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◆報知新聞社後援「ワールドプレミアムボクシング」ダブル世界戦 WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦 ○山中慎介(9回11秒 TKO)シュティファーヌ・ジャモエ●(23日、大阪・大阪城ホール)
WBC世界バンタム級王者の山中慎介(31)=帝拳=が、史上2位タイとなる5戦連続KO勝利で6度目の防衛に成功した。同級3位シュテファーヌ・ジャモエ(24)=ベルギー=に対し、「神の左」と呼ばれる強烈な左ストレートで計4度ダウンを奪い9回11秒TKO勝ち。初の関西凱旋となる一戦でバンタム級最強を証明した。山中の戦績は21勝(16KO)2分け、ジャモエは25勝(15KO)5敗となった。(観衆1万3000)
力でねじ伏せた。9回、山中が右ジャブを軽く当てると、ジャモエのガードが上がった。その動作を見逃さず、左ストレートをみぞおちにねじ込んだ。4度目のダウン。あおむけに倒れ苦しむ挑戦者を見かねたレフェリーが試合をストップ。滋賀で産声を上げた王者が初の“凱旋”勝利。世界戦では初の左ボディーでの勝利に「警戒されてこれだけパンチを当てられるのはよほど強い左なんでしょうね」。神の左を自画自賛した。
2回に左ストレートであっさりと初ダウンを奪った。勝負あったかに見えたが、「左の一発に頼りすぎて力みもあった」。それでも8回に左で2度のダウンを取り、9回圧巻のKO劇につなげた。
初の関西防衛戦には地元・滋賀や東京などから3500人超の応援団も駆け付けた。「いい試合を見せようと多少欲が出たのかもしれない」。セミファイナルで3階級制覇に挑んだ長谷川が7回TKO負け。「長谷川さんの結果を割り切り、自分のボクシングに徹した」。気負いや場内の重苦しい空気を自らの拳で振り払った。
大一番前への心中は穏やかではなかった。第2子の長女・梨理乃(りりの)ちゃんが先月18日に誕生した。「妻が心配で練習に集中できていなかった」。出産予定日より8日遅れ、練習中は休憩の度に控室で携帯電話を確認していた。担当の大和心トレーナー(38)に注意されたほどだ。
誕生後、今度は練習に熱が入りすぎ、4月2日の12回スパーリングは疲労で半分しか消化できなかった。調整は決して順調ではなかった。それでも「うまく休みを取ったりして試合当日はいい状態に持っていける」と、キャリアを重ね精神的な余裕も生まれた。
世界戦5戦連続KO勝利は6戦の具志堅用高氏に続き、バンタム級時代の長谷川に並び歴代2位タイに。バンタム級の他団体王者には12度防衛中のWBAスーパー王者モレノ(パナマ)、5月に海外でV2戦を予定するWBOの亀田和毅(亀田)らがいるが、比類なき強さを証明した。
次戦V7戦は夏か秋に計画する。所属ジムの本田明彦会長(66)は「いい相手が出てくることを願う」とあまりの強さに相手に避けられている現状を明かした。「海外で防衛戦もしたいし、他団体の王者との統一戦もしたい」と山中。どこまでも最強王者を追求していく。(飯塚 康博)
◆山中 慎介(やまなか・しんすけ)1982年10月11日、滋賀・湖南市生まれ。31歳。南京都(現・京都広学館)高1年でボクシングを始め、3年で国体優勝。専大を経て、06年1月にプロデビュー。10年6月、日本バンタム級王者・安田幹男(六島)を7回TKOで下し、王座を奪取(防衛1回)。11年11月のWBC世界バンタム級王座決定戦でエスキベル(メキシコ)を11回TKOで下し、世界王座獲得に成功。3度の防衛戦をクリアした昨年は年間最優秀選手賞を初受賞。身長171センチの左ボクサーファイター。家族は夫人と1男1女。
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