伊勢物語と仁勢物語

パロディーと諧謔の、仮名草子。

本朝美人鑑

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絵入 本   朝   美   人   鑑


本朝美人鑑 巻㐧一
香久夜姫(かくやひめ)

イメージ 2

香久夜姫、2回目です。
五人の求婚者、
限りを尽くして哥を送ります。
石上丸(いそのかみまろ)の哥が、
一番良かったので、
な、なんと!香久夜姫と、
一夜を共にしたのです。
驚きですね〜〜


(・・・したがい侍らんと こたへけり)翁げにもと 思ひ件(くだん)
五人のかたへ 如此(かくのごとく)こまやかに いひおくり侍れは 彼人々渡りに
舟よと よろこばしく いづれも心底をみがき 筆をふるひて 歌
を かきつかはしける 有さまひとへに 訴人の目安を 認(したゝめ)て 奉行
所へ さゝげつるに さもにたるなど 世の人の口の葉にも 上りしと
かや
                    石綿御子(いしつゞりのみこ)
春霞 たなびく山の 姫こまつ いかでつれなき 色を見すらむ

                    倉持御子(くらもちのみこ)
天雲の 隙もとめつつ もる月を ほのみしよりも ぬるる袖かな

                    阿部三村(あべのみむら)
数ならぬ 身をしる雨は 隙そなき 嵐はげしき 雲の景色に

                    大伴御徃(おほとものみゆき)
哀をも しらぬ心は はかなしや 此よの外の むくひある世に

                    石上丸(いそのかみまろ)
ことはりの 我身の程は わすられて おろかや人を うらみつる哉

此哥どもを ひろげて かくやひめ つく/\゛と 詠められけるに 中に
も 石上丸の哥 心にかなひて いみじく覚えければ これにめでゝ
いさゝか 心よはくなれり さらばとて 此人をむかへつゝ 一夜ばかり
の情 いと不浅(あさからず)侍れば 石上丸も かぎりなううれしくて 其後又あひみん
事を いひ送りけれと 此姫 かたく辞して ゆるさず


春霞・・・=春霞が棚引く山の小さな姫小松・香久夜姫よ、
  どうしてそんなにつれない色を見せているのでしょう、私に是非なびいてください。
天雲の・・・=天の雲の透き間を探しつつ見る月を、
  ほんの少しだけ見る(姫をほんの少し見る)ことにより、感動して濡れる袖の袂です。
数ならぬ・・・=取るに足りない身の程を知らせてくれる雨は、
  嵐の激しい雲の気色に似て、貴女を慕って思い荒れ狂っています。
哀をも・・・=恋の哀れみを知らない心は、はかないものですよ。
  この世の外にも、報いがある世があるんです。だから愛をください。
ことはりの・・・=もっともなことに、焦がれすぎて身の程を忘れてしまい、
  おろかにもあの人を恨んでしまうとは。こんなに愛おしく思ってます。

一般的な「かぐや姫」は、
誰とも結ばれること無く過ごしたんですが、
こちらの話では、石上丸と一夜を、
一緒に過ごしちゃいました。
二度目は無いけどね!
あと御門も求婚者として最後に登場するけど、
こちらの話では、無しです。
軍勢が「かぐや姫」を、守る場面も有りませんね。
大筋では、「竹取物語」ですが、
随分と違っていて面白いですね。
昔話は、ひとつでは無いんですね。
いろいろなバリエーション、それも楽しい発見。
古典って面白いね。
\?\᡼\? 12軽鴨の介


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本朝美人鑑 巻㐧一
香久夜姫(かくやひめ)

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私たちが知っている「かぐや姫」とは、
チョット違うんですよ。
3回に分けてお届けしますが、
2話目は、注意して見落とさないようにね!
まず最初は、お爺さんが、
竹の中から香久夜姫を見つけ、
大きくなると美しさ故、求婚者が登場。

←創作漢字コンテストから「かぐや姫」の創作漢字


古き物語に云く 昔 仁明天皇 承和の比 竹取の翁といふ
人あり あるとき竹の林に入て 竹を切取けるに 竹の中
より あやしき光さし おもはざるに うつくしき姫一人を 求
出しけり 容色世にたぐいなく 物ごしは さながら かりやうびんが
とも あやしむばかりなれば おきな いとうれしく思ひ すなはち か
くやひめと名づけ 家にやしないつゝ 日にしたがひて もてなし
けり 此事 世上にかくれなければ 色ごのみなる人々 たかき いや
しき 老若の さかいなく 六根を なやまし 胸に火をたきて
此娘に いひよりけれど 本より かくや姫 心づよくおはしけるうへ
さしよりにとかふのいらへなどもおはさで あかしくらされける その比
取わけ 此娘のもとへ 文かよはし おこたらずしたひける人々 一人
は石綿御子 一人は倉持御子 一人は阿倍の三村 一人は大伴の御徒
一人は石上丸 此五人は 文の数も同じやうにつもりて 明くれ 恋
やむひまもなし 然(しか)れ共 これらのかたへさへ 猶返事も し給はず
つれなう 聞えける程に いつしか翁きゝつけて 姫にむかひ あまり
に 人の心ざしを 失なふは 其つみいとあさからず 何事か はべるべ
き まげてゆるし給ひなんやと いさめ こしらへけれは 姫もさすが
のがれかたくて 然らは 五人の人らに 哥よませ 其哥の心深く 面
白き方に したがい侍らんと こたへけり

仁明天皇 承和の比=平安時代初期の第54代天皇、承和は834〜848年までの期間
かりやうびん= 迦陵頻、迦陵頻伽、極楽浄土にいるという想像上の鳥
   日本では美しい女性や芸者・花魁、美声の芸妓を指してこの名で呼ぶこともある。
六根=心的作用にはたらく六つの器官、眼根・耳根・鼻根・舌根・身根・意根の六つ
さしより=指寄り、はじめ、最初。さしあたり、まずもって
いらへ=答へ、返事、返答
こしらへけれは=拵えければ、あれこれ手を尽くして機嫌をとること
姫もさすが のがれかたくて=香久夜姫もさすがに、多くの人を惑わす罪から逃れがたくて

一般的な「竹取物語」では、
「御心ざしのほどは見ゆべし」と、
五人の求婚者にかなり難しい難題の品物を、
持って来るよう要求しますが、
こちらの話では、「五人の人らに 哥よませ 
其哥の心深く 面白き方に したがい侍らん」と、
哥比べになっていますね。
香久夜姫、その内の一人に、
「したがい侍らん」とするでしょうか?
香久夜姫のピンチです。
次回をおたのしみに!

\?\᡼\? 12軽鴨の介

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本朝美人鑑 巻㐧一
小野頼風妻(をのゝ よりかぜ つま)

男山の女郎花の花の謂われと、
その後の「夫婦の塚」への御幸など。
付録「合字」について。
小野頼風妻、最終回。


(・・・水のそこに しづみけり)
これより此草花を 男山の女郎花 と名づけて
むかしイメージ 2(より・合字) 詩につくり 哥に多くよみ来れり 又八幡の里に 頼風
夫婦の塚有 中昔 後土御門院の 御時 忝(かたじけなく)も 天子 女郎花の
記を あそばされ 御製の歌など そへさせ給ひて やわたに
くたし給ふと いへり ありがたかりし事なり 愚 按ずるに
夢庵老人の かける歌の抄物の中に 頼風が妻の歌
とて

  手折(たをり)つゝ 三世の仏に 手向して 花にうきをも いさ忘ぐさ

とあり 此ことば やさしくおかしなどかけり 但し此哥 二十一代
集 その外 むかしの草子等に所見なし 唯 ふるく 世に
いひつたへたるまでと みえたり


イメージ 3(より)=「より」と読みます。「合字」、古典や漢文などで使います。
後土御門院=在位1464-1500年
愚=一人称の人代名詞、自分のことをへりくだっていう語
夢庵老人のかける歌の抄物=夢庵戯歌集か??
三世の仏=過去・現在・未来の三世の仏のこと、
手折つゝ・・・=手折りながら三世の諸仏に女郎花を供え、
   この世の憂きをも、忘れ草(の花)


以前にも少し「合字」のこと、
書いた記憶がありますが、おさらい。
古文や漢文では、たまに「合字」が出て来ます。
「複数の文字を結合した文字」です。
イメージ 4=より
イメージ 5=こと
イメージ 6=トキ
イメージ 7=トモ
覚えていても損は有りませんから、覚えておきましょう。

現代の合字→創作漢字の紹介
  イメージ 8 イメージ 9 イメージ 10
おもしろいよ〜〜、創作漢字コンテスト

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本朝美人鑑 巻㐧一
小野頼風妻(をのゝ よりかぜ つま)

小野頼風妻の2回目です。
音沙汰の無い夫の家を訪ねて、
石清水八幡宮の近くの家に来ると、
家人が頼風の君は、「親しい女郎の所へ」と・・・。
さあ〜、大変。ただでさえ嫉妬深く心配性の妻。
「私という妻がいながら、親しい遊女??、ありえな〜〜い。」
とうとう身投げし、黄色の小袖は女郎花にメタモルフォーゼ。
そして頼風の君も、ついに後追いに。


(・・・妻は 夫の事のみ 心にわするゝひまなし) 漸(やうや)
日数つもりて 約束しつる比なれど 頼風はおとづれもせず 文
だに見え来らねば 妻は思にたへかね 八幡のさとに下りゝ 夫の
家のまへにて あないしたるに 内より たそ と答へければ 自は
頼風の妻なり 此比は 上り給はんやうに かねて いひさだめつれ
ど おとづれもなければ 覚束なさのあまりに かくこそ 詣で来れり
といふ その時 人出て 御仰は さる事なれど 頼風君は 此あたりに
親き女ろう有て 朝夕そのもとへのみ もふで給へり 唯今もその
かたなどへ行給はんにやといひければ 此つま心よりほかの事かなと 深く
うらみかなしみて泪を袖につゝみ なく/\立帰しが かく斗(ばかり) 世に
すてられ侍も力なし 所詮 あいおもはぬ中の契は せんなし ともかく
も 成はてんと思切て やわたの川の 深所にいたり 黄なる小袖を

かたはらの 岩の上に打かけ 遂に身をなげ空しくなれり 姑(しはら)
有て 頼風 帰来れば 内の下部(しもべ) 君の御留守に都がたより しか
/\の女性 尋来りたまふに 君は外へわたらせ給ふといへば いと
悲しう泪にしづみて帰り給ふと 有のまゝにかたりけり 頼風
驚て やかて 其跡をしたひつゝ かなた こなたと もとむれど
人もなし 川岸の岩のうへに 黄色なる衣を うちかけたる所有
立よりて つく/\とみれは 都の妻の小袖也 こはいかなる事にや
と きも魂も身にそはず 水のそこにとび入 はかなきしがいを
引上 なきさけべども かひなし 死がいを かしこへうづみ それより
都に上りけるが うちつゝきて隙なきつとめ出来り 里へ下り
侍らんも かなはず 人をつかはして黄なる小袖を 上せよと

いへば 八幡よりの返事に 其小袖は雨露にぬれ くさり 黄なる
花に変じけりとぞ いひこしける 頼風 まことしからずは
思ひながら 其有様をも 見まほしくて いそぎ やわたへ至り
て みれば案のごとく 黄なる草はな 咲みだれたり 頼風 かえす
/\ 悲しくて 花のもとへ立よれば 此花 恨たる躰にて 夫の
よればなびきのき 又 立のけば本の如くに成にけり 頼かぜも かれこ
れの 悲ひに 命いきても何ならんと 遂に身を いたづらに水のそこ
に しづみけり (続く)
イメージ 2
オフェリアも思い出したから

内の下部=家の雑用に使われる者、召使い
やわたの川=能の女郎花では、放生川

能の「女郎花・おみなめし」では、
「其塚より女郎花一本生ひ出でたり。頼風心に思ふやう、
さては我が妻の女郎花になりけるよと。」
墓塚から女郎花が生え出て来ましたが、
こちらの話では、
「小袖は雨露に濡れ腐り、黄なる花に変じけり」で、
小袖から女郎花が生え出たようです。
それにしても、「内の下部」が余計なことを!

yoshyは、おネーチャンがいる所へ飲みに行ったなんて、
絶対に言わないもんね。証拠は残しませんよ〜
\?\᡼\? 12軽鴨の介



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本朝美人鑑 巻㐧一
小野頼風妻(をのゝ よりかぜ つま)

本朝美人鑑の4人目は、「小野頼風妻」です。
小野頼風とその妻は、いつまでもアツアツです。
でも離れ離れで暮らさなければならなかったようです。
頼風の妻、とても愛情が深く心配性でもありました。
妻としての役目を立派に果たす美女でした。
でもある面、独占欲が強く嫉妬深かったのかも知れません。
夫が約束の日まで帰ってこなかったら・・・、
今日を最後に戻ってこなかったら・・・、
お手紙は必ずくださいね・・・等々。
もう、心配で心配で。


敏達天皇の御末に 小野頼風といふ人有 此妻 頼風
に なれそめてより 年月をふるまゝに つかのまも 夫には
なれず こまやかに 婦妻の道をつくしけり 殊にかたち
より 心ざまにいたるまで 世にたぐひなく聞えけり 扨 夫の
頼風は つねに八幡(やわた)を住家として 妻は都に住しめたり
ある時 夫 都にのぼり 四五日も逗留し かはらぬ むつごと
など へだてなくかたりあひ あすは又 八幡のさとにかへり侍
らん あなかしこ いつの日比には たがはす 来るべきといひければ

此妻 なみだをながし 折々のぼらせ給ふには かくこまやか
なる 御こと葉もなし けふの御いとまごいこそ しめやかなれ
人として 遠き別(わかれ)の折ふしは いとこそなつかしう したしむ
物なれと いひつたふれば 若(も)し けふをかぎりの 御いとま乞にて
長きわかれ共なるべきにやと おしはかりて あらぬ事まで
思はれ侍り かへるさの道すがらも 相たへて つゝしみ給ひ 里
に くたりつき給はゝ はや/\ 文をたまはりて みづからが心をやす
め給へかしと かきくどきければ 頼風 聞えもあへず これは事
あたらしき 仰かな いかで さる事あらん やがてこそ のぼり侍
らんと 月日をさだめて 八幡の里にくだりけり その明
る日より 妻は 夫の事のみ 心にわするゝひまなし・・・(続く)


敏達天皇=在位572-585年
なれそめ=馴染・馴初、親しくなりはじめる、なれそむ
八幡(やわた)を住家=石清水八幡宮、京都にある
むつごと=睦言、男女の寝室での語らい
あなかしこ=ああ、恐れ多い、恐れ慎み、恐縮する感情などを、感動的に表わす慣用句

挿絵の男の脇に「朝比奈三郎義秀」と書いてあるけど、意味不明。
馬鹿力の人の名みたいです。

yoshyにも、新婚早々、
こんな事はあったような?
無かったような?
忘れました。アホらし・・・。
\?\᡼\? 12軽鴨の介

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