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見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)
見ぬ世の友 女部下
4段 桃のわけを君にまいらする事 史記
参考1
わけ=分け前
弥子瑕(びしか)=衛の霊公に愛された美男子
男色=同性愛
衛の霊公=えい の れいこう、紀元前?年-紀元前493年
御感=ぎょかん、貴人・王が感心すること
なのめならず=斜めならず、ひととおりでない、格別である
寵(てう)=寵愛、非常に気に入られること
たつとまぬ狼藉(ろうぜき)もの=尊まぬ狼藉者、不敬な乱暴を働く者
時にあひたりとても=時に遇ひたりとても、時勢にあって栄えていても
ほこり たかふる ましき事ならずや=誇り高ぶってはいけませんよ
参考2 あら筋
余桃(よとう)の罪
弥子瑕は,食べた桃があまりにも美味だったので、
食べかけを主君に献じて喜ばれたが、
寵愛が衰えてからは、それを理由に罰せられたという。(韓非子)
君主の寵愛など気まぐれで、あてにならないことのたとえ
可愛がられてるからと云って、
図に乗るのは「よとう!」、
もとい、「よそう!」
お調子者______
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見ぬ世の友
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見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)
見ぬ世の友 女部下
三段 潘安仁(ばんあんじん) 張孟陽(ちやうもうやう)が事 語林
参考1
潘安仁=潘岳、西晋時代を代表する文人。
わらんへ=童、わらべ
参考2
この話は、「擲果満車・てきかまんしゃ」と言う言葉の語源です。
現代に於いては、ジャニーズのトップみたいな美男子を指すのかな。
バレンタインデーは、チョコがトラックで届くそうですが、
潘岳さんも出かけて洛陽の道を歩くと、
女性はみな手を取り合って彼を取り囲み、
彼が車に乗って出かけると、女性達が車の御簾のうちへ果物を投げ入れ、
帰る頃には車いっぱいになっていたという。
これを「擲果満車」と言います。
人気があること、美少年のことを言い表す言葉なんです。
語林曰、安仁至美、毎行老嫗以果擲之満車。
張孟陽至醜、毎行小児以瓦石投之、亦満車。二説不同。
人間の「美醜」の感覚は変って行くものです。
時代とともに、どんどん変わっていく。
美しく産まれなかった人は、時代が合わなかったんですね。
でも、現代はどうにでも外観は変えられます。
人間の中身の美しさは、日々磨かなくてはいけません。
人間の中身の教養は、日々努力して学ばなければいけません。
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見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)
見ぬ世の友 女部下
二段 鼻を掩(おほひ)て讒(ざん)する事 事文類聚
参考1
讒する=他人を陥れるために事実でない悪口を言うこと、讒言(ざんげん)
ようがん=容顔、顔つき、顔かたち、容貌
てうあい=寵愛、特別に大切にして愛すること、非常にかわいがること
なのめならず=斜めならず、普通でない、並み一通りではない
りんき=悋気、やきもちをやくこと、嫉妬
仁心=人を思いやる心
うとませ=疎ませ、嫌って遠ざける
のこりおほき事=一つだけ気がかりなことは
玉体の御香=王様の体臭
はなをそぎ=中国では劓(鼻切り)は五刑のひとつ
参考2
美人を手に入れ、ぞっこんの王様。
愛を奪われた后様、嫉妬の素振りも見せず、美人と仲良くなり、忠告します。
「鼻を隠せばもっとキレイに見えますよ」と。
頭の弱い美人、その通りにすると・・・
后様は、「王様、あの美人は王様の体臭が臭いと」告げ口。
戦国策にも似た話があるけど、国の名が逆だった。
中国では、亡夫への節操を守るために自分の鼻を切り落とす女性がいたそうだ。
若くして夫を亡くした美人の未亡人は、あまたの求婚者が来たそうで、
最後には国王までも求婚したので、
「死をもって操を尽くすべきですが、幼子を残して逝くわけにはまいりません。
鼻を削いでこんな顔になりました。諦めください」と云ったそうだ。
美人は辛いね
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見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)
見ぬ世の友 女部下
一段 悪女の人まねの事 荘子
参考1
越=春秋時代に中国浙江省の辺りにあった国、隣国の呉と争う。呉越同舟の越である。
西施=中国古代四大美女、越国の美女。
むねをいたみて。かほをしはめける=胸を病んで眉間にシワを寄せて顔をしかめること。
しはむれは。うつくしきものぞと=顔をしかめれば美しくなれると。顰に倣う(ひそみにならう)
参考2
今回の話は、「顰に倣う(ひそみにならう)」の語源となるお話です。
善し悪しも考えずに、やたらに人のまねをする。
また、他人にならって物事をするのを謙遜していう言葉です。
「顰・しかみ」=しかめっ面、能のお面で恐い顔を言う
「顰みに習う」と書くのは誤り。
西施の生きた時代
呉と越の国の争いで、越王・句践(こうせん)が、呉王・夫差(ふさ)のもとに美女・西施を送りこんで、骨抜きにして政治を忘れさせ、呉を亡ぼしたという。伝説では、国を滅亡に追い込んだ西施も生きたまま皮袋に入れられ長江に投げられたという。また別の伝説では、美女献上の策案者であり世話役でもあった范蠡(はんれい)に付き従って越を出奔し、余生を幸せに暮らしたという説もある。女性が政治の道具にされて弄ばれる、悲しいお話が伝わっています。
「見ぬ世の友 女部下」の始まりです。
美人の西施よりも、普通に暮らしていた、
普通の女性の方が、幸せだったのかも??
今、悲しんでいる女性、
貴女は美人過ぎるんですよ。
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見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)
見ぬ世の友 女部上
16段 肉陣の事 開元遺事
楊国忠 楊貴妃
参考1
開元遺事=開元天宝遺事、唐の玄宗のときの遺事記を記したもの。
楊国忠=唐の政治家、楊貴妃の親族で玄宗皇帝に登用され宰相となる。
はだゑこへたる=はだゑ(肌・膚)こへたる(肥えたる)
肉陣=参考2へ
ほろびしとかや=安禄山の乱で楊貴妃とともに殺された。
参考2
肉陣=肉障(にくしょう)
唐の楊国忠が多くの美女を周囲に並べて、寒さ防ぎの屏風がわりにした故事。肉屏風。
安禄山の乱=安史の乱と長慶会盟
唐の節度使・安禄山とその部下の史思明らによって引き起こされた大規模な反乱。
安史の乱の収束は、唐とウイグル・チベット、3国が反乱の鎮圧に動きました。
その後、長慶会盟(821年・長慶元年・後に三国会盟)という約束が、中国の唐朝とチベット(吐蕃)との間で結ばれました。その記念の石碑には、
「蕃漢二國、所守現管本界、□□已東、大唐國界、已西盡是大蕃境土・・・」
チベット(吐蕃)・中国の二国は現在支配している国土と境界を守り、
その東方の全ては大中国の国土、西方の全ては正しく大チベットの国土で、
これよりは互いに敵として争わず・・・
と、あります。チベットが独立した国家であり、中国と対等な国として付き合っていたことが分かります。しかし現代、チベットが中国に併合され、多くの人々が殺され弾圧されているのを見ると、中国の「チベット解放」の言葉がなんと虚しいことか、心が痛みます。
唐の皇女、文成公主(ぶんせいこうしゅ)の泣き声が聞こえます。両国の平和のために、吐蕃の王に嫁いだ美しい文成公主。両国は互いに国境を侵さないと約束したのに、今、チベットは中国領にされ、僅かにチベット亡命政権がダライラマのもとにあります。
文成公主
楊国忠は、驕り高ぶり、殺されました。
安史の乱以前、平和ボケした玄宗皇帝。
そして傾国の美女・楊貴妃。
両国の架け橋・文成公主の流した涙。
歴史は、平和ボケすることが、亡国につながる教訓としています。
昔のことだけではありません。
私たちの世代、1950年に「チベット解放」の名の下に、
チベットという国が無くなりました。
今、沖縄は朝貢した歴史が有るから、中国領とうそぶく人民解放軍。
中華とは・・・?中華思想とは・・・?
中国の歴史を愛する故の、
「yoshyの思う事」でした。
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