伊勢物語と仁勢物語

パロディーと諧謔の、仮名草子。

伊曽保物語

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伊曽保物語 下-15

伊曽保物語 仮名草子 古活字本 国立国会図書館蔵本影印(勉誠社)

伊曽保物語 下

十五 ある人 佛をいのる

ある人 一つのふつさう(佛像)をあんち(安置)して つねに名利
ふくゆう(福祐)をいのる 日にそひて まつ(貧)しく いやしく
なれとも さらにその利生ある事なし これによて
かの人 いか(怒)つて ふつさうをと(取)て うちたく所に
そのほとけの みくし(御髪)の中に 金数百両有けり その時
かの人佛をいのつて云 さても此ほとけ をろかなる
ほとけ(佛)かな われ つねに香花とうみやう(燈明)を そなへ
くきやうらいはい(恭敬礼拝)するときは 此金をあたへすして
其身をほろほす時 ふく(福)を さためけるよ と笑ひ よろ
こひけり そのことく 悪にきは(極)まりたるもの その し
ねん(自然)をまち 善にかへる事なし おさへて ほとけを
わ(割)るかことく 悪をせん(善)に ひるがえ(飜)す様にすへし

参考

名利=世間的な名声と現世的な利益
ふくゆう(福祐)=天のめぐみ、幸福、幸運、裕福
利生=仏・菩薩が衆生に利益を与えること、利益
みくし(御髪)= 頭髪の敬称、おぐし
香花=仏に供える香と花、こうげ
とうみやう(燈明)=神仏に供える火、みあかし
くきやうらいはい(恭敬礼拝)=深くつつしみ敬って神仏をおがむこと
しねん(自然)=おのずからそうであること、ひとりでにそうなること
おさへて=むりやりに、強制的に
ひるがえ(飜)す= 態度などを変える、自説を翻す、改める、変える


「悪いヤツは、強制的に矯正しなければ善(仏)に向かいません」と、
結論づけているけど、今一つ意味が通じていない。

イメージ 1__________________φ(.. )軽鴨の介
どっちにしても、大金が出てくれたらラッキーかな??

伊曽保物語 中-25

伊曽保物語 仮名草子 古活字本 国立国会図書館蔵本影印(勉誠社)

伊曽保物語 中

廿五 かはつか主君をのそむ事   http://toyotane.sitemix.jp/a_ilst192.gif

あてえるすといふ所に その主君なくて 何事も心
にまかせなんありける その所の人 あまりに ほこり
けるにや 主人をさためはや なんとゝきちやうして
すてにしゆしんをそ さためける かるか故に いさゝ
かの ひか事あれは その人さいくわに おこなふ これ
によて 里の人に しゆしんをさためけるを くゐかな
しめとも かひなし その比 いそほ その所にいたりぬ
所の人々 此ことを語に そのよしあしをは いはす た
とへを のへて云 昔ある河に あまたのかいる あつ
まり居て 我しゆしんを さためはや と きちようし
侍りき もつともしかるへし とて 各 てんに仰 我しゆ
しんをあたへ給へ と きせいす てんたう是をあはれん
て 柱を一つ給りけり そのはしらの かはにおち入
をと そこに ひひきておひたゝし 此聲におそれ
て かいるとも水中に しつみかくる しつまつて後 お
ていのなかより まなこを見あけ なに事もなきそ
まかり出よ とて をの/\なきさに とひあかりぬ
さて このはしらを いねうして 我しゆ人とそ もて
なしける されとも 無心の柱なれは 終にあさけつて 各
イメージ 1
此上にとひあかり 又天道にあふきけるは 主人は心
なき木也 同は心あらん物をたへかし といのりけれは
にくひし やつはらか 物このみかな とて このたひ
は とひを 主人とあたへ給ふ 主君によて 蛙かのはしら
の上にあかる時は とひ 是をもつて ゑしきとす 其時
蛙ちたひ こうくわいすれ共 かひなし そのことく 人
は たゝ わか身にあたはぬ事を ねかふ事なかれ 初
より 人にしたかふものゝ 今さらひとり身とならん
もよしなき事也 又 ちゆうに有ける人の しゆしん
を頼むも ひか事なり たゝそれ/\にあたる事
を つとむへき事 もつはらなり

参考

かはつか=蛙が
あてえるす=アテネ、ギリシャの都市アテネ
きちやうして=議定して、合議して事を決めること
しゆしん=主人
かるか故に=かかるが故に
ひか事=僻事、間違った事柄、心得違いのこと
さいくわ=罪科
くゐかなしめとも=悔い悲しめども
かいる=カエル、蛙
きせいす=祈誓す、神仏にいのって誓いを立てること
てんたう是をあはれんて=お天道様が哀れんで
ひひきておひたゝし=響きて夥し
おていのなかより=汚泥の中より
いねうして=いにょうして、囲繞して、まわりを取り囲むこと
終にあさけつて=ついに嘲って
各=各々、おのおの
にくひし やつはらか=憎し奴らが
とひを 主人とあたへ給ふ=鳶を主人として与えた、トンビ、タカ科の猛禽類、蛙も補食
こうくわいすれ共=後悔すれども
わか身にあたはぬ事を ねかふ事なかれ=自分に相応しくない事を願うことがないように
ちゆうに有ける人=自由に有ける人
つとむへき事 もつはらなり=勤めることが肝要である

夕焼空が マッカッカ とんびがくるりと 輪を描いたホ〜イのホイ  
\¤\᡼\¸ 30______φ(.. )軽鴨の介



伊曽保物語 下-17

伊曽保物語 仮名草子 古活字本 国立国会図書館蔵本影印(勉誠社)

伊曽保物語 下
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十七 ねすみのたんかうの事

ある時 鼠 老若男女あひあつまりて せんきしける
は いつも かのねこ(猫)といふ いたつらものに ほろほさ
るゝとき ちたひくやめとも そのゑきなし かのねこ
聲をたつるか しからすは 足をとたかくなとせは
かねて用心 すへけれとも ひそかにちかつきたる程
に 由斷してとらるゝのみなり いかゝはせん といひ
けれは こらう(古老)のねすみ すゝみいてゝ 申けるは 詮
する所 ねこの首にすゝ(鈴)を付て をき侍らは やすく
知なん と いふ 皆々 もつとも と同心しける 然らは
このうちより 誰出てか ねこのくひにすゝを つけ給
はんや といふに 上らうねすみより 下鼠にいたる
まて 我つけん と云ものなし 是によて そのたひの き
ちやう ことおはらで たいさんしぬ そのことく 人の
けなけたてをいふも 只たゝみの上の くわうけん也
戰場にむかへは つねにつはものといふ物も ふるひ
わなゝくとそ みえける しからすは なんそ すみやか
に 敵こくを ほろほさゝる こしぬけの ゐはからひ
たゝみ大鼓に 手拍子とも これらの事をや申侍へき

参考

たんかう=談合
せんき=詮議・僉議
ちたひくやめとも=千度悔やめども
上らう=上臈、身分の高い男子や女子、地位の高い女官や御殿女中遊女などをいう
きちやう=議定、ぎてい、会議を開いて事を決定すること
けなけたて=健気だて、勇ましさや殊勝さをよそおうこと
くわうけん=広言・荒言、無責任に大きなことを言い散らすこと
ゐはからひ=ゐばからひ・居計、その場から動かず、頭の中だけで計画を立てること
たゝみ大鼓=畳太鼓、畳を太鼓に見たてて、手でたたくこと
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何時も、ゐばからひのみ
頭の中だけで妄想中
_____φ(.. )軽鴨の介

伊曽保物語 下-25

伊曽保物語 仮名草子 古活字本 国立国会図書館蔵本影印(勉誠社)

伊曽保物語 下

廿五 庭鳥金のかいこをうむ事

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ある人 庭鳥をかいけるに 日々に金の まろかしを
かい子にうむ事有 主これを見て よろこふ事かきり
なし しかりといへとも 日に一つうむ事をたへ
かねて 二つも三つも つゝけさまに うませはや とて
その鳥を うちさいなめとも 其しるしもなく 日々
に 一つより外はうます あるし 心に思ひけるやう
は いかさまにも 此とりのはらには 大なるこかねや
侍るへき とて、その鳥のはらをさく かやうにして
いたゝきより あしのつまさきまで みれとも へちの
こかねはなし その時 あるし こうくわいして もと
のまゝにておかましものを とそ申ける そのことく
人の よくしんにふける事は かの あるしか とりの
はらを さけるにことならす 日/\に すこしの まう
けあれは その一命を すくる物なれとも つみかさね
たく思ふによつて つゐに あきたる事なふて あまつ
さへに たからをおとして 其身をも ほろほすもの也

参考

庭鳥=ニワトリ
かいこ=かいご・卵、「かい」は殻の意、小鳥や鶏などの殻のついたままの卵
まろかし=丸かし・塊、かたまり、まろかせ、動詞「まろかす」
いかさまにも=疑問、不定の気持を少し残すさま、どんな状態でも、きっと・・はずだ
いたゝき=頂き、鶏冠から
よくしんにふける=欲心に耽る
一命を すくる物=日々の暮らしに過ごせる必要な物
あきたる事なふて=飽き足る事無うて、貪欲になって
あまつさへ=剰え、そのうえ、おまけに、悪い事柄が重なるときに用いる


金の卵を産む鶏がいたら、
大事に育てて、金の卵を産む鶏を増やします。
遊んで暮らせる。欲しい!
¥¤¥᡼¥¸ 1_____φ(.. )少しも教訓を学ばない軽鴨の介


伊曽保物語 下-2

伊曽保物語 仮名草子 古活字本 国立国会図書館蔵本影印(勉誠社)

伊曽保物語 下

二 狼といのしゝの事

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さるほとに いのしゝ 子共あまた なみゐける中に 
ことに ちいさきいのしゝ かまん(我慢)おこして そう(総)の
つかさ(司)となるへし とおもひて は(歯)をくひしはり 目を
いからし 尾をふつて とひめくれとも はうはい(傍輩)ら一
かう是をもちいす かのいのしゝき(気)をくた(砕)ひて 所詮
かやうのやつはらに くみせんよりは 他人にうや
まはれはや とおもひて 羊とものなみ(並)ゐたる中に
行て まへのことくふるまひけれは 羊いきほひに お
それてに(逃)けかくれぬ さてこそ此いのしゝ 本座を達
して居ける所に 狼一ひきは(馳)せ来りけり あはやとは
思へ共 われはこれ主なれは かれもさためて をそ(恐)れ
なん とて さらぬていにてゐける所を おほかめ(狼)とひ(飛)
かゝり みゝ(耳)をくわへて山中にゐたりぬ 羊もつて
合力せす おめきさけひゆくほとに かのいのしゝ
はうはい(傍輩) この聲を聞きつけて つゐにとりこめ た
す(助)けにけり その時こそ むやく(無益)のむほん(謀叛)しつる物
かな と もとのいのしゝらに かうさん(降参)しける その
ことく 人の世にある事も よしなきまんき(慢気)を おこ
して 人をしたか(従)へたく思はゝ かへつてわさはひ(災)
をまねくものなり つゐには もとのしたし(親)みなら
ては まことのたすけになるへからす

参考

さるほとに=さるほどに・然る程に、ところで(ここでは文頭で話題を変える時に用いる語)
かまん(我慢)=ここでは思い上がった心、おごり高ぶり
そう(総)のつかさ(司)=全ての頭
き(気)をくた(砕)ひて=いろいろと心配りをする、心を砕く
やつはら=やつばら・奴原、複数の人を卑しめていう語
本座=本来の座席、相応の席
さらぬてい=然らぬ体、何事もないようなようす、何げないようす、そしらぬふり
合力せす=力を貸すことをしないで、助力せず
はうはい(傍輩)=同じくらいの身分・年齢の友、同輩
まんき(慢気)=思い上がった気持ち、慢心 


家庭の平和のためには、         
慢気を起こしてはなりませぬ。
ひたすら山の神に、従うべし。

 https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/3f/5c/ikoi236/folder/1213393/img_1213393_62406031_0?1293843229http://www.alrincon.com/foro/images/smiles/0332.gif________φ(.. )軽鴨の介


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