伊勢物語と仁勢物語

パロディーと諧謔の、仮名草子。

女郎花物語

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最終回

女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)

女郎花物語(をみなへし ものがたり) 下

25段(和泉式部と女郎花の事) 

イメージ 1

和泉式部が いゑのまへを ほうし をみなへ
しをもちて とをりけるを いづくへゆく
ぞ と とはせければ ひえの山のねんぶつ
の 立花になん もてまかる といひければ
むすびつけける

しんせんざいしうに

  なにしおはゞ 五つのさはり あるものを
  うらやましくも のぼる花かな

とよみ侍る ひえの山は 女ののぼらぬ所な
れとも をみなへしの たて花に のぼるを
うらやみてよみ侍る そのときより あふみ
の国とやらんに侍る しよりやうを 立花

イメージ 2

のために ひえの山の中だうへ ゑいたい
きしん申て侍れば、 いまもかはらず ねんぶつ
の立花に をみなへしをたて侍りて かの
いづみしきぶが あとをとふらひ侍る となん
申つたへける それ をみなへしは をのゝより
風が つま 身まがりけるあとより おひいで
たる花になん侍れば 女のせいとも 申べき
さたにも ひえの山の ねんぶつの立花に
のぼり侍れば たのもしきかなや 人身(にんじん)を
うけて ねんぶつを 申さん女は をみなへし
の かのれいざんへのぼるがごとくに 成佛 うた
がひ あるべからざるものか いにしへの 八さいの
りうによは かいていより うかびいづる いまの
をみなへしは ひえいさんの れい地にのぼり
草木国土悉皆成佛の たねとなり侍る
ねんぶつの 立花のおりに あひたるを をみ
なへしの 物がたりなれば これを見きかん
人は ぜんちしきとなるべし

∴女郎花物語 下 終


参考1

和泉式部=平安時代中期の歌人。大江雅致の娘。中古三十六歌仙、女房三十六歌仙の一人。
ひえの山=ここでは比叡山延暦寺
立花=たてばな、仏花
しんせんざいしう=新千載和歌集、勅撰和歌集・20巻・二条為定撰・二十一代集の18番目。
なにしおはゞ・・・=新千載和歌集894、「五障」を持っている女の名を負っている女郎花が、
   仏花として女人禁制の比叡のお山に登るのは羨ましいことだ。
ひえの山は 女ののぼらぬ所=女人禁制、宗教修行の霊場などへの女性の立ち入りを禁止する風習。
   比叡山・高野山などで行われていた。
あふみの国とやらんに侍る しよりやう=近江の国とやらにある所領
ひえの山の中だう=根本中堂、比叡山延暦寺の本堂
ゑいたいきしん=永代寄進
をのゝより風=小野頼風、能・女郎花(おみめし)から。参考2へ
八さいのりうによ=八歳の竜女、竜王の8歳の娘が,竜身・年少・女性という悪条件にもかかわらず,
   一瞬にして変成男子(へんじょうなんし)を遂げ,往生した話。
草木国土悉皆成佛=草木や国土のような心識をもたないものも、すべて仏性を有するのでことごとく
   仏となりうると言う教え。皆(しっかい)=残らず、全部。
ぜんちしき=善知識、人を仏道へ導く機縁となるもの、人々を仏の道へ誘い導く人。

参考2

梗概
和泉式部の家の前を、法師が女郎花の花を持って通り過ぎるのを見て、「何処へ行そ?」と問うたら、比叡の山の念仏の仏花しようとして帰るところですとの返事だったので、女郎花の花に「和歌」を結び付けて、
           和泉式部
五の障(さわり)を持っている女の名を負っている女郎花が、
仏花として女人禁制の比叡のお山に登るのは羨ましいことです。

能・女郎花(おみめし)
石清水八幡宮に参詣のおり、女郎花が美しく咲き乱れていて、一本手折って土産にしようとすると、それを止められます。男山の麓の男塚・女塚にも連れて行って、これは小野頼風夫婦の墓であると教え、
女は都の者で、頼風と契りましたが、その心を疑って放生川に身を投げます。女の亡骸を土中に埋めると、その塚から女郎花が咲き出します。頼風はそれを哀れんで、同じく川に身を投げ、男塚・女塚となりました。

悉皆成仏 疑なし。ましてや 人間に於てをや。
竜女が如く我もはや 変成男子なり采女とな思ひ給ひそ。(能・采女から)

変成男子
変成男子(へんじょうなんし)は、転女成仏(てんにょ)・女人変成とも称され、古来、女子は成仏することか非常に難しいとされ、いったん男子に成ることで、成仏することができるようになるとした思想。法華経提婆達多品で、8歳の竜女が成仏する場面を由来とする。

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女性蔑視ではなく、「女人往生」を目指し、
女性の善知識となりますように。
女郎花物語、素晴らしい仮名草子です。
どうぞ何度でも読みなおして、
魅力的な女性が増えますよう祈っています。

これで「内閣文庫本・女郎花物語完結です。
ありがとうございました。

軽鴨の介______\?\᡼\? 12



   新千載和歌集

女郎花物語 下-24段

女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)

女郎花物語(をみなへし ものがたり) 下

24段(伊勢や日向の事)  

私にとって最も難かしい「女郎花物語」、この段を含めてあと2話しかありません。
そして最大の難関の段です。とにかく長い。先に「梗概(こうがい)」をお知らせします。
源氏物語 湖月抄の作者・北村季吟先生は、「女郎花物語」をうら若い女性のために、
女訓・哥物語として書き集めてきましたが、「伊勢や日向(ひゅうが)」になってしまったと言い、
そして「伊勢や日向」の言葉の語源譚(たん)を説明していきます。
今は「伊勢や日向」という言葉を、ほとんど使いませんが、
「支離滅裂・有り得ない事」という意味です。
同じ日、同じ時に死んだ、伊勢と日向の二人の男が、閻魔様の前に立ちます。
一人は寿命が尽きて死にましたが、もう一人は手違いで死んでしまいました。
手違いで死んでしまった男を、娑婆に帰そうとしましたが、身体は火葬にされてもう有りません。
仕方なく寿命が尽きて死んでしまった男の身体に、「魂」を入れて娑婆に復活させました。
そう、心と体が「ちぐはぐ」になってしまったのです。・・・

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此物がたり もとすゑをもしらぬ わらひくさの
いろはなれども いとけなき をうなのため
に かきあつめ侍れば さながら 伊せや ひう
がの 物がたりのやうなることゞもになん
侍る それ 伊せや ひうが と申 おこりは
むかし すいこてんわうの御宇に ひうがの

もとすゑをもしらぬ=本末を知らぬ、物事の始めと終わりを知らない
いとけなき をうな=幼い女の子
伊せや ひうが=伊勢や日向、話に脈絡がなくつじつまが合わないこと

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国に さいきのつねもとゝいふもの有けり 
とし四十一にして 世をはやくす おなし時
にあひて 伊せのくにゝ ぶんやのよしかず 
といふものあり これも 四十一にして おなし日
のおなし ときに みちのほとりにして あ
くじする神に ゆきあひて はからさるに
死にけり かれこれともに ゑんまのちやう
にまいるに たいしやくの のたまはく 此
めし人一人は ぢやうごうのがれがたし いま
一人は あらふる神のあたにあへり いまだ 
しやばのえん つきず はやく これを返すべし 
と のたまふに 一人のくしやうじん 大きな
るふだを さゝげいできたりて いはく 此めし
人 ひごうなりといへども はや ぢやうごうなり
そのゆへは しやばにとゞまる事のたまの
うつは物 火にほろぼして 玉のいるべき
うつはものなし と申に たいしやく やゝ しばし
あんしたまひて、のたまはく かのめし人 
これかれおなしとし 日しやうなり はやく 
かのものゝ やかたに入て かへせと きこゆれ

あくじする神=人に災いや害を与える神
ゑんまのちやう=閻魔の庁
たいしやく=帝釈
ぢやうごう=定業、前世の業によって定まっている命
くしやうじん=倶生神、人の善悪を記録し死後に閻魔大王に報告するという2人の神
たまのうつは物=魂の入る器物、つまり身体
かのものゝ やかたに入て かへせ=日向の者の体に伊勢の者の魂を入れて復活させろ!

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ば ごくそつ みゝをたてゝきく 此くしやう
じん よしかずをゐて かたはらなる所へさり
ぬ かゝるほどに かのつねもとが さいしども 
わかれをかなしひて むしよのほとりに 日
/\に ゆきてみるに 四日といふに あたら
しきつかのいたゞき 四ほうへくづれたり み
な人 あやしひて ほりいだして 棺(くわん)をあけ
てみれば 死人つぶらかに見ひらきて くわん
のうちにふせり さいし おどろきながら 
よろこびて とりいだして ことのよしをとふ
に 此よみ人 四はうを見めぐらして ゐなみ
ゐたる人々のかほを見て 物もいはず 引か
つぎてふしぬ さいしよりそひて ひざに
かきふせて いかに/\といふに 此よみ人
のいはく 我は さらに此国 このさとの人に
あらず なんぢがちゝにもあらぬなり 伊せ
の国 いすゞ川のほとりに ぶんやのよし
かずといひしものなり あくじする神に
ゆきあひて みちのほとりにして はから
ざるに しゝたりしを 此国のしにん おなし

むしよ=墓所

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とし おなし しやうにしもありければ わが
からは はいとなりて なきによて その玉を 
なんぢがちゝの かばねに入て かへりたるなり
なんぢがちゝは しゆくえんふかくやありけん 
おなし一わうのめし人の かずにつらなり
てありしかとも ぢやうごうかぎりありて め
いどに とゞまりたれば かへり侍るべきに
あらず といふに 国こぞりて ありがたきこ
とにして 人をさしつかはして よみ人の 
をしゆる所を たづねきかするに つかひ 
ほどなく たづねあひにけり ことのよしを
かう/\と かたるに さいし まことならず思ひ
ながら なつかしさのあまりに やがて かの
つかひにぐして ひうがの国へ こしてけり 
さて ゆきてみれば さらに我ちゝならず とし
のほどばかりぞ これほどよ と見ゆれども 
さらでは すこしもにたることなければ かの
いせの国のさいし さらにむつましきこゝろ
なし さるを かのよみ人 これを見つけて
これこそ 我子 我つまよと いひてゐより

から=骸、亡骸
玉=魂

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つゝ 女の手をとりて 我さまは ことなりといへ
ども たましゐは なんぢがおとこなり とて 
ゑんまわうの のたまひしこと ありのまゝ
に かたりつゝ 我となんぢと おもひはじめて
ありしこと つまとなり おとことなりし
ちぎりのこと 三人の子の 太郎はそれがし 
とし いくら 次郎はいくつ 三郎はことに
かなしくおもひて ことしはいくつ きて わかれ
しとき きて出し物は しか/\など かたり
侍るに すこしもいつはりたるべきことなし 
されば かたちはことなりといへども たましゐは
それなれば かの伊せの国のさいし むつまし
みの こゝろふかし 又 ひうがの国のさいしをば 
つまならず 子ならずと よみ人はいひはなて
ども かたちも こゑも まさしくそれなれば 
したしみのこゝろ 伊せの国のものにもまさり
たり されども 心は いせのくにのものなれば
やう/\ ほどへて 伊せの国の女 我くにへ
ゐて かへりなん といふを おとこも 子も 我国なれ
は つれてかへるべき よしをいふに ひうがの

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国の子 二人 はゝともに いふやう まことに たま
しゐは此国の人にあらず すがたは 我ちゝ
のからにておはすれば それをおしみたて
まつるなり たましゐは 目にもみえず いかゞ
おはすらん まよひのまへに しりがたし たゞ 
からを したひたてまつれば 外へは やり
たてまつらじ せちに たましゐに こゝろ
ざしふかくて ゐておはすべくは 玉しゐばかり
をさそかて かへり給へ からをば これにとゞめ
たてまつるべし 二たび ちゝにわかれたて
まつるべき 我らにてこそあらめ といひければ 
伊せの国のもの ことはりなるがゆへに ち
からをよばず さるあひだ 世こぞりていふやう
かれがたましゐを したしむも これがかたち
を したしむも さりがたき ことはりなれば はや
/\ かれこれ 二人の女 共につまとなり 五
人の子 かれこれ子となりて 此国にすむ
べし といふによりて いづれも さりがたきにて 
かくしつゝ かのくにゝ すみわたるに たがひ
に 八人のものが こゝろへだてなく おもひて

玉しゐ=魂

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ありわたるを いにしへの物がたりをするに
ひうがの国の ものゝかたることは まさしくある
ことなれども よみ人のために あとかたなき
ことのやうにおぼゆる 伊せの国のものゝ
いふことは まことにあることなれども かのも
のゝためには つや/\なきことゝ おぼえけり 
されば それよりして しんじちは たねある
ことの さだかならずして ふどうにおもて
かはりたることを 伊せやひうがと いふなり 
かの伊せやひうがの 二人のつま あるひは めに
見えぬ たましゐをしたひ かたちをしたしみ
てだにも おとこをたいせつにおもひて 二
人の女 ねたき心をも もたで つまとなりて 
ひとつ所に あひすむこと やさしく侍れ 
あはれなるかなや まさしく 我おとこの かた
ちなれば むつましく おもひ侍れば こゝろは
たにんなり むつましく 物をいひ こゑまで
まさしく 我おとことおもひてしたしめば 又
かたちは たにんなり かく侍るをだにも いも
せの ならひは たいせつにおもひて あるひは 

しんじち=真実
ふどうにおもて かはりたること=不動に思って変わりたる事、
  動かないと思っていたが変わってしまうこと、有り得ない事
いもせの ならひ=妹背の習い、夫婦のならわし、習慣

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とをき国にゆき さいしは 人の物共 こゝろ
へだてなく あひすむためし侍れば すがた
心も かはらず たいせつに さいしをおもはん
おとこには なにのうらみか侍らん いかに
も おとこをありがたく いとおしく おもふべき
ことにこそ侍れ


結論は、身体も魂も一つで、家族思いの優しい夫を、
「ありがたく、いとおしく、おもふべき」と有りました。
夫は妻を労り、夫婦仲良く、互いに感謝しましょう!

軽鴨の介______φ(.. )


女郎花物語 下-23段

女郎花物語 6月9日以来です。
女郎花物語 ず〜〜と調べ物続きでした。
これを入れて、あと3話で完結です。
源氏物語の註解書「故月抄」の作者、北村季吟作の「女郎花物語」。
最後の最後まで、難解です。
でも、これほど為になった「仮名草子」は、他にありません。
松尾芭蕉の師、知識の宝庫、女郎花物語 お楽しみください。

女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)

女郎花物語(をみなへし ものがたり) 下

23段(女の酒を飲む事)

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女のさけをのむこと おもはしくもなきことなり
不酤酒戒(ふこしゆかい)とて ほとけのいましめたまふを
もかへりみず こゝろのまゝにのみ ゑひ すい
けうのあまりには しく/\と ゑひなきして
ねたきこと よのわびしらなることを とり
まぜて せき/\しく おとこをはしたな
め侍ること きゝにくきものになん侍る
女はよきほどに さけをものむべきなり


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ふこしゆかいのこゝろを
    しやくねんほうし

 花のもと 露のなさけは ほどもなし
 ゑひなすゝめそ はるのやま風

とよみて侍り かゝれば さけをば しんしや
くすべきことにこそ たゞし あしきもの
なればとて 一かうにさけをものまず 人
のあひしらひもなきは けしからぬものなり
ほど/\にしたがひて ゑひ侍らぬほどに
のむべきなり いにしへのかしこき人だにも
さけをのみ侍る

掌中暦云  晋(の)七賢は

 嵆康 字(あざな) 叔夜 阮籍 字 
 鄭宗 阮咸 字 仲客 尚秀 字 
 斯 劉令 字 濬沖 山濤 字 臣源 字(「王戎」ヌケ


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此七人 世をすてゝ竹林の中に入て 人に
もしたがはでありけるに みなさけをばたゝ
で ぐして入にけり さて はやしの中にて
ことを引 詩をつくりて過しけり され
ば まんえうしうに 太宰帥大伴卿讃酒
の哥に

  いにしへの なゝのかしこき 人共も
  ほしかるものは さけに有けれ

かく侍れば さけをば よきほどにのむべ
きなり 又 いはく

    元良朝臣

  秋山に 入にし人の こひしきに
  ふもとをこめて きり立にけり

此哥は なさけなきうき世とおもへば
あききりのふかき山ぢをいでん物かはといふ
哥をせうかにて もとよしよめり 此こゝろは
むかし 人をうらみて ひえの山にこもりけ
るに そのしるよしありける人の いつかは


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いでんずると とひければ よめりける哥なり
これは ほんもんをよめるなり 書にいはく
王爾  張衡  馬陶といふ人 もろ
ともにきりをわけて 山をこゆるに 一人は
つゝがなし 一人はやむ 一人はしぬ そのつゝが
なきは さけをのむ やむはぢきをし 死ぬる
は空腹にてなんありける 此もんをおもひ
て たゞかくておしなんと よめるその心を
此哥によめるなり かゝれば よきほどに
のめば さけはくすりなり しく/\と ゑひ
なきするほどは むやくなり しんしやくし
て をうなは よきほどにさけをのむべき
なり


参考1

不酤酒戒=ふこしゅかい、成仏への道・十重禁戒の五番目、酒に酔うことと、
      自分の能力などに酔わないことの戒め。
酤=(訓読み)ひとよざけ、天甜酒(あまのたむざけ)・甘酒・醴酒(こざけ)、
      醴酒は山上憶良も飲んだそうです。万葉の時代からの甘酒です。
ゑひ、すいけう=酔ひ、酔狂、酒に酔ってとりみだすこと
わびしら=侘しら、気を落としているさま
せき/\=寂々・もの寂しいさま、戚々・憂い悲しむさま どっちだろうか??
はしたなめ侍ること=礼儀にはずれて見苦しくいること
しやくねんほうし=寂然法師、平安末期の歌人
花のもと・・=花の下で酒を飲むなどという露ほどの風流は、束の間のものに過ぎないだろう。
      春の山風よ、心地よく吹いてあまり酔いをすすめるな(千人万首から)
掌中暦=掌中歴とも、平安末期の百科全書。三善為康編。四巻のうち一巻が伝存。
      天文・歳時・地理などを分類解説。掌中は自分の心覚えのための簡便なものの意
晋七賢=晋(の竹林の)七賢(参考2へ)
太宰帥大伴卿讃酒の哥=万葉集 340 古之 七賢 人等毛 欲為物者 酒西有良師
  古の七の賢(さか)しき人たちも欲(ほ)りせしものは酒にしあるらし
元良朝臣=陽成院の第一皇子、小倉百人一首 20番。当ブログ参照
  わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ
王爾・張衡・馬陶=??参考2へ
霧を分ける=深山に分け入ること
つつがなく=恙無く、無事にいること
やむはぢきをし=病むは食をし
ゑひなき=酔ひ泣き、泣き上戸

参考2

竹林の七賢、中国晋代に、俗塵を避けて竹林に集まり、酒を飲み囲碁や琴を好み清談を行った七人の隠士。女郎花物語では、名前に混乱があるので整理すると・・・

嵆康 字は叔夜
阮籍 字は嗣宗
阮咸 字は仲容
向秀 字は子期
劉伶 字は伯倫
山濤 字は巨源
王戎 字は濬沖

王爾 張衡 馬陶といふ人=衛生秘要抄・閨房の案内書らしいけど漢文で読めません、残念!
昔三人晨行觸霧。一人健。一人病。一人死。
健者飲酒。病者食粥。死者空腹。此酒勢辟悪。勝於作食。

♪劉伯倫や李太白、酒を呑まねばただの人〜。
♬吉野龍田の花紅葉、酒がなければただのとこ〜。
 よいよい、よいの、よいやさ。♪ (地唄/笹の露)

北村季吟先生も、
「お酒は、薬だからほどほどに飲みなさい」って!
「女のさけをのむこと おもはしくもなきことなり」と脅したけど、
女性も「よきほどに さけをものむべきなり。」って結論です。
良かったね。飲みましょう!グビッと。

軽鴨の介______\?\᡼\? 12 


女郎花物語 下-22段

女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)

女郎花物語(をみなへし ものがたり) 下

22段(或女石清水に参籠詠歌して神徳を蒙るの事)

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中ごろ なまめきたるにようばう よの中
たえ/\しかりけるが みめかたち あひきやう
つきたりける むすめをもちたりけり 十七 八
ばかりなりければ これを いかゞして めや
すきさまならせん とおもひ かなしさのあ
まりにや やはたへ むすめとともに なく
/\まいりて 夜もすがら 御ぜんにて 我身
は いまは いかにもひなん 此むすめを こゝろ
やすく あらせつけさせたまへ と すゞを す
りて 打なき/\申けるに 此むすめ
まいりつくより はゝのひざをまくらにして
ねたりけり あかつきがたになりて はゝ
申やうは いかばかり おもひてか かなはぬ こゝ
ろに かちにてまいりつるに かやうに
夜もすがら 神もあはれと おぼしめすやう
に申給ふべきに おもふことなげに
ねたまへる うたてさよ と いひければ 打
おどろきて みちのかなしさに くるしく
て と いひて
  身のうきを 中/\なにと いはしみづ

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  おもふこゝろは くみてしるらん

と よみたりければ 母はづかしくおもひて
物をもいはずして 下かうしけるほどに
七でう しゆしやかへんにて よの中 ときめ
きたまふ てんじやう人 かつらより あそ
びて かへり給ふが 此むすめをとりて くる
まにのせて やがて北のかたになして
いみしかりけり これも ぬしのこゝろ すなほ
に おもふこゝろを あらはし侍る 哥の と
くにて侍る となん

参考1

中ごろ=今からそれほど遠くない昔
なまめきたるにようばう=優美で上品な夫人
よの中たえ/\=世間との縁が絶え絶え
みめかたち あひきやうつきたりける むすめ=容貌風姿が良く愛嬌のある娘
めやすきさまならせん=恥ずかしくない格好をさせようかと
かなしさ=愛(かな)しさ、いとおしさ
やはた=八幡、ここでは石清水八幡宮
いかにもひなん=誤字?「いかにおもひなん」??
あらせつけさせたまへ=??縁組みさせて下さい
うたてさよ=嘆かわしいことだ
みちのかなしさに くるしくて=道の辛さに苦しくて(眠ってしまった)
身のうきを・・・=私自身の憂いを、中々何と言うことはできませんが、
    石清水の八幡樣は私の心を汲んでいらっしゃいますよ〜
身のうき=「憂き」と「宇佐・憂さ」の掛詞、石清水八幡の本社は宇佐八幡
いはしみづ=「言わじ」、「石清水」の掛詞
くみて=汲んで、清水の縁語
下かう=下向
しゆしやかへん=朱雀大通りの辺り
ときめきたまふ てんじやう人=今世間で注目を集めているく殿上人
かつらより あそびて かへり給ふ=桂川付近で遊んでお帰りになられた
北のかたになして=妻にして
ぬしのこゝろ すなほに=娘の心持ちが素直であったので
哥の とく=和歌の徳


これは、シンデレラです。
殿上人は、牛車で娘をナンパして、お持ち帰り〜。
お嫁さんにしました。
現代の娘さん!!知らない人の車に乗ってはいけませんよ〜〜。
この話の出典は、「古今著聞集」だそうです。
女郎花物語は、そこから大部分引用しています。
ああ言えば、こう言う娘さん、ナイス・ボケの和歌でした。
八幡様も思わず笑って、嘉(よみ)してくれました。


軽鴨の介______\?\᡼\? 12

女郎花物語 下-21段-2

女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)

女郎花物語(をみなへし ものがたり) 下

21段-2(親に孝行の事-その2)

前篇荒筋:親孝行な家持の娘、母の身代わりとなるが、
神仏の憐れみにより生き延び、天皇の后になった。

イメージ 2

又 いはく 
もろこしに 齊の閔王のきさきは しゆく
れうといひて いやしきたみのむすめ
なり 野にゆきてなをつみけるに みかど
かりにいでゝ 見給ひけるに、なをのみ
とりて みかどのぎやうかうを 一めだに見

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たてまつらざりければ あやしひて よし
をとひ給ふに 我おやのめいによりて な
を つみ侍る 御かうをみるべきこと かの をし
へにあらずと 申けり いかにも たゞものに
あらず ことしりたまひて たちまちに
いざなひたまひければ いゑにかへりて
ちゝはゝに 此よしを申て ゆるされを かう
ふりてのち めしにしたがふべき とぞ申
ける かくいみしき こゝろたてによて あや
しかりける身なれども きさきになり
侍る かゝれば をうなは よくおやのめいに
したがふべきなり 我と しいづることば くや
しきかたも おほかりけるものなり かの
ふたりのをうな おやにかう/\の こゝろた
て さりぬべきゆへに みな きさきになり
侍る されば 女は、うか/\しからず さるべ
き身もちにて侍らば かくよき さいは
ゐもあるべきことなれば いかにも かやう
になん あらまほしきことにこそ侍れ

参考1

齊の閔王=田斉の5代君主、湣王(びんおう)
しゆくれう=うなじに大きな瘤があったので宿瘤と呼ばれていた。
なをつみ=菜を摘み
みかど=齊の閔王
ぎやうかう・御かう=行幸
よしをとひ=由を問い
こゝろたてによて=心立てに依って、気だて、性質
しいづることば=為出づる言葉
うか/\=ものごとの状態や人の心などが安定しないさま

参考2

宿瘤(しゆくれう)は、うなじに大きな瘤があったので疎まれていたのかもしれません。しかし親の言い付けを良く守る、うか/\しくない娘でした。ある時この地方に王様、貴族がやってきます。若い娘はワクワクしながらお出迎えします。宿瘤は、親の言い付けと、引け目が有ったのかも知れません。もく/\と菜を摘み(桑の葉?)、王様に目もくれませんでした。逆に王様は宿瘤に興味を持ちました。また宿瘤は、王命であっても、父母の許しを得て行動する、まことに理に適った道徳心を持っていました。その心映えに感心した閔王は、后にむかえました。
『列女伝』巻6−11「斉宿瘤女」
¥¤¥᡼¥¸ 12

今は、親の許しを得ないで男女は仲良くなる。
いい時代なのかも知れない。
でも、親の経験は、
それなりに価値のあるものですよ。

軽鴨の介______\?\᡼\? 12

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