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伊勢物語(第102段)仁勢物語(第102段)
伊勢物語(第102段)
むかしおとこ有けりうたはよまさり
けれと世中を思しりたりけり
あてなる女のあまになりて世中を
思うんして京にもあらすはるか
なる山さとにすみけりもとし
そくなりけれはよみてやりける
そむくとて雲にはのらぬ物なれと
世のうきことそよそになるてふ
となんいひやりける斎宮の宮也
仁勢物語(第102段)
をかし男有けり謡はうたはさりけれと世の中の小哥を
知たりけり衝(カフキ)する若衆の座にありよの
中を思ひうむして京にもあらす遙なる田舎に住けり姉
なる女のもとの子息也ける男よみてやりける
驚破(ソヨヤ)とて雲にはのらぬ舞なれと
よの哥よりはよくそあるてふ
となんいひやりける左門か跳なり
参考1(第102段)
うたはよまさりけれと=歌人というほどではないが、謙遜した言い方(伊)
世中=男女の仲、男女の仲を充分わきまえていた(伊)
あてなる女=貴なる女、高貴な女(伊)
思うんして=思い倦んじて、嫌になって(伊)
もとしそく=元々親族(伊)
雲にはのらぬ物なれと=仙人になって雲には乗らないが(伊)
そむく=世俗から背いて出家する(伊)
斎宮の宮=恬子内親王か(いとこ)、69段の伊勢の狩の使の後日譚(伊)
謡=能の詞章、節をつけて謡うこと(仁)
小哥=民間で流行した歌謡、室町時代の俗謡←→大歌(仁)
衝(カフキ)=歌舞伎、「衝」に「カフキ」ルビの理由は不明でした(仁)
驚破(ソヨヤ)=そよや・すはや・きょうは、吃驚したときに発する言葉(仁)
左門=歌舞伎役者の名か、舞台で跳ねたか(仁)
「あてなる女の尼になりて」、一切男女関係が無くなることを意味するので、それ以前、少なくても手紙などでは「なまめいた恋文」など、有ったんだろうか?と、勘ぐってしまいます。
「尼になりて」で、恬子内親王と業平の関係、一区切りとしたいが、まだ104段がある。
_______________________________________φ(.. ) 軽鴨の介
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伊勢・仁勢物語
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仁勢物語(第101段)
をかし左兵衞のかゝなりける蟻腰の雪女と
いふ有けりその人の家によき酒うると聞て
うへに有ける酒奉行を鰒〈ふぐ〉汁◎(魚+昌で1字、ナマカツホ)
烏賊〈いか〉鯔(ナヨシ)乾(マラト)散(カラス)なと
なんその日の料理にしたりける興ある人にて甕(カメ)
に酒を入たり其酒の中に醴(アマサケ)葡萄酒なと有けり
酒の入事三斗六舛はかりなん入けりそれを題(タイ)にて
よむに讀はてかたに明石の目張なとあるしし給ふと
聞てもてきたりけれはとらへてのませけるもとより
酒の事は飮まさりけれは拒(スマイ)けれとしゐてのませけれ
はかくなん
酒甕(カメ)のはたにならべる人をおほみ
ありの熊野へまいる躰かも
なとかくしもよむと云けれは大酒の醉くはゝれる
盛にまかりて藤緘(カラゲ)の酒林を思ひて讀(言偏ではなく禾編)る
と云けれは皆人けにもとおもひけり
参考1(第101段)
左兵衞=百官名(ひゃっかんな)、主に武士が称した官職風の人名をいう(仁)
かゝ=嚊・嬶・母、妻をいう語、かかあ
蟻腰の雪女=ウエストがきゅっと細い、色白の女性か?
酒奉行=役職名であるけど此処では宴席で酒の世話をする人 http://th435.photobucket.com/albums/qq74/skooterbumm/th_icon_beer.gif
鰒〈ふぐ〉汁=フグ汁
(魚+昌で1字、ナマカツホ)=真魚鰹、西京焼きで旨い
鯔(ナヨシ)=ボラ、またはその若魚イナの古名
乾(マラト)=乾煎り(からいり)したものか?
散(カラス)=不明
醴(アマサケ)=米の粥に麹をまぜ発酵させて作る甘い飲み物、ひとよざけ、こざけ
葡萄酒=ワインではなく葡萄絞り汁と焼酎と砂糖を混ぜて熟成した物か?
三斗六舛=1斗は18リットル、舛は升か?
讀はてかた=みんなが読み終えた頃
明石の目張=煮付けで旨い
拒(スマイ)けれとしゐてのませ=拒んだけど無理に飲ませた
はたにならべる人をおほみ=酒瓶の周りに人が多い
ありの熊野へまいる=蟻の熊野参り、参詣人を引き合いに出したたとえ
藤緘(カラゲ)の酒林=藤蔓でからげた杉玉
けにもとおもひけり=実(げ)にも、いかにも、なるほどと思った http://tastelikepizza.com/nucleus/plugins//emoticons/default/icon_rolleyes.gif
参考2
杉玉は、新酒が出来たことを知らせる役割を果たします。吊るされたばかりの杉玉はまだ蒼々としているが、やがて枯れて茶色がかってくる。この色の変化が、人々に新酒の熟成の具合を物語ってくる。
また酒は樽材として最高と言われる、「吉野杉」を使用した樽などに貯蔵した。樽材への「こだわり」が香りを生み出す。
また、真新しい杉で作られた升で飲む升酒も、杉の香りが何とも旨い。我が家には、95・97・01年のスワローズ優勝の時の一合枡があるが、それで飲んだお酒は美酒でしたよ。今年のスワローズ、頑張って欲しいな!
______________________________________φ(.. ) 軽鴨の介
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酒飲みは、蟻の熊野参るが如く人おほし
なるほど!げにも!
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仁勢は次回です。
伊勢物語(第101段)
むかし左兵衛督なりける在原の
ゆきひらといふありけりその人の家
によきさけありときゝてうへにあり
ける左中弁ふちはらのまさちかと
いふをなむまらうとさねにてその
日はあるしまうけしたりける
なさけある人にてかめに花を
させりその花のなかにあやしき
ふちの花ありけり花のしなひ
三尺六寸はかりなむありける
それをたいにてよむよみはてか
たに
あるしのはらからなるあるしゝ
たまふときゝてきたりけれはとら
へてよませけるもとよりうたのことは
しらさりけれはすまひけれとしゐて
よませけれはかくなん
さく花のしたにかくるゝ人をほみ
ありしにまさるふちのかけかも
なとかくしもよむといひけれはお
ほきおとゝのゑい花のさかりにみま
そかりて藤氏のことにさかゆる
を
おもひてよめるとなんいひけるみ
なひとそしらすなりにけり
参考1(第101段)
左兵衛督=左兵衛府の長官、従五位上相当、つはもののとねりのつかさ(伊)
在原のゆきひら=在原行平、平安前期の歌人、阿保親王の第2子、業平の兄(伊)
よきさけあり=よい酒がある(伊)
うへにありける=清涼殿の殿上の間に出仕できる身分、清涼殿は天皇が常住した建物(伊)
左中弁=左弁官の次官、正五位上相当(伊)
ふちはらのまさちか=藤原良近、式家、式部卿宇合を祖とする日の当たらない藤原氏(伊)
まらうとさね=まらうどざね、客実・賓実、主たる客、主賓(伊)
あるしまうけ=饗設け、客を迎えてごちそうすること、もてなし(伊)
なさけある人=「なさけ」は風情・おもむき、風流な人(伊)
あやしきふちの花=変わった藤の花(伊)
しなひ=撓ひ、しなやかな曲線(伊)
三尺六寸はかり=1.1メートルぐらい(伊)
あるしのはらから=主の同胞、業平(阿保親王の第5子)(伊)
すまひけれとしゐてよませけれは=抵抗したけれど強いて哥を詠ませた(伊)
人をほみ=人多み(伊)
ありしにまさるふちのかけかも=以前にまして・在氏にまして藤氏の大きな影であることよ(伊)
なとかくしもよむ=どうしてこのように詠むのですか?(伊)
ほきおとゝのゑい花=太政大臣藤原良房の栄華、藤原良房は北家で隆盛である(伊)
みまそかり=いらっしゃる、在そがり・いまそがりの音変化(伊)
みなひとそしらす=皆人誹らず、普通と違う藤花の詠み方だが
藤原氏を褒めているので非難しなくなった(伊)
参考2
藤原北家の強大な力とお追従、式家さえにも気兼ねする。業平の微妙な哥の真意・深意は?
阿保親王の子どもたちが臣籍降下して「在原氏」になっていく、
一方「藤原氏」は外戚で伸し上がっている。
伊勢84段で「母なん宮なりける」という業平の言葉と合わせて、「在氏に優る藤氏」を解釈したい。
業平は、平城天皇の孫・桓武天皇の曾孫、母方をたどれば桓武天皇の孫。
血筋は天皇家の嫡流でもおかしくない。
「枕草子」の中で「しなひ」が、使われてました。
藤の花、しなひ長く、色よく咲きたる、いとめでたし。
しなひ長く、色よき青首、うらやまし。
_______________________________φ(.. ) 真鴨は嫌いです。軽鴨の介
軽鴨は実は長く飛べないんです。渡りの出来ない留鳥です。
真鴨と比べて、軽鴨は美味しくないので食べないで!
http://acidcow.com/engine/data/emoticons/37.gifhttp://www.gifanimations.com/GA/Image/Animations/Animals/ducks/ducks_010.gif
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伊勢物語(第101段)仁勢物語(第101段)
少し長いので本文のみ。次回以降、分割して参考(解説)入れます。
伊勢物語(第101段)
むかし左兵衛督なりける在原の
ゆきひらといふありけりその人の家
によきさけありときゝてうへにあり
ける左中弁ふちはらのまさちかと
いふをなむまらうとさねにてその
日はあるしまうけしたりける
なさけある人にてかめに花を
させりその花のなかにあやしき
ふちの花ありけり花のしなひ
三尺六寸はかりなむありける
それをたいにてよむよみはてか
たに
あるしのはらからなるあるしゝ
たまふときゝてきたりけれはとら
へてよませけるもとよりうたのことは
しらさりけれはすまひけれとしゐて
よませけれはかくなん
さく花のしたにかくるゝ人をほみ
ありしにまさるふちのかけかも
なとかくしもよむといひけれはお
ほきおとゝのゑい花のさかりにみま
そかりて藤氏のことにさかゆる
を
おもひてよめるとなんいひけるみ
なひとそしらすなりにけり
仁勢物語(第101段)
をかし左兵衞のかゝなりける蟻腰の雪女と
いふ有けりその人の家によき酒うると聞て
うへに有ける酒奉行を鰒汁◎(魚+昌、ナマカツホ)烏賊鯔(ナヨシ)乾(マラト)散(カラス)なと
なんその日の料理にしたりける興ある人にて甕(カメ)
に酒を入たり其酒の中に醴(アマサケ)葡萄酒なと有けり
酒の入事三斗六舛はかりなん入けりそれを題(タイ)にて
よむに讀はてかたに明石の目張なとあるしし給ふと
聞てもてきたりけれはとらへてのませけるもとより
酒の事は飮まさりけれは拒(スマイ)けれとしゐてのませけれ
はかくなん
酒甕(カメ)のはたにならべる人をおほみ
ありの熊野へまいる躰かも
なとかくしもよむと云けれは大酒の醉くはゝれる
盛にまかりて藤緘(カラゲ)の酒林を思ひて讀(言偏ではなく禾編)る
と云けれは皆人けにもとおもひけり
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