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伊曽保物語
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伊曽保物語 下 |
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伊曽保物語 仮名草子 古活字本 国立国会図書館蔵本影印(勉誠社)〈 〉は原文にあったルビです。
( )とスペースはyoshyが入れました。
伊曽保物語 下
十四 墅牛と狐の事
ある時 墅牛ときつねと かつ(渇)に望て ゐけた(井桁)のうちに
おち入て水をのみおは(終)つて後 あからんとするに
よしなき狐申けるは ふたりなからこの井けた(桁)
の中にて死なんも はかなき事なれは はかりこと(謀)を
めくらして いさやあからん とそいひける 墅牛 もつ
ともと同心す きつね申けるは まつ御邊せいを
の(伸)へ給へ 其せなかにのほりて上にあかり 御邊の
手をとりて上へひきあけ奉らん といふ 野牛 け(げ)にも
とてせいをのへける所を 狐そのあたまをふま(踏)
へてうへにあかり わらつて云 さても/\御邊は
おろかなる人かな そのひけ(鬚)ほと ちゑ(智恵)を持ち給はゝ
われ いかゝせん なにとしてかは御邊をひきあけたて
まつらんや さらは(ば) とてかへりぬ 墅牛 むなしくゐ(井)の
もとに日を送りて つゐに はかなくなりにけり 其
ことく 我も人もなんき(難儀)にあはん事は まつわか難
儀をのか(遁)れて後 人の難をものそ(除)くへし わか身 地
こく(獄)におちて 他人たのしみをうくれはとて わか(我)
合力になるへきや これを思へ。
参考
かつに望て=喉が渇いて
せいをのへ=背伸びして
合力=援助、力添え
こんな記事がありました。
搬送拒否の真相 「自分守れなければ他人救えない」
「自分の命を守ることができない活動をしてはいけない。
そんな救助活動では他人を救うことはできない」
消防・警察・自衛隊、改めて感謝です。
___________________________________φ(.. )軽鴨の介
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伊曽保物語 仮名草子 古活字本 国立国会図書館蔵本影印(勉誠社)〈 〉は原文にあったルビです。
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伊曽保物語 下
十三 獅子王と驢馬の事
有ろは(驢馬) やまひ(病)しける所に しゝ王来てそのみやく(脈)
をとりこゝろむ ろはこれをおそるゝ事かきりなし
獅子王ねんころ(懇)のあまりに その身をあそこゝを
なて(撫で)まはして いつく(何処)かいたき(痛)そ ととへば、ろはつ(ゝ)
し(謹)んて云(く) しゝわうの御手のあたり候所は いまゝて
かゆき所もいたく侯 と ふる(震)い/\そ申ける その
ことく 人のおも(思)はくをも し(知)らす ねんころたてこそ
うたてけれ 大切をつくすといふとも つねになれ(馴)
たる人の事なり しらぬ人にあまりに 礼をするも
かへつて らうせき(狼籍)とそみえける
参考
ねんごろ=懇ろ、手厚いさま、度を超しているさま
ねんころたて=懇ろ伊達、手厚く意気込んでるさま
うたてけれ=感心しない、嫌なこと
らうせき=狼籍、無法な荒々しい振る舞い、乱暴な行い、「史記」滑稽伝から
妻が急に優しくなった時は、ご用心ですぞ!
御油断めさるな!財布を守り固めよ!
ねえ貴方
鼻にかかった
声で云ふ
妻の欲しいは
狼籍に見へ
ねんころりと寝たふりふり___________________________φ(.. )軽鴨の介
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伊曽保物語 仮名草子 古活字本 国立国会図書館蔵本影印(勉誠社)〈 〉は原文にあったルビです。
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伊曽保物語 中
十二 いぬ(犬)とひつし(羊)の事
ある時 犬 ひつし(羊)にゆきあひていふやう 汝におほ(負)
せける一石のこめ(米)を たゝいまかへ(只今返)せ しからすは汝
をうしな(失)はんといふ 羊大きにをとろき 御邊のこめ
をはか(借)り奉る事なしと云 犬こゝにそ(訴)人ありとて
狼そ烏そとひ(鳶)そといふものを あひかた(相語)らひ 奉行
のもとへゆきて このむね(旨)を申あらそふ 狼すすみ
いてゝ申けるは 此羊よね(米)をかりける事誠にて
侍るといふ とひ(鳶)又いてゝ 申けるは 我も其そ(訴)人にて
侯と申 からす(烏)も又 同前なり これによつて いぬ(犬)に
その理を付けられたり 羊せんかたなさのあまりに
わかけ(我毛)をけつ(削)つて これにあたふ そのことく 善人と
悪人とは 悪人のかたへは多く せん(善)人のみかた(味方)は
すくなし それによつて せん(善)人といへとも その理を
まけ(枉)て ことは(断)らすといふ事ありけり
参考
こゝにそ(訴)人あり=ここに証人あり
狼そ烏そとひ(鳶)そ=「狼ぞ、烏ぞ、鳶ぞ」並べ置き
いぬ(犬)にその理を付けられたり=犬に道理があるとの判決
せんかたなさ=詮方無し、なすべき方法が見つからない、どうしようもない
かたへ=傍片、対になっているものの一方、かたほう
その理をまけてことはらす=その理を枉げて断らず、裁決された判決(理)は枉げられない
世の中にには、遣り切れない事件ってありますね。
弱者にこれでもかと、苛めるような事件です。
遣り切れぬ 悪人天寿 全うし
狼藉者に 悪法も法 (-.-#)
_____________________________________φ(.. )軽鴨の介
法が自分に都合の悪い答えを出したとしても、それを受け入れなりません。
餌食の羊ちゃんに、ならないように気をつけましょう。
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