伊勢物語と仁勢物語

パロディーと諧謔の、仮名草子。

女郎花物語

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女郎花物語 上-14段

お待たせしました。疑問が解けました。

女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)〈 〉は原文にあったルビです。
                      ( )とスペースはyoshyが入れました。
女郎花物語(をみなへし ものがたり) 上

14段(本の女と今の女・二人の女の争いの事)

あるおとこ 秋の夜のつく/\゛とながきに
しかのこゑまくらにをとづれ侍るときに
ほんの女にきゝ給へや といひければ かく
よめる
こきんしうに

  我もしか なきてぞ人に こひられし
  いまこそよそに こゑをのみきけ

とよみ侍れば おとこかぎりなくやさし
く あはれにおもひて いまのめををくり
て 本のめとすみにけり さうじて おとこ
のふたこゝろあるは たいりやく一たんのこと
なり ふた心あらば いかにも なをおもひたる
ていにて ねたき心ありともたえ忍びて
よの中のまかなひなどかしこければ をの
づから おもひなほすことも侍るならひ
なり 有哥に

  いにしへの 墅中のしみづ ぬるけれど
  もとのこゝろを しる人そくむ

此哥 のうゐんが哥まくらには 野中の
しみづとは もとのめにかへりすむ と申侍り
ほんのめにかへりすむときゝて いまのめよ
み侍る哥

  我ために いとゞあさくや なりぬらん
  墅中のしみづ ふかさまされば

ほんの女 いまのめのあらそひもおそろし
くこそ侍れ げんじ物がたりに みやす所
の御うらみによりて あふひの上 御うぶや
廿日ばかりありて かくれ給ふもあさましく
かしはてのきんなり かめのかつらご さくらごが
あらそひもおそろしく侍れば 女ねたき
ことをたえ忍ぶとて さのみおとこも色この
みにはあるまじき事にこそ

参考1

こきんしうに=古今集ではなく、新古今集1372、大和物語・158段にも
我もしか〜=私も前は鹿が鳴くように泣いて恋ひ慕われたものでしたが、
       今では他所であなたの声だけを聞いています
いまのめ=今の女、新しい妻
本のめ=本の女、最初の妻
たいりやく=大略、おおよそ、あらまし、だいたい
一たんのこと=一旦の事、一時的な事
ねたき心=嫉妬心
まかなひなどかしこければ=普段の世話や面倒を見ることを上手にしていれば
いにしへの〜=かつての野中の清水は今ではぬるくなってしまったけれど、
        元の心を知る人は汲むものである、古今集887読み人知らず
のうゐんが哥まくら=能因、平安中期の歌人、著「能因歌枕」
みやす所=源氏物語・六条の御息所、御息所は生霊となって妊娠中の葵の上を悩ませる
あふひの上=源氏物語・葵の上、光源氏の最初の正妻、夕霧の母
かしはてのきんなり かめのかつらご さくらごがあらそひ=能・三山、参考2へ
さのみおとこも色このみにはあるまじき事にこそ=そのように男も色好みではあってはなりませんよ

参考2 能・三山

香具山は男の山、耳成と畝傍は女の山で、一男二女の山だと言い伝えられている。その昔、膳(かしわで)の公成(きんなり)という男が、耳成山の桂子と畝傍山の桜子の二人の女のもとに通っていた。
しかし、そのうち公成は若い桜子のもとに通うようになり、耳成山の桂子のもとに通わなくなってしまう。桜子を羨み、公成に失望した桂子は、嫉妬のあまり池に身を投げてしまう・・・。
♪〜「・・・桂の立枝を折り持ちて、みゝなしの山風、さて懲りやさて懲りや。あらよそめを松風春風も、吹き寄せて/\。雪と散れ桜子。雲となれ桜子。花は根に帰れ。われも人知れず、妬さも妬し後妻を、打ち散らし打ち散らす。・・」


本の女と今の女。二人の女の争い、恐いですね。危ないことはしないことですね。
一人でも大変なのに、二人欲しがるのは、強欲です。好色です。

一人の妻を山の神に奉っています。軽鴨の介______________________φ(.. )

「かしはてのきんなり かめのかつらご さくらごがあらそひ」この部分が中々分からなくて、
「能・三山」に行き着くまで時間が、かかりました。やっと見つけました。スッキリ!

女郎花物語-序 画像

イメージ 1

女郎花物語 上

それ・和哥は・下照姫〈したてるひめ〉にはじまり・人丸
を・哥のひじりとして・うねめなりける
女・あさかやまのあさからぬ・こゝろをあらは
し・衣通〈そとをり〉ひめ・さゝかにのいとのながき世に 
・ことばをつたへ・をのゝこまちは・人のこゝろ
のはなやかなることのはを・よの中にのこし 
伊せは・ゆくかりをしたひ・花なきさとゝ
ながめ侍り むかしのあとをつぎたまへる

とてもキレイな字で、好きな雰囲気の書体です。
内閣文庫本複製

女郎花物語 上-13段

女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)〈 〉は原文にあったルビです。
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女郎花物語(をみなへし ものがたり) 上

13段(待賢門院加賀と能因法師の和歌の事)

待賢門院〈たいけんもんゐん〉のにようばうに かゞといふ哥
よみあり あるときの哥に
せんざいしうに    たいけんもんゐんの加賀

  かねてより おもひし物を ふししばの 
  こるばかりなる なげきせんとは

といふうたを ねんらいよみてもちたりける
を おなしくは さるべき人にいひむつれて
わすれたらんによみてこそ 集などにも
入たらん おもてもまことなるべし とおもひて
いかゞしたりけん 花ぞのゝおとゞにあひ
なれて おもひのごとくにやありけん この
哥をまいらせたりければ おとゞもやさし
くあはれにおもひ給ひて さて かひ/\し
くも せんざいしうに入にけり みな人 ふ
ししばのかゞ とぞ申ける かの のうゐんほうし
ふるまひに似侍り

  都をば かすみとともに 立しかと 
  あき風ぞふく 白川のせき

とよみけるが みやこにて此哥をいださん
ことねんなし とおもひて 人にもしられず
へんどにこもりゐて 色をくろくなし み
ちの国のかたを 久しくしゆ行のつゐで
によみたり といひて ひろうし侍る む
かしは おとこも 女も やさしくこそ侍れ

参考1

たいけんもんゐんの加賀=待賢門院加賀
せんざいしう=千載集、千載和歌集
かねてより〜=かねてより予想していた事ですが、柴を樵って投げ木する様に、
        懲り懲りする歎きをするとはなんと悲しい・・
「樵る、懲る、投げ木、嘆き、伏し柴、臥し」など枕・縁語・掛詞をちりばめた技巧的な歌
ねんらいよみてもちたりけるを・・=何年も前に詠んだ歌を持っていた・・
さるべき人〜=しかるべき人と睦んでのち、忘れられたらこの歌を引っ張り出し詠んで、
        勅撰集にでも入ったら「しめたもの」・・フフフ千載集に入っちゃった
花ぞのゝおとゞ=源有仁、才も容姿も優れ、若くして詩歌管弦に堪能、男子で初めてお歯黒?
あひなれて=互いにいい仲になって
ふししばのかゞ=伏柴の加賀と称された
のうゐんほうし=能因法師、俗名・橘永?祥(ながやす)、中古三十六歌仙の一人
       「枕草子」の写本に「能因本」があるが、清少納言と姻戚関係があるらしい
都をば〜=都をば春霞が立つとともに発って来たけど、白河の関ではもう秋風が吹いている
     「旅立ち、霞が立つ」を掛ける
へんど=辺土、都から遠く離れた土地、都の近辺、どっちやねん!?(-_-#)
     ここでは、都の近くで日光浴をしていたと解釈
みちの国=陸奥の国
しゆ行=修行
やさしく=心憎い、優美である

せっかく良い歌が出来たんだから、いつかイイ男捕まえて、飽きられたとき発表して、スキャンダル歌人になりましょう。
せっかく良い歌が出来たんだから、行ってきたことにして、近場で真っ黒に日焼けしてから、それらしく発表しましょう。

白河の関にかゝりて旅心定りぬ。」芭蕉
白河の関屋を月のもる影は人の心をとむるなりけり」西行


かねてより つくりし物を しまい込み 
忘れて何処 あとのまつりに

レンジや冷蔵庫に忘れ物、ブログ資料も忘れ物
三歩あるいて忘れる鳥のおつむり 軽鴨の_________________φ(.. )ボケかな・・
おつむてんてん 
ちょちちょち あわわ かいぐり かいぐり とっとのめ おつむてんてん


女郎花物語 上-12段

女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)〈 〉は原文にあったルビです。
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女郎花物語(をみなへし ものがたり) 上

12段(後鳥羽院の時 水無瀬にて哥あはせの事)

後鳥羽〈ごとば〉のゐんの御とき みなせにて こひの哥
あはせの侍る哥の中に
しんこきん    俊成〈しゆんぜい〉卿のむすめ

  かよひこし やとのみちしば かれ/\に
  あとなきしもの むすぼゝれつゝ

しんこきん    くないきやう

  きくやいかに うはのそらなる 風だにも
  まつにをとする ならひありとは

かの両人の哥のことを しゆんゑほうし 申
侍りし としなりの卿のむすめもきこゆ
る人 くないきやう 此ふたりぞ、しやうこにも
はぢぬ じやうずどもなりける 哥のよみやう
こそ ことのほかにかはりて侍れ 人のかたり
侍りしは としなりの卿のむすめは はれの
哥よまんとては まづ日をかさねて 集〈しう〉と
もを くり返し まきかへしよく/\見て 
おもふはかり見をはりぬれば みなとりをき
て ともしびかすかにして 人こゑなくして
ぞ あんぜられける くないきやうは はじめより
をはりまで さうしまき物をとりひろげ
て きりとうだいに 火〈ひ〉ちか/\とともしつゝ かず
/\かきつけ/\ よるもひるも をこたらず
あんじける 一たびはしにはづれしたりき 
ちゝのぜんもん なにごとも身のありてのうへ
のことにこそ かくしも やまひになるまで
はいかにあんじ給へるぞ と いさめられけ
れど もちいず つゐに早世して侍りし
かば 寂蓮〈しやくれん〉にうだうは 此ことをいみしがり
て せうとの具親せうしやうの哥に 心を
入ぬとぞにくみ侍りし なにゆへに 身を
たてたる人なれば しかるらん まれ/\たち
入て とのゐ所をみれば はれの御くわいなど
のあるころも ゆみよひきめよ などとりちら
して 哥をこひしともおもはぬとて くち
おしきことにぞ申侍りし いにしへの
女は 哥のみちをたしなみ かくゆうに
侍りき

参考1

水無瀬歌合わせ=水無瀬恋十五首歌合、建仁二年(1202)の九月十三日夜、後鳥羽院が水無瀬の離宮で
  開催した歌合。歌題はすべて恋の十五題。七十五番、百五十首。作者は十人、当代屈指の歌人が
  顔を揃え、判者は藤原俊成。この歌合から、十五首の歌が新古今集に撰ばれている。
  水無瀬については伊勢物語82段-1参照
新古今=新古今和歌集、鎌倉時代初期、後鳥羽上皇の勅命によって編まれた勅撰和歌集。
  古今和歌集以後の8勅撰和歌集、いわゆる「八代集」の最後を飾る。
俊成卿のむすめ=藤原俊成の養女(俊成の孫、俊成女は歌才ゆえの名誉の称)、
  建仁二年、後鳥羽院に召され、女房として御所に出仕する。院歌壇の中心メンバーの一人として、
  「水無瀬恋十五首歌合」に出詠、「無名草子」の著者を俊成卿女とする説も
かよひこし・・=あの人が通って来た宿の雑草は枯々に、訪れも枯々に絶えるようになって、
  道には足跡のついていない霜が降り、心が絡み合って苦しい(新古1335)
宮内卿=後鳥羽院宮内卿、「新古今集」に15首「玉葉集」に9首
きくやいかに・・=お聞きかしら、どう?「うわの空」にある風ですら、松(待つ)には訪れて
  梢の音、響かせる――そういう習いがあるのよ!(この浮気者、待ってる私に音沙汰無しとは!)
  男らしい??さっぱりとした歌ですね。(^_^;)
しゆんゑほうし=俊恵法師、平安時代末期の僧・歌人、「百人一首」85「よもすがら もの思ふころは〜
あんぜられける=案ずる、考えをめぐらす、はっきりしない点を明らかにする、暗記する
さうしまき物=草子、巻物
きりとうだい=上に油皿をのせ、灯心を立て火をともす木製の台。切り灯台・結び灯台など。
ぜんもん=禅門、禅定門、入道、俗人のまま剃髪した仏弟子
やまひになるまで=歌への打ち込み過ぎて病気になり早死にした。
寂蓮入道=藤原俊成の甥、平安時代末から鎌倉時代初期にかけての歌人、新古今和歌集の撰者となる
せうとの具親せうしやう=宮内卿の同母兄、源具親(ともちか)、妹の宮内卿と対照的に
  歌に熱心でなかったと伝わる。
ゆみよひきめよ=弓よ蟇目(引目)よ、蟇目は、鏑に数カ所の穴を開けたもので、空気が流入する事で
  笛のように音が鳴り、鋭い音を発する。蟇目の出す音が邪を払い場を清める。蟇目鏑とも言う。

参考2

にほのうみ春はかすみの志賀の波花に吹きなす比良の山風  (俊成卿女集)

花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎゆく舟のあと見ゆるまで (宮内卿・新古128)

今はとて思ひたゆべき槙の戸をささぬや待ちしならひなるらむ(源具親・続後撰956)

何事も一芸に秀でるには、不断の努力の積み重ね、血のにじむような努力が必要ですね。
でも、宮内卿のように、やり過ぎは早死にのもとです。


通ひ来し 宿の道芝 よた/\と
毒気抜かれて 抜け殻通る

昔の通い婚は、大変だったろうな、お疲れさん!
軽鴨の介_______________________________________φ(.. )

女郎花物語 上-11段

女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)〈 〉は原文にあったルビです。
                      ( )とスペースはyoshyが入れました。
女郎花物語(をみなへし ものがたり) 上

11段(選子内親王と内親王家宰相の琴の事)

としのくれに こと(琴)をかきならして そらも
はるめきぬるや と侍りければ 
しんちよくせん(新勅撰)    撰子内親王家さいしやう(選子内親王家宰相)

  ことのねを 春のしらへに 引(弾く)からに 
  かすみて見ゆる そらめなるらん

返し、    撰子ないしんわう(選子内親王)

  ことのねを はるのしらべに きこふれば 
  かすみたな引 そらかとぞおもふ

むかしのにようばう(女房)は かりそめのあそびに
も ゆうにこそ侍れ

参考1
としのくれ=年末
しんちよくせん=新勅撰、十三代集の最初、通算で第九勅撰和歌集
そらめ=空目、見えないのに見たように思うこと、琴を弾きながら見たので霞んで見えた
選子内親王=大斎院、清少納言や紫式部も一目置く、5代57年の長きに斎院の任にあった
はるのしらべに きこふれば=琴の音がすばらしく春の調べに聞こえたので(・・そう見えました)
かりそめ=仮初め、その場限り、ふとしたこと

参考2

選子内親王家宰相:
年末なのに琴の音を春の調べとして弾いたので、そら目に空も霞んで見えるのでしょうか。

選子内親王:
あなたの琴の音が、素晴らしいので、そら目でなく春の霞棚引く空と思ってしまいましたよ。

大斎院のサロンでの、軽妙な歌の遣り取りの「遊び」です。



小鳥ども 春のさえずり 夜明けまで 
霞みて見ゆる 寝不足の朝

我が家の小鳥ともう一羽、朝まで何を話しているのやら、いい加減にしろよ。  
軽鴨の介_______________________________________φ(.. )
我が家での、軽薄な小言の遣り取りの「遊び」です。

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