伊勢物語と仁勢物語

パロディーと諧謔の、仮名草子。

因果物語

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因果物語2-7

ちょっと怖〜〜い、仮名草子。
因果ものかたり 平仮名本     赤木文庫本複製  古典文庫
因果物語 巻二

七 慳貪(けんどん)なる人 死して馬に成たる事

イメージ 1

近江の国 越知(えち・愛知)川といふ所の問屋に 弥次右衛門と云
ものは きはめてかくれもなき慳貪者なりと
諸人 うしろゆびをさしけり わづらひて ほどなく
死けるか 第三年にあたりけるころ 平木沢次郎
右衛門といふ者の家に飼ける馬の子に 生れ出た
り 栗毛の馬なるか 白き毛にて 文字あり よく/\
みれば 越知川 弥次右衛門とこま/\と みえ侍べり
護国和尚も行て見給ふに 文字あざやかには非(あら)ず
よく/\みれは うたかひなし と かたり給ひけり
正保四年の年也

参考1

慳貪(けんどん)=けちで欲が深いこと
越知川=近江の国に有るので「愛知川・えちがわ」と考えられる。
    東近江市五個荘地区は、近江商人発祥の地
うしろゆび=後ろから指さして、そしること。陰で人の悪口を言うこと。
正保四年=1647年

参考2

慳=物惜しみをすること、貪=貪欲なこと
慳貪から、「つっけんどん・突っ慳貪」が出来る。
「突っ」が付くことにより、強調した意味になり、
ケチが高じて、とげとげしくものを言ったり、
乱暴なふるまいをしたりするさまと、言う意味になった。

多額の借金を負って死んだ者は、
牛馬に生まれ変わって、借金の分を働かされるという応報の考え方があるので、
弥次右衛門は、ケチで貯め込んだ分を増やそうとして、馬になったのかも??

裸で生まれてのなら、
裸で彼処に行くのが筋でしょう。(ヨブ記)
天に恥じない生き方で、もくもくと・・・。

_______\¤\᡼\¸ 2  軽鴨の介


因果物語2-6

ちょっと怖〜〜い、仮名草子。
因果ものかたり 平仮名本     赤木文庫本複製  古典文庫
因果物語 巻二


六 女の亡㚑(霊) 長老と問答せし事

イメージ 1

奥州會津の松澤と云所に松沢寺と云寺あり
此寺の住持 ある女人のとふらひに卒塔婆をたて
たるに文字を ひとつ書ちがへけるを秀可と云
長老かきなを(書直)されたり その旦那どもみないはく
枩沢寺の住持は無智なるとて追出し すなはち
かの秀可長老を住持にすへたり 或夜の夜半斗
に 右の卒塔婆の亡者来りて 秀可長老に對
面し すなはち亡者のいはく 我 地ごくの中に入て
種々の苦をうくる悲しさよ すみやかにすくひ給へ
といふ 秀可のいはく 圓通(えんづう)より出て圓通に入何れ
の所にか獄中あらん 亡者いはく 獄中を論ず
る事なかれ 此躰をみよ 秀可のいはく 其躰則(すなはち)
佛性にへだてなし 亡者の曰 名をつけてたまへ
秀可のいはく 本空禅定尼 その時亡霊きえ
うせたりければ 秀可長老 絶入(せつじ)せらる 人/\力
をつけて やう/\に 心つき侍へり 下野守殿このよし
聞及び 秀可長老をよび出して念比に尋ね給ふ
其後慶安五年正月に 大熊勘左右衛門と云人 そのかみ會

イメージ 2

津にありし時 此問答を直に聞たる人の こと葉を
かきつけ 慥(たし)かに語られし

参考

奥州會津の松澤=福島県本宮市松沢
卒塔婆=日本では、板に文字を書き墓の脇に立てる塔の形をした木片を卒塔婆と呼ぶ。板塔婆
枩=松の異字体
圓通(えんづう)=円通、仏語。智慧によって悟られた絶対の真理は、あまねくゆきわたり、
  その作用は自在であること
佛性=すべての生き物が生まれながらにもっている、仏となることのできる性質。仏心。
本空禅定尼=女性の戒名であろう
絶入(せつじ)=ぜつじゅ、息が絶えること。また、気絶すること。
念比=懇ろ

¥¤¥᡼¥¸ 4

戒名がまともに付いていない幽霊が、
戒名をつけてもらって、
成仏したと言う、お話みたいです。
私はここの文章、
結構、文字が読めずに苦労しました。
間違えると無知と言われそう。(^_^;)
誤字・読み違いは、ご容赦を・・・。

_______\¤\᡼\¸ 2 軽鴨の介

因果物語2-5

一ヶ月ぶりの「仮名草子・因果物語」の記事です。

ちょっと怖〜〜い、仮名草子。
因果ものかたり 平仮名本     赤木文庫本複製  古典文庫
因果物語 巻二

五 旦那を争たる長老 狂気しける事

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東三河に岡といふ村あり その村に長慶寺と云
寺の住持の長老 先祖よりの旦那あり いかゞ思ひ
けん大洞と云禅家へまいりけるが わづらひて程
なく死けり その子すなはち大洞の住持に 引導
頼むよしを 長慶寺の長老聞て 村中の旦
那をたのみ 棒ごなしにして 死人をうばひとり
て 引導させまじきと企侍へりけり 大洞方へ此
よし聞えければ さてはむつかしき事也とて 引
導に出給はず 此故にとかくあつかひて長慶寺を
頼みて とふらひけり 次の年一周忌の比より長慶
寺の長老 狂乱してさま/\くるいける故に 旦
那衆 あつまりて牢をつくりをしこめて置に
人来れは 色/\悪口し 糞をつかみて打かけ
などしけり 今はせんかたなかりし所に 七月の末に
牢を破り出て そのまゝ狂ひありく 小袖もみな
ぬきすて くらひやぶり あか裸になり 淺ましき
有さまにて つゐに たをれ死けり 寛永十八年
の事也 しかれば仏法と申すは 人我(にんが)相をとゝめて
心をおさむるをもつて 詮とす まして僧法師は 大
悲心を もつはらとして 人を をしゆる者なるに愚
痴放逸にして 屍をあらそふ事 生ながら狗(いぬ)に似たり

イメージ 2

今は末代なれば さこそあらんからに 諸宗の愚入
道いつれも旦那をあらそひ 尸(しかばね)をうばひ合て 宗門の
恥をさらす まことにあはれなるかな

参考

東三河に岡といふ村=愛知県岡崎市岡町
旦那=布施、転じて布施をする人、檀家
住持=寺の主僧、住持職、住職
引導=仏語、衆生を導いて悟りの道に入らせること、死者を彼岸に導き済度する葬儀の儀礼
棒ごなし=相手の言い分を聞かずに、頭ごなしに
仏法=仏の説いた法、仏道
人我(にんが)=仏語、常住不変の我(が)のこと、我執
詮とす=煎じつめたところ、結局、結論とする
愚痴=仏語、三毒の一、心性が愚かで一切の道理にくらいこと、心の迷い
放逸=仏語、悪を防ぎ善を修することに対してだらしなく、精進を怠ること
さこそあらん=(あとに推量を表す語を伴って)そのことが十分に推察できよう


どちらの寺で葬式をするか、遺体を争う話です。
葬儀で喧嘩することなど、もってのほかですね。
作者の鈴木正三(しょうさん)、
「葬式仏教」への批判の目が、ここに見えますね。
さすがに徳川秀忠に愛された骨太の者です。

_______φ(.. ) 軽鴨の介


因果物語2-4

ちょっと怖〜〜い、仮名草子。
因果ものかたり 平仮名本     赤木文庫本複製  古典文庫
因果物語 巻二

四 寺屋敷を在家にして代々死たる事

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近江の国 土山の宿より半里ばかり西に 一乃瀬と云
在所あり 蒲生飛騨守殿知行の所也 比は十年斗
以前 丑の年の事なるに 一乃瀬と隣郷と境め
の論ある所に 一乃瀬に受泉房と云僧あり 右の
境め論を 何角とあつかひて 無事に済しけり
此よし飛騨守殿聞しめされ かの房主をめしよせら
れて あつかひたりとて 家老衆に仰せ付られ
さま/\馳走有て 酒をのませられしか あまりに
おほくのみける故にや 酔死けり 此故に かの寺の

イメージ 2

跡絶はて 寺屋敷は畑と成たり 寺号は徳林庵と云
禅宗也 此やしき つゐに在家に成て 又八郎と云
もの住けり ある時 この又八郎 土山へ行て酒に酔
て帰る道にて ぞく/\として わづらひつき 気違の
やうになり 我は受泉房也と名のり さま/\たはこと
をいふ 又家の棟に 大なる虵と成て居たり 子供
此虵をころし 串にさして捨れとも 明る日は 又
もとのことくなる虵来りて居たり 又八郎は大に
咽を乾かしくるしみつゝ つゐに死す その子をも
又八郎といふ これも土山より酒に酔て帰るとて
おやのことくに わつらひつき くるしみかなしめり
家の内に 禿(かむろ)来りてあらはれみゆ たゝき出せ
ば 外へ行をみれば 三間斗なる虵と成て にげ行
たび/\ かくのごとくにして 後つゐに我は受泉
房也と名のり さま/\ たはことをいふて 死けり 其
子をば 清三郎とそいひける 慶安元年卯月の初
ころに 土山より酒に酔て帰るとて 案のことく
わづらひ付て 咽かはきて 水をのむ事かぎり
なし 腹の中 もゆることくなり あらくるしや とて
やがて 目つぶれ 腰ぬけて悲しむ故に 山伏を頼み
さま/\祈祷すれとも すこしもしるしなし 受
泉房 かたちをあらはして 家の中に出来たるを 追

イメージ 3
近江の国 一乃せ

出せば 窓より出て行をみれば 大なる虵なりける
かけてゆけば 受泉房が塚の卵塔の中へ入けり
あまりにせん方なく 丑の年五月七日に 本秀和
尚を頼みて とふらひけるに その日の暮かたより
咽のかはき止けり 一両日とふらひける所に くるし
みも とゞまり 本復す おなしき九日には血脈を
したゝめて 卒塔婆をかき かの屋敷につかはし
卵塔にたて 血脈をおさめ くやうしけるうちに
両の目も あきらかになり ぬけたる腰も たちて
すきと本復し侍へり

参考

近江の国=別称は江州、現在の滋賀県
蒲生飛騨守=蒲生氏郷(がもう-うじさと)
虵=蛇の異字体
慶安元年=1648年
本秀和尚=江戸時代前期の鈴木正三の門人であった三栄本秀のこと、
      香嵐渓のもみじはこの和尚が植えたとか??
卵塔=台座上に卵形の塔身をのせた墓石
血脈=けちみゃく、師から弟子へと代々仏法を正しく伝えること、血脈相承、
    在家の受戒者に仏法相承の証拠として与える系譜

\¤\᡼\¸ 5
執心って怖いね!
寺屋敷に取り憑いたようです。
しかし、飲み過ぎで死ぬとは!

_______\¤\᡼\¸ 2 軽鴨の介

因果物語2-3

ちょっと怖〜〜い、仮名草子。
因果ものかたり 平仮名本     赤木文庫本複製  古典文庫
因果物語 巻二

三 金に執心を残して虵に成たる事

イメージ 1

おなしく小田原に 或寺の住持の僧 死して後に
大なる虵来りて かの寺の棟に居たり 弟子とも
此虵をころし捨たるに 又おなしほとなる虵きた
りけり たひ/\に及へども 跡より来りて居る
ある人のいはく 此虵は さだめて死したる先住の
僧成へし いかさま棟の上に 金を かくしをかれ
たるか見給へといふ さらばとて 棟のあたりを
みれは 案のことく 黄金五両を合掌の組合に
ふかく包てあり 即 此かねをとりて念比に とふら
ひけれは 虵 こたび来らすと 高木何かし殿の内衆
内田一郎右衛門尉 物語有けり

参考

住持=寺の主僧を務めること、住持職、住職
虵=蛇の異字体
棟=むなぎ
黄金五両=慶長小判5枚かな
合掌の組合=二本の斜材を左右から組み合せ、上部の重みを受けるようにしたもの。合掌造り
即=すなわち
念比=懇ろ、 心がこもっているさま
内衆=使用人・家来など

イメージ 2
地底で錬金術ドワーフ・スマイリー

お金が無いから、執心も出来ない。
その日が暮らせれば良いか!?

_______\¤\᡼\¸ 2  軽鴨の介


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