伊勢物語と仁勢物語

パロディーと諧謔の、仮名草子。

伊曽保物語

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伊曽保物語 中-17

伊曽保物語 仮名草子 古活字本 国立国会図書館蔵本影印(勉誠社)

伊曽保物語 中

十七 しゝわう と ろは の事

ある獅子王とを(通)りける所を ろは 是をあさける しゝ
わう 此由をきゝて あつはれ くいころしてんや と い
かりけるか しはしとて ゆるす心 出来ける そのゆへ
は われと ひとしきものにもあらは 其あらそひも お
よひ侍るへけれ供 かれらかことく すくせつたなき
ものに あたら口(くち)をけかさんも さすかなれは とて ゆ
るし侍りき 其ことく 無智の輩(?)にむかつて 是非(これつみ)を
論すへからす と いへる心なるへし ろは とは 無知の
輩を さすへし しゝわうとは 才知(智)儀しかる者を た
とふなり

参考

あつはれ=あっぱれ、天晴・遖、ここでは驚き・嘆き・期待・決意などの気持ちを発する語
くいころしてんや=この〜喰い殺してやる!
其あらそひも およひ侍るへけれ供=ロバとの喧嘩も出来るけれども
すくせつたなきもの=前世からの宿世が劣った者
あたら=可惜、惜しいことに、もったいなくも
口をけかさんも=もったいなくも口を汚しても良くはない
是非(これつみ)を論すへからす=是非(ぜひ)と読めば良いのに、罪でなく非(つみ)、分からん!
儀しかる者=なんて読んだら良いんだろう?

ロバのパン屋さん。実際には使われていたのは、ロバでなく馬でした。

ロバというのは敵がら逃げるという考えが本能的にないそうです。それ故か、ロバは愚鈍の象徴としてしばしば用いられます。
ナポレオンがアルプス越えに乗ったのはロバでした。ちょっと間抜けな絵が思い浮かびます。

http://blog-imgs-46.fc2.com/k/a/m/kamonogakepputi/napoleon.jpg
ナポレオンの愛馬マレンゴでアルプス越え?

敵がら全力で逃げないロバの悲劇、次から次へと・・・。残酷な場面があります。

Lions hunting donkeys - BBC


王様の耳はロバの耳、
yoshyの頭の中はロバの脳________________________φ(.. )軽鴨の介 http://acidcow.com/engine/data/emoticons/88.gif
家でyoshyは王様ではありません。





伊曽保物語 下-22

伊曽保物語 仮名草子 古活字本 国立国会図書館蔵本影印(勉誠社)

伊曽保物語 下

廿二 かいると牛の事

ある河のほとりに 牛一疋 こゝかしこへ えしきを
もとめありき侍しに かいるこれをみて 心に思ふ
やう わか身をふくらしなは かならすもや あの牛の
せいほとなりなん とおもひて きつとのひあかり 身
のかはをふくらして 子ともにむかつて 今は此牛の
せいぼとなりけるや とたつねけれは 子ともあさわら
ひて云 いまた其くらゐなし はゝりなから 御邊は
牛ににたり給はす まさしくかふらのなりにこそ
みえ侍りけれ 御かはのちゝみたる所侍る程に いま
すこしふくれさせ給はゝ あのうしのせいになり
たまひなん と申けれは かいる答て申さく それこそ
いとやすき事なれ といひて 力およひゑいやつと
身をふくらしけれは 思ひの外にかは 俄にやふれ
て はらはた 出てむなしくなりにけり そのことく お
よはさる 才智位を望む人は のそむ事をえす 終に
をのれか思ひ故に かへつて我みをほろほす事有也
http://ziza.qip.ru/engine/data/emoticons/sick.gif

参考

かいる=蛙
えしき=餌食
ふくらしなは=膨らしなば、膨らしたならば
せい=背・脊、身のたけ、身長
きつと=屹度・急度、厳しいさま
のひあかり=伸び上がり
身のかはをふくらして=身の皮を膨らして
かふら=蕪、かぶら
力およひ=力の及ぶ限り
ゑいやつと=エイ!ヤッ!と
\?\᡼\? 10
やふれ=破れ
をのれか思ひ故に=己が思ひ故に、分不相応の高望み故に


伸び上がり、チャレンジ精神は「良」。http://toyotane.sitemix.jp/a_ilst192.gif
無謀は「否」。
____________________________________φ(.. )軽鴨の介


伊曽保物語 中-24

伊曽保物語 仮名草子 古活字本 国立国会図書館蔵本影印(勉誠社)

伊曽保物語 中

廿四 つはめ(燕)としよ(諸)鳥の事

ある所に つはめと万(よろず)の鳥と あつまり居けるほとに
つはめ申やう こゝにあさ(麻)といふ物まく(撒)所あり をの
/\是を 引きすて給へかし となけきけれは 諸鳥 是に
くみせぬのみならす かへつて つはめをあさける つ
はめ申やう 御邊たち なに事を笑(ひ)給ふそ このあさ
と申は お といふ物になん成て わなそ かつらそとて
われらかためには 大てき(敵)也 をの/\は後日のわさ
はひを知り給はす と申けれとも、諸鳥とも同心せす
そのとき つはめ申やう しよせん(所詮)御邊たちとけう
かう(向後)くみする事あるへからす とて しよてう(諸鳥)に
かはつて つはめは人の内に す(巣)をくふ事も これや
初にて有ける そのことく あまたの人の中をひ出て
能(く)道をしめすといへ共 もち(用)いすは まひてふところ
にす 又 いかに人 同やうに あし(悪)しと云共 其あちはひ(味)
をなめ 心みよ 智者のいふこと なとかは悪かるへき

参考

お といふ物=苧(緒)、 麻の古名、 麻または苧(からむし)の茎の繊維から作った糸
わなそ=罠ぞ
かつらそ=かづらぞ、網の一種か
後日のわさはひ=麻から糸が出来、編まれて網が出来て、鳥は捕まってしまう
す(巣)をくふ=巣を工夫
ひ出て=秀でて
まひてふところにす=巻いて懐にす、秘蔵する、隠す
あちはひ(味)をなめ 心みよ=何でも試してみなさい
 

一所懸命ODAの援助して、気がつくと我が国を射程とするミサイルを、配備している国がある。
撃ち込まれたり、奪われないと気がつかない烏合の衆が、
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」と、平和憲法を自賛している。
燕の危惧が、現実には空母になって東シナ海を遊弋する日が近い。

_______________________________________φ(.. )軽鴨の介



伊曽保物語 中-40

伊曽保物語 仮名草子 古活字本 国立国会図書館蔵本影印(勉誠社)〈 〉は原文にあったルビです。
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伊曽保物語 中

四十 獅子王と馿(驢)馬の事

ある時 ろは(驢馬)しゝわう(獅子王)に行あひ いかにしゝわう 我山に
来り給へ 威勢のほとを見せまいらせん といふ 獅
子王おかしと思へとも さらぬ躰にて ともなひゆく
山のかたはらにおゐて ろはおひたゝしく はしり
めくりけれは そのおと(音)におそれて 狐たぬきそなと
いふ物 こゝかしこより にけさりぬ ろは しゝわう に
申けるは あれ見給へや しゝわう かほとめてたき
威勢にて侍る とほこりけれは 獅子王いかつて云 きつ
くわい(奇怪)なり ろは 我はこれ獅子王也 汝らかことく
下らうの身として ひろう(尾籠)をふるまふ事 らうせき(狼籍)
なり といましめられて まかりしりそく その下はい(輩)
の身として 人とあらそふ事なかれ やゝもすれは 我
身のほとを かへりみすして 人とあらそふ はてには
ちしよく(恥辱)をうくるもの也 ゆるかせに思ふ事なかれ

参考
 
威勢のほと=人を威圧するような勢いのほど
さらぬ躰=然らぬ体、なんでもないような様子、素知らぬ振り
ひろう=尾籠、礼を失すること、失礼、無礼
らうせき=狼籍、落花狼藉から、乱暴をはたらくこと
下はい=下輩、 身分の卑しい者、目下の者、ただ阿弥陀仏を念じるだけの者
我身のほとを かへりみすして=身の程知らず、身分や能力などの程度をわきまえないこと
ゆるかせ=忽せ、なおざり、おろそか、室町時代までは「ゆるかせ」清音

 
身の程知らずのyoshy、背伸びしてブログ記事アップしている。ちょっと疲れるけど楽しい。
そこへ軽鴨の介、背伸びもせず落花狼藉、したい放題。絶好調 

______________________________________φ(.. )軽鴨の介



伊曽保物語 中-33

伊曽保物語 仮名草子 古活字本 国立国会図書館蔵本影印(勉誠社)〈 〉は原文にあったルビです。
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伊曽保物語 中

卅三 鳥けたもの(獣)とたゝか(戦)ひの事

有時 鳥 けたものとすてに たゝかひにおよふ とりの
云 いくさにまけ(負け)て 今はかうよとみえけるとき かう
もり(蝙蝠) 畜類にこしらへかへる 鳥とも うれへて云 かれ
らかこと(如)きのものさへ けたものにくた(降)りぬ いまは
せんかたな(詮方無)しと かなしむ所に 鷲申けるは なに事
をなけくそ われこの陳(陣)に あらんほとは たのもしく
思へと いさめて 又けたものゝちん(陣)に をしよせ この
たひは とりのいくさ よかんめれめれ くはほく(和睦)
してんけり その時 とりとも申けるは さても かう
もり(蝙蝠)は 二心ありける事 いかなる さいくは(罪科)をか あた
へんといふ中に こらう(古老)の鳥 あへて申けるは
あれ程の物を いましめてもよしなし 所詮 けふより
して とりのましは(交わ)りを なすへからす はく(白)日に はい
くわい(徘徊)する事なかれと いましめられて とりの つは
さ(翼)を はきとら(剥ぎ取ら)れ 今は しふかみ(渋紙)のやふれを きてやう
/\日暮に さし出けり そのことく 人もしたしき
中をすてゝ むやくの物と くみする事なかれ 六
親ふ案なれは 天道にも はつれたりと みえたり

参考

今はかうよと=今は斯うよ、もはやこれまで、もう最後と、あきらめる場合に使う
こしらへかへる=慰・喩・誘、返る、なだめすかされて寝返る、返り忠
いまはせんかたな(詮方無)し=もうこれまでだ、為す術もない
六親ふ案=六親不案、最も身近な六種の親族(父・母・兄・弟・妻・子)、不案→不和

裏切り、返り忠は、歴史の中で役割としてはありかも知れませんが、美しくはありませんね。
古い話題ですが、大臣のポストを餌に釣られて、主義主張を変えて、
批判していた政党に鞍替えは、老醜の極みです。


悪評の かおる匂いは どぶくさく
あきれてっかめん たちあがれない

__________________________________φ(.. )軽鴨の介



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