伊勢物語と仁勢物語

パロディーと諧謔の、仮名草子。

女郎花物語

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女郎花物語 上-19段

女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)〈 〉は原文にあったルビです。
                      ( )とスペースはyoshyが入れました。
女郎花物語(をみなへし ものがたり) 上
               19段(夫婦円満の道と比翼連理の事)
あるおとこゝとの外まどしく侍りける あるべ
きことゝて つまをもちけるが 世のわびし
さに つねには女 おとこをはしたなめ かく
あさましきあくえんにあひて あさましき
よの中をふることよ なか/\ひとりあらば
これほどかなしきすまゐは侍らじ と申
ければ おとこよみ侍る
しういしうに

  ひとりのみ としへけるにも おとらしを
  かずならぬ身の あるはあるかは

とよめるおとこのこゝろ おもひやられて あ
はれにこそ侍れ たかきもいやしきも 女は
おとこにふちせられてありながら かくかま
びすしく おとこをはしたなめ侍るものなり
あるひは くげの人/\は君につかへて はぎ
の戸のあけくれは出入 露に袖をうる
ほし きくもおそろしきおにのまに 雲
のうへふしをして かぐら せちゑのさむき
しも夜をしのぎ ぶしはごてん/\のとのゐ
をし たかやぐら せいろうに月おちかゝ
るまで夜つめをして 我やどにかへりて
こそ 心をものべ侍るならひなるに おとこ
をばなぐさめずして うきよのまかなひ
のかなはぬにことよせて かしかましくねた
きことなどとりまぜて とがもなきに はい
ありく子どもをうちなかせ めしつかうも
のを はしたなめ はらのたつまゝに 物を
打わり ひたゝれ こそでを 引さく女のたぐ
ゐ おほく侍る これ いもせの中 かれ/\に
なるべきずいさうなり さるためし侍り げん
じの物がたりに ひげくろの大将のきた
のかたは しきぶ卿の宮の御むすめにて侍り
けるが ものゝけにわたらせ給ひて、つね
は御こゝろうつゝならずおはしける びげくろ
の大しやう 玉かづらへかよひ侍りけるを きた
のかたいとのどやかにて 我御身のほどをこゝ
ろえさせ給ひて もろともにいだしたて
などして たまかづらへやりたまひしかば
れいのものゝけのわざにや 大きなる火と
りに ひをとりて にほひしていでなんと
ほのめき給ふおり さらぬやうにて おきいで
て 火とりをなげかけさせ給ふほどに は
いも立みちて 御ぞもやけこがれなどせし
なり いとゞ うとましくなりもてゆきて つ
ゐに かくはなれたまふ 北のかたの御はら
に御子おはしまして あんじつの大なごん
をむこにとらせたまふほどの 御ことなれ
ども はなれたまふためし侍れば、たとひ
おとこにふかきうらみありとも たえ忍ぶべ
きなり そも/\ にんげんの八くの中に
をんぞうゑくといへるは 物のうらめしき
ことなり こくわう だいじん これをはなれた
まはず いはんや そのいげに をいてをや し
かれば こゝろにものゝかなはぬは いづれも
うき世のならひぞ とおもひなして さて
なくて ぐち じやけんなる人 ことはりをも
かへりみず ほとけのをしへをもしらず もの
ごとにうらみつゝ なをはらをすえかぬる
心ゆるかしには かみをきり おとこにいと
まをこひ はしりいで いゑをすて すみなるゝ
ふるさとをしりぞくたぐゐ これおほし 此
まゝに だうしんをおこし とぐるものなら
ば こんじやうのゑいぐわ ひらけてもいくほど
あらんなれば しかるべき ぜんちしきともな
るべきに 身はさすがすてはてられぬもの
なれば うらみはすゑもとをらず 人はか
くといはねども こうくわいしきりに すゝみ
て さしも人はまねかねども 子どもをおもふ
にことよせて いゑのいぬのこゝちして いゑ
をしたかてかへるこそ 人わらはれに いふかひ
なけれ かゝらましかば なか/\に、たとひ
ふかしきうらみありとも しらぬかほにてゐたり
せば はるかにこゝろにくからましと よそ
のこゝろにも もどかしく侍れ かの西行ほう
しが哥に

  しばの戸の 身をばこゝろの さそひきて
  こゝろは身にも そはずなりぬる

とよめるこそ げにさりとおぼえけれ ある人
のいはく こゝろにあたはぬことのあればとて
打たのむにもあれ あひしたしきにも
あれ ものゝうらみさきだつまじきなり
たとひ りうんとおもはんことのさういもあ
れ やくそくのむねのかはることもあれ ね
たきこともいでこよ さるやうこそあるらめ と
心ながく忍び過したらんは くねりはし
たらんよりも なか/\はづかしく、いとおし
くおぼえぬべきを かなはぬものゆへに いち
はやくいひふるまへば かへりてにくまれ侍る
なり 又 はかなきふしによりて おほきに
くやしきことも いでくるなり らうしののた
まへることあり

  めいをしるものは 天をうらみず
  をのれをしるものは 人をうらみず
イメージ 1
と侍り こゝろにかなはぬことのありとも い
もせとならば ひよくの鳥 れんりのえだ
のごとくにあるべきなり れんりの枝と
いふは ふうふのものを うづみたるはか
よりおひいでたる木なり こうのりうはうに 別
/\にうづみたれども かのつかより おひ
いでたる木 えだをさしかはして りやうはう
のえだひとつになりにけり これをれん
りの枝といふ 此木にすむ鳥 一つがひ
あり しろき鳥のはしあしあかく おながく 
うつくしき鳥なり 此鳥に羽ひとつ
づゝあり とびたくおもふときは をしあひて
とぶなり はなれては かた羽がいあればとぶ
ことかなはず 此鳥は ふうふのものゝたまし
ゐにて侍るとなん されば いもせのむつ
ましき中を ひよくの鳥 れんりの枝
にたとへたり かくこそあらまほしきに
さしもなきことを うらみくねるたぐゐ お
もはしくも なきことにこそ

参考1
まどしく=貧しく
はしたなめ=惨めな思いをさせる、貶める
あさましきあくえん=最低で悪い縁
しういしう=拾遺和歌集、第三番目の勅撰和歌集
ひとりのみ〜=一人のみ年経けるにも劣らじを数ならぬ身のあるはあるかは  元輔 1250
ふちせられてありながら=扶持せられてありながら、扶養されていながら、現代は共稼ぎですね
かまびすし=喧しい、やかましい、かしましい
くげの人/\=公家の人々
はぎの戸=萩の戸、清涼殿の一室の名、清涼殿は天皇が日常住んだ所
ぶしはごてん/\のとのゐをし=武士は御殿、御殿の宿直をし、泊まって警備守護をする
たかやぐら せいろう=高い櫓、青楼
夜つめ=夜詰め、夜勤
うきよのまかなひ=辛い世の中で用意を整えること
いもせの中 かれ/\に=夫婦仲が涸れ/\になる、夫婦仲が悪くなる
ひげくろの大将=源氏物語 髭黒の大将は強引に玉鬘を自分のものにしてしまう。
きたのかたは しきぶ卿の宮の御むすめ=兵部卿宮の長女
火とりをなげかけさせ給ふ・・=北の方は、突然錯乱し、薫物の灰を夫に浴びせかけ破局
八く=八苦、 生・老・病・死の四苦に、
   愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五陰盛苦を加えた八つの苦しみ、四苦八苦の語源
をんぞうゑく=怨憎会苦、うらみにくむ人に会う苦しみ
だうしん=道心、仏教を信じる心、出家者となって修行に励む心
ぜんちしき=善知識、善き友・真の友人・仏教の正しい道理を教え
すゑもとをらず=末通らず、いのち一つさえ救うことのできない自分を末通らずと言う
りうん=理運、利運、幸運に乗じて傍若無人なこと、高慢で気ままなこと
くねりはし=ひがんだような態度を見せる、恨み言を言う、愚痴をこぼす
らうし=老子、中国・道家の祖
めいをしるものは 天をうらみず をのれをしるものは 人をうらみず
  =命を知れる者は天を恨みず、己を知る者は人を恨まず、十訓抄・第九・懇望を停むべき事
ひよくの鳥 れんりのえだ=比翼の鳥 連理の枝
こうのりうはう(ママ)=宋の康王

比翼の鳥
一眼一翼の伝説の鳥で、地上ではそれぞれに歩くが、空を飛ぶ時はペアになって助け合わなければならない。このことから、後の人は仲のいい夫婦を「比翼の鳥」に譬える。
連理の枝
宋の国の大臣・韓凭(かんひょう)と夫人の何氏は仲睦まじい夫婦であったが、酒色に溺れ非道であった宋の康王が何夫人に色めき、夫婦は死んでしまい、王は別々に埋葬する。しかし二つのお墓から木が生え、枝と葉が抱き合うように絡み合い、根もつながってからみつき、「連理の枝」となる。
白居易「長恨歌」でも、玄宗皇帝が最愛の楊貴妃に「天にあっては比翼の鳥となり、地にあっては連理の枝とならん」と語ったと詠われる。

全ての夫婦の仲が、良いものでありますように! 軽鴨の介__________φ(.. )
女郎花物語19段、全部は完璧には理解できず。暑くて、長くて、難しくて疲れた・・・。

女郎花物語 上-18段

女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)〈 〉は原文にあったルビです。
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女郎花物語(をみなへし ものがたり) 上

               18段(娘のしうとめと婿殿の事)

イメージ 1

むすめのもとに かよふおとこの かりになん
まかる とて たちをとりに をこせ侍りけ
れは むすめにかはりて つかはしける
せんざいしうに     赤染ゑもん
  かりにぞと いはぬさきより たのまれず
  たちとまるべき こゝろならねば
とよみ侍りければ おとこ外へありかずと
なん むかしの人は うたをよみておもふ心
のうちをあらはし ゆうに侍る しうとめは
かくあらまほしくこそ

参考1
 たち=太刀
 をこせ=遣せ、よこす
 せんざいしう=千載和歌集、勅撰和歌集の一つ、新古今集の前に位置する
 赤染ゑもん=平安中期の女流歌人、「栄花物語」の作者とも
 かりにぞと〜たちとまるべき〜=仮り・狩り、立ち止まる(泊まる)・太刀
                千載集914、赤染衛門集348
 ありかず=歩かず
 うたをよみておもふ心のうちをあらはし=哥を詠んで思いの心を表した
 あらまほし=好ましい、理想的だ


姑の「嫌み」も、和歌でさらりと云われれば、あれれれと何処へも行かれず。
返し哥の切り返しが無いので、通う男の負け〜〜〜。

皆さん、良い舅・姑になりましょう。
息子・娘たちは、舅・姑から何か言われたら、ユーモアで斬り返しましょう。

軽鴨の介______________________________________φ(.. )

女郎花物語 上-17段

まず、参考を先に読んでから、本文を読まれることをお勧めします。
女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)〈 〉は原文にあったルビです。
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女郎花物語(をみなへし ものがたり) 上

17段(能ある女性になるの事と、葛城の神の事)

定家卿 あるだいりにようばうに ざれことを
いひかゝりけるに みめはわろくて と女
房申されければ めんぼくなくおもはれけ
るが とりあへず本哥にいはく

  いははしの よるのちぎりも たえぬべし 
  あへるわびしき かつらきの神

  さればこそ よるとはちぎれ かつらきの 
  神もわが身も おなしこゝろに

とよみて侍れば 女かほ打あかめ 返事
もせず侍りき たうじの人ごとに身のげ
いのうもなくて おとこのぜんあくをいひて
わらひたはふれ侍ること あるまじきことに
こそ さうじて にようばうも げいのうをた
しなむべきことにこそ侍れ たうせいは
やりぬることなれば ゑかき 花むすびなど 
つれ/\のなぐさめにならひ侍るべし 又 
しぜんあそびなどの侍るに かたへとははうばいのことなり
かたへにぬけて なにごとをもしたらんは うん
ていのこゝちして 人めいみしくおぼえぬべ
し みめよく ことからよく くらゐたかけれ
ども あやしくいやしきが のうあるに
立ならぶおりは そのしな そのみめ おもひ
けたるゝものなり たとへば 花のあたりのと
きは木は 打みるときはおもしろき所なく 
さめたれども 日かずくれ あらしすぎぬる
のちは みどりばかりのこりて かりのにほひ 
とゞまらざるがごとし されば たうりは一
たんのゑいぐわなり

  松樹千年長木なり

といへること侍るにや いみしくあてなる女
の のうなきが ひとりあるをみるたに のう
あるをおもひいづるならひなり いはんや のう
あるにならぶおりのけちめをや いかにいはん
や おなしやうに立ならぶざしきにて ひ
とりはのうありて ひとりはのうのなからんは
はぢかましきことにこそ こゝに又 くちおしき
ことあり いかにのうありとも こゝちうか/\
しく ことにふれて きやうこつきにて いふこ
ともしゆびあはず うきたつほどの人は せん
まんのげいのうありとも わきまへぬていに
て ちとは人のきにもあひにくきやうにて
にぶ/\としたるものゝ むのうならんには む
げにおとるべきなり さればにや、こうしの
のたまはく

  まんのうーしんにかへず

と かきてをかれけるとなり 又 かづらきの神
のいはれは むかし やまとのくにゝ えんの
うばそくといひけるぎやうじや ゆきよ
からん などいひて かづらきの山とよしのゝ
山のあひだに はしをわたさん とおもひて 
日本ごくの神/\にきせいし給ひて か
づらきにまします ひとことぬしといふ神 
一夜のうちに、かの山この山のみねに いは
はしをわたしはじめて ひるはわたさぬを 
ぎやうじや ひるもわたせ とせむるに 神はら
をたて たくせんして みかどにそうし申
さく えんのうばそくといふもの わうゐをかた
ふけんとす つみし給へ とありければ みかど
此つげによて ぎやうじやをいづの国に
ながしつかはし給ふ 神なをぎやうじや
を 世にあらせじと 命をたゝるべしと 
かさねてそうするによつて 人をつかはし
て がいすべきよしを おほせらるゝに つ
かひゆきて つるぎをぬきてころさんとする
に ひやうもんあり これをみれば 神のた
くせんによて あやまたぬ 行じやをつみ
せらるゝことあたはぬよしあり おどろきて 
此よしをそうするに みかどをそれ給ひ
て めしかへされぬ そのゝち 行じやいかりをな
して ごわうをもて 此神をしばりて たうへ
わたされけり これ きぶうせんのえんぎに
見えたり 此心をよめり

参考1

いはばしの よるのちぎりも たえぬべし あくるわびしき かづらきの神(小大君・拾遺1201)
  久米路の石橋の工事が中途で終わったように、あなたとの仲も途絶えてしまいそうです。
  葛城の一言主の神のように見目を恥じる貴女とは。
さればこそ よるとはちぎれ 葛城の 神も我身も 同じ心に(為兼卿)
  そうであるなら夜・寄に契りましょう、葛城の神と私も同じ気持ちですよ。
かへりごと=返事、もらった和歌に対して、答えて返す和歌、返事無いのは無礼・無粋のこと
げいのう・のう=芸能、教養として身につけていなければならない学問や技芸、その技術・腕前
花むすび=衣服や調度に飾りの糸を花の形に結ぶこと
しな=品、人の階級、身分、家柄、例:雨夜の品定め(源氏)
松樹千年長木=松樹千年翠(禅語)、松の翠・緑が人の目をひくことはないが、冬になれば美しさが
  見直されることになる。流行に目を奪われて、不変の真理を見失わないように
はぢかまし=恥をさらすような感じがする
うかうかしく=軽薄・軽率に見える、うかうかしている
うきたつほどの人=落ち着かず、そわそわしてる人
万能足りて一心足らず=まんのういっしん・万能一心、たくさんの才能に恵まれていても、
  向上・努力する心がけがなければ、物事は成就しない。(竹馬抄参照)
かつらぎのかみ=葛城の神、一言主と同一視される神。昔、役小角が諸鬼神に命じて、葛城山から
  吉野の金峯山への久米路に石橋を渡させようとしたが、この神は容貌の醜いことを恥じて、夜
  間だけ出て働いたので、工事は完成しなかったという。この故事から、歌や物語などに、恋や
  物事の成就しない場合や醜い顔を恥じたりする場合に引用されることが多い。
  一言主は、役優婆塞の呪法で縛られて今(霊異記)になっても解けないでいる。
えんのうばそく=役の優婆塞、役の行者、大和国葛城山で修行し、吉野の金峰山・大峰山などに
  霊場を開いた。仏教に通じ、祈祷・呪術などをよくしたが、文武天皇のとき、一言主の讒言に
  よって一時伊豆に流された。
ひやうもん=評文、批評、評論を書き表わした文章
ごわう=ごほう・護法?
たう=唐
きぶうせんのえんぎ=金峰山縁起

参考2

竹馬抄 第六条 
一、能のある人は、心のほども思ひやられ、その家も心にくき也。世の中は名利のみ也。能は名聞なれば、不堪と云とも猶たしなむべし。心のおよび、学びもてゆく程に、物のへたと云とも、功の入ぬる事は、かたはらいたきことのなき也。よくすることはまれなり。尋常しく成て、人なみに立まじはるまでを詮とすべし。いかに高き家に生れ、みめかたちよく侍る人も、歌よむとて、短冊とる所、詩作るとて韻などさぐり、管絃の所のうつは物のまへわたし、連歌の中にせぬ人にて、他言うちまじへ、音曲する人の座敷につらなりてかほづき、鞠などの場に露をだにえはらはず。又わかき友だちのよき手跡にて消息書かはしなどするに、他人の手をかりて、口筆をだにはか/\しくえせぬもいふかひなきに、剰、女のかたへの文などの時、人の手をやとひ侍るほどに、忍ぶべきこともあらはになり侍るは、いかゞ口惜からぬや。囲碁、将棋、雙六やうのいたずらごとにだにも、其座につらなりて、しり侍らぬは拙こそ侍るめれ。弓矢とりにて、的、笠懸、犬追物などたしなむべき事は、云に及ばず。もとよりの事也。

(10頁から)

女性の皆さん!壁の花ではいけません。
自分の能力を充分引き出してください。

軽鴨の介______________________________________φ(.. )

長くて難解、読んでいただけるかな? ここでの「能」は、教養としての学問や技芸ですよ。

女郎花物語 上-16段

女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)〈 〉は原文にあったルビです。
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女郎花物語(をみなへし ものがたり) 上

16段(輔親物言ひける女の和歌の事)

http://57p39a.blu.livefilestore.com/y1poL4YU1r8izwqu1xefvm6GuX2ZBFHmj3nJp9z7eWlwG43HsOpQf37pENLv3Dn0lGUWayUBGizuUK0ZksN6wXFAU0L7fFI3qpL/½¡àϺ²Öʪ¸ì16.jpg?psid=1
輔親 ものいひけるをうなのもとに 雨ふり
しかばわたりて などいへりける返事に
とくやみにしものを とつかはしける
ごしういしうに

  わすらるゝ 身をしる雨は ふらねども
  袖ばかりこそ かはかざりけれ

おとこ此うたをきゝて 夜かれせず まうで
き侍るとなん


参考1

ものいひけるをうな=契りを交わしている女
輔親=大中臣輔親(おおなかとみのすけちか)  正三位・祭主・神祇伯、子に伊勢大輔
とくやみにしものを=
  もうとっくに雨は止んでしまったのに
ごしういしう=
  後拾遺集 巻十二:恋二 704 読人不知
袖・かはかざりけれ=雨は降っていなくても、
  涙で濡れた袖だけは乾きません
夜かれ=夜離れ、女のもとへ男が通うことが
  途絶えること


一芸は、身の助けになりますね。
小言を言うのではなく、哥で気持ちを言い表して、夫を引き留めました。

軽鴨の介______________________________________φ(.. )

女郎花物語 上-15段

女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)〈 〉は原文にあったルビです。
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女郎花物語(をみなへし ものがたり) 上

15段(小町と卓文君の事)

ある人のいはく むかしおとこ 女をいひかゝり
けるに そのおとこのこゝろざしのほどを
みんとて きつゝ物いひけるころに くるまの
しぢをたてゝ これがうへに百夜ねたらん
とき いはんことをきかん といかければ おと
こ雨風をしのぎて きつゝふせりたり 榻〈しぢ〉
のはしに 夜のかずをかきけるを
見ければ 九十九夜になりにけり あす
よりはなにごとも いなといはまし と いひて
かへりけるに おとこのおや にはかにうせに
ければ その夜は ゆかずなりにければ
女のかくよめる

  あかつきの しぎのはしがき 百羽〈もゝは〉がき
  君がこぬ夜は 我ぞかずかく

とよみて おとこにつかはしける むかし
は 人のこゝろざしのほどをみんとて 女ちと
もなびかず侍りき たうせいの人は いかに
心をつくしても まとしきものはせんも
なし 雨風をしのぎ こゝろざしをはこばね
ども とみさかへたる人には はやくなびき侍
る むかし もろこしに 卓王孫〈たくわうそん〉がむすめに
卓文君〈たくふんくん〉ときこえし人 いゑとめりければ
もてなすありさま ことなりけるうへ かたち人
にすぐれけり まゆはえんざんをうつし 
むねはたまかとぞ見えける ときに 
馬相如〈ばしやうぢよ〉といふおとこ 身はまどしけれども
ちゑさいがく 人にすぐれたり 又 ことをも
よく引けり たくふんくん これにめでゝ か
のおとこに あひにけるを ちゝはゝ いさ
むれども きゝ入ずして しやうぢよが まとし
きいゑにゆきて 世をわたりけるあひだ ちゝ
はゝ むすめのゆくゑを しらざりける しやうぢよ
つゐに代にさかへて 國のしゆごとなりて 
いみしかりければ ちゝはゝ 又むすめのとがを
ゆるしてけり かのしやうぢよ のうさいかく人
にすぐれ きんのじやうずなれば 女のこゝ
ろ引こそ げにことはりに侍れ されば とみ
さかへたる人の まどしくなることもあり 又 ま
どしき人の かく國のしゆごとなりて とめ
ることもあり 女はえんにまかせて まどし
きいゑになりとも かんにんすべきことに
こそ侍れ

参考1

いひかゝり=言ひ掛かり、言葉を掛けて相手と関係を持つこと
きつゝ物いひける=来つつ物云ひける
くるまのしぢ=牛車の榻、牛車の轅の軛を載せたり、また乗り降りの踏み台にした台
いはんことをきかん=百夜通って来たら貴男の望みをかなえましょう
九十九夜=深草少将が小野小町に思いを寄せ通いつめた夜の数。
  雨の夜も風の夜も休まないで通ったが、九十九夜目でついに病に倒れて死んだと伝えられる。
あかつきの〜=暁の鴫の羽掻きが数多いように、
  あなたが来ない夜は私が数を多く書いてしまう、古今761
しぎのはしがき 百羽がき=鴫が羽掻きで歌では回数の多いことを云う
ちともなびかず=ちっとも靡かず
まとしきものはせんもなし=貧しい物はしかたない
とみさかへたる人には はやくなびき=富み栄えた人には直ぐ靡く
卓王孫=四川省臨卭県きっての大富豪
卓文君=卓王孫の娘、寡婦となって戻ってきた絶世の美女
まゆはえんざんをうつし=遠山の眉、遠山のように薄くなだらかな眉、美人の眉をたとえていう
むねはたまかとぞ見えける=胸は玉のようにふっくらと・・・b(^_^)
馬相如=司馬相如、前漢の詩人、
ちゑさいがく=智恵・才覚
國のしゆご=国の守護、武帝は司馬相如を??にした
かんにん=堪忍、不利な立場や困難な状況を堪え忍ぶこと、堪忍は一生の宝

参考2

榻の端書き(しぢのはしがき)」は、小野小町の伝説です。
これがヒントになり、能・通小町、卒塔婆小町など作られていきます。

司馬相如と卓文君の話は、史記列伝・司馬相如列伝に出て来ます。

白頭吟の一節(卓文君 作)

淒淒復淒淒 嫁娶不須啼
願得一心人 白頭不相離
竹竿何嫋嫋 魚尾何簁簁
男兒重意氣 何用錢刀爲

私は悲しい気持ちでいっぱいです、ですが決して声を出して泣いたりしません
私の願いはあの人とともに、白髪になるまで添い遂げることでした
あなたの竹竿はしなやかなこと、それにひかれてピチピチとした魚(私・卓文君)がつれました
男たるもの意気が大事、どうしてお金など・・何の役にも立ちません


卓文君は、何故悲しいのでしょうか?卓文君のような女性を泣かしてはいけません。

九十九夜 かよひし人の 足つよし
あと一歩足らず 怨念残す

深草の少将、残念でした。______________________φ(.. )軽鴨の介

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