山の神 息子の嫁に お元気?
変わりはない?と さぐり入るゝ
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女郎花物語
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女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)
女郎花物語(をみなへし ものがたり) 上
26段(いふまじきことばの事)
ふうふの中は かりそめのたはふれにも いふ
まじきことをば いふまじき事なり ある哥に
君ををきて あだし心を 我もたば
すゑのまつ山 なみはこえなん
これは おとこにはあだし心をもつまじき
といふこゝろなり あだしこゝろとは ・他心
とかきたり 又 まんえうしうには ・異意
とかきて あたしこゝろとよませ侍る すゑの
まつ山 なみこゆるといふことは むかし ふうふ
のものありけるが すゑのまつ山をさして かの
山になみのこえんときぞわするべき と ちぎ
りけるが ほどなくわすれにけるより 人
のこゝろのかはるをば なみこすといふなり
かの山に まことになみのこゆるにはあら
ず あなたのなみの はるかにのきたるに
たつなみの 此まつ山のうへより こゆるやう
に見ゆるを あるべくもなきことなれば
なみのこえんときわすれん と ちぎりし
なり されば、くちにまかせて さのみ物をばいふ
まじきことなり つねに 女のさしもなかり
しことゞもに はらを立ぬるまぎれには
しなばや うせばや はなればや さまをかへ
ばや いまは たゞありて かひなき身とて しん
も おこらぬそらねんぶつ よそへのかどて
いまはしや きにかくるをもかへりみず 身を
もはなさぬ ずゞのをのたゞ一すぢに 我は
いま ぜんにかたふくこゝろたて こは/\しく
も くりかへし申侍る ねんぶつは むやく
のことになん侍る されば くうや上人の御哥
に
一たびも なむあみだ仏と いふ人の
はちすのうへに のぼらぬはなし
かくよみ侍れば 一へんのねんぶつなり共
によほうに侍らば かんようのことになん
侍る うらみ くねり はらのたつくちすさひ
に くり返し/\ 申侍らんねんぶつは
なにのへんか侍らん 大日きやうのもんに
いはく
一ねんのしんいは 九ていこうの
ぜんごんをやく
と侍れば はらをたて おとこに こは/\し
く いまはしく ねんぶつをば 申まじきこと
にこそ はらのたつをもしづめ いかにも によ
ほうに ねんぶつを申べきなり かのふう
ふのもの すゑのまつ山をさして いまはし
くちぎり侍るゆへに ふたりの中 かれ/\
になりぬれば くちすさひにも、いまはし
きことを いふまじき事にこそ
参考1
かりそめ=仮初め、軽々しく、その場限りである
あだし心=徒し心、他し・異し心、変わりやすい心、浮気心、あだごころ
すゑの松山=歌枕、末の松山、陸奥国にあった地名、
宮城県多賀城市八幡の宝国寺背後の丘陵地の呼称
ほどなくわすれにける=程なく浮気心が出て約束を忘れた
さのみ物をばいふまじきことなり=さほど大したことをつべこべ言うべきではない
さしもなかりし=それほどでもないこと
まぎれ=紛れ、ある事につけこんで
しなばや うせばや はなればや さまをかへばや
=ばや[終助]話し手自身の願望を表す、「死んでくれ!・・・」
しんも おこらぬそらねんぶつ=信仰心からでなく口先だけで唱える念仏、空念仏
よそへのかどて=余所への門出?
ずゞのをのたゞ一すぢに=数珠の緒が一筋に結ばれているように、
一筋に思いも切らぬ玉の緒の結ぼほれたる我が心かな 付喪神から
こは/\しく=強強しく、いかにも強情である、見るからにかたく強そうである
くうや上人=空也は、平安時代中期の僧、天台宗空也派の祖、民間における浄土教の先駆者
一度も南無阿弥陀仏という人の蓮の上にのぼらぬはなし 拾遺和歌集 1344
くねり=恨み言を言う、愚痴をこぼす、すねる
大日きやう=大日経、大毘盧遮那成仏神変加持経、毘盧遮那経
一ねんのしんいは 九ていこうの ぜんごんをやく
=華厳経に、一念の瞋恚の火によって、無量億劫の功徳法財を焼き失うとある
しんい=瞋恚、怒り
九ていこう=??
ぜんごん=仏語、善根、よい報いを招くもとになる行為
いまはしく=腹立たしく、嫌な感じで
によほう=如法、穏やかに、仏の教法にかなって
かれ/\=離れ離れ、男女の交際が途絶えがちなさま
参考2
古今和歌集 読人不知 1093
君をおきて あだし心を わがもたば
すゑの松山 浪もこえなむ
興味深い動画がありました。
多賀城市七ヶ浜の「すゑの松山 浪もこえなむ」貞観地震の記憶も薄れていない時代の「歌枕の記憶」として見る人達がいます。貞観地震の時、「すゑの松山」に逃げた人たちは助かったのです。今回の地震の津波も、「すゑの松山」は越えられなかったと、レポートしています。「城埻倉庫,門櫓墻壁,頽落顛覆,不知其數.海口哮吼,聲似雷霆,驚濤涌潮,泝?寧漲長.忽至城下」(日本三代實錄卷十六 清和紀十六)
百人一首 清原元輔 042 本歌取り
ちぎりきな かたみに袖を しぼりつつ
末の松山 波越さじとは
どんな人間関係に於いても、役に立つお話です。腹が立ち、傷つけあったり、罵りあったりする前に、「深呼吸・数を数える・念仏を唱える・主の祈りをする」など、ひと呼吸の間をおきましょう。怒り・瞋恚は、今まで築き上げたモノを無くしてしまいますよ!
軽鴨の介______φ(.. )http://messenger.live.jp/emoji/donguri/img/e07.gif |
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女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)
女郎花物語(をみなへし ものがたり) 上
25段(衣通姫の事)
むかし そとをりひめ みかどをこひたてまつ
て よみ侍る哥に
こきんしうに 衣通姫
我せこが くべきよひなり さゝかにの
くものふるまひ かねてしるしも
そとをりひめとは 稚渟毛二流わうしの九女
あふみの国 さかたのこほりの大忍坂中姫の
をとゝなり おほなかひめとは けんたい天わう
のきさきなり てんわう だい七ねんの冬 こと
を引給ふに くわうごう たちてまふことをはり
てそうし給へり 妾がをとひめをたてまつらん
みめかたちすぐれて ならびなし そのえんしよ
く きぬをとをしててらす これによて とき
の人 そとをり姫となづくるなりとぞ そうし
給ふに みかど 御こゝろざしかぎりなくて
ちよくしをつかはして めすに くわうごうの
御こゝろをおそれて 七たびまでめすに まいら
ず かさねてめすに まいりけん てんわう大き
によろこびたまひて 別のでんたくを ふぢ
はらのみやにつくりて こしたまへり つぎの
としのはる ふぢはらのみやに ぎやうかうあり
て見給ふに そとをりひめ みかどをこひたて
まつりて ひとりゐて みかどの見ますること
をしらずして よめる哥なり 我せことは おと
このことなり くもといふむしさがりては よろ
こびありといふこゝろなり みかど此うたを きこ
しめして 御かんせいありて ゑいじたまふ御
哥に
小車の にしきのひもを ときをきて
あまたはねすな たゝ一夜のみ
をぐるまのにしきと申は にしきのもんに ち
いさきくるまをおれり くわうごう これをきゝ
たまひて 大きにうらみたまふに そとをり
ひめの申さく ねがはくは きさきをはなれ
て とをくゐんとおもふ といふ くわうごう ねたみ
のすこしやみぬ みかど 宮を河内の国 茅渟(ちぬ)
につくりて そとをりひめをすえたまへり く
はしくは 日本記(ママ)にみえたり かのそとをり姫
みかとのめすに くわうごうをおそれて 七たび
までまいらず かさねてめすに ちよくぢやう
もだしがたくて まいり給ふ 女はかくこそあら
まほしきに たうじの人は はやくなびき
侍る みかど 又 くわうごうの御うらみをきこし
めして みやを河内のくに ちめ(ママ)につくりた
まふも ありがたくこそ侍れ みかどの御身
にだにも くわうごうの御いきどをりを げに
もとおぼしめされて そとをりひめをよそに
うつしをき侍る へいみんの人は ほんのめの
いはんことをも せういんすべきことにこそ てん
めいをもおそれず ぶんげんのあるにまかせ
て おなしいゑに めどもあまたならべをき
て もたんものは つみふかきことにこそ 一さいしよ
しやうげうの中に ごうの中のごうなり と
女にちかづき侍るをばいへり されば ちけん
しうにいはく かいうんびくは もとのつましゝ
たるに でしのわらはにあひて あなかしこ
女にちかづく 女にちかづき侍れば 七百
しやうりんゑにめぐるなり とぞをしへける
此わらは ふかく此ことばをしんじ、ながく女に
ちかづかず あるとき みちをゆくに わかき女
のうつくしきが あしげなるむまにのり
て たゞひとりあひたるが むまにひかれて 此
わらはのかたはらなる かけの かたへあゆむ いま
すこし引ば 此かけはるかに いくらともなき
下へおちいりて しぬべきにてあれば 此をうな
わらはにむかひて 手をすりて われをたす
けよ といふ わらはいとかなしくて はしりよ
りて むまのくちをとらんとしけるが 我師
の をうなに なちかづきそ 女にちかづくもの
は、ながく りんゑをはなれず といひしもの
を とおもひて すでにむまのくちにとり
つきけるが 打すてゝのきにけり 女 いかに
や たすけよ となきけれども すてゝ かへり
にけり やがて あらかんくわをえて あらかん
だうにいれり といふ わづかなるむまの
くちをだにも をうなにちかづかじ と かい
うんびくは きらひ給ふ いはんや あまたの め を
もちたる人は つみふかきことにこそ おとこ
も女も たぼんかいをたもちて おとこ女ひとり
もちたるは つみにあらず かく身をもつべ
きことにこそ 又 すみよしのやしろは 四しや
おはします みなみのやしろは 此そとをり姫
なり とて、かんぬし つもりのくにもとは 申ける
又 わかのうらに 玉つしまの みやうじんと申
も 此そとをりひめなり むかしいまを めでお
はしますゆへに あとをたれ給へる と申つた
へける 哥道をも たしなみ侍らん人は すみ
よし 玉つしまを しんがう申べきにこそ
かのすみよしのかんぬし つもりのくにもと
が哥に
うすゞみに かく玉づさと 見ゆるかな
かすめる空に かへるかりがね
此哥をよみ侍るゆへに つもりのくにもとを
うすゞみのさんとぞ侍る
参考1
我せこが・・=今夜はあの人が来そう、蜘蛛のしぐさが今日は特別目立つもの、古今集、日本書紀
さゝかに=細蟹、クモのこと、蜘蛛が恋人が来る吉兆となる、蜘蛛を吉兆とする起源は中国にもある
そとをりひめ=衣通姫、稚野毛二派皇子の娘、大忍坂中姫の妹
稚渟毛二流わうし=稚野毛二派皇子、記・紀にみえる応神天皇の皇子、
若沼(野)毛二俣王,稚渟毛二岐皇子とも
大忍坂中姫・おほなかひめ=忍坂大中姫(おしさかのおおなかつひめ)、衣通姫の姉
けんたい天わう=允恭天皇、皇后は大忍坂中姫
妾がをとひめをたてまつらん=私の弟姫(衣通姫)をさし上げます
ちよくしをつかはして めすに=勅使を遣わして召すに
くわうごうの御こゝろをおそれて=姉の皇后を畏れて
でんたく=田宅、田地と宅地
ふぢはらのみや=藤原宮、奈良県橿原市
小車の・・=小車の文様の錦の紐を解き開き、幾夜でも、せめて一夜だけでも寝よう、続古今和集
とをくゐんとおもふ=遠く去んと思う
茅渟(ちぬ)=茅渟宮、大阪府泉佐野市
日本記(ママ)=日本書紀
もだしがたくて=黙し難くて、黙過し難く
ほんのめ=本妻
せういん=承引、承諾してひきうけること
ぶんげん=分限、財力があること、財産家、富者
おなしいゑに めどもあまたならべをきて=同じ家に妾達を沢山置いて
一さいしよしやうげう=一切の聖教というも、ただ南無阿弥陀仏の六字を信ぜしめんがためなり、
蓮如上人のお言葉
ごうの中のごう=業の中の業
かいうんびく=海雲比丘、唐五台山の僧、比丘は出家して具足戒を受けた男子
七百しやうりんゑ=七百生輪廻??
あらかんか=阿羅漢果、阿羅漢に到達した境地、迷いの世界を流転せず涅槃に入ることができる境地
たぼんかい=他犯戒、女犯をいましめた戒、仏教ではこれを不婬戒という
すみよしのやしろ=住吉社、神功皇后と共に合祀
玉つしまの みやうじん=玉津島神社、玉津島姫と同一視される
つもりのくにもと=津守国基、津守氏は古来住吉神社の神主を世襲した氏族
うすゞみに・・=薄墨色の紙に書いた手紙のように見えるなあ、
霞んだ空を並んで帰ってゆく雁の群は(後拾遺71)
参考2
衣通姫(そとおりひめ)は、記紀に絶世の美女と伝承される人物。衣通郎姫(そとおしのいらつめ)・衣通郎女・衣通王。大変に美しい女性であったため、その美しさが衣を通して輝くことからこの名がある。本朝三美人の一人とも称される。古事記と日本書紀の間で衣通姫の設定が異なるが、この女郎花物語では「日本書紀」の設定とする。
允恭天皇の皇后忍坂大中姫(おしさかのおおなかつのひめ)の妹・弟姫(おとひめ)とされ、允恭天皇に寵愛された妃として描かれる。近江坂田から迎えられ入内し、藤原宮に住んだが、皇后の嫉妬を理由に河内の茅渟宮(ちぬのみや)へ移り住み、天皇は遊猟にかこつけて衣通郎姫の許に通い続ける。皇后がこれを諌め諭すと、以後の行幸は稀になったという。紀伊の国で信仰されていた玉津島姫と同一視され、和歌三神の一柱であるとされる。
宇治拾遺物語14-1
・・童、物へ行くほどに、葦毛なる馬に乗たる女人の、いみじく仮粧してうつくしきが、道にあひぬ。この女の言はく、「われ、この馬のくち引きてたべ。道のゆゆしく悪しくて、落ちぬべくおぼゆるに」と言ひけれども、童、耳にも聞き入れずして行くに、この馬あらだちて、女さかさまに落ちぬ。恨みて言ふ、「我を助よ。すでに死べくおぼゆるなり」といひけれども、なほ耳に聞き入れず。我が師の、女人のかたはらへよることなかれと宣ひしにと思ひて、五台山へかへりて、女のありつるやうを(海雲)比丘に語り申して、「されども、耳にも聞きいれずして帰りぬ」と申しければ、「いみじくしたり。その女は、文殊の化して、汝が心を見給ふにこそあるなれ」とて、ほめ給ひける。・・(宋高僧傳、古清涼傳などが原文らしい)
どのくらいの美人だったんだろう! http://www.alrincon.com/foro/images/smiles/0358.gif
衣通姫に逢いたいなー。
軽鴨の介_____________________________________φ(.. )
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女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)
長文であることと資料探しのため、今日は「本文」のみです。
古事記、日本書紀、後拾遺和歌集、宇治拾遺物語など、調べ物中です。
女郎花物語(をみなへし ものがたり) 上
25段-1(衣通姫の事)
て よみ侍る哥に
こきんしうに 衣通姫
我せこが くべきよひなり さゝかにの
くものふるまひ かねてしるしも
そとをりひめとは 稚渟毛二流わうしの九女
あふみの国 さかたのこほりの大忍坂中姫の
をとゝなり おほなかひめとは けんたい天わう
のきさきなり てんわう だい七ねんの冬 こと
を引給ふに くわうごう たちてまふことをはり
てそうし給へり 妾がをとひめをたてまつらん
みめかたちすぐれて ならびなし そのえんしよ
く きぬをとをしててらす これによて とき
の人 そとをり姫となづくるなりとぞ そうし
給ふに みかど 御こゝろざしかぎりなくて
ちよくしをつかはして めすに くわうごうの
御こゝろをおそれて 七たびまでめすに まいら
ず かさねてめすに まいりけん てんわう大き
によろこびたまひて 別のでんたくを ふぢ
はらのみやにつくりて こしたまへり つぎの
としのはる ふぢはらのみやに ぎやうかうあり
て見給ふに そとをりひめ みかどをこひたて
まつりて ひとりゐて みかどの見ますること
をしらずして よめる哥なり 我せことは おと
このことなり くもといふむしさがりては よろ
こびありといふこゝろなり みかど此うたを きこ
しめして 御かんせいありて ゑいじたまふ御
哥に
小車の にしきのひもを ときをきて
あまたはねすな たゝ一夜のみ
をぐるまのにしきと申は にしきのもんに ち
いさきくるまをおれり くわうごう これをきゝ
たまひて 大きにうらみたまふに そとをり
ひめの申さく ねがはくは きさきをはなれ
て とをくゐんとおもふ といふ くわうごう ねたみ
のすこしやみぬ みかど 宮を河内の国 茅渟(ちぬ)
につくりて そとをりひめをすえたまへり く
はしくは 日本記(ママ)にみえたり かのそとをり姫
みかとのめすに くわうごうをおそれて 七たび
までまいらず かさねてめすに ちよくぢやう
もだしがたくて まいり給ふ 女はかくこそあら
まほしきに たうじの人は はやくなびき
侍る みかど 又 くわうごうの御うらみをきこし
めして みやを河内のくに ちめ(ママ)につくりた
まふも ありがたくこそ侍れ みかどの御身
にだにも くわうごうの御いきどをりを げに
もとおぼしめされて そとをりひめをよそに
うつしをき侍る へいみんの人は ほんのめの
いはんことをも せういんすべきことにこそ てん
めいをもおそれず ぶんげんのあるにまかせ
て おなしいゑに めどもあまたならべをき
て もたんものは つみふかきことにこそ 一さいしよ
しやうげうの中に ごうの中のごうなり と
女にちかづき侍るをばいへり されば ちけん
しうにいはく かいうんびくは もとのつましゝ
たるに でしのわらはにあひて あなかしこ
女にちかづく 女にちかづき侍れば 七百
しやうりんゑにめぐるなり とぞをしへける
此わらは ふかく此ことばをしんじ、ながく女に
ちかづかず あるとき みちをゆくに わかき女
のうつくしきが あしげなるむまにのり
て たゞひとりあひたるが むまにひかれて 此
わらはのかたはらなる かけの かたへあゆむ いま
すこし引ば 此かけはるかに いくらともなき
下へおちいりて しぬべきにてあれば 此をうな
わらはにむかひて 手をすりて われをたす
けよ といふ わらはいとかなしくて はしりよ
りて むまのくちをとらんとしけるが 我師
の をうなに なちかづきそ 女にちかづくもの
は、ながく りんゑをはなれず といひしもの
を とおもひて すでにむまのくちにとり
つきけるが 打すてゝのきにけり 女 いかに
や たすけよ となきけれども すてゝ かへり
にけり やがて あらかんくわをえて あらかん
だうにいれり といふ わづかなるむまの
くちをだにも をうなにちかづかじ と かい
うんびくは きらひ給ふ いはんや あまたの め を
もちたる人は つみふかきことにこそ おとこ
も女も たぼんかいをたもちて おとこ女ひとり
もちたるは つみにあらず かく身をもつべ
きことにこそ 又 すみよしのやしろは 四しや
おはします みなみのやしろは 此そとをり姫
なり とて、かんぬし つもりのくにもとは 申ける
又 わかのうらに 玉つしまの みやうじんと申
も 此そとをりひめなり むかしいまを めでお
はしますゆへに あとをたれ給へる と申つた
へける 哥道をも たしなみ侍らん人は すみ
よし 玉つしまを しんがう申べきにこそ
かのすみよしのかんぬし つもりのくにもと
が哥に
うすゞみに かく玉づさと 見ゆるかな
かすめる空に かへるかりがね
此哥をよみ侍るゆへに つもりのくにもとを
うすゞみのさんとぞ侍る
http://messenger.live.jp/emoji/autumn/img/e04.gif http://www.yaplakal.com/html/emoticons/upset.gif 調べ物中です。月見で一杯 http://www.yaplakal.com/html/emoticons/nonark.gif採血の結果、悪し。
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女郎花物語 仮名草子 内閣文庫本(古典文庫)
女郎花物語(をみなへし ものがたり) 上
24段(待つことゝ月を見るの事)
こよひかならず と たのめたる女のもとに
月のあかゝりける夜 まかり侍りけるに
おろしこめて 女のあひ侍らざりければ
こしういに 藤原澄(隆)方朝臣
よしさらば またれぬ身をば をきながら
月見ぬ君が なこそおしけれ
女此哥をきゝて 月をもみずいねたるを
はぢかなしひ侍るとなん 又いはく月のあかゝ
りける夜 こしきぶかならずこん といひつゝ
こざりければ つかはしける
小弁
なをざりに そらたのめせで あはれにも
まつにかならず いづる月かな
返し こしきぶ
たのめずは またでぬる夜ぞ かさねまし
たれゆへか見る ありあけの月
おろしこめて 月を見ぬこゝろには かたくか
はりて ゆうにこそ侍れ 女は月花にめで
かやうのたはふれこそ あらまほしく侍れ
参考1
おろし=下ろし籠め、格子・蔀などを引き下げて閉めること
こしうい=後拾遺和歌集 第十五 雜一 865
藤原澄(隆)方=平安時代後期の公卿、但馬守藤原隆方、為房の父
月見ぬ君が なこそおしけれ=月を見ない貴女の名こそ惜けれ
小弁=後朱雀天皇の皇女祐子内親王家に仕える、祐子内親王家紀伊の母
なをざりに・・=いい加減な空約束などと違い待っていれば必ず出てくれる月だわねえ、後拾遺862
こしきぶ=小式部、橘道貞と和泉式部の間の子
たのめずは・・=信頼できないので待たないで寝る夜を重ねましょう、誰れ故見る有明の月なの、後拾遺863
参考2
女郎花物語24段の哥は、全て後拾遺和歌集 第十五 雜一に出て来ます。
こよひ必と頼めたる女の許に月あかゝりける夜まかりて侍りけるに
おろしこめて女あひ侍らざりければ歸りて又の日つかはしける 藤原隆方朝臣
よしさらば 待たれぬ身をば おき乍 月みぬ君は 名社惜けれ
こむといひつゝこざりける人の許に月のあかゝりければつかはしける 小辨
なほざりの そらだのめせで 哀にも まつに必 いづる月かな
かへし 小式部
頼めずば またでぬる夜ぞ 重ねまし 誰ゆゑか見る 有明の月
後拾遺和歌集は、ここで読めます。
すべて雪月花は、人の心を富ませるモノで、
折節の、楽しみ・喜び・情け・哀れなど、雪月花を愛でながら心の糧とすべきモノです。
・・・しかし平安貴族は寝るのが嫌いなのだ!
いぎたなく寝るのが大好きな_______________φ(.. )軽鴨の介 http://www.alrincon.com/foro/images/smiles/015.gif http://www.alrincon.com/foro/images/smiles/babes.gif http://acidcow.com/engine/data/emoticons/90.gif
夢の中では業平に・・・
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