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女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)
女郎花物語(をみなへし ものがたり) 下
11段(遊女さえも哥を詠むの事)
参考1
おはりの国=尾張国、東海道の西部に位置し愛知県西部に相当する、尾州と呼ぶこともある
京よりくだれりけるおとこ=平景清・藤原景清 悪七兵衛
けいせい=傾城、遊女、近世では特に太夫・天神など上級の遊女をさす
漢書から「北方に佳人有り。・・一顧すれば人の城を傾け、再顧すれば人の国を傾く」
傀儡=傀儡子(くぐつ)、流浪の民や旅芸人、狩猟と芸能を生業とした半狩猟半芸能の集団。
あこ=阿古、阿古屋、景清と深い仲の女
のかみのさとなとよみ侍り=野上の里など詠み侍り、「野上」は美濃国の歌枕で
遊女の里として知られていた
新続古今1338 後小松院
又むすぶ 契りもしらで 消えかへる 野上の露の しののめの空
新拾遺集 冷泉為秀
露しげき 野上の里の かり枕 しほれていづる 袖のわかれ路
ぞくごしう=?、新続古今和歌集(900)にこの哥がある
死ぬばかり 誠になげく 道ならば 命とともに のびよとぞ思ふ
しよしやのひじり=書写の聖・性空上人、平安時代中期の天台宗の僧
けちえんぎやう=結縁経、結縁のため経文(主に法華経)を書写して供養すること
結縁=世の人が仏法と縁を結ぶこと
ゆうぢよみやき=遊女宮城、法然上人は讃岐国へ下るとき山城の鳥羽で舟に乗ったとき、
江ぐちの君=平安時代から鎌倉時代にかけて摂津国江口にいた遊女の総称。謡曲「江口」で
西行法師と歌問答をしたとされる遊女の妙をさす。
ふげんぼさつとあらはれ=普賢菩薩と顕れ、普く賢い者、女人成仏を説く法華経に
登場することから、特に女性の信仰を集めた。
しゆじやう=衆生、生命のあるものすべて、特に人間をいう→衆生済度
参考2
謡曲 江口
天王寺で雨に降られて、西行法師は、宿を借りようとして断られる。江口の遊女との哥の遣り取り。
世の中を いとふまでこそ 難(かた)からめ
かりのやどりを をしむ君かな
世をいとふ 人としきけば かりの宿に
こころとむなと 思ふばかりぞ
あなたは、出家されたかたなのに、遊女の宿に心をとどめることなどあってはいけません。
・・・遊女・妙は、象に乗った普賢菩薩の化身として消えていきます。
徒然草 69段より「書写の上人」
書写の上人は、法華読誦の功積りて六根浄にかなへる人なりけり。旅の仮屋に立ち入られけるに、豆の殻を焚きて豆を煮ける音のつぶつぶと鳴るを聞き給ひければ、「疎からぬ己れらしも、恨めしく、我をば煮て辛き目を見するものかな」と言ひけり。焚かるゝ豆殻のばらばらと鳴る音は、「我が心よりすることかは。焼かるゝはいかばかり堪へ難けれども、力なき事なり。かくな恨み給ひそ」とぞ聞えける。
http://ziza.es/sites/ziza/emoticons/ziza.ru_14.gif曹植「七歩の詩」に似ています(笑い)。
性空上人と法然上人の区別が、よく解らない?混乱があるのか??
遊女・和泉式部と性空上人の話の勘違いか?(御伽草子・和泉式部)
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あぶさんの所で、江口の君堂の記事有ります。(写真有ります)
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女郎花物語
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女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)
女郎花物語(をみなへし ものがたり) 下
10段(白き烏(からす)の事)
参考1
後冷泉院=70代天皇、1045年-1068年
あふみの国=近江国、現在の滋賀県、淡海(あはうみ、あふみ)から
かくして=隠して
にようばうたち=女房たち
ゆかしかりければ=心ひかれていたので(床しい・懐しい)
ゆかしからす=ゆかし+からす(烏)、ゆかしがらず(床しがらず)、掛詞
きんえうしう=金葉和歌集、第五番目の勅撰和歌集、白河院の院宣により源俊頼が編纂
少将のないし=白河院女房、藤原実方の娘、「後拾遺和歌集」2首と「金葉和歌集」1首入集。
傳 為忠筆 金葉和歌集
少将内侍は白河院の女房です。
白河法皇の御落胤が清盛であるという噂、
NHKの大河ドラマ「平清盛」1話でもありましたね。
白河法皇は、なかなかの女性好きであったそうな。
後冷泉院は、ケチンボですね。
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女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)
女郎花物語(をみなへし ものがたり) 下
参考1
とう二でうのゐん=東二条院
はしたもの・半物=召使いの女、はしため
河なみ・河波=はしための名、河浪、新後撰集1536、琵琶/歌人
身まがりけるが=身罷りけるが、お出でになったりすること
をしへをきける=教え置きける
なかれのびは=別の版(近代デジタルライブラリー)では「かつら緒の琵琶」
常盤井入道前太政大臣=西園寺実氏、新後撰集1535、新三十六歌仙
びはを引哥をよみ侍る=琵琶を弾き哥を詠み侍る
しんごせんしう=新後撰和歌集、鎌倉時代(1304年)の勅撰和歌集
下をうなまでも=身分の低い女までも(哥を詠んだ)
ことびはをも=琴・琵琶をも
しやうのこと=箏の琴、箏
げんないし あかしの上 たまかづら=源典侍・明石の上・玉鬘、源氏物語登場人物
参考2
身分の低い「はしため」であっても、和歌の道に励み、勅撰和歌集に名を残した「河波」。
天晴れな志と研鑽。「心をとどめて学び侍らば、聖人の道、仏の道、和歌の道にいたるまで、その道に師有り、書物有りて、誰かは知り及び侍るまじき。何の難き事は侍らん。」(近代デジタルライブラリー・女郎花物語より)
「志」と日々の「研鑽」。3日坊主でなければね〜〜
http://messenger.live.jp/emoji/10th/original/original/emo_mendokusai.gif
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女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)
女郎花物語(をみなへし ものがたり) 下
参考1
ながれたる哥=もてはやされた哥
はやしのものゝこゝろ=「たけきもののふの心」をもなぐさむる?(古今集仮名序)
ぜんあく=和歌の善し悪し
長守かたりにいはく=鴨長守語りに曰く
しゆつくわい=述懐、思いをのべること
ざれこと哥=戯れ言歌、ふざけた歌
ひおこさぬ・・・=火おこさぬ夏の炭櫃の心地して人もすさめずすさまじの身や、
火をおこさない夏の炭櫃のようで、誰も相手にしない期待はずれな我が身です
冬の炭櫃こそ火のなきは今少しすさまじけれ、などさはよみ給はぬぞ=
冬の炭櫃のほうがもう少し期待はずれなのに、なぜそうお詠みにならないの?
かなしくなんせられて=愛(かな)しくなんぜられて、可愛く難じられて
たんかう=談合
せうゐん=承引、聞き入れること、引き受けること、承諾
こうし のたまへる=孔子曰へる
ひとへに・・・= ひとへに君に随ひ奉る、忠にあらず。ひとへに親に随ふ、孝にあらず。
あらそふべき時 あらそひ、随ふべき時随ふ。これを忠とす、これを孝とす。
しゆくん=主君
ちいんのとも=知音の友、自分をよく知ってくれる友、伯牙絶絃から
いさむべし=諫むべし、目上の人に不正や欠点を改めるよう忠告すべし
世のすゑ=道義や仏法のすたれた世の中、末世
てんたう=天道、天の道理、天理、天の道
みやうが=冥加、気がつかないうちに授かっている神仏の加護、思いがけない幸せ
参考2
癇癖談(クセモノガタリ)に、『「火おこさぬ夏のすびつの」と、うちながめて過ぐるに・・』と、ありました。頭注には「火おこさぬ夏の炭櫃の心地して人もすさめずすさまじの世や」と、ありました。(有朋堂・上田秋成集)
人を諫めたり、忠告したりするのは難しいですね。
誉めることと、貶すことしか出来ません。
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女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)
女郎花物語(をみなへし ものがたり) 下
参考1
もろこしに、かんの元帝=前漢の元帝
わうせうくん=王昭君、楊貴妃・西施・貂蝉と並ぶ古代中国四大美人の一人に数えられる
むつれつかうまつりなば=睦れ仕うまつりなば
えびすのわう=匈奴の呼韓邪単于(こかんやぜんう)
それ一人たまはらん=君主(漢)の妻を下賜してください
ゑにかゝせて見たまふに=面倒くさいので絵に描かせて下賜する女御を選んだ
まひないをして、うつくしくかゝせけるに=似顔絵師の毛延寿に賄賂を贈り美しく描かせた
あやしげにかきたりける=王昭君は賄賂を贈らなかったので醜く描かれた
ごこく=胡国、野蛮な国。未開の国
みるたびに・・・=懐円法師、『後拾遺和歌集』は、第4番目の勅撰和歌集
鏡の影=鏡に映って見える姿
かゝらざりせばかゝらましかは=「描かる」「掛かる」「関わる」「斯り」などが掛かる、
醜く描かれなかったらこのように関わることは無かったはずです
しゆんわのみかど=淳和天皇
なつのゝ大臣=清原夏野、従二位・右大臣
律令をぬきさだめらるゝ=「令義解」(りょうのぎげ)、833年(天長10年)に淳和天皇の勅により
右大臣清原夏野ら12人によって撰集された令の解説書、
この書物によって、大宝令・養老令が伝えられている
こはく=強く
あるもんにいはく=或る文に云く
水のうつはものにしたがふがごとし=老子の言葉「上善如水」
上善如水。水善利万物、而不争。処衆人之所悪。故幾於道。
居善地、心善淵、与善仁、言善信、正善治、事善能、動善時。
夫唯不争、故無尤。
参考2
匈奴の呼韓邪単于が、漢の女性を閼氏にしたいと、元帝に依頼したところ王昭君が選ばれ、以後呼韓邪単于の閼氏として一男を儲けた。しかしその後、呼韓邪単于が死亡したため、当時の匈奴の習慣(レヴィレート婚)に習い、義理の息子に当たる復株累若鞮単于(ぶくしゅるいにゃくたいぜんう)の妻になって二女を儲けた。儒教では、義理の息子との結婚は近親相姦に匹敵するので考えられなかった。
白氏文集卷十四 王昭君 白居易
顔に砂漠の砂がつき、鬢の毛に風が吹きつける
眉墨も頬紅も、跡形なく消えた
愁いと苦しみの多い辛い勤めで憔悴し、
今や、かえって画中の姿に似てしまいました。
http://www.yaplakal.com/html/emoticons/nonark.gifhttp://www.yaplakal.com/html/emoticons/nonark.gifhttp://www.yaplakal.com/html/emoticons/nonark.gif
「上善如水」で一杯。
絶世の美女「王昭君」で一杯。
「白居易」の詩で一杯。
軽鴨の介__________φ(.. )
レヴィレート婚は、
「聖書のルツ記」などにも見られる。
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