伊勢物語と仁勢物語

パロディーと諧謔の、仮名草子。

大和物語

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大和物語 上 09

群書類従巻第三百八上

大和物語 上 九段

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もゝそのゝ兵部卿の宮うせ給て 御はて九月つこ
もりにし給ひけるに としこ かの宮のきたのかた
に たてまつりける

 大かたの 秋のはてたに かなしきに 
 けふはいかてか 君くらすらん

かきりなくかなしとおもひて なきゐたまへりけるに
かくいへりけれは

  あらはこそ 初もはても おもほえめ 
  けふにもあはて きえにしものを

となん返し給ひける

参考1

もゝそのゝ兵部卿=桃園の兵部卿、醍醐天皇第一皇子・克明親王
うせ給て=お亡くなりになって
御はて=一周忌の法要
としこ=源清蔭の義弟藤原千兼の妻、承香殿俊子、後撰和歌集に7首
きたのかた=克明親王の北の方、藤原時平の娘
大かたの・・=大方の・普通の秋でさえ悲しいのに、秋の終わりに亡き夫の法要明けに北の方様は、
    どのようにお過ごしになっていらっしゃるでしょう。
秋のはて=「秋の終わり」と「(法要の)明け」が掛かります
かきりなくかなし=限りなく悲し、これは北の方の気持ち
あらはこそ・・=夫があらばこそ、秋の初めも果ても分かるでしょうが、今日の秋の果ても待たずに
    消えてしまいました。

参考2

としこさんは、気遣いのある哥を未亡人の克明親王の奥さまに送りました。
送哥と返哥も共に、「初め」と「果て」が意識された、哥の遣り取りになっています。
克明親王の北の方は、まだまだ悲しみに沈んでいますが、
としこさんの哥で、どんなにか慰められたことでしょう。
皆さんも、優しい気遣いの手紙やメールを、親族や友人に送ってみましょう。
和歌や俳句なら、もっとステキですね。
前の8段は、中務宮。今回は兵部卿。共に醍醐天皇の子供です。
その関係で9段の話が、出て来ました。
としこさんは、3段にも出てました。


¥¤¥᡼¥¸ 23       
¥¤¥᡼¥¸ 15
哥物語は、いいなー。
____\¤\᡼\¸ 12軽鴨の介

大和物語 上 8

群書類従巻第三百八上

大和物語 上 08段

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監の命婦のもとに 中務宮おはしましかよひける
を 方のふたかれは こよひはえなむまうてぬと のた
まへりけれは その御かへしことに

  逢ことの かたはさのみそ ふたからん
  一夜めくりの きみとなれゝは

と ありけれは 方ふたかりたりけれと おは
しましてなん おほとのこもりにける かくて 又 ひ
さしく をともし給はさりけるに さかのゐんに
かりすとてなん 久しく せうそこなともゝのせさり
ける いかにおほつかなく思つらん なと のたまへり
ける御返に

  大沢の 池の水くき 絶ぬとも
  何かうらみむ さかのつらさは

御返しは これにやをとりけん 人わすれにけり

参考1

監の命婦=げんのみょうぶ、監は近衛府の将監、命婦は中ろうの女房
中務宮=式明親王、907-967年、醍醐天皇の第六皇子
方のふたかれは=方塞(かたふた)がり、陰陽道で天一神・金神などがいるため凶とする方角
えなむまうてぬ=参ることができません
逢ことの・・=私と逢うときには私の方角はいつも塞がっているのでしょう。
    一夜めくりの太白神さま・あなたは、多くの女性の所を巡っているのでしょうよ。
さのみそ=然のみぞ、そのようにばかり、ひたすらそのように
一夜めくり=太白神に同じ、陰陽道でまつる神。太白星の精で、大将の形をし、兵事や凶事を
    つかさどる。一日ごとに遊行先を変え、その方角に対しては一切の行事を慎むのがよい
    という。ひとひめぐり。ひとよめぐり。
おほとのこもり=大殿籠・おおとのごもり、おやすみになること、御寝
をともし給はさりける=音もし給はざりける
さかのゐんにかりすとてなん=嵯峨の院に狩りすとてなん、嵯峨天皇の離宮、後の大覚寺
おぼつかなく=たよりなく
大沢の・・=嵯峨の院の大沢の池の水茎(手紙)が絶えてしまっても、嵯峨(性・さが)におられる
    あなたを、どうして恨むことなどありましょう。もう、諦めましたよ。
水茎の跡=書かれた文字、筆跡、手跡

参考2

監の命婦の哥、2首。グッと来ますね。このプライドの高さと、機知に富んだ軽妙な哥。中務宮は、タジタジで返り事は「これにやをとりけん 人わすれにけり」と、トホホな状況です。監の命婦は、きっと気位の高い、美しくユーモアに富んだ美人だったでしょうね。哥の理解の鍵は、「方塞がり」と「水茎」の意味を押さえることです。


「水茎」関連で好きな哥、万葉集968 大伴旅人

  ますらをと 思へる我や 水茎の 水城の上に 涙拭はむ

\¤\᡼\¸ 5   ___________φ(.. )軽鴨の介


大和物語 上 7

群書類従巻第三百八上

大和物語 上 7段

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男 女 あひしりて としへにけるを いさゝかなることに
よりて はなれにけれと あくとしもなくてやみにし
かはにや有けん 男も哀とおもひけり かくなんいひ
たりける

  逢ことは 今はかきりと おもへとも
  涙はたえぬ 物にそ有ける

女 いとあはれとおもひけり

参考1

あひしりて=互いに深く知り合って
あくとしもなくて=飽くとしもなくて、飽きてしまったわけではないけれど
やみにしかはにや有けん=止みにしかば有けん、関係が切れてしまった為だったのだろうか
哀=しみじみ心に染みる感動
逢ことは・・=逢うことはこれが最後で終わってしまうけれど、
    涙はまだこれからも絶えないものです。「逢うことは」と「涙は」が対比されています。
女 いとあはれとおもひけり=女もたいそう心に沁みたようです

参考2

前の段を受けて、別れていく男女の心の内を、名前も分からない男女の話を持ってきています。
お互い嫌いになったり、喧嘩したわけではないのに、
なんとなく関係が終わってしまった男女の話です。
理由としては通い婚だからということもあったでしょう。
いざこれで終わりにしようとすると、どちらも切ない、悲しさが湧き出てきます。
伊勢物語と違って、「業平」個人の物語ではなく、
次から次へと前の段を受けて、次のお話へと移っていきます。
読者は次にどんなお話が来るのか、ワクワクしながら読んでいきます。
大和物語は、こうしたオムニバス形式の素晴らしい哥物語です。

¥¤¥᡼¥¸ 44

私の青春時代、携帯が無い時代だったから、
電話をかけると、彼女の両親が出てくる。
彼女を電話口に呼び出せない。ワンギリになってしまう。
そんなことが続いて二人の仲が進まず、うやむやになって、
そのうち只の友達になってしまうことがありました。

___________________\¤\᡼\¸ 12軽鴨の介


大和物語 上 6

群書類従巻第三百八上

大和物語 上 6段

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あさたゝの中将 人のめにてありける人に しのひて
あひわたりけるを 女も思ひかはしてすみけるほとに
かのおとこ 人の国のかみになりて くたりたりけれは
これもかれも いとあはれとおもひけり さてよみて
つかはしける

  たくへやる 我玉しゐを いかにして
  はかなきそらに もてはなるらん

となん くたりける日 いひやりける

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参考1

あさたゝの中将=藤原朝忠、醍醐・朱雀・村上三代の天皇から信任を受ける、
    三十六歌仙の一人、土御門中納言、笛・笙の名手
人のめ=人の妻(め)
かのおとこ=人の妻(め)の夫
人の国のかみになりて=地方の国の守(かみ)になって
これもかれも=自分も相手も、朝忠と女も
たくへやる=たぐえやる・比遣、添わせてやる、連れ添わせてやる、
    地方へ行く女の心に寄り添っていく我が魂
玉しゐ=魂
はかなきそら=果無い・儚い空、不確実で見込みがなく頼りにならない空

参考2

新千載集740 藤原伊尹(これただ)

  たくへやる わかたましひを いかにして はるけきそらに もてはなるらむ

連れ添っていた我が魂を残し、どうして遠く離れた当てにならない空に離れて行くのでしょう。つれなく寂しい・・・。

人妻に向かって、未練たっぷりな朝忠さん。百人一首ではこのような哥を詠ってます。

  逢ふことの たえてしなくは 中々に 人をも身をも 恨みざらまし

逢うということが全くなかったならば、相手も自分も恨んだり悔やんだりしなかっただろうに。

イメージ 2

世の中に たえて妻子の なかりせば
今の心は のどけからまし

___________\¤\᡼\¸ 12軽鴨の介


大和物語 上 5

群書類従巻第三百八上

大和物語 上 5段

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前坊の君 うせたまひにけれは 大輔かきりなく
かなしくのみおほゆるに きさいの宮 后にたち給ふ
日になりにけれは ゆゝしとて かくしけりさり
けれは よみていたしける

  佗ぬれは 今はと物を 思へとも 
  心にゝぬは 涙なりけり


参考1
イメージ 2
前坊の君=坊は東宮坊、先の皇太子保明親王、醍醐天皇の子
大輔=たいふ、源弼(嵯峨天皇の孫)の娘。醍醐天皇の皇太子保明親王の乳母子
    乳母子=前坊の君と大輔は、乳兄妹
きさいの宮=醍醐天皇の中宮・藤原穏子(やすこ)皇太子保明親王を出産するが早世。
       同年に立后、さらに朱雀天皇と村上天皇を出産して2代の国母となり、
       摂関政治全盛への基盤を固める。
ゆゝし=由由しい・忌忌しい、大変であった
かくしけり=泣き続けていたので別なところへ隠した
佗ぬれは・・・=つらくて、もう遣りきれなくて、今は大切な時とは思っても、心の内に思っていることとは別に、涙が溢れてしまうのです。

参考2
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乳兄弟の絆は、とても強いモノであったので、歴史ではしばしば脚光を浴びますね。
木曾義仲と今井兼平、淀君と大野治長など有名です。共に育った兄のような「前坊の君」が、薨御。21歳の若さでした。乳兄妹の「大輔」の涙は止まりません。止めようとはするのですが、泣けてくるのです。「前坊の君」の母が、皇后になられる、お目出たい日なのに・・・。とても美しい乳兄妹の間柄が想像できます。きっと凛々しい憧れの皇太子だったのでしょう。


兄妹のような幼なじみ、大切ですね。____\¤\᡼\¸ 12軽鴨の介




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