伊勢物語と仁勢物語

パロディーと諧謔の、仮名草子。

伊曽保物語

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鼠の會議の事

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伊蘇普物語之内
鼠の會議(そうだん)の話

或ころ 鼠どもが猫に手ひどく くるしめられ
此がいをのぞく よきてだてもがなと ある夜
よりあひて だんかうをしたりが これぞと
おもふ はかりごとも出ず しかるに ごくおはりに
いたり はるかばつざより 子鼠がすゝみ出て
「わがともがらの かのみけに とらるゝは
ひつきよう かれのちかよるを知ずして
おの/\に ゆだんがあるゆゑなり よつて此ごは
かのねこのくびに すゞをつけおかん しかる
ときは みけのきたる事しれ やすく
にぐるにつがふ よからん と いへば
みな/\ これをきいて かんぷくし しかる
べしとぞ どうじたりける そのとき
かたはらに もくねんとして ひかへ
ゐたるふるねづみ おそる/\ すゝみ
出て ものしづかに申立るやう「この
はかりごと きわめて めうなり その
こうのふも かならず あるべし
しかし こゝに うけたまはり度(たく) 一事
あり たれどのが かの ねこに
すゞをつけに まいらるゝにや
  議論は議論 実地は
  実地なり

議長

「われ
らも
ごどうい
かんしん
/\

「ハテ
そんなことが
できるものか
しら

「なるほど
しごく
妙けい/\

「此くびたまを
かやういたして
かの みけの くびに
つけおきますと
あるくたびごとに
ガラン/\と おとが
いたし
ますヲ

惺々暁斎

参考

もがな=事柄の存在・実現を願う意を表す、…があればいいなあ、…(で)あってほしいなあ。
よりあひ=寄り合い
だんかう=談合
ばつざ=まつざ・末座
みけ=三毛猫
つがふ=都合
こうのふ=効能、のうがき
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白・茶色・黒の3色で短毛の日本猫、ほとんど全てがメス、外国では比較的珍しい。
そう、三毛猫は珍しい貴重な猫です。日本が誇るべき猫です。三毛猫は幸運を招くと古くから信じられていました。福を招く三毛猫を船に乗せると船が遭難しないという言い伝えもあります。
ウィキから――基本的に三毛猫の性別はメスであるが、ごくまれ(割合としては1000匹に1匹程度)にオスの三毛猫が産まれることもある。オスの三毛猫はその希少性から、テレビ番組などに取り上げられたり、生まれた時に新聞記事になることもある。

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銀目・金目
三毛が世界的には珍しいついでに、銀目・金目も、珍しいですよ。白猫やシベリアンハスキーに多く見られ、オッド・アイと言われます。

\¤\᡼\¸ 1
出来ない会議ばかりしてる会社は、潰れるよ。あれやこれや能書きを言ってる間に、手を動かしていて良いモノが出来ることもあります。議論と実地、バランスが大事ですね。

この錦絵は、明治時代の「伊蘇普物語之内、鼠の會議(そうだん)の話」です。
作者は、河鍋暁斎(かわなべ・きょうさい)1828-1889、幕末から明治22年まで活躍していました。
海外でも高く評価された画家です。

愚鴉の話

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伊蘇普物語之内
愚鴉(ばかがらす)の話

或愚鴉が かたちをかざりて
ともがらすに ほこらんとおもひ
ひそかに くじやくの ぬけはねを
ひろひ おのがはねの間に
さしこみ 今までの なかまを
のゝしりて くじやくのむれに
とびこむと くじやくどもが 承知
せず にくきやつなり と その かり
はねを ぬきとり むれのそとへと
おひ出しければ ばかがらすは しかた
なく 以前の むれへと 飛かへりしに
ともがらす 承知せず にくき
やつかな と つきいだすにぞ
古老のからすが いけんして
「コレきさま てんたうさまが さづけ
さつしやつた ふんざいを まもつて
ゐたなら ナント めうへのものに
しかられもせず なかまのものに
いぢめられも せまいに

「オヤマア きのどくな
こんな ばかものは
うつちやつて
おゝきな

「なんだ うぬは その
まつくろな なりで
おれたちの はねを
さしたとて だれが
くじやくだと 見る
ものか こんど から
せぬか どうだ/\

「モウあなた
がたの
まねは
いたしませぬ
ごめん
なさい
/\

惺々暁斎

\¤\᡼\¸ 14
分相応と言う言葉が有ります。人の身分や能力にふさわしいこと、と言う意味ですが、
人は、ついつい背伸びして自分を飾ってしまいますね。
それが自分の成長に繋がれば良いことですが、とうてい成れない姿を、偽ってはいけません。
ボロが出てしまいます。成長は、日々の努力で成し遂げましょう。魔法は有りません。

この錦絵は、明治時代の「伊蘇普物語之内、愚鴉の話」です。
作者は、河鍋暁斎(かわなべ・きょうさい)1828-1889、
幕末から明治22年まで活躍していました。
海外でも高く評価された画家です。



兎の身なげの話

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伊蘇普物語之内
兎の身なげの話

あるころ 兎どもが くらしかたに
さしつまり いつそ しんでしまふほうが
よいと 思ひ いちどうに いひあはせて
水中に身をなげんと 池のかたへ
かけきたりしに をりふし おほくの
かひるが 池のほとりに 出てあそび
ゐて いま うさぎの むらがり来るを
見て あわてさわぎ 水のなかへ
とびこむと まつさきに すゝみたる
兎が たちどまり「ヤレ みんな まちな
せへ おれたちは まだ そんなに
おもひきる ばあひでもなかつた こゝに
おれたちより もつと ふしあわせの
やつがあるぜ
 ひとの ふこうに くらべて わがひを
 やすんずるな しかし きりよくを
 つけよ なんでも 我よりまさる
 ふしあはせのものが 世にありと
 おもふべし


「うん上は
とられる
ねはさがる
から ひだり
まへに
なつて
きては
モウ たま
らぬ
はやく しんで
しまふ
ほうが
ましだ

「ドウデ
しまひは
こんなことだらうと
おもつてゐました
かなしや/\

「ヤレ まて
そんなに
あはてるな
ちと
かんべんが
ちがつて
きた

ソリヤ
なにか
きたぞ
にげろ/\
\¤\᡼\¸ 31
参考

くらしかた=生活難(くらしがた)、貧乏 ・ 窮乏 ・ 貧しい ・生活苦 
うん上=運上、近代の日本における租税、金銭で納付が行われる場合には運上金と呼ばれる
ひだりまへ=左前、経済状態が悪くなってゆくこと、落ち目になること 
かんべんがちがつて=勘弁が違って、
           事の善悪・当否などをよく考え、わきまえることが違ってきた


この錦絵は、明治時代初期の「伊蘇普物語之内 兎の身なげの話」からです。
明治6年 上州屋 [東京府] 
作者は、河鍋暁斎(かわなべ・きょうさい)1828-1889、
幕末から明治22年まで、活躍していました。海外でも高く評価された画家です。


畜犬と狼の話

あぶさんの所で、イソップの錦絵が出たので翻刻します。

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伊蘇普物語之内
畜犬(かひいぬ)と狼の話

ある雪あがりの月夜に うゑたる
狼が こゑたるかひいぬとであつて
「おまへは だいぶふとつて おいでなさるな
くひものがよいとみえます 私はちうや
くひものゝせんさくに ほねをおつて かく
やせおとろへております」といふと
「犬がベラボウな そんなにくるしむ
事があるものか おれのだんなに奉公
しなせへ そうすれば うまいものをくつて
あたゝかにくらせるから」と いふゆゑ狼が
うれしく思つて そのあとについてゆく
うち ふと 犬のくびわを見つけ それは
なんじやと たづねれば 犬がこれは はしらへつながり
時のくびわじやと こたえると 狼がきもをつぶ
して「わしは くびたまへ くさりで 王様のやうな
ごちそうになろうより ボロ/\した ぱんのかわ
でも きらくに くつてゐる方がよいと云て あとをも
見ずに にげさりけるとぞ
  まづいものを くつても 天性自由の権を
  うしなはぬ方が ましじや


「ナンダ かめ公
おめへは
くびわを
つけられて
ゐるのか おれは
そんなことは
まつぴら
ごめんだ


「ナニ このくびわが
いやだ それじやッ
うまい
ものは
くへねへぜ


惺々暁斎

\¤\᡼\¸ 57 
この錦絵は、明治時代初期の「伊蘇普物語之内、畜犬と狼の話」からです。
作者は、河鍋暁斎(かわなべ・きょうさい)1828-1889、幕末から明治22年まで、活躍していました。海外でも高く評価された画家です。

伊曽保物語 下-24

伊曽保物語 仮名草子 古活字本 国立国会図書館蔵本影印(勉誠社)

伊曽保物語 下

廿四 修行者の事

あるしゆきやうしや(修行者) ゆきくれて わつかなる あやし
のしつ(賤)の屋に 一夜やと(宿)をかりける 主しなさけ
ふかきものにて けちえん(結縁)にとて かし(貸)しける ころは冬
されのしも(霜)夜なれは 手足こゝへて かゝまりけれは
わかいき(息)を吹かけて あたゝめけり やゝあつてのち
あつきめしをくふとて いき(息)をもつて ふきさまし
けれは 主し此よしをみて あやしき法師のしわさ
かな つめたき物をは あつきいきをいたして あたゝ
め あつき物は ひやゝかなるいき出して さまし侍る
そや いかさまにも たゝ人のしわさとも見えす てん
ま(天魔)の現(げん)しきたれるや と をろかにおそれて 暁かた
におよひて おひ出しぬ つてことく いたつて 心つ
たなき物は わか身にくそく(具足)したることをたにも
わきまへす やゝもすれは まと(惑)ひかちなり これほと
の事をたに わきまへぬやからは 能事(よきこと)を見ては
かへつて あ(悪)しゝとや思ふへき かねてこれを心えよ
これは うちきけは をろかなるやうなれとも 人の世
にあつて みちにまよへる事 かの主しか 人のいき
のあつきと ぬるきと わきまへかねたるにことなら
さるものなり

参考

わつかなる=僅かなる、みすぼらしいこと
しつ(賤)の屋=身分の低い人の住む家
主し=あるじ、主じ
けちえん(結縁)にとて=関係ができること、仏法と縁を結ぶこと
いかさまにも=どう見ても、どうしても
てんま(天魔)=仏法を害し、人心を悩乱して智慧や善根を妨げる悪魔
つてことく=不明?岩波版「そのごとく」、頭注に「誤り」か?と
心つたなき物=愚かな者
わか身にくそく(具足)したること=我が身に備わっていること
わきまへぬやから=賤の屋の主人

 

親切なクレーマーって感じのお話です。
でも、人って暑ければ涼しくなることを望み、
寒ければ暖かくなることを望みます。
イメージ 2  イメージ 1____________φ(.. )軽鴨の介




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