伊勢物語と仁勢物語

パロディーと諧謔の、仮名草子。

見ぬ世の友

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見ぬ世の友-女部下-9

見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)  

見ぬ世の友 女部下

九段 新しき衣装をきざる事 

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桓車騎と いひし人。つねに新しき衣装きる事
を きらへり。さる時 湯あみたるのち 妻の女宗。あ
たらしき いしやうを 出し。めしかへ給へと 申され
けれは。桓車騎 大きにいかり給ひ。わがつねに ふるき
を このむ事をしらぬかとて。なげすてられけるに
女宗さか(ら?)はず もちて帰り。内より おもと人を出し
桓車騎に申させ給ふは。ものハ はじめより ふるきと
いふものなし。ふるきは あたらしきより をこる物
をと。何となく いひ出し給へは。桓車騎 此詞に 服
して それより後は。あたらしきをも きられける
となん

参考1

桓車騎=桓沖、中国東晋の武将。淝(ひ)水の戦いで、謝安と共に戦い、敵の前秦軍は総崩れにする。
車騎=官職名。車騎将軍(しゃきしょうぐん)は、前漢以降の官職名。軍を率いる将軍位の一つ。
謝安については、「見ぬ世の友-女部下-08」参照
おもと人=御許人(おもとびと)。貴人のそば近くに仕える人。侍従。侍女。女房。
   御許人(みもとひと)と読むと「美しい女性」

参考2

「古きは、新しき物から起こる」

古い物や、骨董が好きな人もいます。
新しい物や、新製品が好きな人もいます。
でも古い物も、新しい時があったんですね。
新しい物は、古い物の積み重ねがあったから生まれた。
へんに凝り固まるのではなく、いろいろ試して冒険するのも、
自分を広げることが出来るかも知れません。
何事もチャレンジ!
人の忠告を聞き入れる心も大切です。

妻の女宗、ケンカすることなく、
御許人(おもとびと)を通して、
古きは、新しき物から起こる」と。
「忠告や諫(いさ)め」、工夫が必要です。
喧嘩腰では「忠告や諫め」は、聞いてもらえません。
妻の女宗のように、受けて立つのではなく、
夫の怒りが収まってから、「道理」で説得しましょう。

夫婦喧嘩なんて出来ません。
必ず引いて謝るyoshyです。
そうそう、山の神へのプレゼント、
決まりましたよ。

_____\¤\᡼\¸ 3軽鴨の介


見ぬ世の友-女部下-08

見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)  

見ぬ世の友 女部下

八段 雪を物にたとゆる事 晋書

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謝太傳(しや たいふ)。雪のふりける日。をさなき子ともを集給て
の給ひけるは。さてもおもしろき雪かな、此雪
は何にか似たる物そと 問給へは。兄の胡児 申されける
は たゝ塩をそらに ちらすやうになん。さぶらふと。
申されけるに。いとけなき いもうとの返事には。しほ
といわんは無下ならずや。われはたゝ 柳の花の。
風にみたるゝとや 申さんと いはれけれは。やさし
く たとへたる詞の品 謝公 感じ給ひきとなん。いと
けなき時より かく才智すぐれたれは。後 左将
軍 王凝(わう しやう)の妻となり。名をあらはし給ひけるも こと
はりなり

参考1

謝太傳=謝安、王羲之の友、征西大将軍桓温の司馬となり、中央に帰り侍中・吏部尚書となる。
   淝(ひ)水の戦いに功有り。
胡児=安西将軍謝奕の息子
いもうと=安西将軍謝奕(しゃ えき)の娘、名は謝道蘊(しゃ どううん)参考2へ
柳の花=柳絮(りゅうじょ)参考2へ
謝公=謝太傳・謝安のこと
王凝=おうしょう、左将軍は、軍を率いる将軍位、会稽内史、会稽郡の長官

参考2

イメージ 2 イメージ 3 イメージ 4
柳絮とは、白い綿毛のついた柳の種子。また、それが春に飛び漂うことを云います。
唐土の春の風物詩です。日本には目立つほど綿毛を作らない柳ばかりですが、
北海道には移入種の柳があり、柳絮が飛ぶそうです。
イメージ 5
詠雪之才(えいせつのさい)詠絮之才(えいじょのさい)柳絮之才(りゅうじょのさい)
と云う語源になるお話です。
意味は「文才の有る女性」を、このように形容します。

謝道蘊(しゃ どううん)
という女性、
幼いときから、才能が際だっていて、
雪を柳の綿のようだと、
詩的に表現しました。
才能は、どこに有っても光るモノです。
磨いて光るモノは、光らせましょう!
磨いて美しくなるなら、美人になりましょう!
当ブログにお越し下さる女性は、
皆さん詠雪之才が有りますね。

_____\¤\᡼\¸ 3軽鴨の介




見ぬ世の友-女部下-7

見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)  

見ぬ世の友 女部下

七段 両車 みちをあらそふ事 同(事文類聚)

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昭氏か妻の車と。大夫の のられたる車と。せばき
道にて行ちがふ。折ふし何とか したりけん。大夫
の くるまにあたり よこがみ をれたり。たいふおほき
に いかり。昭氏が妻を 引いたし 打擲(ちやうちやく)せんとする時
。妻いひけるは われきく。君子はいかりを うつさず
あやまちを。ふたたびせずと うけたまはり およひ
ぬ。いま せばき道にて ゆきあひたる時。われ 君の
車を さくといへとも。君の僕御(ぼくぎよ) しばらくも また
ずして。車を そんじたる いきどほりを われに

いかり給ふ。これ いかりを うつすにあらずや。僕
御を せめずして。われをせむ。これ あやまちを
二たひ するに。あらずやと いひけれは。大夫 道理
ふくして 返答なしとぞ

参考1

せばき道=狭き道
大夫=中国の職名、卿の下、士の上。ここでは偉い人。
よこがみ=軸を「よこがみ」と読む、車輪の心棒、車軸。
をれたり=折れたり
打擲(ちやうちやく)=打ちたたくこと、なぐること
僕御=馬車を走らせる僕、ここでは「大夫の僕御を責めずして」の意
あやまちを二たひ=過ちを再び

イメージ 2
参考2

孔子は「君子」の心得に、
過(あやま)ちては則ち改めるに憚(はば)ること勿(なか)れ。」(「論語」学而篇)と、諭しました。
君子の過ちや、日月の食の如し。過つや人皆之を見る。更むるや人皆之を仰ぐ。」(「論語」子張)
君子は過ちを犯すことがあっても,日食や月食のように、すぐに明るくなるように、すぐにもとの徳性にかえる。そして、過ちを犯せば珍しいので人々は注目し、過ちを正せば人々は仰ぎ見上げ尊敬する。

怒りで理性を失い、
八つ当たりは見苦しいと言う話です。
君子は、憤ってはなりませぬ。
大国は、王道を歩むモノで、
覇道・覇権で、
威張り散らしてはなりませぬ。
孔子の国は、偉大であれかし!

_____\¤\᡼\¸ 3軽鴨の介


見ぬ世の友-女部下-6

見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)  

見ぬ世の友 女部下

六段 槐木(くわいぼく)をおかす事 同(事文類聚)

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斉の景公。ゑんじゆの木を 植て。はなはだ あいし
給ひ 番をおきてまもらせ。若(もし)此木の そばへより
ふるゝ物あらは。咎に をこなふへし 此木を おかす
物あらば。くびをはねんと さためけるに ある人 酒に
ゑひて。此木を おかしたり。番のもの やがてからめ

とり。すでに死罪に きわまりけるを。此ものゝ む
すめ いまだ幼少なりけるが。斉の宰相 晏子(あんし)の。も
とへゆき うつたへけるは。それ明君は とりけだも
のにかへて。人のいのちをとらずと うけたまはりをよ
び さふらひぬ。然(しかる)に 今我君。ゑんじゆの木にかへて わ
が父のいのちを ころさんとす。晏子 すなはち いそき 朝廷
へ あがり。此よしを 奏聞(そうもん)せられければ やがて 御赦
免あるのみならず 彼(かの)木を番する事も やみ
けるとなん

参考1

槐木=えんじゅ
斉の景公=春秋時代の斉の第26代君主
晏子=あんし、晏嬰・あんえい、斉の政治家、名宰相の誉れ高い
奏聞=そうもん、天子に奏上すること。そうぶん
御赦免=ごしゃめん、罪や過ちを許すこと

参考2

この話は、私と皆さんにも当てはまるかもしれませんね。
人は、物を集めてこだわるということがあるからです。
愛好物を尊んで、その物の威厳が君侯に匹敵する事、これを「逆」という。
コレクションも大事ですが、家族はもっと大事です。
肝に銘じないと、大事なことを見失いますね。

「晏子春秋」では、娘ではなく妻が直訴したようですね。

「槐・えんじゅ」に関係する言葉を幾つか
槐樹=かいじゅ、中国で周代、を朝廷に植え、
   大臣がこの木に向かって座を占めたところから「大臣の異名」。
槐門=かいもん、朝廷に3本の槐の木を植えて、それに面して三公の座を定めたところから、
   大臣の家柄、また、大臣の異称。槐位。

イメージ 2
源実朝の私家集、金槐和歌集の「槐・かい」は大臣のことを表し、
「金」は鎌倉の鎌の偏を表していますよ。

金槐和歌集から、「霜」の題で一首。(かさゝぎの 渡せる橋は、天の川の橋。宮中の橋)
  月影、霜の似たりといふことを詠める
月かげの しろきを見れば かさゝぎの 渡せる橋の 霜ぞ置きける


もし国が「物・商売・金」を第一にして、
「主権・国民」をないがしろするならば、
「亡」となります。

_____\¤\᡼\¸ 3軽鴨の介



見ぬ世の友-女部下-5

見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)  

見ぬ世の友 女部下

五段 (なんた) 竹をそむる事 事文類聚

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(げう)の 御むすめを 娥皇。女英と申たてまつる 二人
なから。舜(しゅん)の きさきにそなはり給ひ 御徳たぐひ
なき御事ともなり。舜 御しをきのために 南の
国へ ゆき給ひ。つゐに 崩御ありけるを 二人の后
なげき かなしみ給ひ。御あとを したひて はる/\

と。南の国にゆき給へとも かなはす。洞廷山といふ
山に いたりて 竹に よりかゝり なきかなしみ給へは
。竹に しだたる 御なみだにて。其竹のいろ まだらに
なりたるとぞ 是を 斑竹(はんちく)と名づく

イメージ 3 イメージ 4
参考1

堯=古代中国の伝説上の聖王。五帝の一。暦を作り、無為の治をなした。理想の天子とされる
娥皇。女英=堯の娘、舜の妻、
舜=中国太古の伝説上の聖天子。五帝の一人。盲目の父、義母、異母弟の悪行に耐えて孝道を尽くす
御しをきのため=お仕置きの為
洞廷山=洞庭山か??
斑竹=表面に斑紋のある竹、まだらだけ

参考2

舜が即位して天子となると、娥皇はとなり、女英はとなった。
聡明・貞仁で天下に知られた。舜が蒼梧で死去すると、娥皇と女英は江湘の間で自殺し、
俗に湘君(湘江の川の神)となったと伝えられる。

斑竹姑娘(はんちくクーニャン)
中国のバ・チベット族チャン族自治州に、粗筋が日本の『竹取物語』にそっくりな話が伝わっている。どうやら日本の『竹取物語』が、彼の地へ伝わり、変化したモノらしい。

ランパという少年は、竹林を管理し、竹を切って売っていましたが、地主が強欲で買いたたかれ、竹が育てば地主に収奪されてしまうことに。ランパという少年と母は、無き悲しみ涙のかかった竹は、斑になり、大きくならなくなりました。
それでも地主は、竹を切ろうとするので、ランパは竹を河に投げ込みます。
後に、竹を河から拾い上げると、竹の中から小さなお姫様が・・求婚者登場・・難問難題・・ランパとお姫様は幸せになりました。


yoshyは、はんちくです。
「半ちく」と書きます。
竹輪を半分に切ったモノではありません。
「中途はんぱ」と、言う意味です。
このすっとこどっこいの半ちく野郎!
なんて、言ってはいけませんよ。
「すっとこ」は裸、
「どっこい」は何所への意味です。
裸でうろつく奴を見たら、
思い出してください。

_____\¤\᡼\¸ 3軽鴨の介 


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