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見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)
見ぬ世の友 一
45段 葛玄(かつげん)蜂をはく事 列仙傳
葛玄。客と食(めし)をくひけり。客の云。食すぎば。まづ
一つのきどくを顕(あらは)せと。葛玄。則口にふくめる。食つ
ぶを。吐出すに。みな蜂となりて。客の身にひしと
とり付ぬされども人を。さす事なし。葛玄又口を
開けば。其蜂みな飛帰て。もとの飯つぶのぞ成ける
参考1
葛玄=左慈の弟子、通称・葛仙公、蝦蟇(がま)仙人
参考2
葛玄は、三国志の「呉」の国の孫権に召抱えられました。そこで数々の不思議な仙術をつかいました。「正史」呉書・呉範劉惇趙達伝の注に、葛仙公という人物が見えるようで、なじみ深い三国志演義には出て来ません。裴注、抱朴子、捜神記などにも登場する有名な仙人です。江戸時代、こういう仙人に憧れる人たちが、多くいたんでしょうか?
現代のヒーローに憧れるのと同じかも知れません。「ドラえもん」とか・・・?
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見ぬ世の友
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見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)
見ぬ世の友 一
44段 伯陽仙薬をのむ事 列仙傳
後漢の魏伯陽。弟子三人をつれて山に入。薬を煎
て云。先(まず)犬にあたへて。試むべし。犬此薬をぶくし
て空にかける物ならば。われもぶくすべしとて
先犬に。あたへたり。犬くすりをなめて。やにはに
死す伯陽もぶくすると。ひとしく死す。又独(ひとり)の
弟子ぶくして是も共に死にたり。残二人の弟子こ
れにをとろいて。ひそかに山を分出たり。須(しばらく)して
伯陽起揚り死にたる弟子。犬とに先の薬を又あ
たへけり。やがて。生出て。もとのごとくにぞなり
ける。その後。伯陽文を書て。逃たる弟子のかたへ
をくりたり。いか計(はかり)。はつかしく。くやしくや思らん
伯陽並に。弟子犬もろともに。皆仙人にぞ成ける
参考1
魏伯陽=「周易参同契」を著した仙人
やにはに=矢場に・矢庭に、たちどころに、即座に、すぐさま
独(ひとり)の弟子=虞生という名前です
参考2
話の補足です。
伯陽は、仙人になるための薬・丹薬が完成したが、弟子たちの心構えが不十分と見て伯陽は弟子たちを試しました。犬に与えると死にました。「丹薬が完成したと言っていたが犬は死んでしまった。私たちが飲めば犬みたいに死ぬだろう」と、相談していると、伯陽は「今更、俗世間に戻るわけにはいかないのだ。仙人になるも、死するもどちらでも良い。私は飲んでみる。」そうして飲んで仮死状態になりました。弟子の一人・虞生は、「先生は薬を飲んで死なれたのも、何かお考えがあってのことかもしれない」と思い、後を追い薬を飲み仮死状態になりました。後の二人は逃げだし、あわてて葬儀の準備をしに山を下りました。蘇生した伯陽は、虞生と犬を蘇生させ、その後二人と一匹は、仙人になったと云うことです。
内丹、外丹、煉丹、陰丹、丹薬・・・不老不死・仙人
後の二人の弟子は、決定的な覚悟が欠けていました。
俗世の全てに別れを告げる覚悟です。
____φ(.. ) 軽鴨の介、ジタバタ http://www.alrincon.com/foro/images/smiles/28.gif
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見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)
見ぬ世の友 一
43段 堯を三度祝する事 荘子
参考1
華の封人=華の地の関所の番人、崋山が有名
堯=古代中国の伝説上の聖王。五帝の一。暦を作り、無為の治をなした。
後を継いだ舜とともに後世理想の天子とされ、その政治は「尭舜の治」と称される。
命長ければ恥多し=「荘子」天地から、長生きすれば何かにつけ恥をさらすことも多い。
参考2
観于華。
華封人曰、「嘻、請祝聖人。使聖人寿富多男子。」
堯曰「辞。多男子則多懼。富則多事。寿則多辱。」
封人曰「天生万民、必授之職。多男子而授之職、何懼之有。富而使人分之何事之有。
金もないし、恥はかきっぱなしの軽鴨の介。
元気で長生きします。出来れば・・
http://acidcow.com/engine/data/emoticons/40.gif________φ(.. ) 軽鴨の介
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見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)
見ぬ世の友 一
42段 顔駟(がんし)三代時にあはぬ事 文選注
漢の武帝。車に乗て行。道の傍に。顔駟と云うもの
。眉には霜をたれ。首には。雪を戴けり。帝問て云
汝何とて。かほどまでは。老果たるぞと顔駟答云
武帝の祖父。文帝は文をこのむ。吾は武を好めり
故に用られず。武帝の父景帝は。義を好む。わが貌(かたち)
見にくし故に用られず君は若を好む吾今老
たり。こゝを以て。三代時に逢事なしとぞ申け
る。武帝哀みて。會稽(かいけい)の都尉となし給へり
参考
漢の武帝=武帝の治世は前漢の全盛期、衛青や霍去病、張騫などが輩出した
顔駟=「顔駟三朝不遇」の言葉あり、道の傍ではなく門番とも
義を好む。わが貌(かたち)見にくし=「義」ではなく「美」か
會稽・会稽=紹興酒の産地だぞ、会稽之恥とか呉越とか色々有名な所
都尉=秦・漢の官職名、郡の軍事を掌る
時流に合わない天才の話です。
どんなに能力や才能・技能が有っても、
生まれてくる時代が合わずに消えていってしまう。
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見ぬ世の友 仮名草子 明暦版(古典文庫)
見ぬ世の友 一
41段 同年にして官位を戯る事 事文
文惠と龐公と同じ戊子(つちのへね)の年に生れたり。文惠は位
高く。龐公位下きし。常に知音なれば文惠戯て云
けるは。君は。小の戊子なりとぞ云ける。後に龐公又位
に上りて。文惠をこゑしかば文惠が云。今日大の戊
子かへりて。小の戊子となりぬといひて。笑けり
参考
程文惠公與龐穎公同生於戊子,程已貴而龐尚為小官,嘗戲龐曰:
「君乃小戊子耳。」後穎公大拜,文惠致書賀曰:「今日大戊子却為小戊子矣。」穎公笑之。
知音=心の底まで理解しあった友人、琴の名人伯牙は、自分の弾く琴を理解していた友人の鍾子期の死後、琴の弦を切ってしまった。「列子・湯問」の故事から
ここから知音女房、好きで一緒になった女房を言う
真の朋友は、どんな位になろうとも、地位が逆転しようが、友は友です。
笑って戯れる姿は、昔の時のままです。
http://acidcow.com/engine/data/emoticons/37.gifhttp://trinixy.ru/engine/data/emoticons/no.gif 知音女房は、昔のままではない。妻子豹変_____φ(.. ) 軽鴨の介
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