伊勢物語と仁勢物語

パロディーと諧謔の、仮名草子。

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絵入 本   朝   美   人   鑑

本朝美人鑑 巻第二
赤 染 衛 門

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本朝美人鑑の二巻目・二番目の美人。
赤染衛門(あかぞめえもん)です。
二回に分けて紹介します。
「鴛鴦夫婦」で、夫婦仲が良った。
紫式部の辛口批評も無く、
和泉式部、清少納言とも親しかった。
人格的にも素晴らしい女性だったようです。
この話の荒筋は、
なかなか来ない夫・匡衡(たゞひら)に、
「早く来て!」という、
哥を贈ったというモノです。

本朝美人鑑は多分に創作が入ってます。
史実と違う場合があります。
ご承知おきください。


赤染衛門は 大隅守時用(ときもち)が娘にて 大江匡衡の妻也 かたち心ばえ
人にすぐれ 詩哥の道くらからず およそ諸藝を心に得たり 此
人 栄花物語といふさうしを作りて 世の人のうへを いとやさしけ
(脱字?)かきなせり いまの世にいたるまで 貴賤これをもてなす事 限
なし はじめ たゞひらに なれそめてより かた時もわすれず たがいに
いひかはせしに いつの折なるにや 匡衡のもとより いま参り侍らん
が いさゝか さはる事あれば 夜になりてこそ まからめといひて
其夜も こさりければ よみてつかはしける

  ありてやは  音せざるべき  つの国の  いまぞいく田の  杜といひしは 

と うらみきこえ侍しに 心やましくて 猶(なを)むつましかりけり・・・


赤染衛門=平安中期の女流歌人。中古三十六歌仙の一人。父は赤染時用、実は平兼盛かも?
  大江匡衡に嫁し、藤原道長の妻倫子に仕える。
  「後拾遺和歌集」などに多く歌が見え、和泉式部と並び称される。
大江匡衡(たゞひら)=平安中期の漢学者、歌人。維時の孫。赤染衛門の夫。
  文章(もんじょう)博士。一条・三条天皇に侍読として仕える。
栄花物語=平安時代の歴史物語。40巻(正編30巻、続編10巻)。
  作者については正編が赤染衛門。続編については出羽弁といわれるが未詳。
もてなす=ここでは、大事に扱うの意。
なれそめ=馴れ初め、恋仲の者が知り合ったはじめ。恋のきっかけ。
いひかはし=言ひ交し、言葉の遣り取りをする。ここでは仲良く会話していた。
さはる事=さしつかえる事、障り。
まかる=罷る、まいります。「まからめ」は「行かれません。」
ありてやは・・=そちらに在るのなら、どうして音信をしてくれないことがあるのですか?
  貴男は津の国の生田の森に行くと言ったのに・・・、早く来てください。
  「やは」は反語。
津の国=摂津(せっつ)国の古称。
生田の森=神戸市中央区にある生田神社社殿背後の森。「行く」と掛かる。

話としては、
「来るって言ったじゃない!いくら待っても来ないんだから。
  京都から摂津(大阪・兵庫東)の生田の森まではそんなに遠いの。」
喧嘩腰よりも、和哥はやさしいね。
でも、この話、創作なんですよ。
この哥は、赤染衛門が他の人のために作った「代作」なんだ。
後拾遺和歌集の詞書に注目。

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おまけ:
後拾遺和歌集 1140

  摂津國にかよふ人の 今なん くたるといひて後に
  も 又京にありけるをきゝて 人にかはりてよめる
            赤染衛門
ありてやは をとせさるへき 津の国の 今そいく田の 杜といひしは

後拾遺集では、詞書に「人に代わりて読める」と有りますから、
赤染衛門が、他の女性のために「代作」をしたものですね。
津の国の女性の元へ、「今京から下るよと言ったのに、
どうして来てくれないの?」と、
なじった哥です。しかしこの「本朝美人鑑」の話では、
赤染衛門が夫の大江匡衡を、なじった哥になっています。


今は、携帯があるから、逃げられません。
「はい、直ぐに行きます」って言いましょう。
「圏外」では、いつまでも逃げられません。
どうしても辛い時は、携帯を変えましょう。


閉じる コメント(8)

師匠・・逃げたいと思ってる人いるんですか?
よっ!色男!

2013/8/4(日) 午後 3:14 ふぃっと

こんにちは。

赤染さんと和泉さんは、大江家を通して繋がりがありますね。同僚だっただけでなく、遠縁関係ですね。赤染さんの方が大分年上でしょうか。

赤染さんが摂津の国に滞在することは考えにくいので、やはり真実は『後拾遺集』のように代作ですね。
「今ぞいく」の「いく」が掛詞になっていますが、「今、いくぞー」ってどこかユーモラスです。赤染さんは、技巧派ですね。

説話の方でも、結局は夫婦円満になるのですね。やはり良妻賢母のイメージが強い人です。

ナイスぽっちん。
久々に通常記事アップです。いらして下さいねー。

2013/8/4(日) 午後 3:40 [ sofashiroihana ]

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ふぃっとさん、こんばんは〜〜。
入っている人は、出たがり。
入っていない人は、入りたがる。
それが、結婚というモノです。

すまじきものは、妻仕え
すさまじきものは、妻仕え
さすまじきものは、妻仕え

2013/8/4(日) 午後 6:50 yoshy

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sofashiroihanaさん、こんばんは〜〜。
やっぱり赤染衛門さん、年長で人柄が良い。
一目置かれる、頼れる先輩と言うところでしょうか。
ここのところ、後拾遺集に縁がありますね〜〜
「今ぞいく」の「いく」の部分、ありがとうございます。

次回の「赤染衛門」は、ご存知の有名な話の所です。

2013/8/4(日) 午後 6:58 yoshy

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神戸に息子が住んでいたことがありますので、生田の森・・・存じております。美味しいお寿司屋さんがあります。
詩歌の道とは、暗くて・・・。
創作とはいえ、読者にとって、代弁してくれるように感じたことでしょうね。
フェリーは、圏外となり、孤島と化します。
都合のよいこともあります。かつら

2013/8/4(日) 午後 6:59 [ 桂 黒猫 ]

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桂さん、こんばんは〜〜。
携帯の便利さは、不便さでも有りますね。
寝るまで仕事の電話が追ってきます。
古典では、深窓の姫が恥ずかしがり、母や乳母が代作なんて有るんです。
哥の遣り取り、とても大事なコミュニケーションだったんですね。
夫婦の中でも、哥の遣り取り、仲直りにはやっぱりいいもんだった。
配偶者が、雅な人だったらね??

2013/8/4(日) 午後 7:06 yoshy

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こんばんは。
赤染衛門さん、代作するのがお好きなのでしょうか。
しかも来ぬ人への恨みごとの歌…
百人一首の歌も来ぬ人を待ちつつかたぶく月を見てしまった歌でしたね〜
来ぬ人を待つ歌も他人事ならば楽しいかもしれません。

2013/8/4(日) 午後 9:07 はぐれ雲

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はぐれ雲さん、こんばんは〜〜。
赤染衛門さん、みんなに信頼されていたんでしょうね。
代作は、楽しいお遊びだったのかも??
作ったお礼に、恋の進展がどうなったかを、いち早く知ることができますからね。
きっと楽しく作ってあげたんだと思います。

2013/8/4(日) 午後 9:55 yoshy


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