジム所属の世界2階級制覇王者 過去に7人の王者がおり、1965年にWBAフライ、バンタム級を制したファイティング原田(笹崎)が22歳で初めて達成。その後は柴田国明(ヨネクラ)、井岡弘樹(グリーンツダ)、畑山隆則(横浜光)、戸高秀樹(緑)が続いた。現役選手では元WBCフェザー、WBAスーパーフェザー級王者のホルヘ・リナレス(帝拳)と、WBAライトフライ、WBCフライ王座を奪取した亀田興毅(亀田)がいる。
◆ビタリ・タイベルト 1982年5月25日、カザフスタン生まれ。28歳。ドイツに帰化後の04年アテネ夏季五輪でフェザー級銅メダルを獲得。05年12月にプロデビュー。09年11月にWBC世界スーパーフェザー級暫定王座獲得。その後正規王者に昇格し、今年5月に初防衛に成功。戦績は20勝(6KO)1敗。身長167センチの右ボクサーファイター。
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