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見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)
見ぬ世の友 一
40段 油を賣翁弓を見る事 類説
陳の康粛公は弓の上手なり。その比世にならぶ
者なし。ある時。粛公。我家の園に出。弓をいられし
に。油をうる翁来て荷をは下に下しおき。しば
らく弓を見物す。その矢十に八つ。九つは必あたる
を。打うなづきて見いたり粛公。あぶらを賣翁に
問云。汝弓いる様や知と。答て云。ことなる事なし
粛公怒て。汝いかなれば。我弓をことなる事なし
とはいふぞととふとき。翁の云われつねに油を
はかりて知とて。則一つのつぼをおきて。ぜにを
もつてつぼの口におき。柄杓をもつて。油をくみ
銭のあなよりあぶらを入るゝに。すこしも銭を
ぬ(ね)らさず。是われ数年れんまによる。公の弓も定
てこのこゝろにてぞ。侍るらんとおもひ。ことなる
ことなしとは。申たりといへは。粛公ことばなく
してわらひたり
参考
(北宋・欧陽永叔「帰田録」より「売油翁」)
陳康粛公善射。当世無双。公亦以此自矜。嘗射於家圃。有売油翁、釈担而立、睨之久而不去。見其発矢十中八九、但微頷之。康粛問曰、「汝亦知射乎。吾射不亦精乎。」翁曰、「無他。但手熟爾。」康粛忿然曰、「爾安敢軽吾射。」翁曰、「以我酌油知之。」乃取一葫盧置於地、以銭覆其口。徐以杓酌油瀝之。自銭孔入而銭不湿。因曰、「我亦無他。惟手熟爾。」康粛笑而遣之。
自矜=自ら誇る
爾安敢軽吾射=汝いずくんぞあえて吾が射を軽んずるや
葫盧=ひょうたん
我亦無他 惟手熟爾=他なし、ただ手熟するのみ
何事も日々の積み重ね。翁は「ただ手慣れているだけですよ」と・・・。康粛公のように、うぬぼれて得意になってはいけません。 |
見ぬ世の友
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見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)
見ぬ世の友 一
39段 紀昌(きしょう)弓を飛衛(ひえい)に学事 列子
甘蝿(かんよう)は。古への弓の上手なり。飛衛と云ける者。甘
蝿を師として。弓を習けり。飛衛器用にて師
の甘蝿にもまさる。紀昌と云ける者又飛衛
を師として習けり。飛衛紀昌に教て云。幽(かすか)なる
ものあきらかに。小きもの大きに見へん時。われに
つげよと教たり。紀昌やかて細き毛に。しらみを
貫て。的の間にかけて。南に向て見るに。十月斗(はかり)に
して漸く。大きに見へ。三年の後此虱。車の輪の
ごとく見へたり。則燕角の弓。朔蓬の簳(さくほう・やから)を以て射
けるに。しらみのまん中をいつらぬく。紀昌すでに
飛衛か術を。悉(こと/\く)つたへたりと思ひ。今は天下に我に
敵たるものは飛衛ならではあるへからず何ともし
て飛衛を。ほろぼさんとたくみけり。ある時墅な
かにて行逢ぬ。二人のもの互に。箭(や)を放したり
二つの矢さき中途にて。ゆき合て落けり。こゝ
に飛衛が矢たねはつきつ。紀昌か矢一すじ残たり。
すでに紀昌利を得て。飛衛を射ころさんと。其
矢を放ちけれは。飛衛又荊棘(いはら)を取て。矢をうち落
たり。そこにて師弟中(仲)を直りて。父子の契約す
参考1
燕角の弓=燕に棲息する獣の角で作った弓
朔蓬の簳=北国のよもぎで作った矢がら、鏃(やじり)と羽根を除いた部分
参考2
名人伝 中島敦 青空文庫
それは所詮、射之射というもの、
好漢いまだ不射之射を知らぬと見える。
軽鴨の介は、若いとき修行しなかった。
あの娘を、頬笑みだけで落とせたらな〜〜。
____________φ(.. )軽鴨の介
女郎花、もう少しお待ちください。
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どんな卦が出ても、めげることなく学問に精進したことが成功への道でした。http://messenger.live.jp/emoji/birthday/img/e04.gif |
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見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)
見ぬ世の友 一
37段 眇目(すかめ)にて位に昇る事 同(事文)
昭達わかき時。相者にあふ。相者の云汝か客甚よし
されどもあまり十分すぎたり。すこしかくる所
有は。必富貴すべしと占ひける。その後昭達酒に
酔て馬より落。小鬢(こびん)を少打破て。疵付たり。相者
に是を見せけれは云未富貴せし。その後国の乱に
合て。ながれ矢にあたつて。かた/\の目を。いつぶさ
れけり。相者みて。汝が相。今すでに善し。必富貴
すべしといへり。たがう事なく司空の官に成けり
参考
眇目(すかめ)=すがめ、独眼、隻眼(隻とは対になっている物の片方をいう)
昭達=章昭達、南北朝代、陳の武将、最後は車騎大将軍
小鬢=「こ」は接頭語、髪のびん、頭の左右前側面の髪
かたかた=片方/片片、二つあるうちの一方、かたほう、かたつかた。
司空=中国、周の六卿の一、冬官の長で、土木・水利などの建築事業を司どった、三公の一
昭達は、数々の不運でも、占いを糧に努力精進して栄達しました。
また友が良かった。後の陳の皇帝(文帝)になった人と友達になりました。隋の前のことです。
前向きに生きていきましょう。嘆いていても仕方ないです。
軽鴨の介の相は、欠けるところがない(一人でそう思ってる)http://acidcow.com/engine/data/emoticons/14.gif
_________________________φ(.. )軽鴨の介
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見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)
見ぬ世の友 一
36段 童子の相を見る事 事文
鐘融いとけなき時。祖父にしたがって。洛陽に至ぬ
道にて。相者にあふ相者の云。此童子たつとき
相あり。但水にあふて。必災あるべし。行事未。十里
にもたらずして。橋を渡るに馬をとろひで。童
子橋より落。水にをほれて。已に死すべかりしを
。からふしてすくひあげたり。それよりいよ/\此
童子をあはれみ。うらないの正き事を信じて。珎
財をなけて。学問させ終に官位に上りけるとぞ
参考1
鐘融=魏の文帝(曹丕)に仕え、書をよくした
いとけなき時=幼・稚なき時、おさなくて小さい時
相者=人相をみる人、そうにん
珎財=珍財、めずらしい財宝
ぼんくら息子に、珍財投げ打って大学に行かせたが、中退。山の神が、「お父さん、怒って!」と言っても、自分も◎◎棒もって・・・、結局大学中退、怒れる訳がない。私と同じ事してる。随分親に心配かけたと、今頃反省。今は左巻から見事に右巻きになってしまった。
http://trinixy.ru/engine/data/emoticons/recourse.gif実りのない秋を実感する_φ(.. )yoshy http://www.pleeboy.eu/images/stories/smiley/ddr.gif幾つになってもやり直せる_φ(.. )軽鴨の介
秋じゃ 秋じゃ と歌ふなり〜♪
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